Twitter DMでの投球フォームチェックまとめ
今回の記事はTwitterのDMやりとりにてフォームの等へのアドバイスをさせて頂いたA氏(仮称)の変遷とやりとりから学んだことなどを記事にしたもののを簡単にまとめたものです。
やりとりを ”ほぼそのまま” 記事にしているものもあります。
長くても読みたい方はそちらがオススメです。(下記URLから)
https://note.com/taichiro_katalab/n/n798da968e196
<2019年10月>
リリース時に肘が下がってしまうとのことで相談を受けた。
まずは、この動きになってしまう可能性のあるものとして「リードレッグや体幹の安定性」、「肩甲骨周囲の安定性」、「グラブ側の腕の使い方」を挙げ、考えられるメカニズムやドリル・トレーニングの提案などを動画を撮って伝えた。
末端を振るには中枢が止まっておく必要があるというのが1つのポイントだった。(下記画像はそれをテーマに取り組まれた際の写真)
<2019年11月>
体幹の倒れ込みやリリース時の肘の前下方に落ちてしまう動きはやや改善が見られた。
リリースに時に肩の痛みがあるとのことであった。
リリースの姿勢は下記画像の黄色ゾーンを目指すことを提案した。
また、テイクバックからではなく、腕を挙げたトップの位置から投げると痛くないという情報が得られたため、テイクバックで手を背中側に引きすぎている動きの修正の提案をした。
<2019年11月下旬>
一度中学時代のフォームに戻してみたとの連絡があり。
この時には左膝の割れ、体幹が潰れるように力をロスしているところがもったいないのではないかといった提案をした。
<2019年12月>
提案していたワインドアップでの姿勢や左膝の割れ・体幹の潰れをもとに練習に取り組んだ後の変化を画像での報告あり。
球速も128kmまで投げれるようになったとのこと。
この頃に以前書いた投球動作についてのNote記事を書いていたので参考までに紹介した。
<2019年12月中旬>
Note記事を読んで頂いた上で、A氏から質問あり。
左足着地時点でトップを作るのが早すぎるということはないか?(右肩の外旋を作るのが早いのではないか?という意味)という質問。
この時には、この画像を見て早すぎるとまでは思わないと返答。
この時期にはジャベスローにも取り組まれていた。
腕の振り方が自然とつかめる感じがあるということ。
野球ボールと違い、重くて長いものなので小手先で誤魔化す動きが入りにくく、自然と身体全体を使って投げる感覚がつかめるのかもしれないと返答。
リリース時の腕の姿勢はかなり変化が見られた。
インステップも本人の知らないうちに修正されたとのこと。
ジャベスローを投げる際にはインステップすると股関節・体幹の回旋がしづらく投げられないため、修正されたのではないかと返答。
<2020年1月>
リリース時に肘が伸びるようになってきたとの報告。
過去の写真と比較すると変化が分かりやすい。
<2020年2月>
リリースでの肘の突っ込みは改善されて安定してきたとの報告。
5ヶ月前の写真と比較すると大きく違う。
しかし、肩の痛みが依然としてあるということ。
インターナルインピンジメントなどの可能性を提示し、肩の突っ込みを修正し、リリースポイントを前にすることを提案。
<2020年3月>
リリースポイントが前になってきて、肩の痛みも無いとの嬉しい報告。
<2020年3月中旬>
痛みなく、「おもいきり投げれて楽しめている。フォームが完成してきた感じがする。」との報告。
また、最近のA氏なりの発見やフォーム改良にあたってポイントとなったことについて連絡あり。
着地とトップを意識的に合わせようとせずに、トップを作るのを遅らせる意識の方が結果として良かった。
肘の角度もレジースミスさんの提唱されているアウトサイド90(肘が90°以上曲がらないようキープ)の方が負担を感じない。
やはり最初に話し合っていた「リリース時の肘のキープ」がポイントだったように感じる。
手とグラブを分けるタイミングを早くするとワインドアップがとりやすくなた。
とのこと。
ここまでを紹介させていただきました。
参考になる方もいらっしゃるかもしれません。
やりとりは続いていますが、3月時点で130kmまで球速が戻ってきたとのことでした。
以前、投稿した記事(「投球動作を考える」)では腕を振り遅れている人が多いことから、リードレッグ着地時点で腕が遅れないことを強調して書きましたが、本記事のAさんに関しては遅らせる意識のほうが良い結果につながったようです。
自分が理学療法士として臨床に出て2年目の時に投球動作についての研究発表・論文投稿を小規模な研究会ながら行いました。
実はその時の内容ではリードレッグを着いた時点で肩の外旋を大きく作っている選手は肩を傷めるのではないかといったニュアンスを含んだものでした。
方法も未熟でサンプル数も少なく、有益な研究とは決して言えませんでしたが、外旋が早い選手は肩を傷めやすく、遅すぎると肘を傷めやすいのではといった勝手な印象を持っていました(飛躍した妄想・バイアスの塊でしかなく、研究をする者としては失格でしたww)
今回のA氏とのやりとりを経験して、勉強になったことも多かったです。
そして、自分が想像していたよりもオンラインでのやりとりでできることの可能性があるのかもしれないと気づかせて頂きました。
もちろん、今回A氏の状態が上向いた大きな要因は私のアドバイスではなく、A氏本人がいろんな情報に触れ、学び、試行錯誤されて得られたものだと思います。
しかし、コロナウイルスの影響によりオフラインでの活動が難しくなった現状で、発達した現代のオンラインを使っての活動には可能性があると思います。
もちろん、できないこともたくさんありますが、テレビ電話やZOOMなど優良なデバイスもたくさんあり、努力や工夫で埋められることも多いです。
相談側、アドバイス側、双方の熱意・努力が必要なことは間違いありませんが、なにか少しでもヒント・キッカケを作るお手伝いができるのなら挑戦する価値はあるなと思いました。
今回、記事として公開することを許可してくださったA氏には心より感謝申し上げます。