過去のブログ記事まとめ①

時期に以前投稿していたブログを閉鎖し、
発信をnoteに一本化するため、過去にブログに投稿したものを備忘録として集約。


花園出場へ注目したい高校(2023年10月30日投稿)

現在進行中の各花園予選。
先日、新潟県では北越が予選決勝で連続出場中の開志国際を17-14で下して花園出場を決めた。実に25大会ぶりの出場となる。
その他、花園出場へ注目したい各校をみていく。

山梨学院(山梨)

 1月の新人戦で県内16年無敗を誇った日川を決勝で下して初優勝。関東新人大会では1回戦で目黒学院に敗れたが、歴史を動かした。また、5月の県総体では日川に66-5と大勝し優勝を果たした。関東大会では川越東を下し、Bブロックで準優勝。
ラグビー部は一昨年4月に15年ぶりに活動再開。その年の花園予選では日川に0-150で敗戦。そこから着実に力をつけた。HO/FL 加藤賢正主将がチームを牽引。高校日本代表候補のLO/FL 雨宮巧弥もおり、強力な突破が光る留学生にも注目したい。キック力とハイボール処理に定評がある2年生FB 篠原悠士にも期待。
花園予選決勝は11月12日。

飯田OIDE長姫(長野)

 昨年度の花園予選では48年ぶりの決勝進出(岡谷工業に敗戦)。2018年より環境づくりから始め、強化に取り組んできた成果が出た。さらに、今年5月の県総体では準決勝で飯田、決勝で岡谷工業をいずれも大勝で下し実に49年ぶりの優勝を果たした。CTB 野牧聖太(3年)が攻守の中心。LO 湯澤佑基(3年)や後藤慶伍(2年)ら前チームからの主力が多く残る。
花園予選決勝は11月3日。

関大北陽(大阪)

創部10年目にして初出場を狙う。花園予選はここ2年、決勝にて常翔学園に敗れているが、5月の県総体で2位に入り、その結果を受けて振り分けられた花園予選では、ここ十数年の出場校である東海大大阪仰星、常翔学園、大阪桐蔭、大阪朝高がいない第1地区に入った。決勝でぶつかることが想定される大産大附とは今季2試合対決し、いずれも勝利している(36‐0、36‐10)。チームは今季、2月の近畿大会にてベスト4に入り、自力での選抜大会初出場を達成(第19回大会に実行委員会推薦枠にて出場)。また、5月の県総体では大阪朝高に競り勝ち、決勝進出を果たすなど着実に力をつけている。全チームから主力を担うNo8永井玲雅(3年)主将とSO羽根田陸(3年)がチームの中心。決定力の高いHO小田隼平(3年)、高校日本代表候補CTB白石空(3年)らに注目。
花園予選決勝は11月12日。

高川学園(山口)

 新人戦では大津緑洋に74-3と大勝し初優勝。2月の中国大会では尾道に肉薄し、実行委員会推薦枠にて選抜大会に初出場を果たした。選抜では秋田工業に勝利。4月の春季大会でも優勝を遂げ、5月の中国大会では倉敷を破った。中学部から強化に取り組み、着実に結果へと繋げている。高校日本代表候補FB大嶋柚楽(3年)が中心を担う。トンガ人留学生のシオネ・マヘ(3年)、チーム最長身の189cm藤沢大輝(3年)の両LOも強力。抜群のスピードを誇るWTB 野村映登(3年)にも注目したい。1年生CTB 大嶋惺楽にも期待。
花園予選決勝は11月19日。

関東大学春季大会で台頭し、秋の活躍が楽しみな選手 【関東大学対抗戦A】(2023年8月20日投稿)

PR 平井半次郎(帝京大3年(御所実業))
今季の春季大会にて東洋大戦に途中出場し公式戦デビュー。その後、1番で3試合に先発し高いパフォーマンスを披露した。関東大学オールスターにも出場。
高校時代はLOで圧倒的な存在感を放ち、2年時には選抜、花園ともに準優勝。3年時の花園はベスト8。大学でPRに転向した。

SO 井上陽公(帝京大4年(京都工学院))
春季大会にて圧倒的な強さを披露した帝京の司令塔を担った。今春が公式戦デビューで、4試合中3試合で10番を背負った。正確なパスやキックが魅力で、周りをいかすプレーに長ける。
高校時代は2年時から主力を務めるが、京都成章に阻まれ、花園出場はなし。それでも、2年時にはU17近畿の司令塔として活躍、江良、奥井、山本、三木、村田ら錚々たる面々とプレー。3年時には高校日本代表候補に選出された。

CTB 久木野太一(帝京大3年(小倉))
今季の春季大会では東洋大戦に先発し、公式戦初スタメン。全4試合に先発し、松山千大(トヨタV)と二村莞司(S東京ベイ)が抜けたCTBで存在感を放った。パスを放すタイミングがよくアタックセンスが光る。コンタクトが強く鋭いタックルも魅力。
中学時代は全国ジュニア大会に出場。高校では全国大会の出場はないものの、U17日本代表に選出。3年時は主将を務め、花園県予選はベスト8だった。大学では2年時の春季大会明治大戦で公式戦デビュー、トライに繋がるプレーをみせた。その年の春季大会では2試合に出場するも、対抗戦での出場はなし。

CTB/WTB 戒田慶都(帝京大4年(新田))
2年時の春季大会にて公式戦デビュー。昨季の対抗戦日体大戦にて初先発を果たし、ハットトリックを達成。その後は途中出場を中心に出場を重ねた。今季の春季大会ではアウトサイドセンターで3試合に先発し、鋭い突破力を披露。
高校時代は1年時から10番でレギュラー。2年時に花園に出場。バックスリーにてU17日本代表に選出。3年時には高校日本代表候補。

FL 田中勇成(早稲田大2年(早稲田実業))
今季の春季大会明治大戦に途中出場し、公式戦デビュー。その後、3試合に先発し、仕事量の多さと鋭いタックルで存在感を示した。
高校時代は主にCTBとして活躍し、2年時に花園、3年時に選抜大会に出場した。憧れるOBの植野智也と同様に大学でFLに転向、B戦などで実力を磨いてきた。

CTB 岡本大輝(早稲田大4年(本郷))
3年時まで公式戦の出場はなかったが、今季の春季大会では4試合の先発を含む全5試合に出場。的確で安定感のあるプレーをみせ、好機への嗅覚も際立つ。
高校時代は、2、3年時に花園に出場。3年時には主将を務め、福澤慎太郎(慶應義塾大4年)とともにチームを牽引した。大学ではB戦などで着実に力を磨いてきた。

WTB 磯崎錬太郎(早稲田大4年(城東))
昨年の春季大会で公式戦デビュー。対抗戦では2試合に先発し、途中出場にて大学選手権も経験した。今季の春季大会では4試合に先発し、4トライをマーク。
高校からラグビーを始めるがWTBで1年からレギュラーとして活躍。2年時の途中からNo8。2、3年と2年連続で選抜、花園に出場した。1年浪人の末、早稲田大に入学。高校では一学年下にCTB三木海芽(慶大4年)。

LO 佐藤大地(明治大3年(國學院栃木))
今季の春季大会では2試合の先発を含む4試合に出場。空中戦の強さと接点での働きで持ち味を発揮した。好選手揃うLO陣で秋の活躍を狙う。
高校では1年からLOのレギュラーで3年連続で花園に出場。大学では1年時の大学選手権に途中出場し公式戦デビュー。昨季は春季大会で3試合に出場したが、対抗戦での出場はならなかった。姉は女子日本代表LO佐藤優奈。

CTB 山田歩季(明治大3年(京都成章))
2年時まで公式戦の出場はなかったが、今季の春季大会でデビュー。3試合に先発し、流経大戦ではハットトリックを達成するなど力強いランでアタックの中心として機能した。
中学時代は大阪府中学校代表として全国ジュニア大会に出場し、SO 小村真也(帝京大3年)やWTB 大畑亮太(筑波大3年)らとともに優勝を達成。高校では2年時に選抜ベスト4、花園ベスト8に進出。U17近畿でも主力を張った。3年時には花園で同校史上最高の準優勝を達成した。高校の同級生にはLO 本橋拓馬(帝京大3年)、SH 宮尾昌典(早稲田大3年)らがいる。

FL/No8 冨永万作(慶應義塾大3年(仙台三))
2年時まで公式戦の出場はなかったが、今季の春季大会ではバックローで全5試合にフル出場。187cmのサイズが特徴で攻守に力強いパフォーマンスをみせる。BK経験を生かした突破も魅力で、スキルフルな選手。
高校時代は大型バックスとしてポテンシャルを評価され、仙台育英の選手がズラリと並ぶなか国体メンバーに選出された。大学では2年時よりバックローに転向し、ジュニア戦などで研鑽を積んだ。

FL/No8 大町尚生(筑波大2年(長崎北陽台))
1年時は公式戦の出場はなかったが、今季の春季大会では全5試合に先発出場。高いワークレートで攻守に身体を張り、存在感を発揮した。
中学時代は全国ジュニア大会に出場。高校では3年連続で花園に出場。2年時から主力を担い、U17九州でも活躍。 3年時には主将を務め3回戦に進出。1年浪人の末、筑波大に入学した。弟はCTB/SO 佳生(帝京大2年)。

日本代表、国内テストマッチを終えてW杯メンバーはどうなる?(2023年8月9日投稿)

国内5連戦を1勝4敗で終えた日本代表(JAPAN XVとして臨んだ初戦を含む)。
2試合で試合序盤に退場者を出すなど全体として厳しい戦いを強いられた。アタックではテンポ良く、継続できれば好機に繋げられると認識できた一方で、ハンドリングエラーが目立ち、チャンスを逸してなかなかうまくいかないシーンも多かった。ディフェンスではラインをコンパクトにし、ダブルタックルでフィジカルが強い相手にもしっかりと対応できていた。しかし、外の対応でいただけないシーンやアンストラクチャーでは崩される場面もあった。パント処理やキックオフレシーブなども含め、攻守ともにより精度を高める必要がある。
また、試合中の修正に時間を要する点は課題で、得点直後に失点する悪い流れも目立った。セットプレーはスクラム、ラインアウトともに全体として安定性を披露。セットからのオプションは本番でも期待感がある。
試合結果が厳しいなか、新たな顔の登場は好材料で、長田智希(埼玉WK) は攻守に強力なインパクトを残し、アマト・ファカタヴァ(BR東京)は全試合先発で高いパフォーマンスをみせた。ジョネ・ナイカブラ(BL東京)も2トライをマークしたことに加え、ディフェンスでもアピール。福井翔大(埼玉WK)は接点と高いワークレートで存在感を発揮した。一方で、主力のワーナー・ディアンズ(BL東京)は怪我の影響で出場なし。期待された木田晴斗(S東京ベイ)はコンディション不良等が重なりアピールできなかった。

ジェイミー・ジェセフに言葉よると、現在選出されている両PR、HOの3人ずつ、SH3人は“当確”と予想できる。
左PR 稲垣啓太(埼玉WK)、クレイグ・ミラー(埼玉WK)、シオネ・ハラシリ(横浜E)
右PR 具智元(神戸S)、ヴァルアサエリ愛(埼玉WK)、垣永真之介(東京SG)
HO 坂手淳史(埼玉WK)、堀江翔太(埼玉WK)、堀越康介(東京SG)
SH 齋藤直人(東京SG)、流大(東京SG)、福田健太(トヨタV)

の12人は確定とみられ、残り21人を争うかたちとなる。

LOは国内テストマッチで高いパフォーマンスをみせ続け、存在感が急上昇したアマト・ファカタヴァ(BR東京)と2019年W杯の影のMVPで、代表復帰し好調維持するジェームス・ムーア(浦安DR)は有力。怪我で登場できなかったワーナー・ディアンズ(BL東京)は復帰が見込め、その実力から欠かせない存在。ファカタヴァはフィジー戦での負傷交代が心配。肩を負傷したヘル・ウヴェ(S東京ベイ)も貴重だが微妙か。

最も激戦区のバックロー。抜群の仕事量をみせ、LOもこなせるジャック・コーネルセン(埼玉WK)は欠かせない。その存在感から姫野和樹(トヨタV)とリーチ・マイケル(BL東京)も当確。また、強靭なフィジカルを持つベン・ガンター(埼玉WK)も重要なピース。凄まじい前進力でアタックの核となるテビタ・タタフ(東京SG)は怪我の状態が気がかり。若い福井翔大(埼玉WK)と下川甲嗣(東京SG)はテストマッチで素晴らしいアピールをみせたがどうか。実績十分のピーター・ラブスカフニ(S東京ベイ)は今回のテストマッチ初出場となったフィジー戦で開始早々にレッドカードを受け、不透明な状況。

SOは李承信(神戸S)と松田力也(埼玉WK)は間違いない。テストマッチでは満足のいくパフォーマンスとはいかなかった印象だが、どちらがスタートを担うかも含め注目したい。

CTBは中村亮土(東京SG)とディラン・ライリー(埼玉WK)は確実。攻守に衝撃的な印象を残し続ける長田智希(埼玉WK)も当確と思いたい。フィジカルとディフェンスに定評がある中野将伍(東京SG)はどうか。ライリー、長田、中野はWTBもいける。

WTBはセミシ・マシレワ(花園L)とジョネ・ナイカブラ(BL東京)がアピールに成功し当確という見立て。状態の戻り具合が不安なシオサイア・フィフィタ(トヨタV)と怪我やコンディション不良が重なった木田晴斗(S東京ベイ)は微妙。他にWTBを兼ねられる選手がいるため厳しいか。

FBは山中亮平(神戸S)と松島幸太朗(東京SG)は確実で、松島はWTBも主戦場扱い。

現在合宿に呼ばれていない面々で推したい選手がいるのは極個人的な話。
ワールドカップでは実績を持つ選手の経験やリーダーシップ、好調な選手による勢いある力の融合が鍵となる。日本代表33名は8月15日(火) に発表される。その後、8月26日(土)にイタリア戦を経て、本番へ突入する。テストマッチは厳しいものだったが、あくまで準備期間であったと結果ではね返して欲しい。

日本代表、トンガ戦を振り返る(2023年8月1日投稿)

リポビタンDチャレンジカップ2023「パシフィックネーションズシリーズ」第2戦
日本代表 21-16 サモア
(前半 13- 5)
(後半 8-11)

3連敗中の日本代表は前半20分、セットプレーからのオプションでWTBセミシ・マシレワ(花園L)が対人の強さをみせて最後はWTBジョネ・ナイカブラ(BL東京)が走り切って先制トライ。しかし、直後にキックカウンターからショートサイドを突かれて同点を許す。ここのところ続く悪い流れ。それでも、32分にSO李承信(神戸S)がPGを決めると、前半終了間際にはLOアマト・ファカタヴァ(BR東京)が高いワークレートから貴重なトライをマーク。後半早々に攻勢に出るトンガは2本のPGを決め、2点差に迫る。日本代表は53分、ラインアウトからのきれいな展開でWTBマシレワがトライ。一方、トンガは58分、ラインアウトモールを押し込んで再び2点差とする。アタックを継続する日本代表は途中出場No8テビタ・タタフ(東京SG)のブレイクからゴール前に迫り、ペナルティを獲得。PGを決めて5点リードとする。その後、決定的な場面をつくられるも何とかしのいで、国内5連戦で初勝利を挙げた。

ディフェンスではダブルタックルが機能し、フィジカルの強い相手をしっかり止めていた。厳しい暑さと湿度のなか、ラインスピードも速く、高いワークレートで試合を通して献身的な対応をみせた点は評価でき、スペースのあるラックサイドと大外を突かれるシーンはあったが、完全に崩されたと感じる場面はなかった。23分のトライシーンはいただけなかったが、ラックに圧力をかけての結果である。ブレイクダウンに人数をかける場面とそうでない場面の精度を高めていきたい。バックスペースのケアも要チェック。

アタックはここまでほとんどなかった設計された展開をみせ、そこから2トライをマークした。ようやく攻撃のオプションをみることができた。しかし、それ以外のアタックでは2、3次まではテンポ良く出せても、ブレイクダウンでプレッシャーを受けると、停滞感は否めなかった。オプション無しでのシンプルな攻撃では手詰まり感があるなか、途中出場のNo8テビタ・タタフ(東京SG)が64分に強さをみせて打開したシーンはさすが。そこからアタックが加速し、全体としてここぞという推進力を披露した。ワールドカップに向けてはさまざまなオプションが用意されるはずで、より期待感はある。それ以外のシーンではポゼッションやエリア取りのキックなどを選択しながら、能率的なアタックで試合を展開したい。

セットプレーでは、スクラム、ラインアウトともに安定感をみせた。展開から生まれたトライシーンは安定したセットがあってこそだった。特にラインアウトではFLジャック・コーネルセン(埼玉WK)の存在感が凄まじかった。

ここのところ続いている得点後すぐに失点する流れは、キックオフレシーブの改善とともにより重点的に修正したい。また、後半の立ち上がりの悪さも上手くコントロールし、次に繋げて欲しい。相変わらずのハイパント処理の不安定さもどうにかしたい。

粘り強く、苦しみながら辛勝したという印象だが、何よりも勝利をものにできた点は嬉しい限りで、ここからグッと上がっていきたい。ただし、厳しい見方をすれば、負けてもおかしくないゲームだった(たらればはよくないが、現にFB松島幸太朗のスーパータックルがなかったら、、)。勝ち切れた点を評価し、反省点をしっかり見つめ、次に向かいたい。

各選手をみていくと、高いパフォーマンスを続けているLOアマト・ファカタヴァ(BR東京)はこの試合でも豊富な運動量で存在感を発揮し、前半終了間際には貴重なトライをマークした。初先発となったCTB長田智希(埼玉WK)も強烈なインパクトを残した。攻守に常に前へ出るプレーで勝利に貢献。一人でカウンターラックを決めたシーンは圧巻だった。ファカタヴァと長田は試合終了間際の松島のスーパータックルの際はいち早くポイントにより役割を果たしていた。セミシ・マシレワ(花園L)とジョネ・ナイカブラ(BL東京)の両WTBも各々気になる点はありながらも、得点に絡み持ち味を出した。怪我から復帰したFL ベン・ガンター(埼玉WK)はブレイクダウンでのフィジカルバトルで攻守に圧巻の活躍。途中出場したNo8タタフも出色の出来で、バックロー争いの充実ぶりが伺える。また、途中出場選手は全体として好印象で、前述の松島のほか、SH流大(東京SG)は、体力的にきつい時間帯で非常に効果的な裏へのキックを2本みせた。SO松田も10シェイプを深めに放ってシンプルなアタックのなかでもアクセントを加えていた。

待望のワールドカップイヤーの勝利。テストマッチは残り2試合。メンバー発表まではフィジー戦を残すのみ。チームの完成度、各選手のアピール、両面から次試合もみていきたい。

日本代表、サモア戦を振り返る(2023年7月25日投稿)

リポビタンDチャレンジカップ2023「パシフィックネーションズシリーズ」第1戦
日本代表 22-24 サモア
(前半 10-10)
(後半 12-14)

日本代表は10点を先行する立ち上がりだったが、PGを返されると30分に危険なタックルでリーチ・マイケル(BL東京)が退場。その後は14人の戦いを強いられ、前半終了間際に同点を許す。後半はPGで差を保とうとするが、得点直後にトライを許す悪い流れで、後半24分に2点リードを許す。その後連続アタックで攻勢をかけるもミスを連発し、得点に繋げられず。結果的に1トライに終わり、競り負けた。サモアはクリスチャン・リアリーファノが司令塔に座り、試合運びにスマートさが加わった印象で、接戦をものにした。日本は50分近くを14人で戦い、想定外の展開のなか高いワークレートをみせたが及ばず、国内5連戦は3連敗となった。

ディフェンスは相手の強いフィジカルに押し込まれる部分はありながらも、しっかりと前に出て的確に2人目が入り、対応はできていた印象。現にセットの数的不利からトライを許す場面はあったものの、完全に崩されたパターンはなかった(63分の失トライシーンのタックルは別問題)。ただ、相手のミスに助けられた感があることも否めない。また、アンストラクチャーの状態ではやはり怪しい場面もあった。モールディフェンスについては前試合からも良好で体の重い相手をしっかり止めていた。

アタックは前2試合に引き続いてシンプルなかたちをみせた。テンポよく、継続できれば、フィジカルが強い相手にもゲインを生み出すことができる点は再認識。6分にFWで取り切ったトライは評価できる。また、点で合わせてくる相手ディフェンスを細かいパスでズラしていた。しかし、ブレイクダウンでプレッシャーを受けて停滞すると、変化に乏しく手詰まり感が出る場面も。この試合でも独自のオプションはみせずに試合を展開した。また、ハンドリングエラーが12を数えたように相変わらずミスが多く、なかなか好機を迎えられなかった。14人になった点などを考慮しても、結果的に1トライに終わった点は重く受け止めたい。

スクラムは相手のプレッシャーを予想以上に受け、前半だけでペナルティ4つを喫した。ただブラインドウイングをファーストレシーバーにするなど、早くパスアウトする工夫はみられた。また、徐々に修正力を発揮して、後半は安定感を出していた。
ラインアウトはある程度の安定性をみせ、23分、67分、73分には相手ボールをスチールするなど良い点もみられた。

キックゲームではFB山中亮平(神戸S)が加わったため、松島幸太朗(東京SG)とあわせて一定のかたちはできており、相手を背走させることで体力の消耗に繋げていた。アタック時にはCTBディラン・ライリー(埼玉WK)が効果的なキックをみせる場面はあったが、SHからのキックはチェイシングが上手くかからず、有効的ではなかった。

想定外の退場となったリーチは、開始早々のハイボールをノックオン、7分には外にスペースがあったもののコンタクトしてボールをこぼすなど、そこまでのパフォーマンスもいまいちな印象だった。FB山中は左足のロングキックで存在感を示し、28分には素晴らしいキックみせるなどしたが、ダイレクトタッチもあるなど、良いプレーと悪いプレーがはっきりしていた。SO李承信(神戸S)はこの試合も安定したプレースキックをみせたが、その他のパフォーマンスを至って普通で、前半のノータッチキックや61分のノックオンはいただけなかった。また、前回W杯経験者などベテラン勢にエラーが多くみられた点は厳しく評価せざるを得ない。一方で、初キャップとなったLOアマト・ファカタヴァ(BR東京)は前2試合と同様攻守に高い出来を披露した。彼の存在が代表LO陣に待望の厚みをもたらす。途中出場にて同じく初キャップのCTB長田智希(埼玉WK)は73分の突破などインパクトのある印象を与えた。その他、FLジャック・コーネルセン(埼玉WK)の仕事量、CTB中野将伍(東京SG)のディフェンスなどが見どころだった。

月並みな言い方になるが、14人で対等に戦えたことはプラスに捉えたい。しかし、トライを取りきれなかった点、そして、勝ちきれなかった点は重く受け止め、次に進みたい。実際、勝てる試合だったという印象。W杯では一つのミスが命取りになる。そろそろ個人としても、チームとしても修正すべき。新顔もインパクトを残し目処がたっている。故障組の帰還で布陣の充実も注目したい。アタックのオプションはどの試合から披露していくか。今回の敗戦で厳しい目を向けられるだろうが、しっかりと現象をひもとき、期待を持って次戦を待ちたい。

All Blacks XVとの第2戦を振り返る(2023年7月17日投稿)

リポビタンDチャレンジカップ2023
日本代表 27-41 All Blacks XV
(前半 13-29)
(後半 14-12)

ワールドカップに向け、非常に重要なシリーズとなる国内5連戦の2戦目、All Blacks XVとの対戦。
前半、全開で立ち上がったAll Blacks XVがターンオーバーからトライを重ね、大きくリード。後半序盤にも、2トライをマークしたAll Blacks XVの完勝ムードが漂うなか、後半中盤以降に日本代表が勢いをみせるとそこから2トライを返す。その後も終始押し込んだが、ミスが重なり追加点を挙げられず試合終了となった。

アタックはテンポよく継続できれば、前進できるという手応えを改めて認識できた。第1戦でも同様の印象を受けたが、ブレイクダウンの安定性が向上したため、球出しがよりスムーズになっていた。最終的にFB松島幸太朗(東京SG)のトライにつながった前半23分からの連続攻撃はチーム全体として推進力を持った素晴らしいものだった。SH斎藤直人(東京SG)が随所にブラインドサイドに持ち出すことでいいアクセントを与えるなど工夫もみられた。相手の勢いが落ちた後半中盤以降は選手交代も相まって攻勢を強め、継続アタックから何度もチャンスを演出。2トライを生み出したが、ハンドリングエラーを始めとしたミスが重なり、多くの好機を逸したのがとても残念だった。また、第1戦でほぼみられなかった相手裏へのショートキックはこの試合でもほぼみられなかったが、攻撃が詰まらず継続してゲインできれば無理にやる必要がないので、効果的な活用が求められる。現に前半序盤に裏に転がしたシーンはどっちつかずとなり、失トライにつながった。

ディフェンスは第1戦同様に後ろのスペースを2人で埋めて、フロントラインを13人とし、横幅をコンパクトにする陣形を採用。セットした場面ではラインがしっかりとあがり前で相手を止めており、前試合と同様に一定の機能をみせていた。しかし、前半の失トライがそうであったように、ターンオーバーから局面が入れ替わった場面でアタックを受けると不安定さが露呈した。また、相手のランナーが斜めに走り、自分との対面ではない選手に仕掛けてくる場面や深いラインからバックドアの選手を活用される場面ではノミネートが上手くいかず、簡単に破られるシーンが目立った。特にアウトサイドの対応には課題を残した印象で、イメージが共有できていなかったように感じる。38分の場面では広い守備範囲を持つCTB中村亮土(東京SG)が相手を外に押し出そうとしているにもかかわらず、WTBセミシ・マシレワ(花園L)がランナーにプレッシャーを与える対応をみせたためビッグゲインを許した(後方にFB松島も控えているため上手くディフェンスしたかった)。前半は4トライを献上したが、徐々に修正され後半終盤は高い集中力で対応できていた(欲を言えば前半のうちに対策を講じたかった)。FW、BKの連携と外側の働きが非常に大切となるため、再確認し精度を高めていきたい。また、戻りの遅さやポジショニングなどバックスペースのキックケアにも課題が残った印象だ。

セットプレーについては、この試合の収穫の一つといえるスクラムが素晴らしいパフォーマンスを披露した。ペナルティをとられる場面もあったが、試合を通じて安定感を発揮しチームを支えた。ラインアウトは風の影響等も受け失うことも多かったが、ある一定の工夫はみられ、今後に期待したい。

各選手をみていくと、主将を務めたNo8姫野和樹(トヨタV)が気迫あふれるプレーで攻守に渡り奮闘。果敢なキャリーがチームに活気をもたらした。10番で先発したSO李承信(神戸S)は安定したプレーをみせ、全てのプレースキックを決めた。また、途中出場のSH流大(東京SG)とCTB長田智希(埼玉WK)はチームに勢いをもたらす働きで後半の反撃に寄与した。流は緩急をつけた球出しと鋭く仕掛ける動きを披露。長田は倒れない推進力で違いを生み出し、トライにも絡んだ。ディフェンスでも存在感をみせ、攻守に力を発揮した。

第1戦からの課題と向き合い、着実に状態を挙げている印象で、攻守ともに手応えは感じるなか、細かいミスの改善や統一性の確認を進めていきたい。後半に巻き返しをみせたゲーム内容は評価できる一方で、取り切れない攻撃、勝負どころでの反則、簡単に破られるディフェンスなど本番では命取りになるシーンは多々見受けられた。現状を受け止め、向上点と改善点をしっかりと見極めて次戦を迎えたい。まだまだこれから。

All Blacks XVとの第1戦を振り返る(2023年7月13日投稿)

リポビタンDチャレンジカップ2023
JAPAN XV 6-38 All Blacks XV
(前半 6-11)
(後半 0-38)

2か月後に開幕するラグビーワールドカップに向け、日本代表の国内5連戦が始まった。非常に重要となるシリーズの初戦はJAPAN XVとして、ニュージーランド代表予備軍といわれるAll Blacks XVと対戦。前半は接戦を演じたものの、後半に突き放され、結果的に、6-38で敗れた。
接点の局面をみていくと、特に前半はコンタクトで引けを取らず十分にやれている印象だった。ディフェンスでは昨年の秋の代表戦同様に後ろのスペースを2人で埋めて、フロントラインを13人とし、横幅をコンパクトにする陣形を採用。当たりの強い相手に対し、出足の鋭いあがりとダブルタックルで対応しラインを割らせない状況をつくった(近場は破られない前提のため、ノミネートミスなどで突破されると非常に危ない)。その反面大外が空くため、外の上がりが非常に重要となる。23分のシーンはおぼつかなかったが、20分、30分、37分の局面では適切なディフェンスを披露した。実際、前半は相手を1トライに封じたため、ある一定の評価はできるだろう。しかし、特に運動量が落ちた後半は、外で破られる場面も増え、相手に好機を与えた。コンディションの問題もあったかもしれないが、タスクの遂行力には課題が残った。

アタックでは比較的シンプルな9シェイプ、10シェイプを採用。テンポよく継続できると、可能性を感じるシーンもつくったが、ブレイクダウンでのプレッシャーを受けて外までの上手い展開ができず、突破口はなかなか見いだせない状況だった(ポッドの外側のバックローを当てるなど工夫はみられたが、あまり効果的ではなかった)。また、ポゼッションにコンセプトを置いたためかもしれないが、相手の後ろにスペースがあるにもかかわらず、ショートキックでのエリア取りはあまりみられなかった。前半序盤のSO松田力也(埼玉WK)や試合終盤のSO小倉順平(横浜E)などが裏に転がし、ラインを割った場面などが増えれば体力消耗を抑えられたと感じるが、あえてやっていないのかもしれない。また、バックスリーはカウンターなどで素晴らしいランをみせるが、プレーが雑で好機を逸した。結果的にノートライに終わり、攻撃が機能していたとは言い難い結果となった。3分、47分の好機はなんとかトライにつなげてもらいたかった。

セットプレーはある一定の安定感はみせたが、バリエーションに欠けた印象。現時点ではあえてなのだろうか。

総じて、特に前半はディフェンスでは近場をよく止めていて、プレッシャーをかけていた。SH齋藤直人(東京SG)はラックサイドで気の利いた働きをみせ、初登場のFL福井翔大(埼玉WK)はジャッカルを決めるなど、接点で強さをみせ、試合終盤まで高いワークレートで存在感を発揮した。ハイボール処理は相変わらず不安の残る内容で、キックは今後のゲームでの活用に期待したい。アタックではポゼッションに終始した結果、なかなか前に出られず、細かなミスで好機を逸した。攻守にミッドフィールドで体を当て続けた結果、運動量が下がり、反則も増えて、後半中盤以降は相手に得点を重ねられた。

攻守に見どころが少ないゲームだったが、FL福井の活躍は好材料かつ最大の収穫と言えるだろう。この結果を悲観する必要はないが、この点差とノートライという現状をしっかりと受け止め、課題を解決し次に向かいたい。チームとしての機能性を高めていき、タスクの継続力と遂行力に期待したい。

2022 関東大学対抗戦A 第7、8週 結果まとめ(2022年11月26日投稿)

立教大学 17-43 筑波大学

○試合内容
大学選手権出場向け前進したい筑波大が試合開始から相手陣に攻め込むも、ハンドリングエラーなどもあり好機を得点につなげられず。それでも筑波大は14分、敵陣ゴール前ラインアウトモールを押し込み、FL楢本鼓太朗(4年、修猷館)のトライで先制。その後も筑波大が攻勢に出るも、立教大はFL二木翔太郎(3年、立教新座)のジャッカルやNo8紀伊雄介(4年、桐蔭学園)のタックルなど献身的なディフェンスでしのぐ。しかし、31分、筑波大は再び敵陣ゴール前ラインアウトモールを長い距離押し込んでインゴール手前に進むとSO楢本幹志朗(1年、東福岡)からWTB植村陽彦(4年、茗溪学園)に渡って追加トライ。直後に立教大がPGで3点を返すも、筑波大は前半終了間際に敵陣に攻め込んでBK陣でライン際を前進すると最後はSH白栄拓也(3年、高鍋)のトライで差を広げる。前半は3トライを重ねた筑波が3-17とリードで折り返す。後半は開始早々に筑波大が敵陣スクラムで8→9からボールを受けたSO楢本が絶妙なタイミングで内に返し、走り込んだWTB大畑亮太(2年、東海大大阪仰星)がラインブレイクしそのままトライ。差を広げられた立教大は敵陣ゴール前スクラムからNo8紀伊が持ち出してトライを返す。直後にも立教大は敵陣ゴール前に攻め込むもここはNo8谷山隼大(3年、福岡)のジャッカルで筑波大がしのぐ。18分、筑波大は相手キックを自陣でキャッチしてのアタックからフェイズを重ねて迫ると最後はSH白栄のパスに力強く走り込んだNo8谷山が抜けて突き放す貴重なトライ。その後、立教大が攻勢に出ると27分にCTB中優人(2年、桐蔭学園)が上手く体を使ってトライ。それでも筑波大は試合終盤に2トライを追加。7トライを挙げ快勝した筑波大が5位を確定させ、2年ぶりの大学選手権出場を決めた。

