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夢幻鉄道Coverの映像について

先日公開させていただいた夢幻鉄道 主題歌のCover(星空のタイムラプスver)https://youtu.be/RiOEETayIr8  の映像をどう考えて作ったのかのメモです。


これは、もともと音楽担当のtiny little charm バンさんへ向けて書いた文章を手直ししたものです。

映像(特にMV)については超初心者ですが、販促系のデザイナー目線でこういうこと考えて、映像をつけたと知っていただけるように文章にしてみました。


まず tiny little charm の音楽と 自身の作る星空の映像の共通点を考えてみました。キーワードは「癒し」です。
自身の星空も、写真や動画へのご感想でよく言っていただけるので、そう判断させていただきます。

歌詞に切ないストーリーが込められているので、音楽と映像を最後まで見てくれた方が、あたたかい気持ちで涙してくれたら、それが最高の到達点だと考えました。

また、日々立ち止まって ちょっと癒されたい時、思い出して 何度も見てもらえるものにしたいなと思いました。


そして一番大事にすべきは、夢幻鉄道と西野さんの作品の世界観です。

オンラインサロン内で 西野さんが公開した夢幻鉄道のストーリーや、他の作品の知識を詰め込みました。

その上で歌詞を大事にして、夢幻鉄道や西野さんの作品全般の世界観に沿った映像を目指しました。


映像の素材は 3年間撮りためた星空のタイムラプスからのセレクト。街の夜景は今回用に撮りおろしました。

設定を、星空=夢の中の世界、街の夜景=現実として、歌詞を軸にしたストーリー仕立てで作っています。


以下では 音楽や歌詞に対する 映像について一つずつ記します。(ここからかなり長いのでご注意ください)


【イントロ】
西野さん作品の全体から見ると、世界中の人々の夢は「Dr.インク」が脚本を書いています。なので、イントロでは夢の方が、今回の主人公を迎えにくるイメージの映像にしました。(サンポーニャが運んでくる、夢の詰まった飴玉の中身をチョイ見せするイメージです)

今回の主人公の夢はラストのサビまでにしたので、そこまでのイメージにあった映像をチョイスしました。

【1A】
夜が眠りにつく頃
とつぜん渡されたこの時間は
あの日、願いをかけた
流れ星の出来心か

「夜の活動を終え人々が眠りにつく頃」と解釈して、夜景(人々の夜の活動)から段々離れ、夢の中の世界(星空)へ入っていく様子を描きます。
光の汽車にのって、夢の世界へ旅立つイメージもあります。

【1B】
赤い赤い月を浸した 
海の向こうから鳴り響く
終わりの汽笛に背を向けて 
僕ら手を繋いだ

月が浸されてるのは昇る前の東か、沈んだ西の海です。
月が出たら星空は見えにくくなるので、今回の設定では終わりが近づくなら東の空から。
東の空から星が昇る映像を使用しました。サビへ向けだんだん高鳴る感もイメージ。
「背を向けて」で海に背を向けた映像に切り替えます。

【1サビ】
叶わない願いと知りながら
手探りで駆けた 夢幻の夜は
キミとの時間が 幸せだったと
今頃になって教えてくれた

雲が多い暗い夜を手探りで駆けて、たどり着いた夢幻の夜(輝く星空)の中で、主人公はこの世界が夢の中だと気づき「キミとの時間が 幸せだった」と思います。そんなイメージの映像です。

【間奏】
物語の1章が終わり、次に過去の心象風景が混じる2章がはじまります。
木々に囲まれた中で夜空を見上げる映像に、タイトルのアニメーションをつけ一旦区切ります。

次からが、夢幻鉄道の物語の核だと捉えました。
夢の中でしか会えない、大切な人との最後の印象的な思い出を、満開の桜を見た日という設定にしました。
その大切な人は、人によって、親友だったり、恋人だったり、親族だったり、まちまちだと思います。
ただ多くの人にとって、その人との思い出の中に、故郷の風景や、桜があるのではないかと考えて、以下の映像を選びました。

【2A】
時計を忘れたキミが
この先ずっとそのままで
ボクだけ変ってくなんて
ほんと悪い冗談だ

故郷をイメージさせる、田園風景の映像をゆっくり流し、歌詞と歌をじっくり聞いてもらいたい。
見てもらった方のそれぞれの記憶も歌詞とリンクするように。

【2B】
いつも遅刻してくるキミに 
怒ってたあの頃のように
待ち合わせなんて できないんだから
今は横にいてほしい

映像を切り替えて別の田園風景(【2A】からイメージは継続)
昇る星空で【1B】と同じくサビへ向けてだんだん高鳴る感をイメージ。
途中「あの頃のように」で桜の映像を挟みます。いずれも過去の心象風景的なイメージです。
(2番はここまで水田に水を張る季節「春」で合わせています)

【2サビ】
この世界が長くないことも
もうすぐこの手が解けることも
どうか どうか まだ言わないで
わかってる わかってるよ
わかってるから

ここから夢の世界が崩れはじめます。
雲が夢の世界(星空)を崩す元凶のイメージです。
やがて雲に覆われて、夢の世界が終わります。
雲がそんな動き方をする映像を選びました。

【間奏】
完全に雲に覆われて夢の世界が終わったことをイメージさせる映像を使用します。

【3A?】
「サヨナラ」を言いそびれた
こんなにノロマなボクでも
今度も見つけられるように
キミはあの日のままなんだろう?

2番で「サヨナラ」を言いそびれた主人公が、半分夢の中で、今見た夢と思い出のことを考えます。(まだ完全に起きてはない)
「キミはあの日のままなんだろう?」主人公と大切な人の思い出の日を、満開の桜を見た日と設定。黒枠は思い出感を表現しています。

【3B?】
光の 汽車に揺られながら
また 会いにくるよ

汽車の車窓からの風景のイメージで黒枠を継続してます。回想の意味もあります。

【ラストサビ1】
叶わない願いと知りながら
手探りで駆けた 夢幻の夜は
キミとの時間が幸せだったと
今頃になって教えてくれた

再び夢の世界へと戻った主人公。
今度は俯瞰で、この世界を眺めます。
「キミとの時間が幸せだったと」で過去の振り返りをイメージした映像。
「今頃になって教えてくれた」で今見てる風景に戻ります。

【ラストサビ2】
この世界が長くないことも
もうすぐこの手が解けることも
どうか どうか まだ言わないで
わかってる わかってるよ
わかってるから

星と岩と水面だけの鏡面世界。一番、現実感のない(幻想的な)映像を選びました。ラストは夢の中のような映像で、ただただ歌と歌詞を聞かせたい。

【LALALA…】
主人公が目を覚まします。現実を街の夜景で表現。
映像を被せたのは、寝起きの 夢と現実の境界線が曖昧なイメージです。

この後は、街に暮らす、たくさんの人のたくさんの夢が再生されるイメージです。(サンポーニャがたくさん飛び回ってることでしょう)

主人公だけじゃなくて、いつも笑顔の人も、怒りっぽい人も、ぶっきらぼうに見える人も、人はそれぞれ様々な過去や思い出を持って生きています。

そんな人々がそれぞれの想いをもって、夢幻鉄道に乗って 着いた夢の世界を、少しずつたくさん描きます。


やがて街に朝が来て、それぞれが生きる今日がはじまります。

主人公の思い出の世界にも朝が来て、物語は終わります。


以上そんなことを考えて映像を作りました。

今日がやさしい世界でありますように。

MVのURL  https://youtu.be/RiOEETayIr8

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