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確定申告(RSU)

割引あり

確定申告について綴っていくシリーズ。
前回「大家さん」についてまとめました。

そして今回、満を持して。。

RSUの確定申告です。(2024年版)
似たようなものに Stock Option(ストックオプション)という仕組みもあります。こっちもややこしいです。いつか書きます。

税に関する情報は日々変化しているので、最新情報は引き続き専門家に確認することを強くおすすめします。

ここ数年、RSUを採用する企業は増えており、そこそこ情報がおちてます。ブログとかたくさん見つかります。ワイもそういうの見つつ、確定申告会場で係の人に聞いて覚えました。


RSU(Restricted Stock Unit)とは

RSU:(制限付き株式ユニット)
主にアメリカ系の外資系企業で実施されている報酬制度です。この報酬は、自社の株式で付与されます。数年に渡り、毎年ちょっとずつ社員に株が譲渡されます。賞与の一部として付与というケースもあります。
この複数年かけるのは、雇用した社員に長く働いてもらいたい。という意図があります。株は金銭的な価値があるので、「収入」とみなされます。

収入がある=納税対象

そしてこれは、給与かつ源泉徴収されていないので、課税対象金額自分で計算する必要があります。なお、株式が付与されていることは税務署バレバレなので、やらないと必ず追徴課税されます。めんどくさいけど、絶対やりましょう。

とはいえ、株式 ≠ 現金なので、収入の金額を把握するのが容易ではない。あのさー、いつ何株もらったのかバレてんならそっちで計算してくれない?
┐(´д`)┌ヤレヤレ

RSUに関するしんどいところはこちら

RSU 用語:Grant / Vest / Sell
この番号の順番で発生すると思ってください。

  1. 権利付与(Grant)
    何らかのタイミングで、「m月d日に、n株あげます」という情報が発生します。が、これは未来の権利を頂いただけで、収入にはなりません。無視しましょう。その日まで会社に在籍していないと意味がないです。

  2. 権利確定(Vest)
    Grantで決まった日に、決まった数の株式が証券口座に「入庫」されます。ログインして口座をチェックしましょう。
    これは給与所得なので、確定申告が必要です。今回のメインはこのお話。

  3. 売却(Sell)
    これは、株式の売買を行っている人ならいつものことです。利益が出たら、譲渡所得として確定申告が必要。これをごっちゃにするとあーーってなります。
    そう、売らなきゃいいんだよ!(おいw)

「この順番で」と書きましたが、並行していくつも発生するので、それも面倒なんですよね。ウチだと年4回 Vest があります。ちょっとずつ。

とにかくRSUの確定申告は面倒くさい!

RSUの確定申告とは、以下を計算することです。

課税所得=もらった日の株の価値(円換算)

所得の20%くらいを納税することになります。

準備(Vest)

e-Tax を開く前に、エクセルとかでちまちま計算しておくと良いです。

1. 権利確定した日、株数、株価を確認(2023年)

自分の口座の履歴を見ましょう。以下は E*TRADE 社 の例です。
At Work口座 を開き、

口座 > 持ち株制度の確認書 をクリック。

2023年、制限付株式を選択し、適用をクリック。

すべてダウンロードし、中を見ると、、

ここに、その日確定した 株数×株価 の合計が書いてあります。(USD)

2. 為替レート(TTS/TTB)を確認(2023年)

TTS (Telegraphic Transfer Selling Rate):銀行や為替業者が外貨を顧客に売る際に適用するレートです。あなたが外貨を買うときのレート。銀行が外貨を顧客に売るための価格がTTS。
Vest のときはこっち。

TTB (Telegraphic Transfer Buying Rate):銀行や為替業者が外貨を買い取る際に適用するレートです。あなたが外貨を日本円に換えるときのレート。銀行が外貨を買い取るためのレートがTTB。
Sell のときはこっち。

為替レートは何度も出てくる、とても重要な要素です。

2023年を選んで、表示をクリック。

エクセルがおちてきます

3. 給与所得を計算(2023年)

年内に数回 Vest される場合、それらの和が給与所得です。

私の場合、年4回 Vest があります。(2/1、5/1、8/1、11/1)
以下の数値は適当なので、ご自身のデータで置き換えてください。

2/1の所得(例)
3株確定、株価50$、TTS120円の場合
3[株] × 50[$/株] × 120[円/$]
18,000[円]

例えば

同様に Vest 毎の所得を算出し、合計した金額が給与所得です。

給与所得 = 2月分+5月分+8月分+11月分

この合計した金額(給与所得)を、確定申告に使います。

準備(Sell)

先に書いた通り、通常の株式投資と同じです。
それこそ情報はあちこちにあります。

譲渡所得を計算

譲渡所得 = 売却金額 ー 取得時の株価
です。(手数料も引きます)

それぞれ以下の通りです。

売却金額 = 株価 × 株数 × 為替レート(TTB)
(売った日のデータで)

取得時の株価 =株価 × 株数 × 為替レート(TTS)
(もらった日のデータで)

この譲渡所得を、確定申告に使います。なお、売却益がマイナスになる場合、その取引については申告は不要です。

RSUは一般株式なので、損失の相殺や繰越はできません。
(・д・)チッ

こう書きましたが、、E*TRADE 社の場合は計算してくれます。

At Workの、口座 > 損益をクリック、

2023年、制限付株式を選択し、適用をクリック。

当該の年度の損益が表示されます。
一番下の右端の数字が 譲渡所得です。
手数料も引いた値段ですが、トータルなので適切な為替レート(TTB)で円換算ができません。(T_T)

売った日毎に、為替レートをかけて日本円に計算しましょう。E*TRADE はデータをエクセルでダウンロードできます。調整後損益譲渡所得に該当します。

売買毎に申告するので、取引別にまとめておきましょう。

申告の時に必要になる情報は、
 譲渡年月日:売却した日
 数量:株数
 譲渡による収入金額:総売却益(円換算)
 取得費:調整後原価基準

 取得年月日:取得日

これだと、RSU のような複数回に渡って入手した株を売ったら超めんどうじゃ。。

と思ったら、そうじゃなくって、平均していいんだそうです。

取得年月日はいつにするんだろう問題。。

確定申告のやり方

さて、ここからいよいよ e-Tax を使った確定申告を行います。
ニッチ需要につき途中から有料noteです。m(_ _)m

e-Tax は24時間いつでも使えます!
(メンテンス時間を除く)

日曜の夜中にアクセスするとこうなる。。

準備するもの

  • 2023年の源泉徴収票

  • 算出した給与所得、譲渡所得のそれぞれの金額

※その他寄付金等は今回は触れません。

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