○MVP
・立教大
[FW] No8 紀伊 雄介(4年、桐蔭学園)
コンタクトの強さを武器に攻守両面においてチームに貢献。力強いボールキャリーでアタックの中心となるとともに、好タックルをみせるなどディフェンスでも実力を発揮。ラインアウトでも貴重なピースとなった。
[BK] CTB 中 優人(2年、桐蔭学園)
的確なパスやキックでチームを牽引。効果的なプレーをみせ続け、存在感を発揮した。後半27分には体を上手く使った突破をみせて対抗戦初トライを挙げた。

・筑波大
[FW] LO 八木澤 龍翔(4年、流経大柏)
攻守両面において接点で大きな存在感を示しチームの勝利に貢献。何度となく力強いキャリーをみせるとともに、ブレイクダウンでの激しさで相手にプレッシャーをかけ続け、チョークタックルを決めるなど試合を通じて輝きを放った。
[BK] WTB 大畑 亮太(2年、東海大大阪仰星)
抜群のスピードと巧みなランニングでチームを牽引。再三に渡る推進力のあるプレーでチーム全体を押し上げ、好機の演出に寄与。前半終了間際にトライにつながるプレーをみせれば、後半開始早々にはトライをマーク。

○PICK UP
・筑波大
WTB/SH 中野 真太郎(2年、福岡)
試合終盤に途中出場し2試合続けての出場。今年の春季大会にて公式戦デビューを果たし、3試合に先発出場、巧みなランで2トライをマークした。
高校時代は主にSHとして活躍。3年時の花園県予選では第2地区準決勝で筑紫に惜敗した。
中学時代には日本代表が劇的勝利を収めた2015年W杯南アフリカ戦にてマスコットキッズを務めた経験を持つ。

青山学院大学 52-12 日本体育大学

○試合内容
互いに初勝利を目指すチーム同士の対決。青山学院大は試合開始早々に敵陣22m付近のスクラムからフェイズを重ねて最後はCTB金澤春樹(4年、流経大柏)の見事なキックパスがWTB大村知意(4年、茗溪学園)に入って先制トライ。その後は互いのミスや献身的なディフェンスで膠着状態が続く。スクラムの強さをみせる日本体育大も相手陣に迫るが取り切れず。青山学院大は28分、敵陣ゴール前のペナルティからNo8辻村康(3年、東海大大阪仰星)が突っ込むと、BKに展開して最後はCTB金澤のパスからWTB榎本拓真(2年、桐蔭学園)が追加点。その直後にはCTB金澤のゲインでゴール前に迫ると展開して再びWTB榎本がトライを奪うと、前半終了間際にはラインアウトモールを押し込み、BKが上手くつないで最後はWTB大村がトライ。前半は26-0と青山学院大のリードで折り返す。大きくリードする青山学院大は後半開始早々、敵陣に攻め込むとCTB金澤のキックがFL金原匡佑(4年、國學院久我山)につながって最後はWTB榎本がハットトリックとなるトライをマークしさらに追加点を奪う。差を広げられた日本体育大は敵陣10mライン付近のグラウンド中央のスクラムで強さをみせると左に展開して途中出場のCTB辰己一輝(2年、日体大柏)のトライで1本返す。それでも青山学院大は19分、敵陣ラインアウトからのBK展開でWTB榎本が上手くスワーブを切ってゲインしWTB大村に放ってトライを奪うと、33分にはCTB金澤がキックを使った個人技でトライを重ねる。日本体育大も36分にラインアウトモールからSH小林峻也(3年、日大明誠)がトライを奪うも、試合終了間際に青山学院大がさらにトライを奪い、差を広げた。8トライを挙げた青山学院大が今季対抗戦初勝利。日本体育大は6連敗となった。

○MVP
・青山学院大
[FW] No8 辻村 康(3年、東海大大阪仰星)
コンタクトの強さが光り、攻守両面で大きな存在感を発揮。再三に渡り前進力のあるキャリーをみせるとともに、ブレイクダウンの激しさでも好パフォーマンスを披露し、チームの勝利に貢献。
[BK] CTB 金澤 春樹(4年、流経大柏)
この試合でも出色のパフォーマンスを披露。効果的なパスやキックでゲームをコントロールするとともに、自らも個人で局面を打開し得点機を演出。アタック時のキックも冴え、多くのトライを生み出した。

・日本体育大
[FW] PR 砂田 優希(4年、駒込)
相変わらずのスクラムの強さでチームを牽引。ブレイクダウンでも奮闘しこの試合もフル出場で高いワークレートを示した。
[BK] FB 田中 大世(4年、甲南)
アジリティの高い動きで存在感を発揮。巧みなランでチームのビルドアップに寄与し、後方で1対1のタックルを決めるなど攻守両面でチームに貢献。

○PICK UP
・青山学院大
SH 小林 純岳(1年、東海大相模)
後半35分に途中出場し、公式戦デビュー。
高校時代は2年時に花園県予選決勝にて桐蔭学園に惜敗するも、オータムチャレンジを勝ち上がり花園に出場。3年時は県予選決勝でやはり桐蔭学園に屈した。高校では先日関東リーグ戦デビューは果たしたCTB柏原慶太(日本大1年)らと同級生。母校は11月20日の第102回花園予選県決勝にて桐蔭学園を下し、32年ぶりの優勝を果たした。

・日本体育大
LO 逢坂 侑大(1年、御所実業)
後半23分に途中出場し、第3週早稲田大戦以来の出場。接点での働きで奮闘。
高校時代は3年時に花園に出場し3回戦に進出。高校卒業後すぐにS愛知に加入したLO鵜野凪斗とセカンドローを形成した。

帝京大学 29-13 明治大学

○試合内容
明治大は開始早々にLO山本嶺二郎(3年、京都成章)のジャッカルで得たペナルティからCTB廣瀬雄也(3年、東福岡)のPGで先制。帝京大は直後にラインアウトのアタックからHO江良颯(3年、大阪桐蔭)が凄まじいゲインをみせると最後は大外に振ってWTB小村真也(2年、ハミルトンボーイズ高)がトライを奪い逆転。その後スクラムの強さを武器に帝京大が優位に試合を進めると22分、スクラムで得たゴール前ペナルティからSO高本幹也(4年、大阪桐蔭)がタップキックで前進して飛び込みトライを重ねる。ゴール前でのペナルティでスクラムを選択し続けた中での意表を突いたプレーだった。リードを許す明治大は徐々に対応をみせ、アタックの時間帯を得て20フェイズ以上重ねて攻め込むも帝京大がやらせない。なかなか得点を奪えない明治大は前半終了間際にスクラムでペナルティを獲得すると再びCTB廣瀬のPGで3点を返す。全勝対決の前半は12-6と帝京のリードで折り返す。後半開始から明治大が幅を使ったアタックをみせるがSO伊藤耕太郎(3年、國學院栃木)のパスをインターセプトしたWTB小村が走り切って帝京大が差を広げる。さらに帝京大は11分、敵陣ラインアウトのアタックからCTB二村莞司(4年、京都成章)がいい角度で突っ込んでゴール手前に迫ると最後はFL奥井章仁(3年、大阪桐蔭)が力でねじ込んでトライ。なかなか自分たちの時間をつくれない明治大は17分、CTB廣瀬が相手の展開をインターセプトしてトライを奪い1本返す。その後、帝京大がスクラムの強さを全面に出し、押し込む展開となる。ほぼ明治陣内のゲームとなるが明治大が粘りをみせて得点が動かず。帝京大は終了間際にPGを沈めて試合を締めた。勝利した帝京大は最終戦を残し2年連続の対抗戦優勝を決めた。

○MVP
・帝京大
[FW] FL 奥井 章仁(3年、大阪桐蔭)
破壊力のあるプレーと高いワークレートでこの試合でも抜群の存在感を発揮。力強いボールキャリーとブレイクダウンの激しさで相手の脅威となり続け、後半11分には体の強さをみせてトライを挙げた。
[BK] SO 高本 幹也(4年、大阪桐蔭)
全てのスキルが高水準の卓越したゲームメイクでチームを牽引。正確なキックでエリア取りに寄与し、アタックでは優れたパスやランで好機を演出し続けた。前半22分には相手の不意を突いて自らトライをマーク。試合を通じて出色の出来を披露。

・明治大
[FW] LO 山本 嶺二郎(3年、京都成章)
接点での激しさとブレイクダウンでの働きで存在感を発揮。試合開始早々に先制点につながるジャッカルを決めるなど随所に好プレーをみせ、試合を通して攻守両面でチームに貢献。
[BK] CTB 廣瀬 雄也(3年、東福岡)
力強いコンタクトと正確なロングキックで実力を発揮。的確なパスに加え、迫力のあるキャリーも披露。2本のPGを確実に決め、後半17分にはインターセプトからトライをマークしてチームの全得点を挙げる活躍をみせた。

○PICK UP
・帝京大
PR 上杉 太郎(3年、熊本西)
スクラムの強さを十二分に発揮しチームの勝利に貢献。1年時から公式戦に出場しており、今季レギュラーに定着し、ここまで対抗戦全試合でスタメン出場。細木康太郎(東京SG)の抜けた3番で輝きを放っている。
高校時代は1、2年時に花園に出場。2年時から不動の3番として活躍。3年時の花園県予選決勝ではSH武井陽昌(流通経済大3)擁する熊本工業に惜敗した。

慶應義塾大学 13-19 早稲田大学

○試合内容
雨のコンディションの中での難しいゲームとなった。序盤からキックの応戦も目立つなか、ブレイクダウンの激しさと効果的なハイパントをみせた慶應義塾大が前半リードで折り返す。慶應義塾大は15分にSO中楠一期(4年、國學院久我山)のPGで先制。30分には敵陣22m内へのハイパントが収まったところから、SO中楠のラインブレイクをサポートしたPR 松岡勇樹(4年、慶應義塾)がトライ。早稲田大はその直後にSH宮尾昌典(2年、京都成章)のペナルティの速攻から相手インゴールに迫るがトライにつながらず。ハンドリングとラインアウトに苦しんだ早稲田大は何度か相手インゴール迫ったが無得点で前半を終えた。後半開始からキックを上手く使いながら攻勢に出る早稲田大が8分にラインアウトモールを押し込むと、慶應義塾大LOアイザイア・マプスアが反則でシンビンとなる。その直後に早稲田大がラインアウトモールを押し込んでHO佐藤健次(2年、桐蔭学園)がトライを挙げ詰める。さらに早稲田大は16分、再びラインアウトモールから抜け出したHO佐藤がトライを奪い逆転に成功。その後も早稲田大が圧力をかけ、慶應陣内でのゲームが展開されるも、慶應義塾大はLO栗田大次郎(4年、慶應義塾)のタックルやFL今野勇久(4年、桐蔭学園)のジャッカルなどで粘り強く凌ぎ、スコアが動かない時間帯が続く。それでも早稲田大は試合終盤に敵陣ゴール前スクラムからNo8村田陣悟(3年、京都成章)が持ち出して力でねじ込みトライ。慶應義塾大は終了間際に相手陣に攻め込みPGを決めて試合終了。1敗同士の早慶戦は後半に3トライを奪って逆転した早稲田大が勝利。後半相手に押し込まれ逆転で敗れた慶應義塾大は試合終了間際のPGでボーナスポイントを獲得した。

○MVP
・慶應義塾大
[FW] FL 今野 勇久(4年、桐蔭学園)
接点とブレイクダウンでの奮闘でチームを牽引。自陣ゴール前でジャッカルを決めるなど試合を通して好パフォーマンスを披露しチームを鼓舞し続けた。
[BK] SO 中楠 一期(4年、國學院久我山)
正確なパスと効果的なキックでゲームメイク。絶妙な位置に落とすハイパントで好機を生み出すとともに、優れたランスキルも披露し、前半30分には見事なラインブレイクからPR松岡のトライをアシスト。

・早稲田大
[FW] HO 佐藤 健次(2年、桐蔭学園)
推進力のあるキャリーと優れた決定力でチームを勝利に導いた。再三に渡り凄まじい前進をみせ、後半9分、16分にはラインアウトモールから貴重なトライをマークした。今季対抗戦9トライで見事な得点力をみせている。
[BK] FB 小泉 怜史(4年、早稲田実業)
雨の中のゲームでキック合戦も多くなるなか、安定したプレーをみせチームの勝利に貢献。左足から放たれる正確なロングキックと安定したキック処理で後方からチームを支えた。

○PICK UP
・慶應義塾大
WTB/FB 今野 椋平(1年、桐蔭学園)
開幕戦以来の先発出場で攻守に奮闘。1年生ながら春季大会からコンスタントに出場している。
高校時代は1年時から花園を経験。2年時には主にWTBのレギュラーとして花園優勝に貢献。3年時には主に10番、12番として活躍し、チームを選抜大会準優勝、花園ベスト4に導き、高校日本代表候補にも選出された。

・早稲田大
FL 永嶋 仁(3年、東福岡)
後半32分に途中出場。今季対抗戦デビューを果たし、ここまで4試合に出場している。
高校時代は3年時にCTB廣瀬雄也(明治大3)と共同主将を務め、選抜大会ベスト8、花園ベスト4に進出した。また、2年時にはコベルコカップのU17九州に選出された経歴を持つ。

2022 関東大学リーグ戦1部 第7週 結果まとめ(2022年11月17日投稿)

東洋大学 26-22 法政大学

○試合内容
東洋大は敵陣で一度ボールを失うもインターセプトしたところから攻め込んでSO土橋郁也(4年、黒沢尻工業)の長いパスをエッジで受けたNo8梅村柊羽(4年、関商工)のランからWTB杉本海斗(3年、東京)に渡り先制トライ。さらに、東洋大は19分、敵陣ラインアウトからフェイズを重ねてPR山口泰雅(4年、目黒学院)が大きくゲインすると最後はLOマタリキ・チャニングス(2年)が飛び込んで追加点。リードを許す法政大は28分、敵陣ラインアウトからのアタックでFWとBKが一体となってフェイズを重ねてゴール前に迫ると最後はSH小山田裕悟(1年、桐蔭学園)からもらったSO熊田経道(3年、大産大附)がタックルを受けながらもトライ。迫られた東洋大は前半終盤に敵陣22m付近スクラムで得たFKの速攻からFLタニエラ・ヴェア(3年、目黒学院)が突っ込み、SH神田悠作(4年、東筑)がラックサイドを破って最後はLOチャニングスが再びトライ。法政大はラストプレーでPGを返し19-8で前半終了。後半開始から一進一退の攻防で膠着状態が続くなか、東洋大が16分、連続攻撃でゴール前に迫るとSH神田のゲインから最後はLOチャニングスが力強いキャリーでこの試合3つ目のトライ。その後も東洋大が押し込む展開となるが、24分、法政大は自陣でターンオーバーに成功するとそこからBKのスピード溢れるカウンターが炸裂してFB石岡玲英(3年、御所実業)が走り切りトライを挙げる。攻勢に出る法政大は38分、敵陣5mスクラムを押し込んでボールを受けたCTB金侑悟(2年、大阪朝高)が力強くゲインするとLO竹部力(3年、大分舞鶴)がねじ込んでトライ。GKも決まり4点差とする。逆転を狙う法政大が猛攻を仕掛けるも東洋大が2連続でラインアウトをスチールするなど決死のディフェンスで防ぐ。しのぎ切りリードを守った東洋大が大学選手権出場に向けた重要な一戦を制し、4勝2敗。敗れた法政大は3勝3敗となった。

○MVP
・東洋大
[FW] LO マタリキ・チャニングス(2年)
破壊力のある前進と決定力でチームの勝利に大きく貢献。アタックの中心として機能しハットトリックを達成。特に後半16分に相手を振り切りながら挙げたトライは圧巻だった。
[BK] WTB 杉本 海斗(3年、東京)
スピード溢れるランと体幹の強さでチームを牽引。前半5分に貴重な先制トライを挙げれば、後半20分頃にはビッグゲインをみせるなど好パフォーマンスを披露。また、タックルでも貢献。

・法政大
[FW] No8 佐々木 康成(4年、大分舞鶴)
今季リーグ戦初めてNo8で先発しフル出場。コンタクトの強さを武器に攻守両面で存在感を発揮。ターンオーバーをみせるなどブレイクダウンでの働きも光った。
[BK] SO 熊田 経道(3年、大産大附)
安定したパスやキックで的確なゲームメイクを披露。好機をつくりながら後半28分には自らもトライをマーク。後半序盤にナイスタックルをみせるなど守備面でも貢献。

○PICK UP
・東洋大
FB ステファン・ヴァハフォラウ(1年、札幌山の手)
関東学院大戦以来の先発でFBでのスタメンは初。正確なロングキックと巧みなランでチームの勝利に貢献した。
高校時代は、2年時に花園、3年時に選抜大会、花園に出場。U17北海道、高校日本代表候補に選出された経歴を持つ。

・法政大
LO 細川 幹太(1年、國學院久我山)
第2週の日本大戦以来の先発出場。ピンチの場面でジャッカルを決めるなど随所に存在感を発揮。ルーキーながら春季大会から公式戦を経験する。
高校時代は3年時に花園に出場、1回戦ではトライを挙げるなど活躍し2回戦に進出した。高校の同級生であるLO荒川真斗(青山学院大1)とCTB佐藤侃太朗(立教大1)は既にレギュラーを掴んでいる。

流通経済大学 38-31 立正大学

○試合内容
立正大は7分、敵陣深くのラインアウトモールからFLエパラマ・ツヴュニボノ(4年)が抜け出してタックルを受けながらも左隅に先制トライ。その後、流通経済大が押し気味に展開すると21分、FB谷惇平(3年、日向工業)のPGで3点を返す。立正大は直後の25分、敵陣ラインアウトからの連続攻撃でゴール前に迫ると最後はラックから持ち出したFLツヴュニボノが体を上手く使ってねじ込んでトライ。差を広げられた流通経済大は32分、敵陣深くのラインアウトモールから抜け出したLOアピサロメ・ボギドラウ(4年)のトライでついていく。それでも立正大は35分、敵陣でターンオーバーした流れからFLツヴュニボノがゲインし最後はWTB大月淳史(4年、新潟工業)に渡ってトライ。しかし、流通経済大も敵陣ラインアウトのアタックからNo8ティシレリ・ロケティ(1年)が力強いキャリーでゲインするとFL南太陽(4年、大産大附)がラックサイドを破ってトライを奪い2点差に迫るも、立正大は前半終了間際にゴール前まで進んでCTB小熊丞(4年、北越)のロングパスから再びWTB大月がトライをマークし突き放す。前半は立正大が17-24とリードで押し返す。後半は序盤からボールが行き交う一進一退の攻防が続く。そのような中、立正大は13分、敵陣ラインアウトからのアタックでSO吉永崚(4年、九州学院)の見事なキックパスでゲインを生み出すと、そこからフェイズを重ねてインゴール手前に迫り最後はLO八木崇太(2年、日本航空石川)が潜って貴重なトライ。差を広げられた流通経済大はここから猛攻を仕掛ける。24分にNo8ティシレリ・ロケティ(1年)が豪快なトライを挙げると、30分には敵陣ラインアウトからのアタックでSO佐々木開(2年、常翔学園)のグラバーキックに反応したWTB永山大地(4年、流経大柏)がそのまま走り切ってトライ。GKも決まり同点に追いつく。さらに流通経済大は終了間際にラインアウトモールでゴール前に迫るとFWで近場を突いてBKに展開し最後はCTB土居大吾(4年、流経大柏)が値千金の勝ち越しトライ。終盤、攻勢に出てトライを積み重ねた流通経済大が逆転勝利。流通経済大は1敗を死守して最終週を残し2年ぶりの大学選手権出場が決定。惜しくも敗れた立正は3勝3敗となった。

○MVP
・流通経済大
[FW] No8 ティシレリ・ロケティ(1年)
再三にわたる前進力のあるボールキャリーでチームのアタックを牽引。縦への強さをみせて試合を通して相手の脅威となり、後半24分には敵陣ゴール前ラックから持ち出して反撃の狼煙となる貴重なトライを挙げた。
[BK] CTB 土居 大吾(4年、流経大柏)
総合力の高いパフォーマンスでチームの勝利に貢献。攻守両面において質の高いプレーをみせ絶大な存在感を発揮。後半38分には上手く走り込んで勝ち越しトライをマークした。

・立正大
[FW] FL エパラマ・ツヴュニボノ(4年)
常に前に出る抜群の推進力でチームに貢献。相変わらずの決定力の高さをみせて2トライをマーク。また、ジャッカルを決めるなどディフェンス面でも大きく貢献。
[BK] SO 吉永 崚(4年、九州学院)
的確なプレーを武器に優れたゲームコントロール力を披露。効果的なパスやキックで試合を通して好機を生み出し続けた。特に最終的に後半13分のトライにつながるなど局面を打開するロングキックパスは秀逸だった。

○PICK UP
・流通経済大
SH 武井 陽昌(3年、熊本工業)
素早い球捌きとアジリティの高さでチームを牽引。1年時から公式戦を経験し、昨年度まではリザーブが主だったが、今年は春季大会からレギュラーに定着。今季リーグ戦は全試合先発出場を果たしチームの中心としてプレー。
高校時代は3年時に花園に出場。母校は先日その時以来の花園出場を決めた。

・立正大
SH 三原 大河(3年、東福岡)
後半32分に途中出場し、この試合ではFBを担った。今季リーグ戦3試合目の途中出場で、前2試合は中森に代わり主戦場のSHでプレー。
高校時代は3年時に花園に出場したが、西村笙(専修大3)の控えという立場だった。来季のレギュラー候補で、中森同様に大学での飛躍を狙う。

大東文化大学 0-21 東海大学 試合中止

新型コロナウイルスの影響により大東文化大が辞退。活動再開時期を11月11日(金)とし試合出場のための十分な準備期間が確保できないことが要因。
順位決定方法に基づき、東海大:勝点5、大東文化大:勝点0となり、得失点差は21(3T3G)-0の扱いとなった。

日本大学 38-14 関東学院大学

○試合内容
序盤からエリアを取り合う互角の展開をみせる。初勝利を狙う関東学院大は6分、敵陣ゴール前ラインアウトモールを押し込んでFLラリー・ティポアイールーテル(1年、倉敷)が先制トライ。日本大は16分、同じく敵陣ゴール前ラインアウトモールから抜け出したNo8佐川奨茉(3年、佐野日大)が抜け出してトライを奪い、GKも決まり同点。その後はブレイクダウンの激しさや粘り強いタックルで一進一退の攻防が続くが、FWとBKが一体となって流れるようにパスをつなぎ分厚いアタックをみせる日本大が徐々に流れを掴む。押し込む展開でゴール前まで攻め込むも、関東学院大がNo8由比藤聖(2年、東海大静岡翔洋)の連続ジャッカルで防ぐ。それでも日本大は38分、No8佐川奨茉(3年、佐野日大)のターンオーバーから長くフェイズを重ねて、FB普久原琉(4年、コザ)のキックパスをエッジで受けたFL武育也(3年、國學院栃木)が内に返し、最後はWTB廣木一世(4年、興国)のランからNo8佐川が勝ち越しトライ。前半は12-7と日本大のリードで折り返す。後半もどんどんつなぐ日本大の持ち味が発揮され主導権を握った展開となる。4分には敵陣ラインアウトのアタックからFWで前進して最後はCTB広瀬龍二(4年、日川)からNo8佐川に渡り、タックルを受けながらもインゴールに飛び込んでこの試合3つ目のトライ。さらに、日本大は13分、敵陣ラインアウトモールを長い距離押し込んでそのままSH齋藤史哉(3年、佐賀工業)がトライを奪うと、32分にはFL武のトライで差を広げる。一矢報いたい関東学院大は試合終了間際に敵陣ゴール前まで攻め込み、FWでこだわりをみせて最後は途中出場のLO花田龍紀(2年、東海大福岡)がトライ。試合を通じて主導権を握った日本大の勝利。日本大は2連勝で3勝目、関東学院大は6連敗となった。

○MVP
・日本大
[FW] No8 佐川 奨茉(3年、佐野日大)
力強いキャリーと接点での働きで好パフォーマンスを披露。抜群の決定力でハットトリックを達成するとともに、ブレイクダウンではターンオーバーやジャッカルをみせ、攻守両面で大活躍。
[BK] FB 普久原 琉(4年、コザ)
正確なパスと効果的なキックでゲームをコントロール。また、推進力のあるランでチーム全体を押し上げた。優れたアタックセンスで好機の創出に寄与し、チームの勝利に貢献。

・関東学院大
[FW] No8 由比藤 聖(2年、東海大静岡翔洋)
コンタクトの強さとブレイクダウンでの働きで絶大な存在感を発揮。攻守両面においてチームの中心を担った。連続攻撃で攻め込んでくる相手に対しジャッカルを連発してピンチを摘んだ。
[BK] WTB 安藤 悠樹(1年、日向工業)
アジリティの高い動きと巧みなランでチームに貢献。再三可能性を感じるアタックをみせ、キックやパスも含め総合力の高さを披露した。

○PICK UP
・日本大
FL 武 育也(3年、國學院栃木)
リーグ戦初出場初先発で公式戦デビュー。力強いキャリーとブレイクダウンでの働きでチームに貢献し、見事POMに輝いた。待望のデビューで大活躍。
高校時代は3年時に選抜大会、花園に出場。高校ではSH北村瞬太郎(立命館大3)、SO伊藤耕太郎(明治大3)らと同級生。
WTB 久保 太志郎(1年、國學院栃木)
リーグ戦初出場初先発でフル出場、スピードのあるランで存在感を発揮した。
高校時代は控えのBKで準優勝を果たした3年時の花園では1試合に途中出場したのみだった。

・関東学院大
SH 蠣崎 琳二(1年、仙台育英)
後半23分に途中出場し公式戦デビュー。
高校時代は3年時に選抜大会、花園に出場。現在も主力を務めるSH今聡(仙台育英3年)としのぎを削った。

2022 関東大学対抗戦A 第6週 結果まとめ(2022年11月12日投稿)

青山学院大学 14-38 筑波大学

○試合内容
筑波大は前半4分、ラインアウトのアタックからエッジにいたFL茨木颯(1年、東福岡)が大きくゲインすると、最後はラックから持ち出したSH白栄拓也(3年、高鍋)が抜けて先制のトライ。青山学院大は試合開始早々にトライを許したものの、タックルでノッコンを誘ったり、インゴール手前で相手アタックを防ぐなど粘り強いディフェンスで筑波大を苦しめる。それでも筑波大は26分、アンストラクチャーからFL茨木とWTB大畑亮太(2年、東海大大阪仰星)のランでインゴールに迫ると最後は上手く走り込んだSO楢本幹志朗(1年、東福岡)に渡って中央にトライ。前半は0-14と筑波大のリードで終了。リードを許しながらも献身的なプレーで健闘する青山学院大は後半12分、敵陣ゴール前スクラムからSO金澤春樹(4年、流経大柏)の内返しに走り込んだWTB山同光(4年、國學院久我山)がトライを奪い7点差に迫る。リードを縮められた筑波大はその直後、敵陣でのアタックでSO楢本のキックがこぼれたところに反応したCTB濱島遼(1年、福岡)のオフロードパスからFL茨木が飛び込んでトライ。さらに、筑波大は28分にグラウンド中央のターンオーバーからのBK展開から抜け出した対抗戦初先発のCTB堀がそのまま走り切ってトライをマークすると、35分にはPR倉﨑大丞(4年、筑紫丘)がトライを追加。差を広げられた青山学院大は試合終了間際にNo8辻村康(3年、東海大大阪仰星)がトライ。最後は楢本のPGで試合を締めた筑波大が今季対抗戦初勝利。青山学院大は5連敗となった。

○MVP
・青山学院大
[FW] No8 辻村 康(3年、東海大大阪仰星)
力強いコンタクトとキャリーでチームに貢献。高いワークレートで試合終盤まで衰えない走力を披露し、試合終了間際には体の強さをみせてトライを挙げた。
[BK] SO 金澤 春樹(4年、流経大柏)
前試合に引き続き10番での先発。この試合でも総合力の高さをみせ、チームの中心として好パフォーマンスを披露。前半12分にはWTB山同のトライをアシストするなど的確なパスやキックでアタックを牽引。

・筑波大
[FW] FL 茨木 颯(1年、東福岡)
力強いキャリーとブレイクダウンでの働きで存在感を発揮。前半にはトライにつながる推進力のあるランを披露し、後半15分にはCTB濱島のパスを受けてインゴールに飛び込み対抗戦初トライをマーク。
[BK] SO 楢本 幹志朗(1年、東福岡)
正確なパスやキックと優れたアタックセンスでチームを牽引し今季対抗戦初勝利に貢献。試合を通じて効果的なパスやキックで好機を生み出し続け、前半26分には上手く走り込んで自らトライもマークした。

○PICK UP
・青山学院大
FL 橋本 大吾(4年、本郷)
後半25分に途中出場し、今季対抗戦初出場。昨年度に対抗戦デビューを果たし、2試合に途中出場した。
高校時代は3年時に花園出場。一学年下にNo8福澤慎太郎(慶應義塾大3年)がいる。

・筑波大
FL 倉井 瑛志(2年、旭丘)
試合終了間際に途中出場し、今季対抗戦初出場。今年の春季大会では1試合の先発を含む4試合に出場した。昨年度は1年生ながら対抗戦開幕戦にスタメン出場を果たした。
高校時代はコベルコカップのU18東海でプレーした経歴を持つ。

立教大学 63-10 日本体育大学

○試合内容
立教大が主導権を握り大勝したゲーム。日本体育大は前半5分、敵陣ゴール前スクラムからNo8伊藤拓哉(3年、東京)が持ち込んで先制トライ。先制を許した立教大はテンポの良いアタックで相手の反則を誘うと、ラインアウトモールから12分にFL二木翔太郎(3年、立教新座)、19分にPR八代デビット太郎(2年、京都成章)がトライを挙げリードを奪う。さらに立教大は22分、敵陣深くで相手ラインアウトをスチールしたところからNo8紀伊雄介(4年、桐蔭学園)が突進してトライをマークすると、30分にはFB天羽秀太(3年、桐蔭学園)がトライを追加。食い下がりたい日本体育大は敵陣ゴール前スクラムからボールをもらったCTB小林勇太朗(1年、松山工業)が力強いキャリーでトライを返すも、立教大は前半終了間際にNo8紀伊が再びトライを挙げ、35-10で前半終了。後半開始早々にもFL二木がトライをマークし、立教大が優位に試合を進める。その後は互いにミスもあり膠着状態が続くが、立教大が23分にゴール前に迫りHO三村真嶺(2年、東海大大阪仰星)が近場を押し込んでトライを追加。差を広げられた日本体育大は攻勢をかけるシーンがあるも立教大が集中力の高いディフェンスで対応し得点を許さない。逆にさらにトライを重ねた立教大が結果的に9トライ(1ペナルティトライ含む)を積み重ねて大勝。昨季大敗した相手に勝利した立教大が今季対抗戦初勝利。日本体育大は5連敗となった。

