資産運用方針(2023年8月)

過去にこのようなnoteを書いた。とはいえ過去と言っても、まだ1年もたっていないのだが。

当時から状況が変化し、運用方針も変わったので改めてここに記載しておこうと思う。ちなみに記載する理由は自分の思考整理のためだ。

早速だが、記載していた当時と何が変化したかで言えば、数年来運用してきていたこの長期成長株投資の路線を停止した事が挙げられる。理由は、今勤めている会社において、非常に精神的に不安定に追い込まれるような場面が発生し、「辞めた時にどうなるか?」を本気で考えることになったためだ。

今までも別に、軽く考えていたわけではない。いつかはこの会社を去ろう。その準備をしよう。そうは考えてはいたものの、実際、明日にでも辞めたいと思った時には、精神的に安定していた時期とは資産に対する見え方が違う。

精神的に不安定になった時に改めて今のポートフォリオや状況・将来について考えると、長期成長株とはいえ、やはり毎日の株価変動については大きくぶれ安定しない事がとても不安に感じた。マネーフォワードで連携しているが、そこそこの額を持っていると、ボーナス以上の額が上下する日が少なくない。1か月単位で見るとさらに大きな差異が出るのも日常茶飯事であり、老後に蓄えておきたいと言われるレベルの額が動くとさすがにメンタル的には良くない。正攻法で全く見ないという気絶戦略を取りたい所だが、追加再投資の際に見えてしまうのであまり現実的ではない。世間的に見ても米中の貿易問題もあるし、FEDの利回りも大きく話題になりお世辞にも安定しているとは言えない状況の中、資産のグロスとしては(個人的には)大きな額を持っているし、かつ持っている銘柄的にも優良ではあり全く恥じるものはないと言い切れるものの、もし半年後に大きな暴落が来て、かつその時に自分がこの職を辞めざるを得ない状況に追い込まれている時に、それでも家族が安定して過ごしていけるだろうか?と考えると、とてもじゃないが自信を持ってイエスと答えられる状態ではなかったし、かつそれを直近実現できると言えなかった。目的から考えると、その問いに答えられない状況は非常にまずいし、それがどんな状況でも満たせる状態になる事が望ましい。そう考え始めていた。

そのような状況の時に、やはりというか何というか目についたのは、ずっと前に取り組んでいた高配当戦略だった。そう、一度は減配を恐れまたその値動きの微妙さ・グロスの伸び無さから手放した戦略ではあるが、再びその安定性に惚れ直し、考え直しているというのが現状である。当時不安に考えていた配当の不安定性は、安定している銘柄に絞る事及び、極端な高配当を避ける事で解消できるのでは、と考え、再度資産運用の土俵に上げたのである。

改めて試算をすると、やはりグロスの伸びはほぼ期待できない上、10~20年間で見ると、高配当戦略で運用した場合の額は長期成長株運用時とは大きく差がつく結果となった。ある意味現実的な目線しか見えないものとなったが、地に足がついている結果ともいえる。10~20年以上の長期増配銘柄であれば安定感は抜群で、実際期待値としてこれくらいの額になるのでは?というのは、長期的に配当が安定している銘柄であれば計算できる範囲に収まると考えられた。

そして、長期成長株投資を考えていた時にうすうす感じていた疑問、それは、仮にこのまま資産運用を続けていけば数十年後に自分としてはものすごい額になるのだが、今の自分がある程度我慢しながらも将来の自分が数十年年を重ね老年期に入った年齢でそんな額を持っていて、果たして本当にそれは人生を有意義に過ごせたと思うのだろうか?という疑問もこのタイミングで再度ますます大きくなってきた。

トリニティスタディ同様4%戦略で取り崩す際の安定性を考えるとグロスとしてはある程度必要でそれを基準に考えるとかなりの額が必要かつ、実際の期待値としてはもっと大きくなるというのが得られてる場合、結果としては期待値に近しい所に行きつくのだと思う。そして、自分と家族が日々を過ごしていく中でそんなに大きい額は要らないという事を考えた時に、それでもこの長期成長株運用をFIRE目線で目指したいと思うかどうか、でいくと正直Noだったのだ。それに対し、高配当側に振り切る事による計算できる安定性、つまり精神的に不安定になった時でも生活は何とかなるだろうからあとは子供の養育費レベルだけ別途稼げばよいと思った時に自分が得られる安心感はものすごく大きなものに感じられた。

そう考えている時、Die with zero、という本がそういえば世に出ていたな、と感じ、早速本屋に行って購入し読んだ所、まさに自分が考えていた違和感を取り上げられており、貪るように読んだ。人生の後半には想定しているほどのお金を必要としないし、むしろ中年くらいから資産を使い始めるのでも十分である、そして老年期に過剰な資産が残っていた所でそれを使い切る事は難しく、その分作れたであろう人生の思い出を複利的に享受する事がスキップされている、といった旨の事が記載されていた。正直大きく頷く所ばかりで、今の運用方針のままだとまずいし、考え直そうとしていた高配当路線はますます正しいのではと思うようになった。

ただ、高配当戦略も、どのような高配当株でも良さそうとなった訳ではない。

例えば検討し情報を集めて一時的に運用してみたものの運用停止した銘柄としては、カバードコール型の高配当株が挙げられる。表面上の利回りは10%台が出て非常に魅力的に見えるが、過去の配当実績をすべて遡り計算した時の安定感は正直全くないと言っていいレベルであり、年間配当計算であっても時期と世情により±50%程度はブレそうに見える。だとすると、安定性を求めて高配当戦略に行っているのに、それだと適用できない。そう考え、カバードコール銘柄は避けるようになった。ちなみに、カバードコール銘柄が絶対悪いと言っているわけではない。期待値で考えると十分良い銘柄ではある。ただブレ幅が大きいため、表面上見えている直近過去実績での利回りは信用に値しないレベルのため、私の資産運用の目的とは合致しない、ただそれだけだ。

長期的に安定する銘柄となると、テクノロジー業界は避ける事となる。他、ダウ銘柄なども見るも、逆に利回りの点で乏しく投資したいと考えられないものが多かった。

結果として今は、キャッシュフローが安定して出るタバコ銘柄を中心としたポートフォリオにしている。配当実績を見ると一見、一時的に減配してそうな数字には見えるのだが、実はよくよく見てみるとポンドドルの為替の変動影響を受けているだけで長期増配中であったり、スピンオフによる配当減少ではあるが実質的にスピンオフ後の銘柄も持つ事になるので減配していないとか、事情も分かってきた。かつ配当余力を持たせた戦略を数年来キープし続けている情報も分かったので、税引後にこの数字で安定して伸び続けると考えると非常に期待が持てると思ったから、ポートフォリオ変更を決断した。

利益確定分の税金はつらいが、どうしても会社組織に所属している以上は人とのいざこざは避けられないし、かつそうなった時に逃れられる状況である事は、エピクロス的には苦を無くす方向でよいものとも考えられる。

また株式は配当重視だが、継続している不動産も、初期資金回収を早めた上で利回り重視で家賃フローが継続して入る事をポイントとし、運用できている。不動産の特徴も分かってきたので、初期資金必要額と株式運用時の利回りを考えつつ、選択肢としては引き続き考えたい。



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