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【最先端を使いこなす】メジャーよりもインディペンデントの方が、時代に早い。

業界とメジャーを信奉しているアーティストは、時代に遅れる。
このトピックでは、「最先端を駆使する創作活動」を、知ることができる。作品こそが生命線であり手段に依存しないアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 “時代遅れ”という発想は時代遅れ 』

最新を拒絶するのは常に業界とメジャーでありやがて、一般がそして、時代がそれを受け入れる。だが、現在を牽引する近未来のビジョンは、“最新”の中にしか存在しない。

だがそもそもに“時代”とは、ムーヴメントのコモディティー化でありつまり、“一般”と同意。「時代に遅れる」、という表現はもう、現代にはそぐわないのだ。

進化とは、最新を受け入れ、取捨選択の先に選ばれた時代の結果である。
映画は誕生から126年。飛行機より8年先輩だ。もう、進化していい。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:カンヌ国際映画祭リポート: ストリーミングはインディーズ映画ビジネスを殺さず、助ける

第74回カンヌ国際映画祭に先立ち、Mubiは、レオス カラックス監督の映画祭オープニング作品「Annette」の、英国およびアイルランドにおける全権利を獲得した。Mubiはこの作品を劇場でも公開するが、同社の主な視聴者はオンラインだ。Mubiの他、Shudder、そして最近スタートしたWild Side TVなど、インディーズ映画ビジネスの隙間を埋め、芸術作品やジャンル作品の製作を助けるニッチなストリーマーが出現している。

一方で、ポーランドの著名な映画監督であり、European Film Academyの会長でもあるAgnieszka Hollandは、独立系映画の世界で高まっている懸念を代弁した。「キュレーションされていない、大きなブラックホールのようなものだ。私たちの、より繊細で個人的な作品ジャンルが消えてなくなってしまう。独立系の映画製作者にはアルゴリズムではなく、映画祭、アカデミー、批評家など、真のキュレーターが必要だ」とホランドは叫んだ。「ユニークで、希少で、野心的で、挑戦的な声のために戦ってくれるプロデューサーも必要です」と加える。

Shudder社のグローバル アクイジション&コ プロダクション ディレクターのEmily Gotto氏は言う。「劇場公開せずにオンラインで公開することで、同じような認知度、同じような報道、マーケティング上の注目を集めることができることがわかりました」- JULY 08, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

興業よりも芸術性重視の作品も、ストリーマーが獲得している。「そんな連中は信用できない!真の業界人に選ばせろ!だろ?プロデューサーたち!」だがストリーマーの存在こそがインディペンデント全体の生命線だ、という記事。

ぜんぶ正しい。そして、アーティストの創作意欲は、死なない。

余談をひとつ。
この会見が行われていた会場について。

カンヌ国際映画祭は、最も権威ある場でありそこには文字通り、“世界のリーダーたち”が集結している。みなさんが目撃している“レッドカーペット”の先の建物は巨大な劇場であるが実はその屋上に、特別設置の“屋内外の会見場”がある。観客や一般メディアの視界には入らない。

会場には国際映画界で活動し、実績を上げておりさらに就労ビザ獲得よりも厳格な“カンヌ国際映画祭承認Pass”をもつ者たちだけが集う、“映画界の天守閣”だ。さして広くないこの会場内で発せられる言動のひとつひとつが共有され、その先1年間の「世界の映画界ルールとマナー」になる。

『 時代の先を行く、という正論 』

辞書を引くのは、過去を知るためである。辞書の中に、最新情報は無い。つまり、“業界”というルールとマナーの中には“最新”が含まれていないと言える。業界、先輩、偉大なる作品たちに最大の敬意と感謝を以て、インディペンデントは、先を急がねばならない。

最新とは、“現在を最適化”した結果である。
ならばこそ、現在のメジャー、業界に匹敵する力を得られる最適な方法なのかも知れないのだ。

リスクを負って、最先端を操ることはまた、
インディペンデントの技術である。

『 “最先端”という価値を見誤らないことが重要 』

しかし、“最新商品”という言葉もまた、時代に遅れている。“商品”になっている時点でその過程で、情報選択、検証、決定、開発、製造、マーケティングを経て、発表されている。ラインナップとしての最新であり、最新商品を入手しても、“最新”を手に入れたわけではない。

このトピックで語っている“最新”とは、“プロセス”にある。

最新商品や、ネクスト時代が生まれるであろう、そのプロセス(過程)のことだ。プロセスの中にある核たる本質こそが、“最新”である。

掴むべきは、「商品完成前のプロセス」の中の「核たる本質」の中の「最新」のなかで全体を牽引してる情熱、「最先端」である。

『 リスクを負う、という最強技術 』

インディペンデントは、弱い。
しかしメジャー、業界、企業、ライバル、誰もがノーマークなので、自由度が高い。“リスクを負う”ことを選べば、自由にプロセスに侵入できる。プロセスの中の本質に触れ、「最先端」を手に入れればいい。

ここまでの過程で重要なのが、「リスクを負う」という行動。
ここ「アーティスト情報局」は一切、自己啓発を扱わない。つまりリスクを負うという行動はリアルに、「どの程度まで捨てられるか」ということだ。

金を払う、時間を使う、労働を提供する、技術を提供するなどと、色々考えられるだろう。その総量が、貴方の強さとなり、入り込めるプロセスのレベルを決める。大勢の国際インディペンデントたちが、リスクを負うために、自身の価値を積み上げている。

『 最先端は、生きている 』

せっかくなので、最強の“リスクの負い方”をお伝えする。
「いつでもそばにいる。」だ。

国際的なあらゆる環境において、「いつでもそばにいる。」を越える効果的なリスクの負い方は、知らない。また、それを実践しているインディペンデントの多くは、世界の最先端を、手に入れている。

目指すは、“最先端が貴方を求める”状況だ。
最先端に狙われるインディペンデントになる努力こそが、時代を生む。

インディペンデントは、役に立つからこそ、意味がある。

『 編集後記:』

非中央集権型のコミュニティが、経済と国に巨大な影響を与えはじめている。わたしはその中の最先端に、触れ続けていたい。毎週定刻に基地へと出向いているのだがその度に、森を抜け、靴に土がつく。

オンライン上の帝国に触れるために、木々をくぐって土を踏む。どんな時代にも世界はいつも、優しい。

最先端情報と技術の森を抜け泥くさい人間関係の果てに、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記