○MVP
・立教大
[FW] FL 二木 翔太郎(3年、立教新座)
力強い突進力で2トライを挙げるなど活躍した紀伊も有力だが、力強いキャリーとブレイクダウンでの働きで存在感をみせた二木を選出。再三のキャリーで相手に脅威を与え続け、2トライをマークするなど決定力を発揮したことに加え、ジャッカルを決めるなどディフェンス面でも貢献。
[BK] CTB 中 優人(2年、桐蔭学園)
安定したパスとキックを活かした的確なゲームコントロールでチームの勝利に大きく貢献。前半30分のFB天羽のトライを生むロングパスやキックの蹴りあいでの効果的なキックなど試合を通して好パフォーマンスを披露。

・日本体育大
[FW] PR 砂田 優希(4年、駒込)
スクラムの強さと接点での働きでチームに貢献。特に前半は安定したスクラムを実現し、好機の演出に寄与。ブレイクダウンではターンオーバーをみせるなどフィールドプレーでも存在感を発揮した。
[BK] CTB 小林 勇太朗(1年、松山工業)
力強いコンタクトとキャリーでアタックを牽引。凄まじい前進力でチームの突破役を担い、前半37分には体の強さをみせてトライをマーク。

○PICK UP
・立教大
LO 手塚 一乃進(3年、足立学園)
怪我から復帰し今季対抗戦初出場を果たしチームの勝利に貢献。昨年度は対抗戦6試合に出場。
高校時代はバスケットボール部に所属し、大学からラグビーを始めた。187cmの長身と体の強さを武器に2年時から公式戦に出場。

・日本体育大
LO テビタ・タラキハアモア(1年、日体大柏)
対抗戦に初出場初先発しフル出場。強いコンタクトとブレイクダウンでの働きでチームに貢献した。
U15、U16トンガ代表歴を持ち、CTBハラトア・ヴァイレア(S東京ベイ)やWTBクリスチャン・ラウイ(GR東葛)ら好選手は輩出する日体大柏出身で今後の飛躍に期待がかかる。

明治大学 54-3 慶應義塾大学

○試合内容
明治大は前半8分、FWとBKが一体となってフェイズを重ね、最後はSO伊藤耕太郎(3年、國學院栃木)のロングパスから大外にいたHO松下潤一郎(3年、筑紫)のトライで先制。その後、慶應義塾大が20分にSO中楠一期(4年、國學院久我山)のPGで3点を返すも、明治大は24分、CTB齊藤誉哉(4年、桐生第一)の上手いランニングからFL森山雄太(3年、東福岡)がトライを奪って差を広げる。さらに、明治大は敵陣深くのスクラムからデザインされたプレーでファーストレシーバーCTB廣瀬雄也(3年、東福岡)からSO伊藤に放ってトライを奪うと、直後にもSO伊藤のラインブレイクからCTB齊藤がトライ。慶應義塾大は敵陣深くまで進むもトライを取りきれず。前半は26-3と明治大リードで終了。後半は早々に明治大がアンストラクチャーからFB安田昂平(2年、御所実業)のキックを収めたWTB秋濱悠太(2年、桐蔭学園)からNo8木戸大士郎(2年、常翔学園)につながってトライを挙げて差を広げる。その後、慶應義塾大がゴール前まで攻め込みながらトライを取りきれずにいると、明治大が敵陣深くに進んで最後はSO伊藤が密集を破ってトライ。さらにその直後、CTB廣瀬のラインブレイクからサポートしたLO武内慎(4年、石見智翠館)がトライを追加。その後は明治大が攻める時間が続くも慶應義塾大が粘り強く対応。慶應義塾大はアタックの時間をつくるも得点に繋げられず。明治大はラストプレーでもトライを重ねた。試合を通じて強さをみせつけた明治大が5連勝、ノートライに終わった慶應義塾大は初黒星。

○MVP
・明治大
[FW] LO 武内 慎(4年、石見智翠館)
力強いキャリーとコンタクトの強さでチームに貢献。抜群の走力もみせ、後半26分には抜け出したCTB廣瀬をサポートしトライをマーク。
[BK] SO 伊藤 耕太郎(3年、國學院栃木)
高水準のパスとランを軸に出色のパフォーマンスを披露。正確なロングパスで先制トライを演出すれば、優れたランスキルを活かしたラインブレイクでCTB齊藤のトライをアシスト。また、自らも2トライをマークし、特に後半22分のシーンは体の強さをみせつけた。

・慶應義塾大
[FW] LO アイザイア・マプスア(4年)
強靭なフィジカルと前への推進力でこの試合でも出色の出来を披露しチームの中心として活躍。後半15分に負傷により退いたのが残念だった。
[BK] FB 山田 響(3年、報徳学園)
アジリティの高い動きと効果的なキックでチームに貢献。ハイボールキャッチなどプレーの安定感に加え、巧みなランで相手の脅威となった。好タックルをみせるなどディフェンス面でも存在感を発揮した。

○PICK UP
・明治大
WTB 東 海隼(1年、光泉カトリック)
後半32分に途中出場し、公式戦デビューを果たした。
高校時代は2年時から花園に出場し、3年時には1回戦でハットトリックを達成。3年時には高校日本代表候補に加え、U20日本代表候補にも選出された。スピードとコンタクトの強さを兼ね備え、ランスキルに長ける。

・慶應義塾大
SH 杉山 雅咲(1年、大阪桐蔭)
後半23分に途中出場し、対抗戦デビュー。今年の春季大会で公式戦デビューを果たし、菅平練習試合ではスタメンを経験。
高校時代は1年時から花園を経験。3年時には選抜大会ベスト4、花園3回戦に進出し、高校代表候補に選出された。兄はSH杉山優平(BL東京)。
CTB 山本 大悟(1年、常翔学園)
対抗戦初出場初先発を果たし、攻守両面で奮闘。ルーキーながら春季大会や菅平練習試合で先発を経験。対抗戦はインフルエンザで出遅れた。
高校時代は1年時から3年連続で花園に出場。主将を務めた3年時はベスト8に進出した。慶應義塾大には一般入試で入学。
CTB 三木 海芽(3年、城東)
後半16分に途中出場し対抗戦デビュー。今年の春季大会では3試合にフル出場しアジリティの高い動きと体幹の強さを武器に攻守両面で好パフォーマンスを披露。
高校時代は1年生からレギュラーを担い3年連続で花園に出場(また、選抜大会2年連続、アシックスカップ3年連続出場)。主に1,2年時はCTB、3年時はSOとして活躍。U17四国に選出された経歴を持つ。

帝京大学 49-17 早稲田大学

○試合内容
帝京大は開始早々に連続攻撃でゴール前に迫ると外にスペースをつくって最後はSO高本幹也(4年、大阪桐蔭)からCTB二村莞司(4年、京都成章)に渡って先制のトライ。その後も帝京大が攻勢をかけるも、早稲田大が献身的なディフェンスで対応し防ぐ。それでも帝京大は敵陣22m内ラインアウトからFL奥井章仁(3年、大阪桐蔭)、FL青木恵斗(2年、桐蔭学園)など強い選手を次々と当てて前進し最後はHO江良颯(3年、大阪桐蔭)が突進してトライを追加。序盤から自陣での戦いを強いられ続ける早稲田大は35分、相手のミスからFB小泉怜史(4年、早稲田実業)が大きく前へ蹴り出すとWTB槇瑛人(4年、國學院久我山)がキックチャージしインゴールに転がったボールを自ら抑えて1本返す。攻め続ける帝京大は相手の懸命なディフェンスと自身のミスで好機を逃すシーンが目立つが、終了間際にFWとBKが一体となってフェイズを重ねて最後はCTB二村が上手く走り込んでトライを追加。前半は21-7と帝京大のリードで終了。後半開始早々、帝京大はラインアウトモールからHO江良のトライでさらに差を広げる。その後、テンポのよいアタックをみせる帝京大に対し、早稲田大が粘り強く対応すると徐々にアタックの時間を得る。早稲田大は21分に敵陣ゴール前スクラムからNo8相良昌彦(4年、早稲田実業)が持ち出してこぼれたところをCTB吉村紘(4年、東福岡)が運んでトライを返す。早稲田大に流れが傾きそうな中、30分、帝京大がラインアウトモールからのトライで突き放すと、さらに敵陣ゴール前でのスクラムプッシュからSH李錦寿(2年、大阪朝高)がトライを追加。早稲田大は終了間際にCTB岡﨑颯馬(3年、長崎北陽台)がトライを奪うも、帝京大はラストプレーでもトライを重ねた。強さをみせつけて大勝した王者帝京大は5連勝、早稲田大は初黒星。

○MVP
・帝京大
[FW] HO 江良 颯(3年、大阪桐蔭)
安定したセットプレーと抜群の前進力でチームを牽引。前半25分には凄まじい突進でトライを挙げれば、後半にはラインアウトモールで2トライをマーク。試合を通して大きな存在感をみせ続けた。
[BK] CTB 二村 莞司(4年、京都成章)
ダイナミックなランと決定力でチームに貢献。抜群の嗅覚で好ランニングから2つのトライをマークした。前試合の日本体育大戦に続く複数トライで今季対抗戦6トライとなった。

・早稲田大
[FW] LO 前田 知暉(4年、東海大大阪仰星)
接点やラインアウトでの働きで存在感を発揮。力強いキャリーで前進をみせるとともに、ラインアウトでは相手ボールをスチールし、ブレイクダウンではジャッカルを決めるなど随所に好プレーをみせた。
[BK] WTB 槇 瑛人(4年、國學院久我山)
抜群のスピードを活かしたプレーでチームに貢献。再三に渡り巧みなランを披露した。前半35分にはチームがなかなか得点機を迎えられないなかで、相手キックをチャージし貴重なトライをマークした。

○PICK UP
・帝京大
WTB/CTB 五島 源(2年、尾道)
後半13分に負傷のCTB松山千大(4年、大阪桐蔭)主将に代わり、今季対抗戦初出場。持ち前のスピードが光った。昨年度はルーキーながら対抗戦で先発出場を経験。
高校時代は2年時から花園を経験し、3年時には1回戦でハットトリックを達成。U17中国に選出された経歴を持つ。

・早稲田大
FB 福島 秀法(1年、修猷館)
後半22分に途中出場し公式戦初出場。期待のルーキーが遂にデビュー。
全国ジュニア大会にて優秀選手に選出されるなど中学時代からその実力を発揮。高校時代は全国大会の出場経験はないが、3年時には高校日本代表候補に加え、U20日本代表候補に選出された。高校ではFB、WTBに加えNo8でもプレーするなどパワフルなランが持ち味。

2022 関東大学リーグ戦1部 第5、6週 結果まとめ(2022年11月11日投稿)

日本大学 31-17 大東文化大学

○試合内容
昨季の上位校ながら苦しむ両チームによる実力拮抗の好ゲームとなった。幅を使ったアタックをみせる日本大に倒し大東文化大が献身的なディフェンスで応戦。前半10分、日本大は敵陣ゴール前ラインアウトモールを押し込んで最後はNo8佐川奨茉(3年、佐野日大)が持ち込んで先制トライ。一方、大東文化大は20分、敵陣ゴール前スクラムからNo8リサラ・フィナウ(2年、青森山田)がブラインドサイドに持ち出してタックルを受けながらも前進しトライを奪い2点差とする。34分、日本大はグラウンド中央付近のスクラムから左に展開してCTBジョアペ・ナコ(2年、大分東明)の見事なオフロードパスから再三素晴らしいランをみせていたWTBナサニエル・トゥポウ(4年)が力強く走り切って差を広げるトライをマーク。アタックの時間を多くつくり、スクラムでも優位に立った日本大が前半12-5とリードで前半終了。粘り強いディフェンスで対応した大東文化大も攻める時間帯はあったがフェイズを重ねると手詰まり感がみえた。後半早々、日本大は敵陣22m内センタースクラムでSHからもらったFB普久原琉(4年、コザ)が個人技で打開してFL原田竜弥(4年、明和県央)に放って突き放すトライ。しかし、大東文化大はその直後に敵陣ゴール前ラインアウトモールを押し込みインゴール手前まで迫ると、近場を突いて最後はSHからもらったPR森俊輔(4年、深谷)がトライ。それでも日本大は20分、距離の長いラインアウトモールを押し込んで再び差を広げ、24-12とする。食らいつきたい大東文化大は29分、相手ボールを奪ったところからアタックを継続して最後はSO落和史(4年、石見智翠館)の見事なキックパスがWTB小田嶋生吹(3年、秋田中央)に入ってトライを奪い7点差とする。迫る大東文化大は終了間際にインゴールまで進むも日本大の決死のディフェンスの前に取りきれず。逆に日本大がCTBナコのタックルでターンオーバーした流れからWTBトゥポウが勝利を決定づけるトライ。注目された一戦を制した日本大は2勝3敗、敗れた大東文化大は1勝4敗となった。

○MVP
・日本大
[FW] No8 佐川 奨茉(3年、佐野日大)
力強いボールキャリーと高いワークレートでチームに貢献。前半10分にはラインアウトモールから持ち出して先制トライをマーク。巧みなランと推進力のあるプレーでアタックの中心となった。
[BK] CTB ジョアペ・ナコ(2年、大分東明)
抜群の突破力と強靭なフィジカルでチームを牽引。開始早々に推進力のある突破をみせるなど再三に渡り相手を苦しめた。前半34分には体の強さを生かしたオフロードパスでトライをアシスト。試合終了間際にはダメ押しトライにつながるターンオーバーをみせるなど試合を通して存在感を発揮し続けた。

・大東文化大
[FW] FL 吉瀬 航汰(4年、大東大一)
豊富な運動量と接点での働きでチームに貢献。粘り強いタックルに加え、ブレイクダウンでもプレッシャーをかけ続けた。先発復帰となったこの試合で改めて存在の大きさを証明。
[BK] WTB/SO 伊藤 和樹(1年、青森山田)
スピードあるランと献身的なディフェンスで活躍。試合を通して好ランニングを見せ続けたことに加え、後半には2分、37分に勢いのある相手WTBを止めるナイスタックルを披露。高校時代は3年連続で花園に出場した次世代の司令塔候補。

○PICK UP
・日本大
LO/FL 鷲谷 太希(4年、天理)
後半34分に途中出場し、今季初出場を果たした。1年時からリーグ戦を経験し、昨年度は公式戦3試合に出場。
高校時代は3年時にチームは花園ベスト8に進出したが自身の出場はなかった。FL照井悠一郎(天理大4年)、No8山村勝悟(天理大4年)、WTB/FB津野来真(天理大4年)らと同級生。

・大東文化大
PR 森 俊輔(4年、深谷)
2年時以来のリーグ戦先発で、後半9分にトライをマークするなど活躍(2年時はHOで出場)。
高校時代はHOとしてプレーし、2年時に選抜大会、3年時には主将を務め、選抜大会、花園に出場した。

関東学院大学 7-74 東海大学

○試合内容
東海大が強さをみせつけたゲームとなった。東海大は前半4分に敵陣深くのラインアウトのアタックからFWを当てて、ループを使ったBK展開で抜け出したWTB照屋林次郎(4年、保善)が相手ディフェンスをかわして先制トライ。さらに9分、敵陣ゴール前ラインアウトモールを押し込んでHO下江康輔(3年、東福岡)がトライ。その後は関東学院大もフェイズを重ねる場面があるなど膠着状態が続くが、東海大は32分、ラインアウトからFLレキマ・ナサミラ(4年)が凄まじい突進をみせて追加点。終了間際にはSO武藤ゆらぎ(3年、東海大大阪仰星)の隙を突いたクイックスローからWTB照屋が再びトライ。前半は0-24で東海大リード。後半開始早々にはSO武藤が見事な個人技でラインブレイクしてそのまま走り切ってトライ。反撃をみせたい関東学院大は敵陣22m内スクラムからフェイズを重ねて最後はSH服部莞太(2年、佐賀工業)がラックサイドを抜けだしてトライをマーク。東海大はその直後にエッジで待つFLナサミラがトライを挙げると、そこからさらにアタックが加速し、PR石橋慎悟(4年、筑紫)とWTB本間智貴(4年、青森北)のリーグ戦初トライを含む5トライを追加。関東学院大はゴール前に迫るシーンがあるも取り切れず。12トライを挙げた東海大の圧勝。東海大は4連勝で4勝1敗、敗れた関東学院大は5連敗となった。

○MVP
・関東学院大
[FW] No8 由比藤 聖(2年、東海大静岡翔洋)
力強いコンタクトとキャリーでチームに貢献。推進力のあるキャリーでアタックの中心を担うとともに、前半中盤のピンチを防ぐタックルや後半早々のジャッカルなどディフェンスでも活躍。
[BK] SH 服部 莞太(2年、佐賀工業)
アジリティの高い動きで存在感を発揮。素早い球捌きと自ら仕掛けるプレーでチームを牽引。後半8分には上手くラックサイドを突いてこの試合でチーム唯一となるトライを挙げた。

・東海大
[FW] FL レキマ・ナサミラ(4年)
相変わらずの破壊力で攻守両面においてチームに貢献。強靭なフィジカルを活かした圧倒的な突破力でハットトリックを達成するなど攻撃を牽引し、ジャッカルを決めるなどブレイクダウンでも存在感を発揮。
[BK] SO 武藤 ゆらぎ(3年、東海大大阪仰星)
優れたアタックセンスでこの試合でも躍動し出色のパフォーマンスを披露。的確なパスとキックでトライを演出するとともに、自ら仕掛けるプレーも光り、後半3分には見事な抜け出しでトライを挙げた。

○PICK UP
・関東学院大
WTB/FB 土方 直哉(4年、仙台育英)
後半20分に途中出場しリーグ戦デビュー。今季の春季大会1試合に途中出場。
高校時代は1年生から花園を経験し、2、3年時には主力として選抜大会、花園に出場。2年時にはU17東北に選出された。

・東海大
WTB 本間 智貴(4年、青森北)
リーグ戦初出場初先発、後半31分にはSO武藤のグラバーキックに反応してトライをマーク。4年間で初の公式戦出場を果たした。
高校からラグビーを始め、2、3年時に花園に出場。主に2年時はWTB、3年時はCTBでプレー。

法政大学 18-64 立正大学

○試合内容
接戦が予想される中、立正大の大勝となったゲーム。序盤から攻勢に出る立正大は敵陣深くのラインアウトからフェイズを重ねて最後はFL田中卓也(4年、東福岡)が先制トライ。先制を許した法政大はSO熊田経道(3年、大産大附)のPGで3点を返す。立正大は20分、敵陣ゴール前スクラムからNo8ユアン・ウィルソン(2年)が持ち出してトライ。法政大が24分に再びPGを返すも、31分に立正大は敵陣スクラムのアタックからCTBキニ・ヴェイタタ(3年)の突破で大きくゲインすると、最後はFLエパラマ・ツヴュニボノ(4年)が体の強さをみせてトライ。前半は6-19と立正大のリードで折り返す。立正大はハーフ団からのハイパントを徹底しゲームコントロールするとともに、スクラムで優位にたち試合の主導権を握る。後半開始早々には敵陣スクラムでNo8ウィルソンからもらったSH中森隆太(4年、東福岡)が上手いコース取りで長い距離を走り切ってトライを奪うと、7分にはFLツヴュニボノがトライを追加。法政大は11分に途中出場のWTB南部翔大(4年、京都成章)のトライで1本返すも、勢いに乗る立正大がSO吉永崚(4年、九州学院)のPGを挟んで、FLツヴュニボノ(4年)とLO田代拓海(4年、八戸西)がトライを重ねる。法政大は33分にキックパスに反応したNo8佐野祐太(2年、目黒学院)がトライをマークするも、さらに2トライを追加した立正大が突き放して勝利。結果的に9トライを奪った立正大が終始主導権を握り圧勝。立正大は3連勝で3勝2敗、敗れた法政大は同じく3勝2敗となった。

○MVP
・法政大
[FW] No8 佐野 祐太(2年、目黒学院)
強いコンタクトと豊富な運動量でチームに貢献。厳しいゲーム展開の中、後半33分には抜群の走力を活かし味方のキックに反応してトライをマーク。
[BK] CTB 金 侑悟(2年、大阪朝高)
試合を通して安定感のあるプレーを披露。正確なパス、キックに加え、自ら仕掛ける動きもみせ、アジリティの高いランでゲインをもたらした。

・立正大
[FW] FL エパラマ・ツヴュニボノ(4年)
強靭なフィジカルと破壊力のあるプレーで攻守両面において抜群の存在感を発揮。ハットトリックを達成するなど推進力のあるキャリーでアタックを牽引するとともに、ターンオーバーをみせるなどディフェンス面でも貢献。
[BK] CTB キニ・ヴェイタタ(3年)
強いコンタクトと圧倒的な突破力でチームを牽引。前半31分にはトライにつながる見事なゲインを披露。また、チーム戦術の根幹であるハイパントのボール確保に試合通じて貢献し続け、相手の脅威となった。

○PICK UP
・法政大
CTB 田中 大誠(1年、國學院栃木)
後半25分に途中出場。前試合の関東学院大戦に続き2試合連続の出場となった。今年の春季大会では2試合に出場。
高校時代は2年時から花園に出場。3年時には強いコンタクトと正確なキックでチームを準優勝に導き、高校日本代表候補にも選出された。

・立正大
CTB/WTB 齊藤 瑠海奈(3年、高鍋)
試合終了間際に途中出場しリーグ戦デビュー。抜け出したFLピエリッチ・シーバート(3年)をサポートし初トライをマーク。
高校時代は主にLOやNo8で活躍し、2、3年時に選抜大会、花園に出場。高校ではSH白栄拓也(筑波大3年)らと同級生。

東洋大学 29-31 流通経済大学

○試合内容
開始早々に流通経済大は幅を使ったアタックでCTB土居大吾(4年、流経大柏)が大きくゲインしてサポートしたSH武井陽昌(3年、熊本工業)がそのまま走り切っていきなり先制。その後、東洋大が攻勢をかけると14分、敵陣ゴール前ラインアウトモールからNo8梅村柊羽(4年、関商工)のトライで2点差に迫る。その後は膠着状態が続くが、流通経済大は32分、敵陣22m付近のラインアウトから展開して、フラットなパスにいい角度で走り込んだFL南太陽(4年、大産大附)が抜けてトライを奪うと、その直後のキックオフボールから自陣で右に大きく展開しCTBアンドリュー・ヘイウォード(2年)がゲインし、サポートしたFL南、SH武井と繋がって最後はWTB堀井雄斗(4年、大東一)がトライをマーク。差を広げられた東洋大は39分、ラインアウトのアタックからフェイズを重ねてゴール前まで迫るとCTB田中康平(4年、土佐塾)の鋭いパスを受けたWTBモリース・マークス(2年)が相手をかわしトライを挙げると、前半終了間際にはFB石本拓巳(3年、日体大荏原)がトライを奪い4点差(17-21)まで迫り前半を終える。後半に入ると早々に東洋大は敵陣深くの相手ボールスクラムをターンオーバーし、FLタニエラ・ヴェア(3年)がインゴールに飛び込んで逆転する。さらに東洋大は7分、敵陣で相手ボールラインアウトを奪うと、そのまま大きく展開してCTB繁松秀太(4年、札幌山の手)の素晴らしいキャリーでインゴール手前まで迫るとFLヴェア(3年)が押し込んで差を広げる。リードを許す流通経済大は13分にFB谷惇平(3年、日向工業)のPGで3点を返すと、その後攻勢に出て押し込む展開で試合を進める。ほぼ東洋大陣内でのゲームとなるが流通経済大のミスと東洋大の粘り強いディフェンスで膠着状態が続く。68分の東洋大のカウンターのシーンはSO佐々木開(2年、常翔学園)のジャッカルで流通経済大が防ぐ。そして、流通経済大は試合終了間際、敵陣22m内のラインアウトからモールを押し込んでインゴール手前まで迫るとフェイズを重ねて最後を中央にFWで押し込んで同点。その後のGKも決まり逆転に成功した。3勝1敗同士の注目の一戦は流通経済大が劇的な逆転勝利で1敗を死守。惜しくも敗れた東洋大は2敗目となった。

○MVP
・東洋大
[FW] FL タニエラ・ヴェア(3年、目黒学院)
前への推進力と接点での働きでチームを牽引。後半に2トライを挙げるなど強靭なフィジカルを活かした力強いキャリーでアタックの中心となるとともに、ジャッカルを決めるなどブレイクダウンでも存在感を発揮した。
[BK] SO 土橋 郁矢(4年、黒沢尻工業)
正確なパスと効果的なキックでゲームをコントロール。視野が広くセンスのあるプレーでチームを牽引した。試合終盤には好タックルを連発するなどディフェンス面でも大きく貢献。

・流通経済大
[FW] PR 森脇 光(3年、京都工学院)
スクラムとコンタクトの強さで存在感を発揮。特に後半はスクラムで相手を圧倒し試合終盤の猛攻に寄与。フィールドプレーでは接点の強さだけでなく、的確なパスや試合終盤まで衰えない走力でも貢献した。
[BK] FB 谷 惇平(3年、日向工業)
正確なキックと安定したプレーでチームの勝利に貢献。効果的なキックを連発しチーム全体を押し上げ、また、接戦となったこの試合で5本のプレースキックを全て決めた点も大きかった。

○PICK UP
・東洋大
SO/CTB 天羽 進亮(1年、城東)
後半開始から途中出場し、リーグ戦デビュー。推進力のあるアジリティの高いプレーで存在感を発揮した。
高校からラグビーを始め、1年生から主力を担い3年連続で花園に出場。主に1年時はFL、2、3年時はSOとして活躍。

・流通経済大
PR シンクル 寛造(4年、札幌山の手)
今季リーグ戦初先発でスクラムの強さなどでチームに貢献。1年時から公式戦に出場し昨年度はリーグ戦6試合に先発出場したが、今季はリーグ戦5試合目にして初先発となった。
高校時代は1年時から主力を務め、1、3年時に花園に出場。高校日本代表候補には2年時から選出され、3年時には高校日本代表入りを果たした。この試合で対戦したCTB繁松秀太(東洋大4年)と同級生。

キューデンマガジン vol.3(2022年11月5日投稿)

「キューデンマガジン」と題して、九州電力キューデンヴォルテクスに関する投稿を定期的に実施していく。

今回はvol.3。

まずは、来る2022-2023シーズンに向けたプレシーズンマッチの結果から。

プレシーズンマッチ2022結果
9月24日(土) △26-26 トヨタV
10月 1日(土) ●26-33 BR東京
10月15日(土) ○49-21 中国RR
10月22日(土) ● 7-17 SA広島
10月29日(土) ●14-43 BL東京
(今後の予定)
11月16日(水) S愛知
11月19日(土) RH大阪
11月26日(土) 釜石SW
12月 3日(土) SA広島

そして、今回も前回に引き続き「選手紹介」。
ということで選手紹介その3。

HO 岡 輝剛(佐賀工業-関東学院大)
23歳 180/105
安定したセットプレーと激しいコンタクトが魅力のフロントロー。
小学校4年生から佐賀ジュニアラグビークラブにてラグビーを始める。佐賀工業高校では、2年時から主力を務め、花園では3回戦に進出。3年時には選抜大会、花園に出場した。高校の同級生にはSO龍野光太朗(SA広島)、WTB/CTB福士萌起(日野RD)らがいる。関東学院大学では1年時から公式戦を経験し、3年時にはU20日本代表に選出された。FWリーダーを務めた4年時には主力としてプレーし、リーグ戦で6トライを挙げる活躍をみせた。
実質1年目となった今シーズンのリーグワンでは開幕からレギュラーに定着。順位決定戦を含め全試合にスタメン出場を果たし、チームトップの8トライをマーク。安定したセットプレーと機動力でチームを牽引した。
2022-2023シーズンもチームの中心選手としての活躍が期待される。

SH 中尾 康太朗(福岡-早稲田大)
30歳 177/80
素早い球捌きと体の強さが武器の大型スクラムハーフ。
小学校2年生からかしいヤングラガーズにてラグビーを始める。福岡高校では、1年生からレギュラーとして活躍。3年時には元日本代表WTB福岡堅樹、現チームメイトのSO/FB松下真七郎らとともに第2地区予選を勝ち上がり同校28年ぶりの花園出場に貢献(第90回記念大会のため福岡県に2枠が与えられた)。早稲田大学ではレギュラー定着には至らなかったが、対抗戦や大学選手権に出場。4年時の対抗戦は体の強さを生かしFLを務めた。また、2年時にはU20日本代表に選出された。大学の同級生にはFL布巻峻介(埼玉WK)やSO/FB小倉順平(横浜E)らがいる。
九電加入後はリザーブを中心にコンスタントに出場を続けており、今シーズンのリーグワンでは順位決定戦を含め5試合に途中出場。
昨季全試合に先発した児玉大輔の壁は高いが、2022-2023シーズンでは出場機会の増加に期待がかかる。

CTB/WTB 萩原 蓮(東福岡-法政大)
26歳 171/88
力強いキャリーと正確なキックが魅力で得点力の高いスリークォーターバックス。
中学校1年生から熊本大附属中にてラグビーを始める。東福岡高校では、2年生から全国大会を経験し、U17日本代表にも選出。3年時には、自身も含め高校日本代表候補12名を誇り圧倒的な強さを誇ったチームの中で主力を担い大会最多得点記録を樹立しての花園制覇に大きく貢献した。高校の同級生には、SO松尾将太郎(浦安D)やCTB/SO永富晨太郎(S東京ベイ)らがいる。法政大学では、1年時から公式戦出場を経験し、3年時にFBのレギュラーに定着。リーグ戦全試合に先発し、最後尾からチームを支え大学選手権出場に貢献した。4年時は怪我の影響等もあり満足なシーズンを送れなかった。
今シーズンのリーグワンでは、WTBとして順位決定戦を含め6試合(スタメン3試合)に出場。勢いのあるランと正確なプレースキックでチームに貢献した。
有力選手の揃うCTB、WTBで2022-2023シーズンは主力定着を狙う。

第102回 花園 注目予選大会 展望(2022年10月24日投稿)

群馬県(決勝:11月5日)

過去5年の出場は桐生第一が3回、明和県央が2回。この2校は昨年度の予選決勝で激突し、7-0という接戦で桐生第一が勝利。また、昨年度予選準決勝で敗退した東農大二は昨年5月の県総体準決勝で桐生第一を下し、決勝では明和県央と引き分けている。今年もこの3校の熱い戦いが想定される。

2年連続での出場を狙う桐生第一はFL藤生康太朗(3年)をはじめ、前チームからの主力が半数程健在。1月の新人戦では決勝で東農大二(28-19)を、5月の県総体では決勝で明和県央(33-12)を下し優勝。新チームでは15人制において公式戦県内無敗を誇っている。

昨年度は実行委員会推薦枠にて選抜大会に初出場、2年ぶりの出場を目指す明和県央は1年からレギュラーで2年前の花園を経験しているNo8笹本友輪(3年)主将がチームの中心で前チームの主力が11名残る充実の陣容。新人戦は辞退となったが、県総体では決勝に進出し、桐生第一に敗戦。花園予選ではリベンジを誓う。

東農大二は新人戦決勝で桐生第一(19-28)に、県総体2回戦で明和県央(25-40)に敗戦。予選ではライバルを撃破し、SO侭田洋翔(S東京ベイ)を擁した第96回大会以来の出場を目指す。

埼玉県(決勝:11月19日)

近年の出場校は第98回:深谷、第99回:浦和、第100回:川越東、昌平(記念大会のため2枠)、第101回:昌平。

1,2月の新人戦では川越東が準決勝で前年花園出場校の昌平(19-14)、決勝で深谷(20-12)を下して優勝。開催権枠にて選抜大会に出場。春の関東大会県予選は準決勝を棄権したが、3位決定戦で深谷に勝利(21-10)。1年時に花園を経験したFB土居泰介(3年)主将がチームを牽引。

昨年度出場校の昌平は新人戦では準決勝で川越東に敗戦するも、春の関東大会県予選では準決勝で深谷(37-0)、決勝で熊谷工業(36-3)に快勝し優勝。前チームで主力だったPR橋口博夢(3年)主将、FL小山田ロマン(3年)、SO/WTB廣内颯(3年)、CTB平岡勝凱(3年)、FB/WTB井﨑克(3年)らがチームの中心を担う。

昨年度予選決勝で敗れ、4大会ぶりの出場を狙う深谷は、新人戦では決勝で川越東に惜敗(12-20)、春の関東大会県予選では準決勝で昌平に敗戦(0-37)、3位決定戦は川越東に再び惜敗(10-21)。CTB野口彰太(3年)主将をはじめ、前チームの主力が一定数残る。昨年度1年生ながらレギュラーを担った馬場健太(2年)がNo8、飯塚祐真(2年)がSOを務め、チームを引っ張る。

