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JAPAN XV マオリ・オールブラックス戦 第2戦レビュー


JAPAN XV 26-14 マオリ・オールブラックス
       (前半 8-0)

【試合内容】
献身的なゲーム運びをみせるJAPAN XVは裏へのキックを上手く使いながら、好機を伺う。
10分にはFB矢崎由高の好キックを起点に、テンポのいいアタックでCTBサミソニ・トゥアが先制トライをマーク。
その後はボールが滑るコンディションに苦しむが、アタックを継続。22分にはPGを追加。
ディフェンスでは上手くダブルタックルに入り、プレッシャーをかける。相手のエラーが重なったのも要因の一つだが、自陣で耐えて前半はノースコアに封じた。
スクラムは相変わらずの安定性を披露。

後半は序盤数的優位に立つマオリ・オールブラックスが早々にラインアウトモールからトライ。GKも決まり1点差に。
それでもワークで上回るJAPAN XVは50分にPGを沈めると、53分にはキックカウンターの連続アタックから途中出場PR竹内柊平がトライ。
ディフェンスは相変わらず好タックルが光り、結果的には相手のエラーに終わったが、61分頃に迫られた局面は素晴らしい対応をみせた。
それでもマオリ・オールブラックスは67分にスクラムのペナルティで得たラインアウトからモールを起点にトライを返して、GKも決めて4点差とする。
迫られたJAPAN XVは73分に相手の危険なプレーで得たPGをFB矢崎が決めて7点差に広げる。
さらに、76分には見事なラインアウトモールを実現して勝利を決める貴重なトライを挙げた。

JAPAN XVは的確なプレー選択とエラー発生時のカバーも光り、好機での遂行力もよかった。好タックルが生んだ粘りのディフェンスも相手を苦しめ、リードを保っての見事な勝利。

【AT】
第1戦では悉く好機を逸したが、この試合ではSO山沢拓也を中心とした状況判断のいい的確な選択でゲームをコントロールし、着実にスコアを積んだ。
裏へのキックを上手く使いながら、コンディションに苦しみハンドリングエラーを犯すシーンもあったが、相手を上回るゲインメーターを実現。相手のスコア後に確実に得点を積んだ点もよく、リードを保った。

【DF】
統率のとれたディフェンスラインで、鋭い出足でプレッシャーをかけ、献身的に体を当て続けた。力強い相手に対し、ダブルタックルで相手を押し込み、何度もエラーや反則を誘発。
好機を確実にスコアにつなげられた第1戦と打って変わって献身的で粘り強く、相手にやらせない素晴らしいワークを披露。外されても、次がいく仕事量の豊富さがよかった。
FL山本凱のタックル、FL下川甲嗣のワークレートなどが際立った。
結果的に相手のエラーで途切れたかたちだが、61分頃の局面は非常に素晴らしかった。

【セットプレー】
スクラムは相変わらずの安定感を誇り、ボールを失わない安心感が光る。
ラインアウトは第1戦から改善がみられ、後半にロストするシーンはあったものの、一定の評価。76分のラインアウトモールからのトライは素晴らしかった。

【その他】
総じて、ボールへの反応がよく、エラーが起きた際のカバーも含め、ワークレートが高かった。
途中出場で効いた働きをみせたSO立川理道は落ち着いたゲームメイクで試合を締めた。
No8サウマキアマナキは相手の防御網に何度も体を当て、接点でのワークが光った。


試合後にSH齋藤直人が語った「チャンスに着実に得点できたこととディフェンスで粘れたことが勝因」という言葉がこの試合の全てを物語った。
歴史的勝利を挙げたエディー・ジョーンズHCは「世界のトップ10に入るマオリに初めて勝てた。日本ラグビーの大きな一歩だ」と話した。

日本代表として臨む次戦のジョージア戦が楽しみでならない。

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