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《最新まとめ》ドメスティックバイオレンスについて〈DVはダメ!ゼッタイ!そのために今からできること〉

ドメスティックバイオレンス(DV)とは

ドメスティックバイオレンス(以下、DV)とは、配偶者(内縁状態も含む)や恋人から受ける暴力行為やハラスメント行為のことです。DVは世界的にも社会問題のひとつになっており、日本においては、2020年度(2020年4月〜2021年3月)のDVの相談件数が19万件を超えており過去最多を更新しています(内閣府男女共同参画局の調査)。

※未婚の恋人から受けるDVはデートDVとも呼ばれており、狭義においてDVとは区別して使われる場合もあります。

虐待の7タイプ

DVについて理解する際、虐待について考えるとわかりやすい場合があります。以下は、虐待の特徴に応じて種類分けしたものです。

●身体的虐待(肉体的虐待)・・・殴る蹴る、髪を引っ張る、首を絞める、刃物を突き付けるなど、相手を物理的に傷つけるような行為全般

●心理的虐待(精神的虐待)・・・大声で怒鳴る(暴言など)、無視する・口をきかない、上の立場を利用して脅すなど、相手を精神的に追い詰める行為全般

●性(的)虐待・・・セクハラ行為をする、性的行為を強要する、避妊に非協力的、意に反して無理矢理ポルノビデオを見せられる

●ネグレクト(養育放棄・無視)・・・社会的に守られるべき相手(子どもや障害者など)に対して必要な養育を行わないこと(育児放棄、ペットの飼育放棄など)

●金銭的虐待(経済的虐待)・・・生活費を渡さない・使わせない、収入を取り上げる、勝手にお金を使い込む、勝手に借金をする

●教育虐待・・・・子どもの意思に反した教育のやり方をすること。(塾や習い事を強制する。進路を勝手に決める。反発したり結果を出せないと虐待するなど)

●社会的虐待(社会的隔離)・・・メールや電話のやりとりをチェックする、行動を監視(制限)する、人付き合いを禁止(制限)するなど

DVは、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、金銭的虐待、社会的虐待の特徴を統合した犯罪行為だと考えると良いでしょう。

DVが起きてしまったら?

●DV発生時の緊急フローチャート

●DVの証拠となるものを準備する・・・警察への届出や裁判等の時に証拠があるとスムーズに話が進みます。

✅DV被害時の医師の診断書
✅DVが起きた際に壊れた物や負った怪我の写真
✅DV加害者からの携帯電話・スマホのメールや着信の履歴
✅DV発生時の録音・録画記録
✅DV被害にあった際のメモ
✅家族や友人など周囲の人の証言

●貴重品などの所持品をチェック・・・DV加害者から逃れてから外で生活できるようにします。

✅家や車の鍵
✅身分証明書(運転免許証など)
✅健康保険証(コピーもOK)
✅現金や預金通帳と印鑑
✅親子手帳、年金手帳、障害者手帳
✅DVの相談先リスト
✅周囲の支援可能な人の電話番号や住所記録
✅常備薬や処方箋
✅衣類や着替え
✅思い出の写真


DVの相談機関

DVされたらその時点ですぐに警察へ。何よりも自分や我が子の命が大切です。保健所もDVについてワンストップで対応してくれます。警察と保健所の2ヶ所は確実に押さえておきましょう。

その他、DV被害の相談については全国各地にある相談機関を利用しましょう。

●配偶者暴力相談センター
●婦人相談所
●精神保健福祉センター
●女性センター
●婦人保護施設(相談のみ対応しています)
●民間シェルター(相談のみ対応しています)

●DV相談ナビ
〈全国共通ダイヤル:#8008 (晴れれば)〉

内閣府が運営しているDV相談機関で、専門の相談員が相談にのってくれます。最寄りの相談機関の窓口へ電話が転送されます。(受付時間外の場合、受付時間の紹介が行われます)

●DV相談プラス
DV相談プラスのサイトはこちら〉

同じく内閣府が運営しています。電話相談やメール相談は24時間対応、チャット相談は12時から22時まで対応しています。

DVを取り締まる法律

日本におけるDVを取り締まる法律としては、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(2001年施行)があります。この法律は現在、身体的虐待のみを対象として、接近禁止や退去命令が出せるようになっています。今後は身体的虐待以外の虐待についても適用範囲を拡げていくことが期待されています。

なお、法律の適用範囲は、(元)配偶者や内縁関係にある夫又は妻からの暴力行為で、性別や国籍は限定されません。

アウトリーチという考え方

アウトリーチとは、外からの援助的介入を促進するための考え方やその実践です。この言葉は福祉現場で使われることが多く、最も支援を必要している場所にその手が行き届きにくいという現状から、いかにして社会の手が届きにくい部分にまで支援を行き渡らせることができるのかという考え方が根底にあります。

まとめ

DVは、本来親しいはずの間柄で起こります。

DVに対する認知や社会的な支援体制が整いつつあるとはいえ、やはりDV抑制のために社会全体でできることは限られています。

ベストなのは恋人や夫婦の間で日頃からしっかりとコミュニケーションを取ることです。また、DVが起こることを未然に防ぐために周囲の目をうまく使うことも大切です。家族や友人など日頃から二人以外の第三者も交えてフェイス・トゥ・フェイスで会話をする機会があるだけでもDV防止には一定の効果があるかと思います。

考えてみると当然のことなのですが、この当たり前のことを日頃から意識してできるかどうかです。

そして何より、DVが起こってしまったら本人や周囲の人が声をあげる覚悟と勇気をもつことです。





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