東京都第2地区(決勝:11月13日)

決勝での激突が想定されるのは目黒学院と東京。目黒学院は3年連続、東京は3年ぶりの出場を狙う。1月の新人戦では準決勝で相対し、東京が36-10で快勝。5月の春季大会準決勝で再び対戦すると、一進一退の攻防となったゲームは0-0の引き分け(抽選で東京が決勝進出)。

目黒学院は破壊力のあるNo8イライシア・サーフ(3年)やプレーに安定感のあるFB鳥居壮基(3年)をはじめ、前チームの主力が一定数残る。昨年度1年生ながらレギュラーを掴み、今季U17関東に選出されたLO中村つぐ希(2年)も注目。昨年度の花園予選では東京に38-0と快勝したが新チームでは勝てていない。

東京はパワーが魅力のPR清水栞太(3年)、攻守の中心No8苅和野俊(3年)主将、ゲームメイクを担うSO/FB水野拓(3年)ら昨年度の主力が半数程度健在。新人戦では快勝したが春季大会では引き分けた相手との激戦が注目される。

神奈川県(決勝:11月20日)

現在、桐蔭学園が7年連続制覇中だが、特に過去2年は決勝で東海大相模が肉薄(第100回:19-17、101回大会:22-9)。今年も決勝での激突が予想される。

2年ぶりの花園制覇を狙う桐蔭学園は世代のスターSO/FB矢崎由高(3年)をはじめ、PR増田簾(3年)、PR守安史成(3年)、HO金城敬(3年)、No8城央祐(2年)、高校日本代表候補5名を擁し、矢崎とともに1年から主力を担うWTB/CTB松田怜大(3年)や前チームから出場機会を得ているCTB中瀬亮誠(3年)、WTB天羽究平(3年)ら充実の陣容。加えて、PR井吹勇吾(2年)、PR前田麟太朗(2年)、LO中森真翔(2年)、FL持木太心(2年)、SO/FB吉田晃己(2年)、FB/SO萩井耀司(2年)がU17トレセンメンバーに選出されており厚い選手層を誇る。また、6月の関東大会で躍動した1年生SH後藤快斗、SO丹羽雄丸にも注目。1月の新人戦では29-19で東海大相模を下し優勝。選抜大会では優勝した報徳学園に準決勝で敗れた。5月の関東大会県予選では矢崎を欠いた影響もあり、決勝で東海大相模と14-14の引き分け。今季も実力拮抗で花園予選決勝での激戦は必至。

桐蔭学園の牙城を崩したい東海大相模。第100回大会はオータムチャレンジを勝ち上がり花園に出場。2月の新人戦では決勝で桐蔭学園に敗れ(19-29)、準優勝に終わるも、5月の関東大会県予選決勝では引き分けて両校優勝。また、6月の関東大会では國學院久我山に勝利するなど実力十分。ファイターのLO上村太陽(3年)主将とハードタックラーのFL金井悠隼(3年)がFW陣を牽引し、1年時に花園を経験した司令塔SO野口柊(3年)がチームを操る。ここ近年、桐蔭学園からは勝利を奪えていない状況だがスコアはいずれも接戦、来る花園予選決勝では悲願の王者撃破を誓う。

京都府(決勝:11月13日)

現在、京都成章が8大会連続で出場しているが、第95回大会は伏見工業(現:京都工学院)が県予選を制覇(京都成章は記念大会枠での出場)。京都工学院となった後も毎年決勝で顔を合わせる。京都成章と京都工学院の過去3大会の戦績は99回:31-5、100回:28-0、101回:25-0。

6年連続で花園県予選を制覇している京都成章は前チームの主力が多く抜けたが、高校日本代表候補で共同主将を担うPR森山飛翔(3年)とFB/SO本橋尭也(3年)がチームの中心。また、この2選手と同様に前チームから主力を担うNo8甲斐冬竜(3年)も注目。2月の近畿大会では2回戦で常翔学園に勝利(36-31)し選抜大会に出場。選抜大会では2回戦で敗退した(中部大春日丘に13-20)。また、サニックスワールドユースでは佐賀工業、長崎北陽台に勝利するなど準優勝を達成。5月の府総体では京都工学院に52-10と大勝している。9大会連続での出場を果たし、準優勝した第100回大会のような快進撃を狙う。

現在の校名となって初の花園出場を狙う京都工学院はSH鈴木結登(3年)、SO/FB吉田雅(3年)、CTB富山泰成(3年)の高校日本代表候補が並ぶBK陣が強力。また、前チームから主力のFL野原太陽(3年)がFWを牽引する。2月の近畿大会では2回戦で大阪桐蔭と引き分け、抽選の末、選抜大会出場を決め、現在の校名となって初の15人制の全国大会出場を果たした。選抜大会では初戦で朝明に大勝し2回戦に進出。着実に力をつけ、全国セブンズ予選では京都成章に勝利するも、5月の府総体では10-52で大敗。京都成章には予選決勝で6大会連続で敗れているが、悲願の花園出場を果たせるか。

奈良県(決勝:11月20日)

現在、御所実業が3大会連続で出場中。第99回大会では花園準優勝を果たしている。決勝では毎年、御所実業と天理の激闘が繰り広げられており、過去3大会の戦績は99回:22-10、100回:19-14、101回:28-5。

御所実業は前チームの主力が多く卒業したが、攻守の要で主将のNo8鈴木彪馬(3年)、プレーメーカーのSO北池天翔(3年)らが残りチームを牽引する。また、同じく前チームから主力で勢いのあるランと決定力が魅力のWTB/FB林総大(2年)も注目選手。林とともにU17ユーストレセンメンバーに選出されたLO伊藤世(2年)にも期待。2月の近畿大会では1回戦で常翔学園に敗戦(7-49)し、選抜大会出場はならず。春の県新人大会では天理に19-24で敗戦。ただし、昨年も1月の新人戦、5月の春季大会では敗戦し2連敗で迎えた花園予選決勝で快勝しており、今年も激戦必至。

4大会ぶりの出場を目指す天理は主将のNo8太安善明(3年)主将をはじめ、HO/FL松隈孝成(3年)、SO須田厳太(3年)、WTB田仲功栄(3年)、4名の高校日本代表候補を擁し、1年からレギュラーを務めるCTB/SO土谷侑大(3年)とFL/WTB川越功喜(3年)も強力で例年以上に充実した陣容を誇る。2月の近畿大会では2回戦で東海大大阪仰星に惜敗(22-31)するも、抽選の末、選抜大会に出場。選抜大会では2回戦に進出(東福岡に5-25で敗戦)。春の県新人大会ではライバル御所実業に24-19で勝利。昨季は1月の新人戦、5月の春季大会で勝利するも花園予選決勝で敗れた。4大会ぶりの出場を勝ち取り、4年前のベスト8以上をうかがう。

【雑談】「ラグビーチャレンジ4」やってみた(2022年10月24日投稿)

今日は「Rugby Challenge4をやってみた」というテーマで綴っていきます。

Rugby Challenge4は、日本向けにPSストアで2020年8月8日、ニンテンドーeショップで2020年12月17日に発売された本格ラグビーゲーム。
なんといっても魅力はスーパーラグビーが楽しめる点。代表チームが5か国しかライセンスがとれていないのに対し、スーパーラグビー収録チームは15チーム中13チームのライセンスがとれています。ちなみにとれていないチームは、アルゼンチンのハグアレスと日本のサンウルブズ。サンウルブズはマウンテンウルブズという名称で収録されています。現在はレギュレーション自体が変わっていますが、このゲームでは当時のオーストラリアカンファレンス、ニュージーランドカンファレンス、南アフリカカンファレンスに分かれたかたちで楽しむことができます。

マウンテンウルブズに登録されている選手は架空選手となりますが、「Customise」モードでエディットすることができます。また、「Fanhub」というモードでほかの方が作成した選手をダウンロードして使うことができます。一から全てを作成するのは大変なのでこちらの機能を活用しながら、実名選手を用意して自分なりにチームを編集していきましょう。

ということで、私もマウンテンウルブズの選手たちをエディットしまして、スーパーラグビーに参戦してみました。当時と同様にオーストラリアカンファレンスに入りました。初戦はレベルズです(対戦チームをいじっていないのでゲーム収録時のままです)。

相手の11番には現在埼玉WKでプレー中のコロインベテがいます。

ワクワクしながら始めましたが、なんと7分に12番中村亮土が怪我を負う波乱の幕開けで、23番中野将伍を投入。
その後、その中野のパスからWTBフィフィタがトライ。記念すべき初トライでした(7-0)。
しかし、WTBコロインベテにトライを許す(7-5)と、なんと20分に今度はSH流大が負傷退場。。。。21番齋藤直人を入れます。
36分には相手にDGで逆転を許し、前半を終えます(7-8)。

後半に入ると相手が反則を連発。43分に松田力也のPGで逆転すると、47分には再びフィフィタのトライ、52分、55分にも松田のPGで差を広げます(23-8)。このタイミングでフロントローを全員変更。
しかし、相手も60分にトライを挙げ、追いかけてきます(23-15)。
63分に自ら持ち込んだ松田のトライで引き離しにかかります(30-15(トライ後、ベン・ガンター、テビタ・タタフを投入)が、68分にトライを返されます(30-20)。
72分にBKの展開からWTBファンデンヒーファーが飛び込みますが、TMOの末、ノートライ。TMOの演出があり感動しました。これは嬉しい。リプレイをスローでみると、グラウンディングができていませんでした。このタイミングで山沢拓也を投入。
その後、フィフィタがハットトリックとなるトライを挙げ突き放すと、終了間際にFB松島幸太朗がダメ押しのトライ(44-20)。

なんとか初戦を勝利で終えることができました。ちなみに試合中負傷した中村は怪我のため当分(22日間)起用できないようです。この点も本格的で面白いですね。次戦の12番は中野だな。23番を誰にしよう。。。。

たまにはゲームをやるものいいですね。いつか続きを書きたいと思います。

いつかリーグワンを楽しめるゲームが出て欲しいものです。ニーズ的にも相当難しいかなと思いますが。
是非皆様も「Rugby Challenge4」やってみてください。

キューデンマガジン vol.2(2022年10月24日投稿)

「キューデンマガジン」と題して、九州電力キューデンヴォルテクスに関する投稿を定期的に実施していく。

今回はvol.2。

まずはビッグニュースから九州電力キューデンヴォルテクスは8月22日、2022-2023シーズンの新加入選手として、昨シーズンまでフランスのリヨンでプレーしたFLコルビー・ファインガア(31歳)を獲得したと発表。
ファインガアは、昨年11月にオーストラリア代表に招集された実力者で、キャップは持っていないが、ブランビーズやレベルズで活躍しスーパーラグビーでは通算101試合に出場。2018年からはコナート(アイルランド)、リヨンとヨーロッパでも活躍し、経験豊富な選手。
2022シーズン全試合出場の両FL高井、山田との激しい争いが予想される。

そして、今回も前回に引き続き「選手紹介」。
ということで選手紹介その2。

FL 山田 有樹(常翔学園-同志社大)
28歳 180/95
激しいプレーと豊富な運動量でチームを引っ張る熱いリーダー。
4歳から大阪ラグビースクールにてラグビーを始める。常翔学園高校では、主将を務めた3年時にPR海士広大(S東京ベイ)、WTB松井千士(横浜E)ら強力な布陣を牽引し、同校17年ぶりの花園優勝を達成した。また、高校日本代表候補にも選出された。同志社大学では1年からレギュラーに定着。主将を務めた4年時にはリーグ最終戦で天理大に敗れ、2位に終わるも、大学選手権では3回戦で中央大、準々決勝で早稲田大を下し、チームを11季ぶりのベスト4進出に導いた。
九州電力加入後は1年目から出場機会を掴むと、その後もチームの中心として活躍。今シーズンのリーグワンでは、全試合にスタメン出場を果たし、接点とブレイクダウンの攻防で存在感を発揮し、チームを牽引。
2022-2023シーズンもチームを鼓舞する熱いプレーで中心を担うことが期待される。

No8 ウォーカー・アレックス拓也(東福岡-法政大)
24歳 185/100
力強いキャリーとコンタクトでチームを牽引するNo8。
オーストラリア出身の父と日本人の母を持ち、シドニー生まれ。6歳から周南ラグビースクールにてラグビーを始め、中学時代はかしいヤングラガーズでプレー。東福岡高校では、LOを主戦場とし、2年時から主力として活躍。花園では決勝でトライを挙げるなど圧倒的な強さを誇るチームで中核を担い、優勝に貢献した。3年時の花園ではベスト4に入り、高校日本代表に選出された。法政大学では1年生からレギュラーとしてプレー。2年時には大学選手権に出場した。4年時は、副将を務めチームを牽引するも、リーグ戦6位に終わり、選手権出場はならなかった。また、関東大学オールスターのリーグ戦1部選抜に選出された。大学卒業後は海外挑戦のため、ウェールズに渡る予定も新型コロナウイルスの影響で白紙に。その後、九州電力に加入した。
加入後は2021シーズンのトップチャレンジリーグに出場し、公式戦デビュー。今シーズンのリーグワンではNo8で全試合先発出場し、絶対的な存在として活躍。
2022-2023シーズンもチームの核としての躍動が期待される。

FB 本田 佳人(大分雄城台-東海大)
25歳 180/87
正確な左足のキックとランニングスキルが魅力のFB。
小学校6年生から玖珠少年ラグビースクールにてラグビーを始める。大分雄城台高校では、2年生から主に13番を主戦場に主力としてプレー。高校時代は、強豪大分舞鶴の壁が厚く、全国大会の出場はならなかった(花園県予選では2、3年時ともに決勝で敗戦)。東海大学では、厚い選手層を前になかなか出場機会を掴めなかったが、3年時のリーグ戦日本大戦で先発出場し、公式戦デビュー。4年時は春季大会2試合に出場した。
九電加入後は1年目から出場機会を掴み、2019シーズンのトップリーグカップ、トップチャレンジリーグで活躍。今シーズンのリーグワンでは、終盤まで出場がなかったが、順位決定戦の中国RR戦にスタメン出場し初登場。左足から繰り出されるロングキックと安定したプレーで快勝に貢献した。
2022シーズンで主力を務めた加藤誠央が健在だが、2022-2023シーズンでは躍動する姿をもっと観たい。

キューデンマガジン vol.1(2022年10月24日投稿)

「キューデンマガジン」と題して、九州電力キューデンヴォルテクスに関する投稿を定期的に実施していく。

vol. 1の今回は7月20日に飛び込んできたビッグニュースから。NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安を退団し、その去就が注目されていた元日本代表WTBの山田章仁が、九州電力キューデンヴォルテクスに加入することが発表された。

今回は山田章仁選手の簡単な経歴を紹介する。

トップリーグでは
当時トップウエストAのホンダヒートを経て、2010年にパソニックワイルドナイツに加入。2010-2011シーズンにはプレーオフトーナメントMVPに輝き、トップリーグ優勝に貢献。2012-2013シーズンには20トライを挙げて最多トライゲッターとベストフィフティーンを獲得。2013-2014及び2014-2015シーズンにはプレーオフトーナメントMVPとなり、チームをトップリーグ制覇に導いた。2017-2018シーズンにも最多トライゲッターとベストフィフティーンを獲得。パナソニック在籍時には、トップリーグで4度の優勝に貢献し、プレーオフトーナメントMVPを3度受賞、最多トライゲッターを2度受賞、ベストフィフティーンに5回の選出と輝かしい成績を残した。2019-2020シーズンよりNTTコミュニケーションズシャイニングアークスに所属。

リーグワンでは
リーグワン初年度となった今シーズンは出場なしに終わった。

日本代表では
2013年11月のテストマッチロシア戦に途中出場し初キャップを得ると、その後代表に定着し、25キャップを獲得。2015年ワールドカップでは初戦の南アフリカ戦に先発出場し歴史的勝利に貢献。また、グループリーグ第3戦サモア戦ではトライを挙げ、チームを勝利に導いた。その後も代表に招集されたが、福岡堅樹やレメキの台頭もあり、2019年ワールドカップ出場はならなかった。

その他
スーパーラグビーに参戦したサンウルブズの一員として2016、2018、2019の3シーズンプレー。特に2016シーズンは9トライを挙げる活躍をみせた。また、フォース(オーストラリア)、リヨン(フランス)、シアトル・シーウルブズ(アメリカ)などでもプレーした。

学生時代は
小倉高校では1年生からレギュラー。2年生まではFBでプレーし、U17日本代表に選出。花園県予選では決勝で6月の県大会で5点差まで迫った東福岡に完敗した(19-50)。3年生になるとSOに主戦場を移し、U17日本代表の古賀聡とハーフ団を組んでチームを牽引。花園県予選決勝では春に下した東福岡に対し、試合終盤までリードを奪うも終了間際に同点に追いつかれ、両校優勝(24-24)。トライ数の差で花園出場を逃した。高校日本代表候補にはWTBで選出された。
慶應義塾大学では、1年からSOで試合に出場。2年生まではFBやSOで出場したが、3年時よりWTBに主戦場を移し躍動。U23日本代表としても活躍。大学選手権では2回戦(準々決勝)で早稲田大に敗退した。4年時はBKリーダーとしてチームに牽引。大学戦選手権では対抗戦で引き分けた明治大を準決勝で下し、決勝に進出。決勝では2年ぶり優勝を目指す早稲田大に敗退した。

まとめ
学生時代から将来を嘱望されトップリーグや日本代表で大活躍したスターが地元チームへ加入するとあっては、トライゲッターとしてのプレー面はもちろん、その経験やスキルがチームにもたらす効果やそのスター性が生み出す全体の盛り上がりにも期待が集まる。

次に、最初の企画である「選手紹介」を行う。
来たる2022-2023シーズンに向け、毎号3選手ずつ独自の目線で紹介。
ということで選手紹介その1。

SO 松下 彰吾(福岡-筑波大)
31歳 177/87
クラブキャプテンを務め、正確なキックとタックルの強さに定評があるチームの司令塔。
3歳からラグビーに触れ、小中はぎんなんLRでプレー。福岡高校で下級生時から主力を担い、コンタクトの強さを武器にSOやCTBで活躍。3年時の花園県予選では準決勝で東福岡に敗れた(15-38)。筑波大学では3年時にリザーブとしてチームを支え、対抗戦初優勝、大学選手権準優勝に貢献した。BKリーダーを務めた4年時は、日本選手権東芝戦にてインサイドセンターでフル出場を果たした。
九州電力加入後はコンスタントに試合出場を重ね、2022シーズンのリーグワンでは、10番として正確なゲームコントロールでチームを牽引した。
2022-2023シーズンも司令塔としての活躍に期待がかかる。

WTB 齊藤 剛希(筑紫-明治大)
28歳 173/85
スピード溢れる縦への突破が持ち味のWTB。
筑紫丘RCJr.スクールにて中学1年生からラグビーを始める。筑紫高校では1年からレギュラーとして活躍。1年時の花園予選決勝では東福岡を追い詰めるも惜敗(12-17)。2年時には推薦枠にて選抜大会に出場するも、記念大会で福岡県に2枠が与えられたその年の花園予選では第2地区決勝で福岡堅樹、末永健雄(S東京ベイ)、そして現チームメイトの中尾康太郎、松下真七郎を擁する福岡高校に敗れた。3年時の花園予選では決勝で再び東福岡に肉薄するも12-23で敗れた。明治大学では2年時に対抗戦デビューを果たすと、3年時の対抗戦では少ない出場試合で10トライを挙げるなど実力を発揮したが怪我に苦しみ、なかなか年間通じての活躍ができなかった。副将に就任した4年時は自身初の大学選手権に出場し、べスト4入りを果たした。
九州電力では加入後まもなく出場機会を掴み、トップチャレンジリーグで多くの試合に出場するも、2022シーズンのリーグワンでは出場なし。
2022-2023シーズンでのリーグワンデビューが待たれる。

LO 石松 大空(明善-筑波大)
24歳 192/105
サイズとパワーが魅力の期待の和製LO。
りんどうYRにて小学校1年生からラグビーを始める。高校は明善に進学。明善はかつて県Aシードを獲得するなど福岡県南部の強豪だったが最近は合同チームで大会に出場している(2022年度花園予選は単独チームで出場)。高校時代は、3年時の花園県予選で初戦となった3回戦で敗れるなど全国大会の出場経験はないが、自身はU17日本代表、高校日本代表候補に選出されるなどその実力は高く評価されていた。また、東福岡を筆頭に強豪校の選手が並ぶ福岡県代表に選出され、国体準優勝を果たした。筑波大学では2年時の春季大会にて公式戦デビュー。3年時に対抗戦に初出場すると、その後もスタート、リザーブ両面でコンスタントに出場しチームに貢献。4年時には大学選手権ベスト8を果たした。
九州電力では2021シーズンにトップチャレンジリーグ2試合に出場。2022シーズンのリーグワンでは、第7節江東BSに先発出場を果たすなど順位決定戦を含め4試合に出場。順位決定戦の中国RRでは、力強いキャリーを披露するとともに、ラインアウトモールの中心として得点に寄与し、チームの快勝に大きく貢献した。
両LOトム・ロウ、レイ・タタフの壁は厚いが2022-2023シーズンの飛躍に期待したい。

2022 関東大学対抗戦A 第4、5週 結果まとめ(2022年10月23日投稿)

明治大学 70-27 青山学院大学

○試合内容
序盤から出足のいいディフェンスをみせる青山学院大がCTB桑田敬士郎(3年、桐蔭学園)のPGで先制。明治大は前に出る相手に対しWTB原口虎太郎(4年、東福岡)の裏キックからFB安田昂平(2年、御所実業)のトライで逆転。さらに明治大は22分、ラインアウトモールからHO松下潤一郎(3年、筑紫)がトライ。青山学院大は直後のキックオフをWTB榎本拓真(2年、桐蔭学園)がキャッチするとそのまま走り切ってトライ。それでも明治大はすぐに再びラインアウトモールからFL森山雄太(3年、東福岡)がトライを奪って差を広げる。食い下がる青山学院大は敵陣ゴール前相手ボールスクラムを押してペナルティを得るとスクラムを選択。再びペナルティを得てSH宮下賢志(4年、日川)が速攻、これが相手の反則を誘いペナルティトライ。青山学院大が4点差(21-17)と迫る。それでも明治大は三度ラインアウトモールからのトライで突き放す。青山学院大は前半ラストプレーでPGを沈めて、28-20と明治リードで前半終了。後半は、ブレイクダウンでターンオーバーをみせるなど献身的に対応する青山学院大に対し、7分、明治大はラインアウトモールからHO松下がこの試合3トライ目を奪って差を広げる。それでも青山学院大は敵陣スクラムからSO金澤春樹(4年、流経大柏)のキックをこの試合WTBで先発した山同光(4年、國學院久我山)が抑えて食らい付く。しかし、明治大はゴール前ラインアウトからLO山本嶺二郎(3年、京都成章)がトライをマークし13点差とすると、疲れが出てセットの遅れる相手に対しアタックを加速。FW、BKが一体となった猛攻をみせてWTB秋濱悠太(2年、桐蔭学園)やSO伊藤耕太郎(3年、國學院栃木)などがトライを積み重ねる。最終的には10トライをマークした明治大が大きく突き放し勝利。健闘をみせた青山学院大だったが最後は地力の差が出た。明治大は4連勝、青山学院大は4連敗となった。

○MVP
・明治大
[FW] HO 松下 潤一郎(3年、筑紫)
試合序盤から食い下がる相手に対し、安定したラインアウトでチームの得点源として活躍。着実に好機をものにする正確なプレーでハットトリックを達成。また、抜群の走力と力強いコンタクトでフィールドプレーでも存在感。
[BK] CTB 廣瀬 雄也(3年、東福岡)
優れたアタックセンスと抜群の精度を誇るキックでチームに貢献。体の強さもみせて前進するなどあらゆる面で出色のプレー。また、10本のGKを全て成功させた点も中盤まで競った展開のゲームで非常に大きかった。

・青山学院大
[FW] PR 安部 駿亮(2年、大分舞鶴)
今季対抗戦でレギュラーに定着、開幕から4試合連続でスタメン出場中。スクラムの強さで存在感を発揮し、前半34分のPTを生んだ。接点やブレイクダウンでの働きでもチームに貢献し、ゲーム終盤まで走り続けた。
[BK] CTB/SO 金澤 春樹(4年、流経大柏)
対抗戦で初の10番での先発出場。元々ゲームのなかではSOの位置にたつ場面も多くあったため、その実力は遺憾なく発揮された。効果的なロングキックと高水準のパス、ランでチームを牽引し、輝きは放った。

○PICK UP
・明治大
WTB 杉本 大雅(4年、國學院久我山)
後半23分に途中出場し対抗戦初出場。今年の春季大会で公式戦デビューを果たし、先発出場した大東文化大戦では2トライをマークした。
高校時代は2年時に選抜大会と花園を経験。3年時にはWTBのレギュラーとしてプレーするも花園予選決勝で早稲田実業に敗戦。

・青山学院大
SH/WTB 山同 光(4年、國學院久我山)
今季の対抗戦初スタメンはWTBでの登場。後半9分にはSO金澤のキックにスピードを生かした走りで反応しトライをマーク。2年時からSHの主力として活躍、今季も宮下賢志(4年、日川)と高いレベルでポジションを争うが、この試合ではWTBでの力もみせた。
高校時代は2年時にチームは花園ベスト8に進出したが、メンバー入りしたものの自身の出場はなかった。3年時は中楠一期(慶應義塾大4年)とハーフ団を組んだ。

慶應義塾大学 16-12 筑波大学

○試合内容
対抗戦では筑波大が3連勝中のこのカード、今年の春季大会では31-31の引き分け。筑波大は試合開始早々に中央付近相手ボールラインアウトをSH白栄拓也(3年、高鍋)のいい反応によるボール奪取から得たペナルティでFB髙田賢臣(3年、浦和)がPGを狙うも失敗。慶應義塾大は試合序盤からブレイクダウンでの攻防で激しくプレッシャーをかける。慶應義塾大は7分、敵陣ラインアウトからのアタックでLOアイザイア・マプスア(4年)の突進からFL今野勇久(4年、桐蔭学園)がゴール前に迫るもCTB松島聡(4年、大分舞鶴)がボールを引き抜いて筑波大がしのぐ。先制したのは慶應義塾大、11分にSO中楠一期(4年、國學院久我山)がPGを沈める。先制を許した筑波大は18分、敵陣ゴール前ラインアウトモールからすぐにNo8谷山隼大(3年、福岡)が持ち出して相手ディフェンスを突破して逆転のトライ。GKも決まり3-7とする。その後も一進一退の攻防が続き、互いに反則やミスもあり好機を逃す。25分、慶應義塾大はラインアウトからアタックでSO中楠の内返しからWTB佐々木隼(4年、桐蔭学園)がブレイクするも、WTB濱島遼(1年、福岡)の好タックルで筑波大は得点許さず。エリアマネジメントも慶應義塾大はSO中楠やFB山田響(3年、報徳学園)、筑波大はCTB浅見亮太郎(2年、流経大柏)やFB髙田らが効果的なキックをみせ互角の戦いとなる。得点が動かない状況が続く中、慶應義塾大は前半終了間際にSO中楠がPGを決め1点差とする。前半は筑波大リードで折り返すもブレイクダウンで優位性を保った慶應義塾大がやや押し気味に試合を進める。後半も互いに譲らない展開となる。慶應義塾大は早々にゴール前に迫るも筑波大がターンオーバーでしのぐ。さらに、慶應義塾大は4分、敵陣ゴール前ラインアウトモールからインゴール手前まで進むもボールがこぼれたところを筑波大が奪う。筑波大はそこからWTB大畑亮太(2年、東海大大阪仰星)のランとSH白栄の突破からのキックでゴール前ラインアウトを得る。そこからフェイズを重ねたゴール前まで迫るもFL今野がブレイクダウンでターンオーバー。それでも11分、筑波大は敵陣ラインアウトのアタックから下がったところをWTB大畑とCTB松島のキャリーで前進するとSO楢本幹志朗(1年、東福岡)のキックパスがWTB濱島に渡ってそのまま走り切りトライ。筑波大が差を広げるも慶應義塾大はその直後自陣で相手キックをキャッチすると幅を使ったアタックでフェイズを重ねて前進し、CTB永山淳(3年、國學院久我山)のパスがエッジで待つLOマプスアに渡ると凄まじい推進力をみせ最後はオフロードパスがWTB佐々木に通ってトライ、その後のGKも決まり逆転に成功する。リードを許した筑波大は22分にSO楢本のショートパントからCTB松島がゲインし迫るもCTB鬼木崇(4年、修猷館)の粘り強いタックルからFB山田のジャッカルに会い得点できず。その後も筑波大は相手の献身的なタックルとブレイクダウンでのプレッシャーに苦しむ。31分にはNo8髙武俊輔(4年、尾道)がシンビンとなるも、筑波大はペナルティのタッチキックのミスやハンドリングエラーなどが重なりなかなか攻勢をかけられず。そのような中、慶應義塾大は38分、SO中楠がPGを沈めて差を広げる。慶應義塾大は筑波大のラストアタックをHO中山大暉(2年、桐蔭学園)のジャッカルでしのぎ試合終了。ブレイクダウンでファイトし続けた慶應義塾大は筑波大から対抗戦4年ぶりの勝利で4連勝。接戦を落とした筑波大は4連敗となった。

○MVP
・慶應義塾大
[FW] LO アイザイア・マプスア(4年)
強靭なフィジカルをいかした相変わらずの突破力で存在感を放った。接点やキャリーで強さをみせ個で打開できる力も光り、ラインアウトでも中心を担った。後半14分には力強いキャリーからのオフロードで勝利を呼び込むトライをアシスト。
[BK] SO 中楠 一期(4年、國學院久我山)
攻守両面で輝きを放ったFB山田も出色だったが、試合を通じてスペシャルなゲームメイクを披露した中楠を選出。好キックを連発しチーム全体を押し上げるとともに優れたアタックセンスで好機を生み出し続けた。また、ロースコアの接戦となったゲームでプレースキックを全て沈めた点も素晴らしかった。

・筑波大
[FW] No8 谷山 隼大(3年、福岡)
豊富な運動と抜群の推進力でチームを牽引。前半17分には相手ディフェンスを個人で突破しトライをマーク。接点での働きやハイボールへの強さでも貢献し、キックチェイスでいち早く到達するなど献身性も披露。
[BK] CTB 松島 聡(4年、大分舞鶴)
好パフォーマンスが光ったWTB濱島も捨てがたいが、攻守両面で抜群の存在感を示し続けた松島を選出。チームの突破役として何度となく力強い前進力をみせて好機を生み出すとともに、ディフェンス面でも激しいプレーで貢献。開幕から先発出場を続け若いBK陣を牽引している。

○PICK UP
・慶應義塾大
WTB 佐々 仁悟(3年、國學院久我山)
前試合の青山学院大戦にて対抗戦初先発を果たし2試合連続のスタメン出場。巧みなランスキルで存在感を放った。今年の春季大会では3試合に先発し1トライをマーク。
高3時の花園予選決勝では本郷に惜敗し花園出場はならなかった。

・筑波大
SH 松井 翔(3年、東海大大阪仰星)
試合終盤に途中出場し今季対抗戦初出場。今年の春季大会慶應義塾大戦では公式戦初スタメンを果たし1トライをマーク。非常に質の高いパスとディフェンスが特徴の選手。
高校時代は、1年時に花園を経験し、3年時には武藤ゆらぎ(東海大3年)とハーフ団を形成し花園ベスト8。高校日本代表候補にも選出された。

日本体育大学 6-129 帝京大学

○試合内容
序盤からFW、BK一体と分厚いアタックをみせる帝京大が一方的な展開でゲームを進める。前半4分にHO江良颯(3年、大阪桐蔭)がトライを奪うと、6分にSO高本幹也(4年、大阪桐蔭)がトライ。直後に日本体育大はCTB小林勇太朗(1年、松山工業)のタックルで得たペナルティからWTB田中大世(4年、甲南)がPGを決め3点を返すも、帝京大はHO江良とWTB戒田慶都(3年、新田)がトライをマーク。24分に日本体育大が再びPGを決めるも、その後も帝京大が圧倒する展開となり5トライを追加し6-59と大量リードで前半終了。後半の開始早々にLO山川一瑳(4年、常翔学園)がトライを奪うと、そこからCTB二村莞司(4年、京都成章)とWTB小村真也(2年、ハミルトンボーイズ高)が後半だけで3トライをマークするなど計10トライを追加。合わせて大量19トライを重ねた帝京大が圧勝し4連勝。全ての面で上回られ終始防戦一方だった日本体育大は4連敗となった。

