11/12 「だれかの隣をすごすことでしか、けっして出会えない珠玉がある。」
ひとりでいることが、許される世の中になった。生活するためにご近所付き合いをする必要もなくなった。なにかを食べるために外に出てレジに並ぶ必要もなくなった。なにかをつくるためにレシピや、調理法をだれかに教わる必要もなくなった。なんでもひとりで、できる様になった。それでも、ひとりでも生き続けられるようにひとは進化してはいなかった。
ひとりで生きていくことは、できない。ひとりで生きていくことは許されているけれど、ひとりで生きていくことはできない。ひとは、必ずだれかを必要としている。いや、それは「必要性」ではない。必要はない。けれど、「必要のないもの」が欠落した人生は、けっして長く続いていかない。
無駄の排された人生に、もういちど向き合い、そして苦しむ、ということ。
だれかの隣をすごすことでしか、けっして出会えない珠玉がある。ひとりで生きていると、ひとはすぐに「近所の吉野家」にいく。
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