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【ポジティブな破壊】未来志向戦略がもたらす映画業界新構築

企業に頼る時代は終わった。アーティストが業界を、企業を支える時が来た。このトピックでは、「これからの国際映画業界指標」を、知ることができる。企業に媚びて生きた代償に“クリエイター”と呼ばれているアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 世に反しても、企業に従うアーティストたち 』

気高く研ぎ澄まされた感性で臆さぬ刃を抜く巨匠アーティストが、キャリア20年程度の二世経営者に媚びへつらっている姿を目撃してしまい、眠れぬ時間を過ごしたことは一度や二度ではない。アーティストは、企業に弱い。もちろん例外はいるしかしその例外が、国際マーケットの頂点に君臨する可能性が限りなくゼロであることは、歴史が証明している。

だがそれ、変わる。

弱体化した上に時代スピードに追いつけなくなった事業体であればこそ、どれだけ優秀な経営者が率いようともに企業は、業界を牽引できない。一方、失うもののない身軽なアーティストには、千載一遇のチャンスであり。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:マーティン スコセッシ監督映画のプロデューサーが、NFTで全額資金調達した「史上初のハリウッド長編映画」を製作へ

「The Irishman」をプロデュースしたJuul氏は、コメディドラマ「A Wing and a Prayer」の製作資金を、"Non-fungible token "の販売によって調達したいと考えている。

NFTは、映画の資金調達の世界に必然的に足を踏み入れた。NFTによって全額出資される史上初のハリウッド長編映画が発表された。

ニールス ユール氏は、NFTを使って一連の映画の資金調達を行うために、制作会社NFT Studiosを設立した。

本作は、1998年に世界で初めてマイクロライトで世界一周を果たしたブライアン ミルトンのコメディドラマ。映画製作者は「大物俳優」が参加していると言っているが、これは来年のベルリン国際映画祭の前に発表される予定だ。本作は米英共同制作で、4月からマルタとロンドンで撮影が行われる予定。

NFT Studios社は、この映画の資金調達のためにNFTを発行し、保有者は資金調達権を含む特定の権利を独占的に取得することになる。Juulは、ロンドンのインキュベーターであるNFT Investmentsと契約を結び、NFT Studiosへの20%の出資と引き換えに100万ドルを投資した。

「映画の資金調達や所有権に関する伝統的な方法が、根絶されつつある。エンターテインメント ビジネスの大きな転換期にあります。"NFT Studiosは、世界の映画製作業界にポジティブな破壊をもたらす未来志向の戦略を展開しており、熱心な観客のコミュニティと、高い能力を持つ脚本家や監督との距離をさらに縮めることができるでしょう。」  - DECEMBER 01, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

新作ハリウッド大作映画の資金調達手段はNFT、それは映画製作フォーマットへのポジティヴな破壊、という記事。

“NFT”連動企画には珍しく、その性質から正しい使途、必要なプロセスを把握しているプロデューサーの登場だ。いつかお会いしてみようと想う。

『 NFTは、チャンスではない 』

いまだ、“NFT=資金”だと想いこんでいる映画関係者は多い。そんな時代は遥か昔、5ヶ月前に終わっている。なんなら、“売れる”という発想こそあり得ない。

NFTとはP2Pの分散型マーケットプレイスであり、的確なツールだ。人類が手にした価値を証明し、共有できる画期的な“仕組み”である。

『 NFTを売るということ 』

売れる、儲かる、それは完全に自分自身の問題。明確に断言しておくなら、「芸術性は評価外」「マーケティング次第」「知り抜いてやっとスタート地点」という場所だ。アーティストにとってのチャンスとは、そのNFTをも、“企業が使いこなせずに敗退し続けている”という点。

アーティストが人生を賭したなら、道具が機能することは周知の事実

『 売るなら買おう 』

“クラウドファンディング”と同様、NFTを謳い文句にする事業家の実に圧倒的多数が、「本質」と「必要なプロセス」を把握していない偽者ばかり。踊らされず依存せず、自ら手がけてみることが重要だ。

「買ってみる」ということだ。まさか買ったこともないままで売れると信じるほど、無能でもあるまい。

これからのアーティストは全てのプロセスを自ら手掛けることが必須だ、企業には頼れないのだから。一方で、自分で抱え込むことは厳禁だ。時代スピードに遅れて滅んでしまう。“プロと組む”ことだ。自ら手がけていれば、組むべき相手を見抜ける。こうして企画を最適化し、価値を共有する事業体を、「分散型業界」という。

既存の業界はマーケットとブランドの認定権限を有し、製作機能を失う。アーティストとは、業界外で自ら挑み、コミュニティを生きる個人をいう。

『 編集後記:』

無人島にひとつ持っていくなら、除菌ウェッティ。

ナイフも鍋もかまども家も造れるし、水と獲物と食材を調達する知識もあり孤独に強い。だが、ゼロから除菌ウェッティをつくるのは映画製作より遥かに難しい。

よく考えてみたが、捕まえた獲物を殺めることはできない。飼う。やはり船と磁石を作ってペットと共に脱出することにする。旅に出たいこの頃だ。

国際映画を創るために各国を自在に飛ぶ日に備えて、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記