○MVP
・日本体育大
[FW] No8 望月 元樹(4年、日川)
序盤から圧倒される状況の中、フィジカルを活かした強いコンタクトをみせ実力を示した。
[BK] CTB 小林 勇太朗(1年、松山工業)
ルーキーながら2試合連続で先発出場。厳しいゲーム展開の中でも好タックルや力強い突破をみせる場面があり存在感をみせた。

・帝京大
[FW] HO 江良 颯(3年、大阪桐蔭)
コンタクト、パス、ラン、セットプレーなど全てが段違いのプレーを披露。前試合では途中から登場したがこの試合では先発出場しゲームを通じて圧倒的な活躍。挙げたトライは5つを数えた。
[BK] CTB 二村 莞司(4年、京都成章)
力強くスピードに乗った突破で4トライをマークするとともに、的確なパスで好機を演出した。昨季まではFBを中心としたが今季は13番でプレーする。今年の春季大会では4トライを挙げる活躍で優勝に貢献。今季の対抗戦はこの試合の前までトライはなかったが、このゲームで持ち前の決定力を見せつけた。

○PICK UP
・日本体育大
FL/LO 當山 恭右(2年、名護)
開幕から途中出場を続けていたが、この試合で対抗戦初スタメン。今年の春季大会ではLOで全5試合に先発出場を果たし台頭した。
高校時代は2、3年時に花園に出場。

・帝京大
WTB 戒田 慶都(3年、新田)
対抗戦初出場初先発で、抜群のスピードを武器にハットトリックを達成。この試合前までの公式戦出場は昨年度の春季大会1試合のみ。
高校時代は2年時に花園出場、U17日本代表入り。3年時には高校日本代表候補に選出された。
LO/FL 本橋 拓馬(2年、京都成章)
後半29分に途中出場し公式戦今季初出場。昨年度は1年生ながらレギュラーに定着し大学日本一に貢献したLOがようやく今季初登場。
CTB/WTB 日隈 太陽(1年、大分東明)
後半28分に途中出場し公式戦デビュー。サイズと推進力のあるランが魅力の選手。
高校時代は1年からレギュラーで同校初の花園出場に貢献。2年時にも花園、3年時には選抜大会に出場。3年時の花園県予選では引き分けの末抽選で出場を逃した。

立教大学 7-31 早稲田大学

○試合内容
雨が降りしきり、強風に煽られるゲームとなった。早稲田大は9分、ゴール前スクラムから左に展開してFB小泉怜史(4年、早稲田実業)のパスからWTB磯崎練太郎(3年、城東)のトライで先制。さらに、17分、敵陣ラインアウトのアタックから、FWとBKでフェイズを重ねて、SO吉村紘(4年、東福岡)のパスに走り込んだFB小泉からFL前田知暉(4年、東海大大阪仰星)に渡り、最後はオフロードパスがWTB槇瑛人(4年、國學院久我山)につながりトライ。23分には敵陣ゴール前ラインアウトモールからHO佐藤健次(2年、桐蔭学園)が持ち出してトライ。試合開始から早稲田大が好機を生み出しトライを重ねるが、立教大も相手ボールをターンオーバーするなど簡単にはやらせず粘り強く対応し、24分以降は得点を与えず、また、得点は奪えなかったが攻める時間帯もつくった。前半を0-19で折り返す。後半開始早々、追いかける立教大はSO安藤海志(4年、京都成章)の50:22で得た敵陣ゴール前ラインアウトからモールでインゴール手前まで迫り最後はFL二木翔太郎(3年、立教新座)が近場をねじ込んでトライ。その後は早稲田大が押し込む展開が続くも、立教大が接点とブレイクダウンでプレッシャーをかけ献身的に対応し粘り強くしのぐ。それでも、PR亀山昇太郎(2年、茗溪学園)を中心にスクラムでも圧倒的優位に立つ早稲田大は試合終盤にかけてさらに攻勢を強めると相手が反則を連発。立教大にシンビンが出た直後、早稲田大は敵陣ゴール前スクラムを押し込みNo8村田陣悟(3年、京都成章)が持ち出して迫ると最後はFL前田がトライをマーク。主導権を握りゲームを進めた早稲田大はようやく後半初トライ。差を広げられた立教大はアタックを継続して打開を図るが得点ならず。逆に早稲田大が終了間際にトライを追加して勝利。早稲田大は相手の粘りに苦しみながらも好機をしっかりとものにして勝利をおさめ、4連勝。試合を通じて粘りをみせた立教大だったが地力の差が出て4連敗となった。

○MVP
・立教大
[FW] HO 三村 真嶺(2年、東海大大阪仰星)
強いコンタクトと献身的なプレーで存在感を示した。前進力のあるキャリーやブレイクダウンでのジャッカルなど随所に好プレーをみせた。
[BK] SO 安藤 海志(4年、京都成章)
鋭いパスと精度の高い両足からのキックでチームに貢献。アタックの時間が短い中でも効果的なパス、ランを披露。また、後半開始早々にはトライにつながる50:22のキックをみせた。

・早稲田大
[FW] FL 前田 知暉(4年、東海大大阪仰星)
力強いキャリーと的確なパスでアタックを牽引。フィジカルの強さと高いワークレートでゲームを通じて存在感を発揮した。前半17分にはオフロードパスでWTB槇のトライをアシストすれば、後半38分にはパワーをみせてトライをマーク。今季よりレギュラーに定着し、開幕からLOで先発していたがここ2試合はFLで出場。
[BK] FB 小泉 怜史(4年、早稲田実業)
スピードを生かした推進力のあるランと効果的なキックでチームの勝利に貢献。前半9分、17分にはトライにつながるアタックをみせ、36分には50:22となるロングキックを披露。今季よりレギュラーに定着し開幕からFBで出場を続ける。

○PICK UP
・立教大
PR 大上 翔(1年、京都成章)
試合終了間際に途中出場しルーキーながら開幕から4試合連続の出場。前試合では先発出場も果たした。今年の春季大会は全4試合に途中出場し、入学直後から出場機会を掴んだ。
高校時代は2年時から花園に出場するも強力な陣容を誇るチームのなかで途中出場が主だった。

・早稲田大
FB 山下 一吹(1年、早稲田実業)
後半30分に途中出場し、公式戦デビュー。
高校時代は1年生からレギュラーで、2年時に花園、3年時に選抜大会に出場した。3年時の花園予選は準決勝で目黒学院に敗れた。

2022 関東大学リーグ戦1部 第4週 結果まとめ(2022年10月20日投稿)

法政大学 34-15 関東学院大学

○試合内容
序盤から一進一退の攻防が続くなか、11分、関東学院大がSO安藤悠樹(1年、日向工業)のPGで先制。先制を許した法政大は15分、敵陣ゴール前ラインアウトモールからHO石川空悟(3年、佐賀工業)が持ち込んで逆転となるトライ。さらに、前半終盤にゴール前スクラムからリーグ戦初先発のNo8寺前琉達(2年、報徳学園)が持ち出して相手をかわしトライを奪うと、その後、グラウンドの幅を使った展開からWTB坂田龍之介(4年、東海大大阪仰星)が追加トライをマーク。関東学院大は前半終了間際に敵陣ゴール前まで迫るも取り切れず、法政大が21-3とリードして前半終了。後半、リードを許す関東学院大は敵陣でのラインアウトからゴール前まで迫るとFL福見迅矢(3年、小平西)がトライを挙げ反撃。それでもスクラムで優位に立つ法政大はFB石岡玲英(3年、御所実業)のPGで差を広げる。それでも関東学院大は敵陣ゴール前ラインアウトからフェイズを重ねてSH服部莞太(2年、佐賀工業)がラックサイドを抜け出してトライ。迫られる法政大はゲーム終盤にゴール前に攻め込み近場をねじ込んでFL山下武準(3年、法大二)がトライを奪うと、終了間際にもトライを追加しダメ押した。主導権を握ってゲームを進め、好機を着実にものにした法政大が勝利し3勝1敗。後半に追い上げをみせた関東学院大だったが最終的には突き放され4連敗となった。

○MVP
・法政大
[FW] LO 竹部 力(3年、大分舞鶴)
接点とブレイクダウンで強さをみせたことに加え、推進力のあるランや的確なパスも披露。前半38分には抜群の走力でエッジを前進し、ラストパスでWTB坂田のトライをアシストした。
[BK] FB 石岡 玲英(3年、御所実業)
正確なキックと巧みなランスキルでBKの中心として勝利に貢献。全体を押し上げる走りでチームの勢いに寄与。後半18分には貴重なPGを沈めるなどプレースキックも光った。

・関東学院大
[FW] FL 福見 迅矢(3年、小平西)
今季途中出場での活躍が続くなか、リーグ戦初スタメン。代名詞となりつつある思い切りのいいコンタクトで存在感を放った。豊富な運動量で力強い縦アタックをみせ続け、チームを牽引。後半11分にはゴール前でねじ込んで、今季リーグ戦3トライ目をマークした。
[BK] CTB 山村 拓(2年、保善)
何度となくスピードに乗った縦アタックをみせ、チームの突破役を担った。今季リーグ戦デビューながら開幕戦から4試合連続スタメン出場中。

○PICK UP
・法政大
No8 寺前 琉達(2年、報徳学園)
リーグ戦初スタメンを果たし、前半35分にはゴール前スクラムから持ち出してトライをマーク。前半で退いたが初先発で好パフォーマンスを披露した。今年の春季大会にてFLやNo8で3試合に先発し3トライを挙げるなど存在感を示した。
高校時代は2年時から花園を経験。3年時の花園県予選では県決勝で関西学院に敗れるも、オータムチャレンジを勝ち上がって出場を果たした。

・関東学院大
PR 髙田 凱斗(1年、松山聖陵)
前試合に途中出場でリーグ戦デビュー、この試合で初先発を果たした。スクラムだけでなく、接点でも強さをみせ存在感を示した。
高校からラグビーを始め、3年時に選抜大会と花園に出場。

東海大学 52-26 流通経済大学

○試合内容
お互いが接点で強さをみせ、ブレイクダウンでも取り合う激しい戦い。なかなか得点が動かない展開が続くなか、19分、敵陣ラインアウトのアタックからLOワイサケ・ララトゥブア(4年)が抜け出しサポートしたPR井上優士(4年、筑紫)がトライを奪い東海大が先制。その後、流通経済大No8ティシレリ・ロケティ(1年)がシンビンとなると攻勢をかける東海大が25分、29分にラインアウトモールからHO下江康輔(3年、東福岡)が2トライを追加。前半終了間際にはキックカウンターからWTB岡村優太(2年、東海大大阪仰星)が素晴らしいランをみせて前進すると、ラックから繋いで最後はWTB照屋林治郎(4年、保善)がトライを奪いさらに差を広げる。前半は26-0で東海大リード。流通経済大はFB谷惇平(3年、日向工業)が好キックを連発するも、相手両WTBのランニングによるエリア回復に苦しむ。後半、追いかける流通経済大は敵陣ラインアウトのアタックから途中出場のFL南太陽(4年、大産大附)が突っ込んで、逆目に振り最後はHO作田駿介(3年、流経大柏)の素晴らしいパスからエッジのLOアピサロメ・ボギドラウ(4年)がトライ。しかし、東海大は敵陣ラインアウトモールからHO下江がこの試合3トライ目で再び差を広げる。それでも流通経済大は敵陣でブレイクダウンからボールを奪い良いリアクションから前へ蹴り出すと最後はWTB永山大地(4年、流経大柏)が抑えてトライをマークすると、モールDFで得た敵陣深くのスクラムからゴール前に迫りFWで近場をねじ込んでトライを追加。33-19とする。迫られた東海大は直後の攻撃でFWの短いパスからNo8井島彰英(4年、熊本西)が抜け出し、サポートしたSO武藤ゆらぎ(3年、東海大大阪仰星)のトライで突き放す。その後はさらにWTB照屋もトライを追加。流通経済大は途中出場したルーキーWTB濱谷海斗(1年、札幌山の手)がトライを返すも、東海大がさらにSO武藤のキックパスからWTB岡村のトライで得点を積んだ。後半は互角の戦いとなったが、前半のリードを守り切った東海大の勝利となった。東海大は3連勝、流通経済大は今季リーグ戦初黒星となり、両チームとも3勝1敗となった。

○MVP
・東海大
[FW] HO 下江 康輔(3年、東福岡)
強いコンタクトと安定したセットプレーで勝利に貢献。前半25分にラインアウトモールからリーグ戦初トライをマークすると、同29分、後半13分にもトライを奪いハットトリックを達成。開幕当初はスローに課題がみられたが、試合を重ねるごとに徐々に改善しこの試合では抜群の安定感を誇った。昨年度まで公式戦の出場はなかったが、今年の春季大会にて台頭しレギュラーに定着。東福岡出身だが全国大会の出場経験はない。
[BK] SO 武藤 ゆらぎ(3年、東海大大阪仰星)
説明不要の優れたアタックセンスでチームを牽引。バリエーション豊富なプレーで好機を生み出し続けた。的確なパスでトライを演出すれば、後半30分には自らサポートに走ってトライをマーク。試合終了間際に正確なキックパスでWTB岡村のトライをアシスト。

・流通経済大
[FW] LO アピサロメ・ボギドラウ(4年)
抜群の破壊力と走力でアタックの中心として活躍。コンタクトの強さと高いワークレートで存在感を示し、後半4分、28分にはトライをマークして決定力もみせた。
[BK] FB 谷 惇平(3年、日向工業)
後方からチームを支え、好キックを連発。自陣ゴール前からの脱却はもちろんのこと前半には50:22を2本決めるなど精度の高さが際立った。前半、彼の好キックで得たチャンスをものにできていれば別の展開もあったかもしれない。

○PICK UP
・東海大
CTB 何松 健太郎(3年、東海大大阪仰星)
後半38分に途中出場し待望のリーグ戦デビュー。
高校時代は力強いコンタクトを武器に3年時には選抜大会、花園にてベスト8進出に貢献し、高校日本代表候補に選出された。

・流通経済大
WTB 濱谷 海斗(1年、札幌山の手)
後半32分に途中出場しリーグ戦デビューを果たすと、35分に初トライをマーク。ルーキーながら今年の春季大会法政大戦でフル出場しトライを挙げる活躍をみせた。
高校時代は2年時から花園を経験し、3年時にはFLのレギュラーとして選抜大会、花園に出場した。

立正大学 41-35 大東文化大学

○試合内容
大東文化大は5分、敵陣ゴール前ラインアウトモールを押し込んで最後はHO西林勇登(3年、御所実業)がタックルを受けながらもインゴールに持ち込んで先制トライ。立正大は直後のキックオフボールをターンオーバーするとそこからフェイズを重ねて走り込んだWTB大月淳史(4年、新潟工業)がラインブレイクし、サポートしたSH中森隆太(4年、東福岡)が走り切って同点とする。同点とされた大東文化大は鋭い展開でペナルティを得ると12分、再び敵陣ゴール前ラインアウトモールを押し込んでHO西林がトライ。立正大は16分、敵陣ゴール前ラインアウトから近場を突いた後に外に振ってエッジに張っていたNo8ユアン・ウィルソン(2年)がトライを奪い2点差とする。迫られた大東文化大は39分、幅を使ったアタックで前進するとSO落和史(4年、石見智翠館)の裏キックに反応したWTB小田嶋生吹(3年、秋田中央)が右隅にトライ。立正大は前半終了間際にSO吉永崚(4年、九州学院)がPGを決める。前半は15-21と大東文化大リードで終了。後半に入ると立正大が序盤から攻勢をみせる。5分、敵陣ゴール前ラインアウトモールからHO陣内源斗(4年、尾道)がトライをマークし1点差に迫ると、12分敵陣ラインアウトからNo8ウィルソンが突進してその後ゴール前まで迫り、最後はSHからもらったCTB小熊丞(4年、北越)が体の強さをみせて逆転のトライ。さらに、16分には敵陣でCTBキニ・ヴェイタタ(3年)が相手ボールを奪い形成されたラックからSH中森が左のSO吉永に長いパスを放ってそのまま走り切ってトライを挙げると、23分には前半早々から途中出場のFB清永修太郎(3年、大分舞鶴)が追加点を奪い、41-21と大きくリードを広げる。ここから大東文化大が猛攻をみせ、30分にはSO落、終了間際にはNo8サイモニ・ヴニランギ(4年)がトライを挙げるも及ばず。立正大は2007年以来2度目となる大東文化大からの勝利で2連勝とし2勝2敗。敗北した昨年度3位の大東文化大は未だ1勝。

○MVP
・立正大
[FW] No8 ユアン・ウィルソン(2年)
フィジカルの強さと縦への推進力で突破役を担い、相手の脅威となり続けた。前半16分には大外に位置取りしトライを奪えば、後半12分には逆転トライにつながる凄まじいキャリーをみせた。
[BK] SH 中森 隆太(4年、東福岡)
鋭い球捌きと効果的なキックでチームのアタックを牽引。前半7分には素晴らしいサポートプレーからトライをマーク。また、28分には自陣ゴール前で突進してきた相手をタックルで止めるなどディフェンスでも存在感を示した。

・大東文化大
[FW] LO ジョセフ・ドモニ(1年)
リーグ戦初スタメンながら出色の活躍を披露した。力強い前進力でチームに勢いをもたらすとともに前半22分にはインゴール寸前でトライを防ぐなどディフェンス面でも大きく貢献。また、マイボールキックオフをキャッチするなどあらゆる場面で存在感を放った。
[BK] CTB ハニテリ・ヴァイレア(2年、青森山田)
的確なパスと力強いキャリーでアタックを牽引。豊富な運動量で試合終盤まで衰えない走力をみせた。また、プレースキックの安定感も抜群で、5本のGK全てを沈めた。

○PICK UP
・立正大
FB 清永 修太郎(3年、大分舞鶴)
FB武田凱(2年、巻)の負傷により前半4分から登場。後半23分にはスピードに乗ったランで貴重なトライをマーク。今年の春季大会にてWTBとFBで4試合に先発し台頭。
高校時代は2年時に花園に出場したが、3年時には県予選決勝で大分東明に敗れ出場を逃した。

・大東文化大
FL 鑓水 飛暉也(2年、山形中央)
リーグ戦初出場初先発を果たし、コンタクトの強さをみせた。今年の春季大会日本大戦で途中出場し公式戦デビュー、その試合ではトライもマーク。
高校時代は1年からレギュラーでチームの中心として3年連続花園出場を果たした。

日本大学 32-33 東洋大学

○試合内容
東洋大は前半5分、相手キックを敵陣10mライン付近で処理するとラックから持ち出したSH神田悠作(4年、東筑)がラインブレイクしFBをかわして先制トライ。先制を許した日本大は12分、敵陣ゴール前スクラムから左でボール受けたFB普久原琉(4年、コザ)が走り込んだSO饒平名悠斗(4年、コザ)に内返しそのままトライを奪い2点差とする。さらに、日本大はハーフラインのラインアウトのアタックからFWが突っ込んでゲインを奪うと、BKに展開し外まで回してWTBナサニエル・トゥポウ(4年)が走り切ってトライをマークし逆転。27分にはWTB水間夢斗(4年、佐賀工業)のビッグゲインで得たペナルティからCTB広瀬龍二(4年、日川)がPGを追加。逆転された東洋大は31分、敵陣ゴール前右隅のスクラムから順目でフェイズを重ねて最後は外のWTB杉本海斗(3年、東京)がトライ、GKも決まり13-14と逆転。日本大は35分にCTB広瀬が再びPGを沈めて再逆転。それでも東洋大は敵陣ラインアウトモールからフェイズを重ねるとSH神田がラックサイドを破ってトライをマークしリードを奪って前半終了。東洋大はハーフ団を中心に巧みな攻撃をみせ、日本大は両WTBの推進力が際立った。後半に入ると3分、東洋大はゴール前ラインアウトモールを押し込んで差を広げる。しかし、日本大は7分、敵陣10mライン付近のスクラムから短いパスに走り込んだCTB広瀬がブレイクし、そのままインゴールまで持ち込んで食い下がる。その後は一進一退の攻防でトライが生まれない状況が続く。そのような中、日本大は24分、32分にPGを決めて27-26と逆転。さらに日本大は38分、FL原田竜弥(4年、明和県央)のトライで差を広げる。これで終わりかと思われたが、東洋大が終了間際に攻勢に出ると、ゴール前ラインアウトモールからインゴール手前まで進み最後はPR山口泰雅(4年、目黒学院)がねじ込んで1点差と迫る。直後のGKでは一度外すも、日本大にルール違反の声出しがあったとして蹴り直しとなり、それをWTB杉本が冷静に決めて東洋大の劇的逆転勝利。昨季2位の日本大に勝利した東洋大は3勝1敗。ラストプレーで逆転を許した日本大は3連敗で1勝3敗。

○MVP
・日本大
[FW] FL 平坂 桃一(4年、日大高)
高いワークレートと接点の強さでチームを牽引。ブレイクダウンでのジャッカルやエッジでのキャリーなど随所に好プレーをみせ存在感を示した。レフリーとのコミュニケーションも好印象。
[BK] CTB 広瀬 龍二(4年、日川)
抜群の推進力で攻撃をリードした両WTB水間とトゥポウも出色だったが、攻守に渡り安定感のあるプレーを披露しチームの中心として活躍した広瀬を選出。4本のPGを沈めたことに加え後半7分にスピードある突破でトライもマークした。

・東洋大
[FW] PR 山口 泰雅(4年、目黒学院)
今季リーグ戦初めて3番で先発、後半途中からは左PRを務め、苦しんだ場面もあったがスクラムで存在感。また、前半36分には相手にゲインを許した場面でラックを超えるなどブレイクダウンでも貢献。試合終了間際には力でねじ込んで値千金のトライを挙げた。
[BK] SH 神田 悠作(4年、東筑)
この人なしでは語れないほど毎試合抜群のパフォーマンス。素早い球出しとアジリティの高い動きに加え、常に前をうかがうプレーで、前半5分と終了間際にラインブレイクからトライをマーク。

○PICK UP
・日本大
SO/FB/WTB 徳永 優太(2年、佐賀工業)
後半36分に途中出場し、高水準のパス、キック、ランでゲームメイクに寄与。後半開始早々にはペナルティから速攻を仕掛けるなど積極性もみせた。
昨年度は1年生ながらリーグ戦3試合に出場し、大学選手権も経験。今年もコンスタントに出場を続ける。現在4年生の多いBK陣において来期以降の中心選手として期待がかかる万能選手。高校時代は2年時にFB、3年時にはSOとして花園に出場。

・東洋大
FB/CTB 田中 康平(4年、土佐塾)
この試合は今季リーグ戦初の12番で先発し、鋭いランに加え、タックルでも存在感を放った。今季リーグ戦は開幕から4試合連続でスタメン出場し、チーム状況に合わせて両CTB、FBでプレー。春季大会ではWTBでも先発しておりそのユーティリティ性でも貢献している。
高校時代はFBを主戦場に2、3年時に花園に出場した。

JAPAN XV オーストラリアAとの3試合を振り返る(2022年10月16日投稿)

JAPAN XVとして臨んだオーストラリアAとの3連戦について振り返る。キャップ対象ではないが、日本代表メンバーで戦う重要な位置付けとなる試合。10月29日のニュージーランド戦、11月12日のイングランド戦、11月20日のフランス戦に向け、有意義なものとしたいシリーズ。

第1戦 ●22-34

先発に起用されたノンキャップの2選手、FL下川甲嗣(東京SG)とSO中尾隼太(BL東京)が期待で、リザーブにNo8/FL姫野和樹(トヨタV)、SH流大(東京SG)、FB/WTB松島幸太朗(東京SG)、FB野口竜司(埼玉WK)が入った点も注目のゲーム。
SH斎藤直人(東京SG)、SO中尾、FB山中亮平(神戸S)を中心にキックを多用。グラウンド中央付近からはキックでエリアをとり、一旦手放して相手にプレッシャーをかけるというプランを遂行。しかし、落下地点においては相手に上手く圧力をかけることができていなかった場面もあり、特に前半は自陣でのディフェンスの時間を長く強いられた。前半21分にはキックを確保した相手に対しNo8リーチ マイケル(BL東京)がジャッカルし、27分にはSO中尾のショートパントからCTBディラン・ライリー(埼玉WK)が抜け出すなど効果的なシーンもみられたが、19分、38分にはがっつりカウンターを食らうなど危ないシーンもみられた。それでも日本は組織化されたダブルタックルと負けないフィジカルで献身的に対応しトライを許さず9-6とリードで前半終了。後半は敵陣22m付近中央のスクラムから上手い展開をみせてWTBシオサイア・フィフィタ(花園L)がこの試合初トライ。直後にディフェンスを破られてトライを許すも、14分にPG、15分にはフィフィタのビッグゲインから途中出場の姫野が突破、その後BKに大きく展開してCTB中野将伍(東京SG)が一人振り切って入ったばかりWTB松島がトライ奪い、この時点で22-13とする。しかし、JAPANはここからこのゲーム展開を支えていたディフェンスが甘くなり始める。相手にフェイズを重ねられると前が空く場面やダブルタックルに入れずオフロードで繋がれるシーンが散見され、3連続トライを奪われ最終的には22-34で敗戦。走力の落ちた後半にセットが遅れ、タックルが上手く決まらずに流れを持っていかれた。

第2戦 ●21-22

FL姫野、CTB中村亮土(東京SG)、WTB松島がスタメンに名を連ね、10番には李承信(神戸S)が入った第2戦は最後まで分からない接戦となった。
JAPANは最高の立ち上がりをみせる。キックオフのボールを確保するとフェイズを重ねて最後は復帰のCTB中村のパスからWTB松島が先制トライ。その後JAPANがSO李のPGで加点するも、12分にPGを返されるとJAPANは攻め込むもフィジカルの強い相手を割りきれず得点を挙げられないまま、31分にはミスマッチを突かれて逆転を許す。キックを効果的に使いながら速いテンポでのアタックをみせ、ディフェンスでも相手にプレッシャーをかけ粘り強い対応をみせた前半だったが、タッチキックで流れを切れない場面やラインを上手く上げられずフェイズを重ねられての危ないシーンも多々見受けられた。後半に入ると早々の4分に外をFBトム・バンクスに走られてトライを奪われる。7点ビハインドとなったJAPANは53分にPGを返す。また、後半22分に敵陣深くでペナルティを得るとタップから仕掛けたNo8リーチがゴール手前まで迫ると、最後は密集からリーチがねじ込んで逆転。さらに67分にはPGを追加し21-15とリードを広げた。しかし、試合終了間際、反則により相手にゴール前まで迫られるとラインアウトモールを押し込まれ失点。GKも決められてラストプレーで逆転許し勝利を逃した。惜しくも敗れたJAPANだったが、第1戦からキックを減らし展開を入れることでアタックは一定の向上がみられた。しかし、フィジカルの強い相手に取り切れないシーンも目立ち最後のデザインが必要。ディフェンスではラインを上げきれない部分や力強さに押されるシーンなどみられたが、ゲームを通して粘り強い対応をみせ続けた。攻守に圧倒的な働きをみせたリーチは出色の出来。

第3戦 〇52-48

PR稲垣啓太(埼玉WK)とNo8テビタ・タタフ(東京SG)が先発出場。10番には2試合続けて李が入った。
JAPANはシェイプによるライン展開やデザインされたラインアウトなどから得点を重ねるも、強い選手を当ててくる相手にブレイクダウンのリロードが遅れると度々破られトライを許す。それでもJAPANは常に先行するかたちゲームを進め後半4分には23点差とし、完勝ムードが漂うが、そこから相手の推進力のある攻撃を受けきれず4トライを奪われ2点差まで迫られる。第1戦、第2戦のように逆転負けがよぎるも、32分ラインアウトから途中出場No8ファウルア・マキシ(S東京ベイ)のトライで再び突き放し、最後は4点差とされるも勝利。お互いに相手に簡単にトライを許す場面も多く最終的に52-48というスコアで終了。JAPANはタッチキックをしっかり蹴り出して自陣から脱却するなど前試合から変化がみられた。攻撃面では序盤からテンポよく展開して、攻めれば取れるという流れをつくり成果がみられた。なかでも圧倒的な突破力をみせるNo8タタフは出色。また、FB山中の存在も秀逸でSOの位置に立つなどしてバリエーションの多彩さに寄与。ディフェンスでは原則外を捨てる陣形でのぞんだが、外まで回された際のWTBの対応が詰めるのかずれるのかがあいまいで課題を感じた。タックルが上手く決まらなかったり、リロードが遅れたりすると簡単に決定機を許す部分もあり修正はまだまだこれからという印象。正確なキックでゲームをつくったSO李は1対1のタックルが決めきれず、この部分においては第1戦で後方で好タックルをみせた中尾やこのゲーム終盤でゴール前で相手を止めた山沢拓也(埼玉WK)との差を感じた。とりわけ、途中出場したPR竹内柊平(浦安D)、No8マキシ、SO山沢が存在感を示した点は好材料。一定の課題を残しながらも、第1戦、第2戦のように後半ギアを上げてきた相手に対し、この試合は逆転を許さず勝ち切ったところが何よりも収穫。

総括

このシリーズ3戦を通じて大車輪の活躍を披露したのはFL/No8リーチ。3試合連続のフル出場でさすがの働きぶり。豊富な運動量で攻守両面で大きな存在感を示し、第2戦では力強いキャリーで一時逆転となるトライを挙げれば、第3戦ではパスで2つのトライに絡むなど決定的なプレーでもみせた。
また、強いインパクトを残したのはFL下川。ノンキャップながら3試合連続で先発し、高いワークレートを示して接点で働き続けた。見事なジャッカルも披露し、ブレイクダウンでの仕事を十二分にこなした。メンバーが固定されつつ代表のなかに一石を投じた印象でこれからのさらなる飛躍に期待がかかる。
7月のフランス戦でも活躍し、好調を維持するFB山中も質の高いプレーで抜群の存在感。第3戦では正確なタッチキックでエリア回復に寄与するとともにライン展開ではSOの位置に立つなどして的確なパスを供給し見事な働きぶり。代表合宿では10番でも練習し、第1戦の試合途中からSOに回るなどチーム事情に合わせた起用にも対応。キック処理に不安定さをみせるのが玉に瑕。
LOジャック・コーネルセン(埼玉WK)、SH齋藤、CTBライリー、WTBフィフィタは3戦を通じて安定したパフォーマンスを披露。また、第3戦で出色の出来をみせたNo8タタフはさすがの一言。

注目されたSO争いは、中尾が第1戦、李が第2、3戦に先発し、山沢は第3戦に途中出場。各選手、自身の持ち味を発揮したが突出するとまではいかず、競争はまだ続く模様。中尾は4本のPGを決めるとともにキックを多用したプランのなかでエリア取りに寄与。また、後方で好タックルを披露し相手のカウンターなどにしっかりと対応。後半には状況判断の乱れもみえたが上々の”デビュー”だった。李は正確なキックとパスを活かしたバランスの取れたゲームメイクを遂行。アタックをリードし好機の創出に貢献し続けた。課題が残ったのは1対1のタックルと相手に蹴り込まれた際のキック。強いランナーが突破してきた際にはタックルを決められないシーンがみられ、キック合戦の場面での返しのロングキックには精度不足を感じた。山沢は少ない出場時間だったが、絶妙なキックと好タックルで存在感を示した。9月の合宿中の脳震盪で出遅れたがここから上げていく。これからも争い必死だが、個人的には体の強さとロングキックが生かせる山中も候補。

キックを多用した第1戦から徐々にプランを変更し、アタック面では素晴らしいライン展開でトライを奪うシーンが多くみられるなど計95点を挙げ一定の成果。終盤に相手の勢いに押され逆転を許した第1戦、第2戦と異なり、最終戦の第3戦では再度突き放して勝ち切れたことは大きな収穫で、計104失点を喫したディフェンスの細かい修正はこれからという印象。姫野、中村、松島など夏の欠場組が復帰し、下川など新戦力の台頭もみられたこのシリーズ、得られた収穫と課題を次につなげW杯ベスト4以上に向けて着実に前進したい。

まずは10月29日(土)オールブラックス戦。

【雑談】ラグビーを堪能するため利用しているコンテンツ(2022年10月12日投稿)

この投稿は極個人的雑談になります。

私がラグビーを楽しむために利用しているコンテンツについて紹介します。

まずは有料のものから触れていきますが、一部無料で利用可能な部分もあります。
全て税込料金で記載しております。
内容は2021-2022をもとに記載しておりますので現状との差異や不足はご了承ください。

[有料]
①J SPORTS オンデマンド(ラグビーパック) 月額1,980円
・リーグワン D1、D2、D3、プレーオフ、入替戦全試合(D1、D2は実況・解説付)
・大学 関東大学春季大会(Aグループ全試合、Bグループ注目試合)、関西大学春季トーナメント(今年は順位決定戦のみ)
    菅平合宿練習試合、関東大学対抗戦、関東大学リーグ戦、関西大学リーグ、大学選手権
・高校 選抜大会、全国セブンズ、花園(一部は花園予選決勝も)、各ブロック大会(関東、近畿、九州など)
・日本代表 テストマッチ(放送がない場合も)
などが主です。十分すぎるくらいの内容です。年中ラグビーを楽しめます。

②WOWOW オンデマンド 月額2,530円
こちらも素晴らしいラインナップ。
・スーパーラグビー
・テストマッチ(サマー、オータム)
・南半球4ヵ国対抗戦ザ・ラグビーチャンピオンシップ
・シックス・ネーションズ
が主でその他さまざま企画も放送されます。
世界最高峰の戦いが堪能できるコンテンツで、試合によって現地映像と日本語実況解説が用意されています。日本ラグビーにとどまらず、海外ラグビーを楽しみたい人には持ってこいです。

③ラグビーマガジン 月1回 約1,000円
毎月25日に発売され、代表、リーグワン、大学、高校、海外など幅広く取り上げる国内屈指のラグビー雑誌です。これ無しでは生きていけません。ちなみに私は集めに集めまくって現在約27年分を所持しています。花園ガイドや大学名鑑などはラグビーマガジンでの付録があることで手に取ることができます。2022年5月号で創刊600号を迎えています。

④サンケイスポーツ電子版(アプリ) 月額1,600円
タイムリーな情報を確認するために利用しています。スクラップ機能があり、ラグビーに関する部分を切り抜いて保存できます。他のスポーツ紙よりラグビー情報が厚い印象です。

⑤RUGBY WORLD 月1回 約2,200円
海外のラグビー雑誌です。詳細な海外情報は入手することがなかなか難しいため購入しています。当たり前ですが、英語です。ある程度の英語力が必要となりますが、非常に有意義な雑誌です。

⑥毎日新聞デジタル 月額 スタンダード1,080円(12カ月契約なら1月770円)
高校ラグビーの情報に強く、多くの特集が組まれています。特に選抜大会、花園開催中は有益な情報がタイムリーに飛び込んできます。高校ラグビー好きは必見。無料でも閲覧できる記事あり。

⑦ラグビージャパン365 月額 プレミアム(1ヶ月800円、12カ月契約なら1月650円)
無料でも有益な記事に触れることができますが、プレミアムとして大西将太郎さんや後藤翔太さんのコラムなど、より密な記事を拝読することができます。

余談ですが、以前はDAZNで「プレミアシップラグビー」や「ヨーロピアンラグビーチャンピオンシップ」などが放送されていました。幸せな時代でしたね。復活してほしいです。

続いて無料で楽しめるもの。

[無料]
①ラグビーリパブリック
ラグビーマガジン編集部が運営する情報サイト。ラグビーマガジン同様に代表、リーグワン、大学、高校、海外など幅広く、そして、濃密な記事を読むことができます。もはや無料で読めていいの?というレベルの素晴らしい情報が盛りだくさん。

②4years.
学生(大学)スポーツに関する総合情報サイト。選手やスタッフたちのヒューマンストーリーや熱いエピソードなどここでしか知れない情報に触れることができます。

③らぐびーくえすと(WEBサイト、YouTube)
林大成選手と井上正幸さんによる主にスキルや戦術に関する情報コンテンツ。スクラム、ラインアウト、キック、パス、ランなどのあらゆるスキルや、ポッド、シェイプなどの様々な戦術について非常に分かりやすく解説されています。プレーヤーはもちろん私のような今は観戦のみになった人でもとても為になり、ほかになく唯一無二といえるコンテンツ。

④関東ラグビーフットボール協会(YouTube)
主に、JSPORTSオンデマンドで放送されない関東大学春季大会の試合(Bグループの一部やCグループ)や、OTOWAカップ、全国ジュニア予選、トップイーストリーグなどが視聴できます。

⑤週刊ひがしおおさか_公式(YouTube)
主に、関西大学Aリーグのハイライト及び記者会見、関西大学Bリーグ、関西大学コルツリーグ、関西大学ジュニアリーグなどが視聴できます。

⑥トップウェストリーグ(YouTube)
トップウェストリーグの一部試合が視聴できます。

⑦JAPAN RUGBY TV(YouTube)
日本代表情報や全国ジュニア、太陽生命カップをはじめ、毎回ゲストがタイムリーで豪華な「矢野武のラグビー語ろうぜ!」などが視聴できます。

⑧大畑&大西のラグビーチャンネル(YouTube)
元日本代表の大畑大介氏と大西将太郎氏によるラグビーチャンネル。二人のエピソードトークやタイムリーな話題、豪華ゲストとの対談を楽しむことができます。

主に私が利用しているものは上記のものになります(他にもちょこちょこあります)が、有料、無料にかかわらず他にも様々なコンテンツが存在しています。このブログを閲覧いただいた方で活用している優良なコンテンツがございましたら、Twitterのコメント欄にて教えてください。

2022 関東大学リーグ戦1部 第3週 結果まとめ(2022年10月10日投稿)

関東学院大学 12-36 立正大学

○試合内容
立正大は開始早々に敵陣ゴール前ラインアウトの攻撃からNo8ユアン・ウィルソン(2年)が突進し、FLエパラマ・ツヴュニヴォノ(4年)につないで先制すると、直後にもゴール前ラインアウトからFLツヴュニヴォノが抜け出しトライ。立正大はハーフ団の効果的なキックでゲームをコントロールする。その後膠着状態が続くが、29分、立正大が敵陣での相手のミスからボールを奪いWTB大月淳史(4年、新潟工業)のゲインでゴール前に迫ると近場を突いて最後はWTB田中瑛士(4年、筑紫)がトライ。さらに、36分、立正大は連続攻撃でインゴール手前に進んでSH中森隆太(4年、東福岡)がラックサイドに飛び込んでトライを挙げリードを広げる。関東学院大はようやく終了間際に敵陣ゴール前ラインアウトを得て攻め込むが得点できず。0-28と立正大リードで折り返す。後半開始から勢いを持って入った関東学院大がインゴールまで迫るも献身的なディフェンスをみせる立正大がしのぐ。その後は関東学院大も立正大のアタックに粘り強く対応して得点が動かず。そのような中、19分、立正大はラインアウトモールからHO陣内源斗(4年、尾道)がトライを奪いさらにリードを広げる。意地をみせたい関東学院大は34分、連続攻撃で前進すると、途中出場FL福見迅矢(3年、小平西)の思い切りのいいゲインから最後はNo8由比藤聖(2年、東海大静岡翔洋)が押し込んでトライ。さらに終了間際にもゴール前に迫り、FL福見が体の強さをみせねじ込んでトライ。終盤押し込まれた立正大はラストプレーでSO吉永崚(4年、九州学院)がPGを決めて試合を締めた。立正大は今季リーグ戦初勝利を挙げ1部で9年ぶりの勝利。関東学院大は3連敗となった。

○MVP
・関東学院大
[FW] FL 福見 迅矢(3年、小平西)
前半37分に途中出場すると、試合終了まで思い切りのいい縦アタックをみせ続けた。力強く走り込んでチームの攻撃を牽引。後半34分にNo8由比藤聖(2年、東海大静岡翔洋)のトライにつながるプレーをみせれば試合終了間際には自らトライをマーク。
[BK] WTB 丸山 央人(4年、明和県央)
スピードを生かした巧みなランニングで前進をみせた。難しいゲーム展開のなかでも可能性を感じるプレー。前試合で2トライを挙げており、彼の決定力を活かすような攻撃を繰り広げたかった。

・立正大
[FW] No8 ユアン・ウィルソン(2年)
コンタクトの強さをみせ推進力のあるアタックで勝利に貢献。開始早々には凄まじい突進でFLエパラマ・ツヴュニヴォノ(4年)のトライを生み出すなど試合を通じて相手の脅威となった。
[BK] SH 中森 隆太(4年、東福岡)
効果的なキックとアジリティの高い動きでチームに貢献。前半36分にはラックサイドを突いてトライを挙げた。

○PICK UP
・関東学院大
LO 矢野 裕二郎(3年、関学六浦)
ゲームを通じてセットプレーの中心を担い、接点でも奮闘。1年時からリーグ戦全試合に先発するなど主力として活躍。今季も開幕からスタメン出場を続ける。
高校時代は全国大会の出場はないが、2年時にTIDキャンプに参加した。ちなみに参加者には同じLOに神田康生(流通経済大3)がいた。

・立正大
FL エバラマ・ツヴュニヴォノ(4年)
今季リーグ戦初登場で2トライを挙げるなど力強いプレーを見せ続けチームの勝利に貢献。昨年度はリーグ戦2部ベスト15に選出され、専修大との入替戦ではハットトリックを達成。今年の春季大会では8トライをマークする大活躍。初の1部での出場でもその決定力をみせつけた。

東洋大学 26-27 大東文化大学

○試合内容
大東文化大は前半5分にNo8リサラ・フィナウ(2年、青森山田)が負傷交代。序盤から押し込む大東文化大に対し東洋大が粘り強く対応する展開となる。17分、大東文化大は敵陣ゴール前スクラムからNo8の位置に下がったLOサイモニ・ヴニランギ(4年)が持ち出し、タックルを受けながらも前進して先制トライ。大東文化大、今度は22分にこの試合が復帰のFB青木拓己(4年、御所実業)がケガにより交代。25分、大東文化大は相手のハイパントの処理ミスを突いて、SO落和史(4年、石見智翠館)が大外へのロングキックパスがCTBペニテリ・ジュニア・ラトゥ(3年)につながりトライ。東洋大は試合開始からミスが目立ちなかなか抜け出せない。主導権を握る大東文化大は30分、連続攻撃で迫ると最後はSO落から飛ばしパスを受けた途中出場のFB神田永遠(2年、中部大春日丘)がタックルをかわして追加点。前半は0-21と大東文化大リードで終了。後半は、15分に大東文化大がPGを決めさらにリードを広げるも、ここから東洋大が反撃。テンポアップした球出しからアタックが機能し始め、19分、敵陣ゴール前ラインアウトモールから途中出場のPR小川雄大(2年、脇町)が左隅に飛び込んでトライ。すると、29分にはFWとBKが一体となった連続攻撃でゴール前まで迫ると、最後は走り込んだNo8梅村柊羽(4年、関商工)がトライを奪い、さらに34分、自陣のアタックからギャップを突いてラインブレイクしたWTB杉本海斗(3年、東京)から途中出場FB石本拓巳(3年、日体大荏原)につながってトライ。19-24と5点差まで迫る。勢いに乗る東洋大は終了間際、ゴール前スクラムを押し込んでNo8梅村がトライ。GKも決まり遂に逆転。東洋大の逆転勝利かと思われたが、大東文化大が直後のキックオフでボールキープしペナルティを獲得。これをCTB戸野部謙(4年、岐阜工業)が沈めて大東文化大の劇的勝利で幕を閉じた。大東文化大は今季リーグ戦初勝利、東洋大は初敗戦となった。

○MVP
・東洋大
[FW] No8 梅村 柊羽(4年、関商工)
推進力のあるランと高いワークレートでチームを牽引。後半29分には体の強さをみせてトライを奪うと、終了間際にはスクラムを押し込んだところを抑えて再びトライ。高校からラグビーを始めて3年時に選抜大会、花園に出場した。
[BK] WTB 杉本 海斗(3年、東京)
抜群のスピードを生かしたランニングで好機を演出。後半34分にはトライにつながるビッグゲインを生み出すなど後半の反撃の中心となった。今季リーグ戦でのトライはまだないが、春季大会では6トライ、昨年度の入替戦では2トライを挙げるなど決定力も高い選手。

・大東文化大
[FW] LO サイモニ・ヴニランギ(4年)
相変わらずの破壊力のあるプレーでチームのアタックを牽引。前半17分にはスクラムから持ち出して複数人からのタックルをものともせずトライを挙げた。
[BK] SO 落 和史(4年、石見智翠館)
抜群のアタックセンスで好機を生み出し続けた。前半25分には絶妙なキックパスでトライを演出すれば、30分には正確なパスでトライにつなげた。チームの司令塔として出色の活躍を披露。

○PICK UP
・東洋大
FL 森山 海宇オスティン(1年、目黒学院)
後半開始から登場し後半の反撃に寄与した。春季大会では1年生ながら4試合に先発しチームのCグループ1位に貢献。リーグ戦では開幕から途中出場を続けている。
高校時代は2、3年時と2年連続で花園に出場。3年時には3回戦に進出した。

・大東文化大
CTB 戸野部 謙(4年、岐阜工業)
ゲームを通じて攻守両面で大車輪の活躍。ラストプレーでサヨナラPGを決めチームを勝利に導いた。
昨年度の大学選手権4回戦同志社大戦では、終了間際にトライを奪い2点差に迫った大東文化大がGKを決めればトライ数の差で準々決勝進出だったが、戸野部の蹴ったボールは決まらず敗退となった。

流通経済大学 26-20 日本大学

○試合内容
前半7分、日本大がSH前川李蘭(3年、目黒学院)のPGで先制するも、流通経済大は9分、敵陣ゴール前ラインアウトからできたラックからそのままピックで持ちだしたLOアピサロメ・ボギドラウ(4年)のトライですぐに逆転。さらに、流通経済大は23分、ゴール前まで迫るとラックから左に飛ばしてWTB堀井雄登(4年、大東大一)がトライを奪い追加点。リードを広げられた日本大は自陣からでもつないで前進を試みる。すると30分、日本大は自陣からのアタックでWTBナサニエル・トゥポウ(4年)のビッグゲインを皮切りにゴール前まで迫ると最後はBKに大きく展開してWTB水間夢翔(4年、佐賀工業)がトライを返す。流通経済大は終了間際、自陣から攻める日本大をWTB堀井の強烈なタックルでつぶすとターンオーバーからCTBリクアタ・テアウパ(4年)がそのままインゴールに持ち込んでトライ。19-8とし前半終了。後半、風上に立った日本大が反撃。8分、敵陣22m付近中央のスクラムから左に展開して最後はWTBトゥポウがトライを奪い4点差まで迫ると、15分には途中出場のLO太田寿一郎(4年、神戸村野工業)のトライで遂に逆転。逆転を許した流通経済大は、28分敵陣ゴール前ラインアウトモールを押し込みHO作田駿介(3年、流経大柏)が抑えて再び逆転。終了間際には日本大が猛攻を仕掛けるも、流通経済大がしのぎ切って勝利を収めた。流通経済大は3連勝で次戦は王者東海大。昨季無敗の日本大は早くも2敗目を喫した。

○MVP
・流通経済大
[FW] LO アピサロメ・ボギドラウ(4年)
前への推進力が凄まじく、アタックの核として機能し続けた。前半9分にはラックから持ち出してチーム最初のトライを挙げると、その後も力強いキャリーで出色の出来を披露した。
[BK] CTB リクアタ・テアウパ(4年)
BKの突破役としての働きを遂行し、接点の強さでチームに貢献。前半終了間際にはこぼれたボールに一早く反応し相手を突き放す貴重なトライをマークした。

・日本大
[FW] FL 平坂 桃一(4年、日大高)
試合終盤まで衰えない走力をみせタックルやブレイクダウンでフル稼働。終盤まで縺れるタフなゲームを豊富な運動量で戦い抜いた。
[BK] WTB ナサニエル・トゥポウ(4年)
体の強さと抜群のスピードでアタックの中心として活躍。前半30分にはWTB水間夢翔(4年、佐賀工業)につながるビッグゲインを生み出すと、後半8分には走り込んでトライをマーク。

○PICK UP
・流通経済大
LO/No8 神田 康生(3年、鹿児島工業)
ラインアウトの中心を担うとともに接点やキャリーでも奮闘。開幕から3試合フル出場を続けている。
高校時代は3年時に同校6年ぶりの花園出場に貢献。花園ではトライを挙げるなど活躍したが1回戦で敗退した。

・日本大
PR 江藤 大輝(2年、大分東明)
前試合でリーグ戦初出場初先発を果たした。昨年度は公式戦の出場はなかったが、今年の春季大会で4試合に出場し台頭。この試合でも後半20分に途中出場し、メンバーに定着してきている。
高校時代は2年時から主力を担い、同校初の選抜大会、花園出場に貢献。3年時は花園3回戦に進出した。

法政大学 15-71 東海大学

○試合内容
東海大が強さをみせつけたゲームとなった。東海大は試合開始早々のアタックで攻め込むとFLレキマ・ナサミラ(4年)のゲインから最後はLOワイサケ・ララトゥブア(4年)が持ち込んで先制トライ。法政大もすぐさま反撃に出て、12分、LO竹部力(3年、大分舞鶴)のブレイクから最後はBKに大きく展開してWTB坂田龍之介(4年、東海大大阪仰星)の折返しにFB石岡玲英(3年、御所実業)が飛び込んで2点差に迫る。それでも東海大は次々とサポートが出てくるFWとBKが一体となった分厚いアタックで24分に照屋林次郎(4年、保善)、32分にFL薄田周希(1年、東海大大阪仰星)がトライを奪って差を広げる。法政大は35分にSO熊田経道(3年、大産大附)がPGを決めるも、東海大はすぐにCTB近藤翔耶(2年、東海大大阪仰星)のブレイクからCTB伊藤峻祐(4年、桐蔭学園)がトライ。後半も勢いが劣れない東海大は7分の武藤のDGを皮切りに、多彩な繋ぎにフィジカルバトルでも優位に立ち、次々とトライを重ねる。法政大も27分にFL山下武準(3年、法政大二)がトライを返すも、後半だけで45点を追加した東海大が圧倒。15-71で東海大の大勝となった。東海大は2連勝、法政大は初敗戦でともに2勝1敗となった。

○MVP
・法政大
[FW] No8 佐野 祐太(2年、目黒学院)
全体としてフィジカルで押される状況の中、攻守に渡り接点の強さと高いワークレートで奮闘し続けた。
[BK] CTB 金 侑悟(2年、大阪朝高)
難しい試合展開のなかでも、正確なパス、キックでチームに貢献。後半27分には一矢報いるトライにつながる絶妙なパスをみせた。

・東海大
[FW] FL レキマ・ナサミラ(4年)
もはや説明不要の破壊力あふれるキャリーで出色の働き。試合開始早々にLOワイサケ・ララトゥブア(4年)のトライにつなげるプレーをみせると、後半には自身も立て続けに2トライをマーク。これで今季リーグ戦6トライ。前進をくい止めるのは困難で、相手の脅威となり続ける。
[BK] CTB 伊藤 峻祐(4年、桐蔭学園)
東海大の本領発揮といえるゲームで、主将として攻守に渡りチームを牽引。俊敏性の高いプレーで好機を演出するとともに自身も2トライをマークした。

○PICK UP
・法政大
CTB 中井 駿(2年、大分舞鶴)
後半22分に途中出場し、リーグ戦デビュー。昨年度は公式戦の出場はなかったが、今年の春季大会で4試合に先発し頭角を現した。
高校時代は2年時に選抜大会に出場したが、花園は県予選で大分東明に屈し出場はならなかった。

・東海大
FL 薄田 周希(1年、東海大大阪仰星)
前試合に引き続き、2試合連続で先発出場。抜群の走力と豊富な運動量で存在感を示し、2トライもマークした。
高校時代は1年生から主力を担い、2年時には花園大会優秀選手に選出。主将を務めた3年時にはチームを同校4大会ぶりの花園制覇に導いた。また、昨年度は高校日本代表候補に加えU20日本代表候補にも選出された。

第102回 花園予選 九州各県大会 展望(2022年10月9日投稿)

佐賀県(決勝:10月29日(土))

【昨年度優勝校】 佐賀工業(参考:花園ベスト8)
【今年の県大会結果】 県総体優勝(5月):佐賀工業(参考:決勝 127-0 早稲田佐賀)

圧倒的強さを誇る佐賀工業が君臨。5月の県総体では決勝で早稲田佐賀に127-0で勝利するなど41大会連続の出場に死角なし。昨年度の花園はベスト8で、今春の選抜大会では準決勝をコロナの影響で辞退となったが、準々決勝では國學院栃木に劇的勝利を収めるなどベスト4。例年以上に今冬の花園での上位進出に期待がかかる。昨年度も主力として活躍したCTB/FL舛尾和(3年)主将を中心に、高校日本代表候補選出のコンタクトの強いPR松井我空(3年)、セットプレーの中心となるLO楠田祥大(3年)、総合力の高いSH宮内幹大(3年)を擁する。また、U17ユーストレセン選出のサニックスワールドユースで存在感を示したPR本山淳祥(2年)、推進力のあるNo8中川内優太(2年)、卓越したアタックセンスが魅力のSO服部亮太(2年)、体幹の強いランで決定力の光るCTB/WTB大和哲将(2年)、高精度のキックを誇るFB井上達木(2年)もおり陣容豊富。加えて、昨年度から主力でスクラムの強いHO/PR藤松優翔(3年)、190cm越えのLO岡亮太(3年)とLO/FL古賀大輝(2年)、質の高いパスとランで昨年度10番を背負い、今季の起用ポジションが注目のSO/CTB後藤翔大(3年)、大きなストライドで突破力が光るWTB山口健太郎(3年)ら有力選手がひしめく。充実の戦力で花園では昨年度のベスト8以上の成績を狙う。

その佐賀工業に県決勝で挑むことが濃厚な早稲田佐賀。昨年度4月創部で、東福岡、早稲田大、コカ・コーラでバックローとして活躍した山下昂大監督が指揮を執る。5月の県総体では決勝で佐賀工業に0-127と大敗したが、1回戦では鳥栖工業から同校初の15人制での公式戦勝利を挙げた。6月の全九州大会では長崎北相手に2トライを奪うなど着実に成長を遂げている。

長崎県(決勝:11月23日(水))

【昨年度優勝校】 長崎北陽台(参考:花園ベスト8)
【今年の県大会結果】 新人戦優勝(1月):長崎北陽台(参考:決勝 17-0 長崎北)
県総体優勝(6月):長崎北陽台(参考:決勝 38-8 長崎北)

ここ近年は県内負けなしを誇り、花園には4大会連続で出場中の長崎北陽台が最有力。今春の選抜大会はコロナの影響で辞退。サニックスワールドユースでは天理、中部大春日丘を破るなど実力を示し、最終的には順位決定戦で佐賀工業に惜敗し6位。6月の全九州大会では準決勝で再び佐賀工業に惜敗しベスト4。1年生からレギュラーで高校日本代表候補のNo8白丸智乃祐(3年)がチームを牽引。コンタクトの強さと突破が魅力。同じく高校日本代表候補選出のラインアウトの中心LO亀井秋穂(3年)、巧みなランで決定力が光るFB/WTB亀川友哉(3年)に加え、昨年度から主力で接点の強さが魅力のCTB中島拳志朗(3年)、献身的なプレーで魅せるWTB馬場飛来(3年)が健在。そして、木村豪輝(3年)とSO今崎仁(3年)が組む新ハーフ団のゲームメイクがチームを動かす。また、昨年度1年生で花園を経験したLO/FL久保太進(2年)にも期待。6月の全九州大会で1年生ながら準決勝で先発したLO田﨑凛太郎(1年)も注目。昨年度に劣らない充実した陣容で花園では昨年度のベスト8以上の成績を狙う。

以前は長崎北陽台と幾度となく花園出場を争ってきた長崎北だが、直近の出場は実に2008年。第100回の花園県予選では準決勝で長崎北陽台に0-82と大敗しその差は歴然だったが、昨年度の県予選決勝では15-28と肉薄。今季の新人戦では決勝で0-17と敗れたものの、前半0-0の好試合を展開。2月の全九州大会では1回戦で佐賀工業に敗れたものの、実行委員会推薦枠にて7大会ぶりに選抜大会出場を果たし、1回戦で仙台育英に勝利。6月の県総体決勝では長崎北陽台に敗れたが、全九州大会2位ブロックで準優勝。チームの中心は昨年度も主力を担ったCTB永田一達(3年)。縦への突破とタックルで牽引する。また、昨年度からハーフ団を形成するSH本多旺人(3年)とSO船本空良(3年)がゲームコントロールを担い、キックの上手い本多はFBでもプレーする。攻守の要であるNo8川端栞太(3年)、決定力の高いPR徳久千太郎(3年)らも注目。1年生ながら6月の全九州大会でスタートを務めたFL川内柊(1年)とWTB下釜烈志(1年)にも期待がかかる。着実に力を伸ばすチームは北陽台の牙城崩しを狙う。

過去6度の出場を誇る長崎南山。2年前の第100回大会はオータムチャレンジを勝ち上がっての出場。県大会を優勝しての出場はFL/No8大澤蓮(GR東葛)、SH竹ノ内駿太(九州KV)らを擁した2017年まで遡る。今季は新人戦では準決勝で長崎北陽台に(5-69)、県総体では準決勝で長崎北に(10-38)敗戦を喫している。HO桂木一(3年)主将がチームをまとめ上げ、LO吉田大陸(3年)が攻守の中心。2年生にはU17九州選出のSH山下蓮(2年)、TIDキャンプ参加のWTB後藤祭(2年)らがいる。また、1年生には昨年度全国ジュニア大会に長崎県代表として出場したPR本山佳龍(1年)、PR小川獅文(1年)、WTB山下悠希(1年)ら有望選手が揃う。本山は大会優秀選手に選出された。

大分県(決勝:11月6日(日))

【昨年度優勝校】 大分舞鶴(参考:花園2回戦)
【今年の県大会結果】 新人戦優勝(1月):大分東明(参考:決勝 57-7 大分舞鶴)
県総体優勝(6月):大分東明(参考:決勝 36-9 大分舞鶴)

第98回大会まで大分舞鶴が33年連続で出場する1強時代が続いたが、その翌年の花園県予選では近年で着実に強化を図った大分東明がその大分舞鶴を決勝で下して初出場を遂げた。続く第100回大会も大分東明が2年連続で出場を果たすが、昨年度の花園県予選決勝は14-14の引き分け、抽選の末、大分舞鶴が3年ぶりに出場した。今年もこの2校の争いは必至。

昨年度は抽選の末、涙をのんだ大分東明は、今季新人戦及び県総体で大分舞鶴に快勝。選抜大会では2回戦で東海大大阪仰星に敗北するも、昨年度の花園王者に7-24と善戦。サニックスワールドユースでは東福岡に15-21と肉薄するなど最終的に4位という好成績を収め、6月の全九州大会では再び東福岡に善戦(10-23)。今年のチームは、1年生から主力を担い強靭なフィジカルで攻守の中心となるCTB浦山丈(3年)主将をはじめ、破壊力のある前進が光るNo8ダウナカマカマ カイサ(3年)とCTBナブラギ エロニ(3年)、コンタクトの強さとキャリーが魅力のLO石川東樹(3年)、浦山と同様に1年からレギュラーで力強いランが特徴のWTB浦川直輝(3年)と高校日本代表候補5名を擁する。また、上記の5名に、PR原口凌河(3年)、PR橋本朱凛(3年)、HO内藤純聖(3年)、FL岩重拓海(3年)、SH宮川晴登(3年)、FB/WTB大村征真(2年)を合わせて昨年度の主力が10名残り、チーム力は非常に高い。加えて、力強いコンタクトをみせるLO/No8嶺和真、巧みなゲームメイクでコントロールするSO梶原健汰(2年)、鋭いランが魅力のFB/WTB小西琉世(3年)ら実力者が揃う。全九州大会にて1年生ながら15番を務めた川口慧大(1年)にも期待。例年に増した強力な陣容で、2年ぶりの花園出場を勝ち取り、花園での上位進出を狙う。

昨年度は大分東明との激闘の末、抽選で花園出場の切符を得た大分舞鶴。昨季は新人戦で大分東明に惜敗するも、県総体では勝利するなど年間通して互角の戦いを披露していたが、今季は新人戦、県総体ともに大敗している。しかし、2月の全九州大会では選抜大会出場の高鍋に惜敗(7-8)、6月の全九州大会では熊本工業に大勝(50-0)するなど実力は高い。昨年度のレギュラーが多く抜けたチームを、共同主将のPR田代大介(3年)とCTB足立慎太郎(3年)がまとめ上げる。その2選手とともに前チームから主力を担うスピードが魅力のFB黒木紘河(3年)も注目。

県総体は合同チームでのぞんだ玖珠美山は単独チームで出場する。U17九州に選出されたCTB後藤洸輝(2年)、WTB高森将太(2年)に注目が集まる。

熊本県(決勝:11月13日(日))

【昨年度優勝校】 専大玉名(参考:花園2回戦)
【今年の県大会結果】 新人戦優勝(1月):熊本工業(参考:決勝 28-21 九州学院)
県総体優勝(6月):九州学院(参考:決勝 36-5 熊本工業)

直近の県大会(昨年度の花園予選、今季の新人戦と県総体)において優勝校が全て異なり激戦必至。

昨年度の県予選を制し花園初出場を果たした専大玉名。新人戦は準決勝をコロナの影響で辞退、県総体では準決勝で熊本工業に大敗(0-43)。1年から活躍するWTB中村優伸(3年)をはじめ、接点で激しさをみせるLO鎌田高西(3年)とFL田崎閏(3年)、正確なキックでゲームを組み立てるSO橋本孝輝(3年)とCTB中村元翔(3年)ら前チームの主力が一定数残る。また、昨年度の1年生ながら花園で先発を担ったLO徳永清太郎(2年)、WTB中村威則(2年)にも注目。県総体の3位決定戦で熊本西に大敗(0-62)するなどライバル校と差が出ている状況だが、昨年同様に粘り強い戦いで挽回し2年連続の出場を狙う。

昨年度県予選決勝で敗れ、今季新人戦で優勝した熊本工業。花園は28回の出場を誇る。HO石橋世之和(3年)主将を中心に前チームの主力が半数程度残り、チーム力は高い。FL園田虎之介(3年)は身長186cmのサイズが魅力でラインアウトの中心となる。フィジカルの強いNo8遠藤廉士(3年)は攻守の要。1年からレギュラーのPR山下源也(2年)はU17九州に選出された。同じく1年から主力で司令塔を担うSO中村圭汰(2年)のゲームメイクに期待。同様に前チームから主力の両CTB倉光志遠(3年)、松本賢人(3年)、WTB/FB冨田瀬七(3年)らにも注目。また、FL堀伸一郎(3年)、FB松村優樹(3年)も実力が高い。県総体では屈した九州学院に雪辱を果たし、SH武井陽昌(流通経済大3年)を擁した2019年以来の出場へ。

6月の県総体を制し、優勝候補筆頭の九州学院。ゲームを組み立てるSO/CTB藤原優里(3年)主将がチームの中心。また、左足から繰り出す正確なロングキックと力強い突破が光るCTB/FB一門克磨(2年)と自ら仕掛けるプレーも魅力のSH山口隆真(2年)が注目選手。加えて、1年生ながら既に主力で決定力のあるLO山崎由太郎(1年)とランが魅力のFB下林蒼(1年)にも期待。県総体決勝の快勝で2016年以来の花園出場が現実味を帯びる。

直近5年で3度の出場を誇る熊本西。新人戦は準決勝で熊本工業に(3-17)、県総体は準決勝で九州学院に(7-15)屈したがともに優勝チームに惜敗。県総体の3位決定戦では昨年度花園出場の専大玉名に大勝(62-0)するなど実力十分で、2年ぶりの出場を目論む。1年からレギュラーで現チームでは唯一花園出場を経験しているCTB中川輝也(3年)が攻守の中心。また、タックル光るFL前田彪剛(3年)、決定力のあるWTB大石竜空(3年)とFB坂本慧(3年)もチームを引っ張る。TIDキャンプ参加のPR三角正裕(2年)も注目。

宮崎県(決勝:11月13日(日))

【昨年度優勝校】 高鍋(参考:花園2回戦)
【今年の県大会結果】 県総体優勝(6月):高鍋(参考:決勝 49-7 延岡星雲)

11年連続出場中の高鍋が圧倒的強さをみせる。花園での最高戦績は4強を誇るが、近年は2回戦進出が最高。前チームから主力のWTB中津留真ノ介(3年)主将が力強いランニングでチームを牽引。また、同じく昨年度から主力の両LO廣池勇弥(3年)、加茂勇人(3年)、FL甲斐敬心(3年)、No8吉田光汰(3年)がFW陣の中心となり、ゲームメイクを担うSO今月南月(3年)も健在。さらに、1年生ながら15番を担い、鋭いランをみせる隈江隆希(1年)にも注目。昨年度全国ジュニアにて大会優秀選手に選出された逸材で6月の全九州大会で既に存在感を発揮。盤石の布陣で県予選を突破し花園での上位進出を狙う。

王者高鍋に決勝で挑むことが濃厚な延岡星雲。6月の県総体決勝では大敗を喫した。LO永田祥梧(3年)とFL/No8吉川凱斗(3年)の共同主将がチームをまとめる。昨年度TIDキャンプ参加のWTB小椋洋翔(3年)とWTB重黒木将迪(3年)にも注目。

鹿児島県(決勝:11月5日(土))

【昨年度優勝校】 鹿児島実業(参考:花園2回戦)
【今年の県大会結果】 新人戦決勝中止(1月):鹿児島工業、加治木工業が決勝進出
県総体優勝(6月):鹿児島工業(参考:決勝 31-16 加治木工業)

昨年度は圧倒的な強さをみせた鹿児島実業が2年連続で花園出場。今季は新人戦にて準決勝で加治木工業に惜敗すると、県総体では準決勝で鹿児島工業に敗戦しいずれも県決勝に進めず。1年から花園を経験し、昨年度主力の横溝優真(3年)がFWの中心。スクラムとコンタクトの強さが魅力。BKは昨年度1年生からレギュラーを掴んだSH今東勇翔(2年)とCTB永田快生(2年)の2年生コンビが引っ張る。昨年度花園を経験した選手も多く、期待値は高い。また、TIDキャンプに参加した橋口航大(2年)にも注目。今季は県準決勝で敗れているがともに僅差。成長を図ったチームで3年連続の花園を目指す。

新人戦で決勝進出、県総体では優勝を果たした鹿児島工業。花園出場の筆頭候補。LO/No8神田康生(流通経済大3年)らを擁した2019年以来の出場を狙う。中心は1年生からレギュラーを務めるSO/FB辻原悠輝(3年)主将。高校からラグビーを始める選手が多いチームをまとめ上げる。LO小川優(3年)とCTB永井勇羽(3年)は攻守両面でチームを支え、永井は6月の全九州大会で東福岡相手に一矢報いるトライを挙げた。

昨年度準優勝、そして、今季新人戦で決勝進出、県総体では準優勝だった加治木工業も有力。ゲームメイクを担う主将のSO/CTB飯野啓心(3年)がチームの中心。また、昨年度から主力を務めるLO上原彰太朗(3年)、CTB岩元魁誠(3年)らもチームを牽引。昨季1年生ながらFBのレギュラーを務め今季はNo8として躍動する近藤應介(2年)も注目。近藤は6月の全九州大会にて長崎北からトライをマークした。昨年度は43年ぶりに県決勝の舞台に立ち、今年度も県内で好成績を収めており花園出場への現実味が増している。

沖縄県(決勝:11月4日(金))

【昨年度優勝校】 読谷(参考:花園1回戦)
【今年の県大会結果】 新人戦優勝(1月):名護(参考:決勝 19-12 コザ)
県総体優勝(6月):名護(参考:決勝 24-0 コザ)

昨年度は準決勝で名護、決勝でコザに快勝した読谷が悲願の花園初出場。昨年度の主力が多く抜けたチームは新人戦で名護、県総体ではコザに敗れ県決勝の舞台も踏めていない。チームの中心は1年からレギュラーを担うFB山原穏聖(3年)。3年連続でセブンズユースアカデミーに選出されておりランニングスキルに優れた選手。また、昨年度から主力を務めるWTB與那覇裕夢(3年)や昨季花園に出場したWTB比嘉悠雅(3年)にも注目。出場はなかったが昨年度の花園でメンバー入りした選手たちの台頭が2年連続の出場への鍵を握る。

優勝候補の筆頭は新人戦、県総体を制している名護。花園は19回の出場を誇る。6月の全九州大会では高校日本代表候補を擁する強豪長崎北陽台に前半リードを奪うなど善戦をみせた(結果は17-21で惜敗)。チームの中心は1年時に花園で先発を経験したFL比嘉礼(3年)主将。ハードタックルでチーム全体を鼓舞する。また、CTB屋部樹志(2年)とFB宮里快一(2年)の2年生コンビに注目。ともに力強く、巧みなランをみせチームのアタックを牽引する。宮里はU17ユーストレセンメンバーに選出されている。2年ぶりの花園出場、そして花園での上位進出へひた走る。

昨年度準優勝で、今季新人戦、県総体でも準優勝しているコザ。花園は15回の出場を誇るが、直近で出場したのは当時2年生のSO饒平名悠斗、FB普久原琉(ともに日本大4年)を擁した2017年度まで遡る。攻守両面で要となるNo8具志堅太一(3年)主将がチームの中心。また、昨年度の主力が10名残っており、チーム力は十分。新人戦、県総体で屈した名護の壁を破り、2017年以来の出場を実現したい。

2022 関東大学対抗戦A 第3週 結果まとめ(2022年10月8日投稿)

明治大学 88- 0 立教大学

○試合内容
明治大は開始早々にラインアウトモールからHO松下潤一郎(3年、筑紫)がトライを奪い先制。7分にもラインアウトモールから再びHO松下がトライ。11分には敵陣ラインアウトのアタックからFL福田大晟(2年、中部大春日丘)が突っ込んで、最後はライン展開からFB安田昂平(2年、御所実業)がトライ。その後も、地力で勝る明治大がWTB石田吉平(4年、常翔学園)、PR中山律希(3年、天理)、CTB齊藤誉哉(4年、桐生第一)、SO伊藤耕太郎(3年、國學院栃木)がトライを重ね前半で大量リード。立教大は前半終了間際に相手ゴール前まで迫るが取り切れず。後半に入っても攻撃の手を緩めない明治大は6分、SO伊藤が力強いランで自ら持ち込んでトライを奪うと、15分にはFW、BK一体となったアタックでフェイズを重ねて最後は走り込んだNo8木戸大士郎(2年、常翔学園)が追加点。その後も途中出場のSO池戸将太郎(3年、東海大相模)が2トライを奪うなど相手を圧倒。立教大は試合終了間際に再び相手ゴール前まで迫るもトライを取れず。明治大の大勝となった。明治大は3連勝、立教大は3連敗。

○MVP
・明治大
[FW] FL 福田 大晟(2年、中部大春日丘)
思い切りのいいコンタクトで縦への強さをみせ続け、チームのアタックをリード。ブレイクダウンやディフェンスでも奮闘し、高いワークレートで存在感を放った。レギュラー定着へ邁進する。
[BK] SO 伊藤 耕太郎(3年、國學院栃木)
アタックでは主にCTB廣瀬雄也(3年、東福岡)の外側に立ち、チームのアタックを組み立てた。前半11分には絶妙なパスでFB安田のトライをアシストすれば、40分には自ら走り切ってトライ。後半6分には相手に絡まれながらも力強い前進をみせてトライを奪い、パス、ランに加え、体の強さでもチームを牽引した。

・立教大
[FW] FL 田中太陽(3年、立教新座)
相手に圧倒されるゲーム展開の中、試合終盤まで衰えない走力でチームに貢献。接点でのファイトと前進力のあるキャリーで存在感を発揮した。
[BK] CTB 佐藤 侃太朗(1年、國學院久我山)
ルーキーながら開幕戦から先発出場を続けている。厳しい試合展開でなかなかアタックでも打開策が見出せないなかでも何度も縦を突いて可能性を感じるプレーをみせた。

○PICK UP
・明治大
HO 松下 潤一郎(3年、筑紫)
安定したセットプレーで2トライを挙げるとともに、機動性の高いキャリーも披露しPOMに選出。
高校時代は1年時にアシックスカップに出場。選抜大会や花園の出場経験はないが、2年時にはU17日本代表、3年時には高校日本代表候補に選出された世代トップレベルの実力者。No8でのプレー経験もあり走力も魅力。昨年度まで公式戦3試合の出場にとどまっていたが、今春よりレギュラーに定着。春季大会では早稲田大戦、帝京大戦の勝利に貢献するなど通算5トライを挙げMVP級の活躍だった。

・立教大
HO 三村真嶺(2年、東海大大阪仰星)
今季対抗戦初先発。昨年度は1年生ながら対抗戦全試合に先発し主力に定着。入替戦でもスタメン出場し、1トライを挙げるなどA残留に貢献した。
高3時に花園準々決勝にて東福岡とロスタイム18分に及ぶ激闘を繰り広げ、引き分けたメンバーのひとり。

筑波大学 20-45 帝京大

○試合内容
FL茨木颯(1年、東福岡)を筆頭にFW陣のファイトが光る筑波大が帝京大相手に接点で負けないプレーをみせてリードした前半。6分、筑波大は敵陣スクラムからのアタックを継続しNo8谷山隼大(3年、福岡)が大きくゲインすると、ラックサイドを抜けたSH白栄拓也(3年、高鍋)が先制トライ。帝京大は18分、強いスクラムを起点に展開してWTB小村真也(2年、ハミルトンボーイズ高)がトライを奪い同点。その後は帝京大が押し込むも筑波大が粘り強くしのぐ。キックを有効に使う筑波大が前進すると、31分、敵陣22m付近ラインアウトのアタックからSO楢本幹志朗(1年、東福岡)のハイパントが転がったところをWTB一口直貴(4年、兵庫青陵)が抑えて勝ち越し。しかし、帝京大はその直後のアタックで再びWTB小村のトライで2点差に迫る。その後は筑波大が攻勢をかけるも帝京大が献身的に対応。それでも筑波大は前半終了間際にFB髙田賢臣(3年、浦和)がPGを決めて前半終了。帝京大は後半スタートからHO江良颯(3年、大阪桐蔭)を投入。開始早々に筑波大は相手ボールスクラムで得たペナルティからFB髙田が約50mのロングPGを決める。差を広げられた帝京大は10分ラインアウトモールを押し込んで反撃。GKも決まり1点差。さらに、帝京大は直後のアタックでFW、BKが一体となってテンポよくつなぐとHO江良が豪快にビッグゲインした流れからWTB小村のトライで逆転。その後も接点で前に出て分厚い攻撃をみせる帝京大に対し筑波大の対応が後手に回る。攻勢を続ける帝京大がFL青木恵斗(2年、桐蔭学園)、FL奥井章仁(3年、大阪桐蔭)などのトライで得点を重ね、大きく差が開く。筑波大は終盤相手ゴール前まで迫るも取り切れず。後半に5つのトライを挙げて強さをみせた帝京大の勝利。帝京大は3連勝、筑波大は3連敗となった。

○MVP
・筑波大
[FW] No8 谷山 隼大(3年、福岡)
強靭なフィジカルと力強いキャリーでチームの突破役を担う。前半6分にはトライにつながる見事な前進を披露。豊富な運動量でフル稼働しチームのアタックを牽引した。
[BK] SH 白栄 拓也(3年、高鍋)
ラックへの寄りの速さとアジリティの高い動きで活躍。前半6分には自らラックサイドを突いてトライをマーク。優れた状況判断で試合を通じてチーム全体をリードした。

・帝京大
[FW] FL 奥井 章仁(3年、大阪桐蔭)
破壊力のある前進力と高いワークレートで試合を通じて抜群の存在感を発揮。相手の脅威となり続け、後半30分にはダメ押しのトライもマーク。後半開始から登場し抜群の働きをみせたHO江良も捨てがたいがゲームを通して活躍した奥井を選出。
[BK] SO 高本 幹也(4年、大阪桐蔭)
パス、ラン、キック全てにおいて高品質のプレーをみせる出色の出来。多彩なプレーメイクと自ら仕掛けるランで好機を生み出し続けた。後半15分にはキックカウンターから見事なゲインをみせトライにつなげるなど個人技でもみせた。

○PICK UP
・筑波大
FB 髙田 賢臣(3年、浦和)
2試合ぶりの先発で、2本のGKと2本のPGを全て決めて後半序盤までのリードを生み出した立役者の一人。
高校からラグビーを始め、筑波大サッカー部を経て、ラグビー部に入部した経歴を持つ。高校時代は、3年時に6年ぶりの花園出場を果たし、花園では同校初の3回戦進出に貢献した。昨季は対抗戦1試合の出場に終わったが、今季は春季大会からレギュラーに定着し高精度のキックとスピードあるランでチームを支える。

・帝京大
WTB 長谷川 毅(4年、筑紫丘)
公式戦初出場初先発を果たし、推進力のあるランで勝利に貢献。3年時から学生コーチも務める。
福岡県の超進学校筑紫丘出身で全国大会の出場経験はなく、高3時の花園県予選はベスト16だった。

青山学院大学 10-48 慶應義塾大

○試合内容
前半3分、慶應義塾大はラインアウトモールを押し込んでHO中山大暉(2年、桐蔭学園)が抑えて早々に先制。12分には中央付近ラインアウトのアタックから、WTB佐々木隼(4年、桐蔭学園)が個人技で相手を振り切りトライ。リードを許す青山学院大は18分のPGを失敗。慶応義塾大は26分、相手ボールラインアウトが乱れたところを拾ったLOアイザイア・ マプスア(4年)が凄まじいキャリーで前進すると最後はHO中山がトライ。リードを広げられた青山学院大は38分敵陣ゴール前ラインアウトからFL渡邊元樹(4年、名古屋)がトライを奪い反撃。それでも、慶應義塾大は前半終了間際、敵陣22m付近スクラムからのBK展開でFB山田響(3年、報徳学園)が鋭いステップで相手を振り切り、SO中楠一期(4年、國學院久我山)がトライを奪って差を広げる。青山学院大は随所に良いプレーをみせるが流れを掴めず。後半、慶應義塾大は永山淳(3年、國學院久我山)のPGで追加点を奪うと、17分、敵陣ゴール前スクラムからこの試合が戦列復帰のNo8髙武俊輔(4年、尾道)が突進してインゴールに飛び込みトライ。その後もトライを重ねた慶應義塾大が優位に試合を進める。一矢報いたい青山学院大は終了間際、自陣からのアタックでCTB金澤春樹(4年、流経大柏)の絶妙なキックパスから最後はサポートしたNo8辻村康(3年、東海大大阪仰星)が走り切ってトライ。終始主導権を握りゲームを進めた慶應義塾大の勝利。慶應義塾大は3連勝、青山学院大は3連敗となった。

○MVP
・青山学院大
[FW] FL 渡邊 元樹(4年、名古屋)
ラインアウトの中心を担うとともに接点の攻防でも存在感を発揮。前半終了間際にはそのラインアウトからトライをマーク。
[BK] CTB 金澤 春樹(4年、流経大柏)
相変わらず攻守の中心として躍動。コンタクトの強さをもちろんのこと正確なロングキックも繰り出しチームに貢献。試合開始終了間際にはトライにつながる絶妙なキックパスを披露した。

・慶應義塾大
[FW] LO アイザイア・ マプスア(4年)
ボールを持てば必ずゲインをもたらす力強いキャリーでチームを牽引。前半26分にはこぼれたボールに素早く反応し、HO中山のトライにつながる凄まじい前進をみせるなど相手の脅威となり続けた。
[BK] WTB 佐々木 隼(4年、桐蔭学園)
抜群のスピードと鋭いステップワークで存在感を放った。試合開始から粘り強いディフェンスをみせる相手に対し、12分には狭いスペースを個人技で突破し、相手エースのCTB金澤を振り切り貴重なトライをマークした。

○PICK UP
・青山学院大
HO/FL 門 恒介(3年、京都成章)
後半20分に途中出場し対抗戦デビュー。
高校時代は、2年時から花園を経験。3年時はHOのレギュラーとして選抜大会ベスト4、花園ベスト8に貢献し、高校日本代表に選出された。高校ではLO本橋拓馬(帝京大2)、LO山本嶺二郎(明治大3)、FL三木皓正(京都産業大3)、FL村田陣悟(早稲田大3)、No8延原秀飛(帝京大3)と強力FW陣を形成。

・慶應義塾大
FL 樋口 豪(3年、桐蔭学園)
対抗戦初先発を果たし、接点での働きと豊富な運動量でチームの勝利に貢献。
高校時代はSO伊藤大祐(早稲田大3)らと同期で自身は控えのWTB。優勝した花園では途中出場1試合に終わった。大学でFWに転向し、昨季対抗戦デビュー。今季は春季大会、菅平合宿でスタートを担うなど存在感を発揮し台頭。

日本体育大学 0-102 早稲田大学

○試合内容
早稲田大が終始相手を圧倒するワンサイドゲームとなった。開始早々5分に、早稲田大は敵陣ゴール前ラインアウトモールからHO佐藤健次(2年、桐蔭学園)が抜け出してトライ。さらにFW、BKが一体となったアタックから力強いランをみせたCTB松下怜央(4年、関学六浦)、CTB野中健吾(1年、東海大大阪仰星が立て続けにトライ。その後もトライを重ねた早稲田大が0-31で前半を折り返す。後半に入りさらに攻勢を強める早稲田大は、分厚いアタックで次々とトライを重ねる。ゲームが決した試合終盤にも集中力を切らさず攻め続け、後半で11トライをマーク。終わってみれば100点ゲームとなり早稲田大の圧勝。初先発のルーキーLO栗田文介(1年、千種)が2トライ、途中出場のHO安恒直人(2年、福岡)が公式戦初トライ、今季対抗戦初登場のSO/CTB久富連太郎(3年、石見智翠館)がトライを挙げ、SH小西泰聖(4年、桐蔭学園)が久しぶりに公式戦に復帰するなど多くのトピックもみられたゲームとなった。

○MVP
・日本体育大
[FW] FL 長船 鉄心(3年、御所実業)
大量リードを許す展開の中、試合を通じで走り続け接点で奮闘。ラインアウトでスチールするなど一定の存在感を示した。
[BK] SO 福島 脩登(4年、天理)
対抗戦では昨季の早稲田大戦以来10番での先発。厳しい試合展開の中、スキルの高いパス、キック、ランでチームの中心としてプレー。

・早稲田大
[FW] FL 粟飯原 謙(1年、桐蔭学園)
ブレイクダウンでの働きと高いワークレートで圧倒的な存在感を放った。ルーキーながら開幕戦から先発出場を続け、その実力を発揮している。高校時代は同級生の佐藤健次らとともに花園優勝を達成、1年浪人の末早稲田大に入学した。
[BK] CTB 松下 怜央(4年、関学六浦)
抜群のスピードとフィジカルを活かした推進力のあるアタックでチームを牽引。前半10分に力強い突破からトライを奪うと、試合終了間際にもトライをマーク。試合を通じて輝き続けた。

○PICK UP
・日本体育大
PR 砂田 優希(4年、駒込)
対抗戦では2年時以来の3番での先発出場。厳しいゲーム展開のなかでスクラムと接点で奮闘し続けた。
1年時からレギュラーとして活躍し今季は副将を務める。スクラムの強さは大学屈指で力強いコンタクトに加え50m6.7秒とスピードもある。また、フロントローにもかかわらずフルタイム出場が多くスタミナも魅力でスキルフルな選手。

・早稲田大
SH 小西 泰聖(4年、桐蔭学園)
後半23分から途中出場し、実に629日ぶりの公式戦出場を果たした。素早い球捌きで100点ゲームに貢献。
1年時から公式戦を経験し、2年時にはレギュラーとして大学選手権準優勝を達成。昨春より体調不良のため長期離脱。今年8月末の夏合宿からCチームで実戦復帰を果たし、遂に公式戦の舞台に戻ってきた。

こちらも熱い!!九州学生リーグ(2022年10月3日投稿)

9月10日より開幕し熱い戦いが繰り広げられている九州学生リーグ。順位決定戦も含め11月まで行われ、Aリーグ1位のチームが全国大学選手権へ出場する。選手権は2016年以降、福岡工業大が3回、福岡大が2回、九州共立大が1回出場しているが、最高成績は福岡工業大の3回戦でいずれも関東チームに大敗しており力の差は歴然。
それでも、リーグ出身選手のPR竹内柊平(浦安D)とSO/CTB中尾隼太(BL東京)が今秋の日本代表に選出されるなど注目度は増している。また、今年の4月には福岡工業大のCTB/FLシオエリ・ヴァカラヒ(横浜E)とCTB/SO平山真也(中国RR)、日本文理大のPRラタ・タンギマナ(花園L)とWTBリエキナ・カウフシ(花園L)らがリーグワンのチームに加入し、7月にも九州共立大のSO市橋輝(S愛知)がリーグワンのチームに進むなど、2021年度シーズンをもって卒業した選手たちがトップの舞台へステージを移している。

今回は九州学生リーグについて紹介する。

令和4年度より従来の九州学生リーグが再編成され、A~Cリーグにてリーグ戦を行い、その後順位決定戦を実施する方式となった。

参加チーム

Aリーグ(6チーム)
福岡大学
九州共立大学
福岡工業大学
日本文理大学
鹿児島大学
西南学院大学

Bリーグ(6チーム)
九州大学
志學館大学
熊本大学
長崎大学
宮崎大学
大分大学

Cリーグ(5チーム)
沖縄国際大学
九州産業大学
琉球大学
立命館アジア太平洋大学
名桜大学

Dリーグ(7チーム)
北九州市立大学
久留米大学
九州工業大学
佐賀大学
九州大学医学部
久留米大学医学部
九州歯科大学(オープン参加)

大会概要

リーグ戦
Aリーグ 総当たり各校5試合 全15試合
Bリーグ 総当たり各校5試合 全15試合
Cリーグ 総当たり各校4試合 全10試合
Dリーグ トーナメント方式

順位決定戦
・1~4位決定戦 A1位~4位 4チーム
・5~10位決定戦 A5位・6位+B1位~4位 6チーム
・11~16位決定戦 B5位・6位+C1位~4位 6チーム

※順位決定戦1位チームが全国大学ラグビー選手権へ出場
※順位決定戦5位チームが全国地区対抗大学大会へ出場
※順位決定戦の最終結果で次年度の参加リーグが決定
 (A:1位~6位、B:7位~12位、C:13位~18位、D:19位~)

有力校紹介

福岡大学

昨季は九州学生リーグⅠ部優勝を果たし、4年ぶりに大学選手権出場。選手権では2回戦で敗退した。
主将のLO/FL志永篤(4年、熊本西)が実力者揃うチームをまとめ上げる。昨年度も主力だった選手がチームを牽引し、FWは、HO髙木志門(3年、東福岡)、FL井上大志郎(3年、浮羽究真館)、No8矢野樹(3年、東福岡)が中心。髙木は高3時に花園ベスト4に貢献している。BKは、SH栗田朗英(2年、崇徳)、FB/SO細元亮(3年、高鍋)が核となる。細元は高校時代1年生からレギュラーとして3年連続で花園に出場、セブンズユースアカデミー選出歴も持つ全国レベルの実力者。また、ルーキー陣も存在感をみせ、昨年度花園に出場したスクラムの強い安田薫(大分舞鶴)、全国ジュニア優秀選手で中学時代から全国区のCTB上村拓(鹿児島玉龍)、東福岡出身のWTB越智光太朗と髙平陸に注目。越智は高3時に主力として選抜大会優勝、花園ベスト4に貢献。髙平は高3時に選抜大会、花園に1試合ずつ出場し計7トライをマーク。

九州共立大学

卒業生に日本代表PR竹内柊平(浦安D)をはじめ、PR高尾時流(神戸S)、SO石田圭祐(S愛知)、中野将宏(中国RR)ら。
昨季は九州学生リーグⅠ部、決勝で福岡大に敗れ2位。2019年度シーズンにⅠ部優勝し大学選手権に出場している。
No8山根颯人(4年、北筑)が攻守の中心でチームを牽引。また、高校時代にレギュラーとして全国大会出場歴を持つ実力者のPR松下秀斗(3年、玉島)、HO大森太陽(4年、熊本西)、FL常松彩斗(2年、鹿児島実業)、SO/WTB有川航汰(4年、長崎南山)、SO高木開地(2年、鹿児島実業)らが主力を担う。筑紫出身のPR葛西翔太(3年)とFB吉浦理央(3年)も良い働きをみせる。ルーキーでは、花園経験者の長身LO真鍋一(佐賀工業)と帆足優河(筑紫)に期待。専大玉名の同校初の花園出場に貢献したNo8後藤桃成も注目。

福岡工業大学

卒業生にLO中島進護(浦安D)、LO/FL梶川喬介(BL東京)、No8/CTBソセフォ・ファカタヴァ(横浜E)、CTB/FLシオエリ・ヴァカラヒ(横浜E)ら。
昨季は九州学生リーグⅠ部で3位。近年では2016年度、2018年度、2020年度シーズンに優勝し大学選手権に出場。いずれも3回戦に進出した。
共同主将のPR今村彰吾(4年、熊本工業)とSH福山浩太郎(4年、大分舞鶴)がチームを牽引。福山は高校時代1年生から3年連続で花園に出場。No8を務めるトコラヒ・ハラホロ(2年、目黒学院)がチームの得点源として躍動する。2年時から花園に出場したルーキーのSO山口翔永(鹿児島実業)がゲームメイクを担う。また、豊富な運動量と決定力が光るFL山田晋(3年、福工大城東)、昨年度も主力のLO新村魁斗(4年、鹿児島工業)、平井喬士(4年、福岡工業)、FB讃井良太(2年、東福岡)らにも注目。そのほかルーキーでは、PR上野由真(大分舞鶴)やFB坂根康太(筑紫)ら花園出場歴を持つ選手が多く期待がかかる。

日本文理大学

卒業生にNo8ヴィリアミ・カイポウリ(三重H)、WTBリエキナ・カウフシ(花園L)ら。
昨季は九州学生リーグⅠ部で4位。
チームを支えた多くの選手が卒業するなか、昨年度も主力のNo8服部怜(4年、熊本工業)と日高太幹(2年、日向)が攻守の中心。また、SH里京尚(2年、長崎南山)とSO北村隆政(2年、福岡工業)で形成する2年生ハーフ団のゲームコントロールが鍵を握る。

鹿児島大学

Aリーグ唯一の国立大学。
卒業生に日本代表SO/CTB中尾隼太(BL東京)ら。
昨季は九州学生リーグⅠ部で5位、地区対抗大会は1回戦敗退。近年、地区対抗大会では2015、2016、2020年度で準優勝を果たしている。
1年から主力で主将を務めるPR中嶋健太(4年、長崎北陽台)がチームの中心。高3時はレギュラーとして花園ベスト8を達成。昨年度の主力が多く残り、PR池尻軍馬(4年、東筑)、HO横田進平(4年、西南学院)、西田喜一(2年、福岡)、SH畑田康太朗(4年、筑紫丘)、SO/FB小池明輝(4年、福岡)など福岡県の有力校出身者が目立つ。また、リザーブながら2年続けて花園に出場したルーキーのFL/CTB相川義学(長崎北陽台)にも注目。

西南学院大学

昨季は九州学生リーグⅠ部で6位。
昨年度も主力のFL安藤大一斗(4年、宗像)主将がチームを牽引。SO宮原僚汰(4年、日向)がゲームメイクを担う。また、大分舞鶴出身者がチームを支えており、HO堀之内太陽(2年)、SH半澤宏樹(3年)、WTB伊藤大貴(2年)を筆頭に、昨年度の花園に出場したルーキーのLO下川真輝、No8川野倫太郎、FB川上隆輔は既にチーム主力。

2022 関東大学リーグ戦1部 第2週 結果まとめ(2022年10月1日投稿)

日本大学 14-30 法政大学

○試合内容
法政は開始早々にFB石岡玲英(3年、御所実業)のPGで先制。日本大はテンポのいい前進力のあるアタックで攻めるも、法政大の出足のいい低いタックルによるディフェンスを割れず。すると、23分、法政大はFW陣のオフロードをつなぐラインブレイクからサポートしたSH小山田裕悟(1年、桐蔭学園)がトライ。終了間際には、敵陣ゴール前スクラムを押し込んでNo8佐野祐太(2年、目黒学院)が抑えて追加点を奪う。ブレイクダウンでのファイトと粘り強いディフェンスをみせ、日本大に得点を与えなった法政大がしっかりとアタックの好機をものにして17点リードで折り返す。後半早々に反則の繰り返しによるシンビン者を出した法政大に対し、勢いを持って入った日本大が押し込み、10分、FWとBKが一体となった連続攻撃でフェイズを重ねHO林琉輝(4年、日大高)のトライで1本返す。その後は一進一退の攻防が続くも、法政大は18分、FB石岡が長い距離のPGを決めて差を広げる。さらに法政は30分の攻撃で裏キックをキャッチした相手ボールを奪ったSH小山田が走り切って貴重なトライ。反撃したい日本大は直後の34分にNo8佐川奨茉(3年、佐野日大)がトライを挙げるなど力強いアタックで攻勢を強めるも及ばず。法政大は終了間際にさらにPGを追加し試合を締めた。法政大が昨季2位の日本大に見事な勝利を収めた。

○MVP
・日本大
[FW] No8 佐川 奨茉(3年、佐野日大)
強いコンタクトと豊富な運動量で実力を示した。力強い推進力を見せ続け、後半34分にはトライもマークした。
[BK] WTB 水間 夢翔(4年、佐賀工業)
重心の低いランニングで常に前進をみせるアタックで相手の脅威であり続けた。トライこそなかったものの、後半10分のトライにつながるプレーなど多くの好機を生み出した。

・法政大
[FW] LO 竹部 力(3年、大分舞鶴)
接点の強さとブレイクダウンでの働きで存在感を発揮。力強いコンタクトによる前進もみせ、トライにつながるオフロードも披露。常に前線で体を張り続ける献身的な仕事ぶりでチームの勝利に貢献。
[BK] SH 小山田 裕悟(1年、桐蔭学園)
素早い球さばきとボールへの嗅覚で出色の活躍。前半23分にスピードを生かしたサポートプレーからトライを挙げると、後半30には相手ボールを奪ってそのまま走り切りトライ。試合を通して高いアジリティとワークレートでチームを牽引し勝利に貢献。

○PICK UP
・日本大
SO/CTB 三良 煕三郎(3年、佐賀工業)
インサイドセンターに入り、リーグ戦初先発。俊敏性の高いアタックで存在感を示した。高校時代は1年時から花園を経験し、2年時からレギュラーとして2年続けて選抜大会と花園に出場。3年時は主将を務め花園では3トライをマークするなどチームを牽引し3回戦に進出した。

・法政大
No8 佐野 祐太(2年、目黒学院)
開幕戦から2試合続けて先発し、この試合ではゴール前スクラムから抑えてトライをマーク。昨年度は1年生ながらリーグ戦3試合に途中出場。今年の春季大会から8番のスタートを担い力強いコンタクトで実力を発揮。高校時代は、1年からレギュラーで、主に1年時はSO、2年時はCTBを務めたが、最終学年でNo8に転向。3年時には念願の花園出場を果たした。

立正大学 21-47 東海大学

○試合内容
FWの縦への強さとスピードあるBKのライン展開で相手を圧倒する東海大が3分のSH清水麻貴(4年、東農大二)のトライを皮切りに序盤からトライを量産。SO武藤ゆらぎ(3年、東海大大阪仰星)を中心としたアタックで、スピードあふれる両WTB照屋林治郎(4年、保善)と岡村優太(2年、東海大大阪仰星)、破壊力のある突破をみせるFLレキマ・ナサミラ(4年)などが得点を挙げ6トライを先行。防戦一方だった立正大も前半終盤にアタックの時間を得ると、安定したスクラムからの攻撃で32分にFB大野和馬(2年、仙台育英)、終了間際にSH中森隆太(4年、東福岡)がトライを返し前半終了。リードを許す立正大は後半開始から押し込み、粘り強くアタックを重ねて10分、CTB小熊丞(4年、北越)の素晴らしいプレーから最後はCTBキニ・ヴェイタタ(3年)がトライをマーク。東海は攻めるもラインアウトのミスなどもありなかなか得点できず、31分にようやくWTB岡村がトライ。立正大は終了間際にゴール前まで迫るも取り切れず。前半の大量リードを生かした東海大が今季リーグ戦初勝利。東海大は前半に爆発的な攻撃力をみせたものの後半は苦しんだ。立正大は後半、先にトライを返し相手アタックに粘り強く対応したものの、勝負どころでのキックに精度を欠き、流れを持ってこられず2連敗となった。

○MVP
・立正大
[FW] No8 ユアン・ウィルソン(2年)
接点での強さが光り、常に前へ出るプレーで前線の中心として活躍。前半32分にはゴール前スクラムから持ち出し相手を一人かわして見事なパスでFB大野のトライをアシスト。
[BK] CTB キニ・ヴェイタタ(3年)
力強いプレーとハードワークでチームに貢献。前半終了間際にはSH中森のトライにつながる凄まじい突進をみせ、後半10分には自らトライをマークするなど決定的な仕事を果たした。

・東海大
[FW] FL レキマ・ナサミラ(4年)
破壊力のあるプレーは相変わらずで、何度となく接点での強さや推進力のあるキャリーをみせた。前試合東洋大戦での3トライに続き、この試合でもトライをマークし決定力も披露。攻撃の中心として機能した。
[BK] SO 武藤 ゆらぎ(3年、東海大大阪仰星)
優れたアタックセンスでチームの攻撃を牽引し出色の出来。再三のラインブレイクで好機を生み出し、特に前半は相手を圧倒。19分には絶妙なキックパスでトライを演出するなど多彩なプレーで脅威となった。

○PICK UP
・立正大
FB 大野 和馬(2年、仙台育英)
15番に入り、リーグ戦初先発でフル出場。前半32分にはトライもマークした。高校時代は1年時からアシックスカップで活躍し、花園も経験。3年時にはFLを務め、花園では1回戦でトライを挙げるなど3回戦進出に貢献した。

・東海大
PR 本田 啓(2年、東福岡)
後半14分に途中出場しリーグ戦デビューを果たした。今年の春季大会では3試合に先発し力強いプレーで存在感を示した。昨年度はU20日本代表候補に選出された実力者。高校時代はPRやHOでプレーし、強豪東福岡にて1年生から花園を経験。2年時にはHOでU17日本代表に選出された。3年時は3番を主戦場に花園では3トライを挙げるなど決定力もみせベスト4に貢献した。

関東学院大学 31-38 東洋大

○試合内容
一進一退の攻防となった前半。勢いを持って立ち上がった関東学院大が序盤に攻め込むも、敵陣スクラムからのアタックでパスが乱れたところを東洋大のSH神田悠作(4年、東筑)がいち早く反応し高速カウンターを仕掛けてWTBボンド洋平(2年、東海大相模)が走り切って先制。先制を許した関東学院大は9分、大きなライン展開で前進し、最後は素早くパスを回してWTB丸山央人(4年、明和県央)がトライ。その後、関東学院大のアタックの時間が続くと、フェイズを重ねて再びWTB丸山が相手を振り切ってトライを挙げ逆転。直後の18分、東洋大はSOステファン・ヴァハフォラウ(1年、札幌山の手)のゲインからSH神田のグラバーキックをWTBボンドが抑えて逆転に成功。さらに東洋大は25分にライン展開からFB石本拓巳(3年、日体大荏原)が追加点。リードを広げられた関東学院大はSO立川大輝(3年、佐賀工業)がPGを返すと、35分、自陣からスクラムから右に展開しWTB安藤悠樹(1年、日向工業)が前へ大きく蹴り出し自ら確保したボールをFL立川奈知(4年、國學院栃木)につないでトライ。GKも決まり逆転に成功。それでも東洋大は直後のアタックでSH神田が見事なラインブレイクでそのまま走り切り逆転のトライを挙げて前半終了。後半序盤は互いに接点でファイトし膠着状態が続くなか、関東学院大はSO立川が2本のPGを確実に決めて同点。同点とされた東洋大は24分、相手ボールラインアウトを奪ったアタックからFW、BKが一体となってゴール前まで迫り、最後はSH神田がラックサイドに飛び込んで勝ち越し。それでもその直後、関東学院大は連続攻撃でフェイズを重ね、インゴール手前まで進むと、FBラリー・ティポアイ-ルーテル(1年、倉敷)からパスを受けたWTB安藤が1人かわしてトライを奪い2点差に迫る。詰められた東洋大は終盤にラインアウトモールを押し込んで貴重な得点を挙げて差を広げる。その後、追いつきたい関東学院大が猛攻を仕掛けるも、粘り強く守った東洋大がしのぎ切り勝利を収めた。東洋大は開幕から2連勝となった。

○MVP
・関東学院大
[FW] No8 由比藤 聖(2年、東海大静岡翔洋)
強いコンタクトとブレイクダウンでの働きでチームを牽引。高いワークレートをみせ、接点では常に相手にプレッシャーをかけ続けた。
[BK] SO 立川 大輝(3年、佐賀工業)
正確なパス、キックで的確なゲームメイクをみせた。接戦となったこの試合で3本のPGを全て決め、存在感を示した。

・東洋大
[FW] FL タニエラ・ヴェア(3年、目黒学院)
必ずと言っていいほど前進するキャリーとブレイクダウンでの働きで存在感を発揮。ジャッカルもみせるなど前線で体を張り続け、勝利に貢献。春季大会では6トライをマークするなど決定力も高い選手で次戦以降は得点にも注目。
[BK] SH 神田 悠作(4年、東筑)
素早い球さばき、巧みなラン、状況判断など出色の出来でチームを勝利に導いた。先制トライにつながるプレーをみせれば、前半終了間際には自らラインブレイクし逆転のトライ。さらに、追いつかれた後の後半24分にはラックサイドから飛び込んで勝ち越しトライを奪うなど大車輪の活躍。

○PICK UP
・関東学院大
No8/FB ラリー・ティポアイ-ルーテル(1年、倉敷)
前試合でNo8、この試合ではFBでの出場。力強いランに加え、正確なパススキルも披露し、トライにつながるプレーをみせた。高3時には抜群の突破力でチームを牽引し、同校初の花園出場に貢献。高校日本代表候補にも選出された。

・東洋大
WTB ボンド 洋平(2年、東海大相模)
前試合の東海大では値千金の決勝トライを挙げれば、この試合でも2トライをマーク。抜群のスピードと決定力を発揮している。高校3年時の花園県予選では決勝で桐蔭学園に惜敗(17-19)するも、オータムチャレンジで優勝し花園に出場。

大東文化大学 29-43 流通経済大学

○試合内容
開始序盤に攻め込む大東文化大がWTB松田武蔵(4年、ロトルアボーイズ高)のトライでいきなり先制。流通経済大はFB谷惇平(3年、日向工業)がPGを返すも、大東文化大は10分、アンストラクチャーからFB神田永遠(2年、中部大春日丘)が抜け出し、SO落和史(4年、石見智翠館)のキックパスからつなぎ最後はFL吉瀬航汰(4年、大東大一)のトライで差を広げる。リードを許す流通経済大は敵陣ゴール前スクラムからの近場の攻撃で最後はCTBリクアタ展・テアウパ(4年)が手を伸ばしてトライ。GKも決まり同点に。さらに21分、再びゴール前スクラムから最後尾に入ったLOティシレリ・ロケティ(1年)の突進で勝ち越し。そこから流通経済大の勢いが加速し、FW、BK一体となった分厚いアタックをみせて、CTB土居大吾(4年、流経大柏)、WTB堀井雄斗(4年、大東大一)など3トライを追加し、10-36と大きくリードして前半終了。リードを許す大東文化大は後半序盤から猛攻を仕掛け、最後はFWで押し込んでLO佐々木柚樹(2年、八戸工業)のトライで反撃。その後も大東文化大がアタックする時間が続き、19分、連続攻撃で前進するとLO サイモニ・ヴニランギ(4年)の破壊力のあるゲインから最後はSO落のトライで迫る。それでも流通経済大は相手に粘り強く対応すると、36分、敵陣で得たラインアウトからLOロケティが凄まじい突進で走り切りリードを広げる貴重なトライを挙げる。その後、流通経済大は1トライを返されるものの終盤の猛攻をしのぎ切りリードを守って勝利を収めた。

○MVP
・大東文化大
[FW] LO サイモニ・ヴニランギ(4年)
相変わらずの圧倒的な突破力でアタックを牽引。後半19分には何人も引き連れて前進し、味方のトライを生み出すなど攻撃の中心として機能。豊富な運動量で接点での強さをみせ続けた。
[BK] SO 落 和史(4年、石見智翠館)
正確なパス、自ら仕掛けるラン、絶妙なキックなどでアタックを牽引し、好機を生み出し続けた。後半19分には敵陣ゴール前で体の強さをみせてトライを挙げるなど質の高い働きを披露。

・流通経済大
[FW] LO ティシレリ・ロケティ(1年)
試合前練習で負傷したブレンドン・ネル(3年)に代わり急遽先発。7月下旬に来日し連携不足が懸念されるが、それをカバーする驚異的な突破力をみせた。前半21分にはゴール前スクラムの最後尾から突進してトライを奪うと、後半36分には凄まじい前進力で相手を突き放すトライをマーク。
[BK] FB 谷 惇平(3年、日向工業)
効果的なキックを連発し、チーム全体を押し上げる働き。自陣からの脱却やPKなどで正確なロングキックを放ってゲームコントロールに寄与し、存在感を示した。

○PICK UP
・大東文化大
SO 伊藤 和樹(1年、青森山田)
試合終盤に途中出場しリーグ戦デビューを果たした次世代の司令塔候補。パス、キック、ランなど全てのスキルが高水準。春季大会では途中出場で落に代わり10番の位置に入るなど期待値が高い。高校時代は1年生から花園を経験し、2年時から絶対的存在としてゲームメイクを担った。

・流通経済大
SH 幸妻 怜治(1年、高鍋)
開幕から2試合連続で途中出場し、攻撃に勢いを与える働きをみせる。素早い球さばきとキックの上手さを武器に1年生ながら春季大会から出場機会を得ている。高校時代は、白栄拓也(筑波大3)の卒業後、2年時からレギュラーに定着し、2年連続で花園に出場。

第102回 花園予選福岡県大会 展望(2022年9月28日投稿)

今年も遂に花園県予選『令和4年度福岡県高校総合体育大会選手権大会 兼 全国高校総合体育大会福岡県予選 兼 第102回全国高校大会福岡県予選大会』が開催される。

すでに北海道では花園出場校が決定し、北北海道では北見北斗が13年ぶりの出場、南北海道では立命館慶祥が初出場となっている。

今回は、10月9日から11月19日にかけて行われる福岡県予選について展望をまとめる。王者東福岡の強さが際立つが、筑紫、修猷館、小倉、福岡、東筑などその後大学やリーグワンで活躍する選手を多く輩出するチームが目立ち、非常に注目の集まる大会である。

本命はやはり東福岡。県内無敗を継続中で23大会連続での出場に死角はない。昨年度の花園予選決勝は修猷館相手に大勝。花園はベスト4まで勝ち上がった。

今春の選抜大会ではコロナの影響で決勝辞退となったが準優勝。6月の全九州大会では準決勝で大分東明、決勝で佐賀工業を破り優勝。菅平練習試合では昨年度の花園王者東海大大阪仰星に勝利するなど今年も全国トップレベルの実力を誇る。

前チームから多くの主力が卒業したが、今年も強力なメンバーを揃える。昨年度から主力のFL大川虎拓郎(3年)主将、LO舛尾緑(3年)、CTB西柊太郎(3年)、FB石原幹士(3年)を中心に、前者らと同じく高校日本代表候補のHO中山健太郎(3年)、No8藤井達哉(3年)、SO高本とわ(3年)、WTB上嶋友也(3年)を擁する。また、PR有田睦(3年)、HO田中健太(3年)、LO岡田薫瑠(3年)、FL中川一星(3年)、CTB永井大成(3年)、WTB馬田琳平(3年)ら実力者に加え、下級生にも、U17ユーストレセンに選出されたPR茨木海斗(2年)、PR沢田海盛(2年)、HO田中京也(2年)、LO倉掛太雅(2年)、FL坪根章晃(2年)、FL松崎天晴(2年)、FL高橋凛之介(2年)、SH利守晴(2年)、CTB内田陽太朗(2年)がいる。厚すぎる選手層で全国の頂点を狙う。

王者東福岡に他校がどれだけ食らいつけるか以下の2校に注目したい。

昨年度の花園県予選準優勝で今春の選抜大会ベスト16の修猷館。下川甲嗣(東京SG)ら好選手を輩出し、大学ラグビー界でも、卒業生のFL楢本鼓太朗(筑波大4年)、CTB鬼木崇(慶應義塾大4年)らが活躍中。
1年生から司令塔を務める高校日本代表候補SO島田隼成(3年)主将がチームを引っ張る。高精度のパス、キックに加え、自ら仕掛けるランや力強いタックルも光る。また、全国レベルでも輝く実力を誇るLO原田恒耀(3年)、No8米倉翔(3年)の高いワークレートと力強いキャリーにも注目。昨年度から出場するPR目原庚之佑(2年)、SH/FB塚本航(2年)、CTB/FB細田悠介(3年)らも健在で、塚本は昨年15番を務めたが選抜大会から9番でもプレーしアジリティの高い動きを披露する。
14大会ぶりに出場した選抜大会では初戦で秋田工業に勝利しベスト16。5、6月に行われた春の県大会では準決勝で筑紫に惜敗(15-22)し、決勝に進めなかった。

今大会では順当なら準決勝で筑紫と相対する。昨年度の花園予選では準決勝でその筑紫に快勝(31-12)するも、決勝では東福岡に大敗(0-80)。まずは、準決勝で筑紫を下し再び東福岡に挑戦したい。

春の大会にて準決勝で選抜大会出場の修猷館を下し(22-15)、準優勝を果たした筑紫。決勝では東福岡相手にPGで先制するも最終的に3-45と圧倒され敗れた。その後の全九州大会2位ブロックでは準決勝で大分舞鶴、決勝で長崎北を撃破し優勝を果たした。筑紫は、日野剛志(静岡BR)や山﨑洋之(S東京ベイ)を輩出。大学ラグビーでは東海大の両PR井上優志(4年)、石橋慎悟(4年)や、HO松下潤一郎(明治大3年)らが活躍中。

中心は1年からレギュラーとして活躍するSO/CTB井上晴貴(3年)主将。1年時には花園に出場した。スキルの高いパス、キックに加え、得点への嗅覚が光る。また、FLを務めた経験もあり、コンタクトの強さと豊富な運動量も魅力。そこに、前チームから主力のPR林龍之介(3年)、No8大司樹生(3年)、SH坂田佑太(3年)らが健在でともにチームを引っ張る。
また、井上とCTBを組む1年から主力でスピードのある大石清也(2年)、強い推進力が光る元BKのFL吉田慧悟(3年)、キックの上手いFB岡本光樹(3年)、井上とともに1年から花園に出場したWTB香野仁志(3年)ら好選手揃う。

準決勝で当たることが濃厚な修猷館には昨年度の花園予選準決勝で敗れた。春の県大会では接戦を制しており、今回も激戦が予想される。勝利をもぎ取り、決勝で東福岡に肉薄したい。

ベスト4の常連、東海大福岡にも注目。春の県大会では3位決定戦で選抜大会出場の修猷館に善戦(7-15)。破壊力のある最注目のCTBウィスリー・トンガ(3年)を中心に、1年からレギュラーのCTB/WTB安田光汰(3年)やWTB/FB長野亘汰(3年)ら前チームの主力も多く残る。順当なら準決勝で春の県大会にて0-51で敗れた東福岡に挑む。ちなみに東海大福岡はFB山口楓斗(静岡BR)らを輩出し、大学ラグビーではFL/LOアフ・オフィナ(3年)らが活躍中。

その他の注目校は、

春の県大会で4強に近づいたのは浮羽究真館。準々決勝で東海大福岡に10-20と大健闘をみせた。今年4月に発足したトップキュウシュウ所属のLeRIRO福岡の存在も注目され、着実にレベルアップを続ける。

高校日本代表候補でセブンズユースアカデミー選出のFB瓜生丈道(3年)を擁する小倉にも期待。2021年TIDキャンプ参加のCTB坂口元太(3年)もいる。新人戦では準々決勝で筑紫に(7-67)、春の県大会では同じく準々決勝で東福岡に(12-97)敗れた。ちなみにリーグワンではCTB児玉健太郎(GR東葛)、髙野祥太(浦安D)ら、大学ではSO/CTB久木野太一(帝京大2年)、LO渡邊陽二(同志社大3年)らが活躍中。

福岡は、実力のある上級生に加え、コベルコカップで大会優秀選手に選出され、U17ユーストレセンメンバー入りしたLO小林光晴(2年)、昨年度の全国ジュニアラグビー大会優秀選手のCTB森洸志郎(1年)など下級生にも有力選手揃う。ちなみに、リーグワンではFL末永健雄(S東京ベイ)ら、大学では筑波大のNo8谷山隼大(3年)、FL/LO横溝昂大ショーン(3年)らが活躍中。

また、ベスト8常連で好選手の輩出が目立つ東筑や、かつてはAシードで久しぶりに単独チームで出場する明善にも注目。

各校の熱い戦い、そして各選手の好プレーに期待したい。

2022 関東大学リーグ戦1部 第1週 結果まとめ(2022年9月25日投稿)

関東学院大学 14-55 流通経済大学

○試合内容
序盤は一進一退の攻防が続くも、流通経済大が12分にラインアウトモールを押し込んで先制。関東学院大もすぐさま反撃。敵陣ゴール前まで迫ると近場を攻め、最後はCTB松元陸(2年、石見智翠館)が走り込んでトライ。GKも決まり逆転に成功。逆転を許した流通経済大は22分、敵陣ゴール前ラインアウトモールが崩れたところに走り込んだCTB土居大吾(4年、流経大柏)がディフェンスを剥がしてトライを奪い逆転。その後、膠着状態が続くが、流通経済大は38分、BK展開からテンポよくボールを動かして、CTB土居が抜け出し、CTBリクアタ・テアウパ(4年)につながってトライ。さらに前半終了間際には、自陣からアタックでFB谷惇平(3年、日向工業)がトライを挙げ、リードを広げて前半終了。後半に入っても流通経済大の勢いは衰えず、5分のLOブレンドン・ネル(3年)のトライを皮切りにCTB土居が2トライを挙げるなど5トライを加え相手を圧倒。関東学院大は終了間際に途中出場のFL福見迅矢(3年、小平西)がトライを挙げ一矢報いるが、終わってみれば、流通経済大が9トライを挙げる圧勝となった。流通経済大はセットプレーの安定性と走力のあるBK陣が光った。

○MVP
・関東学院大
[FW] FL 由比藤 聖(2年、東海大静岡翔洋)
相手に大量リードを許す厳しいゲーム展開のなか、高いワークレートで80分間稼働し続け存在感を示した。
[BK] CTB松元 陸(2年、石見智翠館)
リーグ戦初先発となったゲームでこの試合唯一のリードにつながるトライをマークした。相手に圧倒される展開となったが、高いアジリティで実力をみせ、フル出場を果たした。

・流通経済大
[FW] LO ブレンドン・ネル(3年)
期待された留学生が遂に本領を発揮。豊富な運動量と接点の強さで存在感を発揮するとともに、セットプレーでも貢献。後半5分には力でねじ込んでトライもマークした。
[BK] CTB 土居 大吾(4年、流経大柏)
抜群のランニングスキルと優れたアタックセンスでチームを牽引。多くの好機を演出し得点を生み出すとともに、自らも高い決定力でハットトリックを達成。ディフェンスにおいてもビッグタックルをみせるなど試合を通して攻守に渡り、出色の出来を披露。

○PICK UP
・関東学院大
SO/FB 安藤 悠樹(1年、日向工業)
高校時代は全国的に無名の存在ながら1年生で開幕スタメンを果たした。前半で退いたが、SOやWTBもこなしスキルが高く、今後の成長、活躍に期待。富島中学出身で、2、3年時に太陽生命カップに出場している。

・流通経済大
SO 佐々木 開(2年、常翔学園)
スピードとキックが魅力のSO。リーグ戦初出場初先発でチームの大勝に貢献。常翔学園時代は3年時にFBのレギュラーとして活躍し、花園3回戦に進出。

東海大学 24-27 東洋大学

○試合内容
東洋大は相手のアタックをしっかりとしたディフェンスで対応し、7分、ラインアウトのサインプレーからWTBモリース・マークス(2年)が走り切って先制。東海大はラインアウトのミスやハンドリングエラーもあり好機を潰すも、28分ようやく敵陣スクラムのアタックから、FLレキマ・ナサミラ(4年)の突破とGKで逆転。その後、東洋大が攻勢に出ると東海大が反則を連発。攻守に接点で負けない東洋大がペースを握ると前半終了間際にペナルティの速攻でSH神田悠作(4年、東筑)からFB田中康平(4年、土佐塾)につながり逆転トライ。東洋大が前半リードで折り返す。反撃したい東海大は後半立ち上がりからFLナサミラが立て続けにトライを奪い、スコアを19‐0とする。リードを許した東洋大は敵陣ゴール前まで攻め込み、一旦ボールを失うもペナルティの速攻から途中出場のPR小川雄大(2年、脇町)がインゴールに飛び込みトライを挙げ迫ると、24分、ラインアウトモールを押し込んで逆転。逆転された東海大は自陣スクラムからブラインドウイングを参加させるライン展開でWTB岡村優太(2年、東海大大阪仰星)が抜け出し、最後はWTB照屋林治郎(4年、保善)が走り切って逆転。それでも東洋大が猛攻を仕掛けゴール前まで迫るとSO土橋郁矢(4年、黒沢尻工業)からの長いパスが大外で待っていた途中出場のWTBボンド洋平(2年、東海大相模)に通って値千金のトライ。最後は相手のアタックをしのぎ切った東洋大が王者東海大に見事な勝利。東洋大は接点で粘り強く対応したFW陣に加え、SH神田、SO土橋、CTB繁松秀太らも好ディフェンスをみせた。東海大は相手のプレッシャーにミスが目立ち、ラインアウトの失敗や反則も多く、流れを掴めず。

○MVP
・東海大
[FW] FL レキマ・ナサミラ(4年)
抜群の前進力でアタックを牽引。苦しんだチームのなかで常に相手の脅威であり続け、後半序盤に立て続けに2トライを挙げるなどハットトリックをマーク。
[BK] SH 清水 麻貴(4年、東農大二)
春季大会にてレギュラーに定着し、リーグ戦初スタメン。難しいゲーム展開のなか素早いパス捌きと豊富な運動量でチームを鼓舞。

・東洋大
[FW] FL タニエラ・ヴェア(3年)
強いコンタクトと前への推進力で存在感を発揮。タフに体を当て続けたFW陣の中でも常に前へ出る働きでその実力を遺憾なく見せつけた。
[BK] CTB 繁松 秀太(4年、札幌山の手)
出足の鋭さかつ的確なコース取りが光るディフェンスで好タックルを連発。試合を通じてタレント揃う相手を苦しめ続けた。高校時代はサッカーの有望選手だったが、兄哲大(浦安D)の後を追い高校からラグビーを始めた。高校では2年時までFLを務めたが、3年時によりCTBに転向。

○PICK UP
・東海大
WTB 照屋 林治郎(4年、保善)
高校時代全国大会の出場はないが大学2年時にはU20日本代表候補に選出された実力者。3年までのリーグ戦出場は2試合にとどまるが、今季はBKリーダーを務める。春季大会で大活躍した中川湧眞(2年、京都成章)と岡村優太(2年、東海大大阪仰星)の両WTBが筆頭の中、中川の欠場により開幕戦に先発出場を果たし、一時逆転となるトライをマークした。

・東洋大
SH 神田 悠作(4年、東筑)
自身初の1部でのゲームでMVP級の活躍をみせ、王者東海大撃破に大きく貢献。素早い球出しに加え、再三ディフェンスでも体を張った。昨年度の春季大会で6トライを挙げ、今年度も5トライをマークするなど決定力も光る選手。高校時代は、2年時にSOを務め、一学年上の現日本代表CTB中野将伍(東京SG)、同学年のCTB/FB平田楓太(早稲田大4)らとともに選抜大会に出場。

大東文化大学 19-26 法政大

○試合内容
試合序盤から大東文化大が推進力のあるアタックで押し込む展開が続く。前半7分、敵陣ラインアウトからの攻撃でCTBペニエリ・ジュニア・ラトゥ(3年)がゲインすると、ラックから出てきたボールを受けたSO落和史(4年、石見智翠館)がディフェンスをかわして自ら持ち込んで先制トライ。12分には再びラインアウトからモールが崩れたところをSO落のライン裏へのグラバーキックに反応したWTB神田永遠(2年、中部大春日丘)が抑えて追加点。大東文化大はLOサイモニ・ヴニランギ(4年)の突破とCTB戸野部謙(4年、岐阜工業)のラインブレイクが光る。反撃したい法政大はノットストレートやPGの失敗などで流れに乗れない。それでも法政大は相手の猛攻を献身的なディフェンスで粘り強くしのぐと、SO熊田経道(3年、大産大附)のキックをきっかけにゴールまで攻め込む。その後、スクラムのペナルティの速攻からNo8佐野佑太(2年、目黒学院)が突進して、最後はFL吉永昂生(4年、東福岡)が押し込んで1本返す。しかし、大東文化大は前半終了間際、敵陣ラインアウトからの連続攻撃で迫ると、LOヴニランギがラックサイドを力強いキャリーで突破してトライ。大東文化大リードで前半を折り返す。後半開始から互いにブレイクダウンで強さをみせる一進一退の攻防が続く。そのような中、法政大が11分、19分にPGを決め、6点差まで迫る。すると、大東文化大のアタックに粘り強く対応する法政大は自陣ゴール前で相手のパスが乱れたところをターンオーバーし、LO竹部力(3年、大分舞鶴)からFB石岡玲英(3年、御所実業)に渡り、抜群のスピードで約90mを走り切って貴重なトライ。GKも決まり逆転に成功する。この試合初めてリードを許した大東文化大は猛攻を仕掛けるも、相手のプレッシャーにミスも重なり後半は得点できず。その後、2本のPGを決め、点差を広げた法政大が見事な逆転勝利。

○MVP
・大東文化大
[FW] LO サイモニ・ヴニランギ(4年)
パワーあふれる突破でアタックの中心として活躍。前半終了間際には凄まじいキャリーでトライをマークするなど相手の脅威となり続けた。
[BK] CTB 戸野部 謙(4年、岐阜工業)
高いランニングスキルを武器に、試合を通して再三のラインブレイクをみせビッグゲインを連発。好機を生み出し続け、チームのアタックを牽引。

・法政大
[FW] FL 吉永 昂生(4年、東福岡)
豊富な運動量と接点での働きでチームを牽引。前半にはトライをマークするなど試合を通じてその存在感が際立った。
[BK] SO 熊田 経道(3年、大産大附)
CTB金侑悟(2年、大阪朝高)とともにゲームメイクに寄与。後半、一進一退の攻防が続き、トライがなかなか生まれない展開の中、4本のPGを確実に決め逆転勝利に大きく貢献した。

○PICK UP
・大東文化大
SO 落 和史(4年、石見智翠館)
パス、ラン、キック、全てのスキルが高水準の大学屈指の司令塔。自ら持ち込み先制トライを挙げれば、絶妙なグラバーキックでWTB神田永遠(2年、中部大春日丘)のトライを演出。高校時代は、2、3年時に花園に出場、同級生にはLO武内慎(明治大4)らがいる。大学では2年時から主力を担う。

・法政大
SH 小山田 裕悟(1年、桐蔭学園)
ルーキーながらリーグ開幕戦に先発しフル出場。高いアジリティと正確なパスワークでチームに貢献。高校時代は2年時から花園を経験し、3年時にはレギュラーとして選抜大会準優勝、花園ベスト4を果たし、高校日本代表候補にも選出された。

立正大学 33-44 日本大学

○試合内容
日本大は試合開始早々のアタックでFB普久原琉(4年、コザ)がラインブレイクからそのまま走り切りいきなりトライ。先制を許した立正大は接点でのファイトとSH中森隆太(4年、東福岡)とSO吉永崚(4年、九州学院)で形成するハーフ団のハイパントを中心としたアタックで突破口を見出す。すると13分、ゴール前でのペナルティの速攻からSH中森がインゴールに持ち込んで同点。さらに、16分、敵陣ゴール前のハイパントをキャッチしたCTB小熊丞(4年、北越)からFB清水修太郎(3年、大分舞鶴)につながり勝ち越し。日本大は22分にCTB広瀬龍二(4年、日川)がPGは返すも、アタックでハンドリングエラーが目立ちなかなかトライまで持っていけない。立正大は自陣で得たPKから再びSH中森が速攻を仕掛け、長い距離を走り切ってリードを広げるトライ。反撃したい日本大は前半終了間際に連続攻撃から敵陣ゴール前まで迫ると最後はWTBナサニエル・トゥポウ(4年)が突破してトライを挙げ、2点差として前半を折り返す。後半はスクラムで強さをみせる立正大が先に得点を動かす。敵陣ゴール前相手ボールスクラムを取り返すと、No8ユアン・ウィルソン(2年)が突進してトライを奪いリードを広げる。日本大は11分、中央付近のアタックからFB普久原がラインブレイクするとその後流れるようにフェイズを重ねて最後はWTB水間夢翔(4年、佐賀工業)がトライを奪うと、19分にはラインアウトモールを押し込んでHO林琉輝(4年、日大高)が抑えてついに逆転。逆転を許した立正大は32分、敵陣ゴール前ラインアウトのチャンスを得ると、モールから抜け出したNo8ウィルソンが再びリードするトライ。それでも、日本大は直後のアタックで前進をみせると、最後はCTBジョアペ・ナコ(2年、大分東明)が凄まじい突進で値千金のトライを奪い、難しい角度のGKを途中出場のSH前川李蘭(3年、目黒学院)が決めて逆転。その後も得点を追加し突き放した日本大の勝利。昇格組の立正大は大健闘も勝負強さをみせる相手に及ばなかった。

○MVP
・立正大
[FW] No8 ユアン・ウィルソン(2年)
接点での強さをみせたFW陣のなかでも、凄まじい突進力でトライを挙げるなど2トライをマークしその存在感は際立った。昨年度はコロナの影響で活動できず、2年生であるが満を持す実質1年目。
[BK] SH 中森 隆太(4年、東福岡)
スピードを生かしたペナルティからの速攻で2トライをマーク。素早い球出しと正確なハイパントでチームのアタックを牽引。高校時代は同学年SH友池瞭汰(専大4)の控えだった。

・日本大
[FW] FL 平坂 桃一(4年、日大高)
試合終盤に逆転するという難しいゲーム展開の中、主将としてチームを鼓舞しつつ、高いワークレートで体を張り続けた。
[BK] FB 普久原 琉(4年、コザ)
試合開始早々に鋭いラインブレイクからトライを挙げると、試合を通して巧みなランニングと好キックを連発するなど質の高いプレーでチームを牽引。

○PICK UP
・立正大
SO 吉永 崚(4年、九州学院)
正確なパスとキックで巧みなゲームコントロールをみせ善戦を生み出した。昨年度はリーグ戦2部のベストフィフティーンに選出。

・日本大
CTB ジョアペ・ナコ(2年、大分東明)
昨年度の主力がほとんど残るBKにおいて、破壊力のある突破を武器に今季レギュラーを獲得。リーグ戦初先発となったこの試合では凄まじい前進力でチームを救うトライをマークした。高校時代は2年時に同校初の花園出場に貢献し、3年時には花園大会優秀選手に選出された。

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