国会議員もニートも僕も遠慮なしの議論が出来る 田原カフェ がとてもいい


6月20日の夜、
早稲田の「喫茶ぷらんたん」にて、
僕がマスターとなって
若者たちと話をする、
「田原カフェ」を開いた。
今回のゲストは衆議院議員の細野豪志さん。
現職の国会議員にいらしていただくのは、
初めてのことである。

細野さんは、
僕がとても信頼し、
また、大変期待する政治家の一人だ。
旧民主党所属だったが、
現在は自由民主党所属。
野党と与党共に経験している
貴重な存在でもある。

当日の参加者は、
下が高校生から大学生、
上が20・30代くらい。
ネット上で募集するから、
学校も所属も職業も、
もちろん主義や考え方もまちまちだ。
「ニートです」という方もいた。
そんな多様な若者が参加する場に、
細野さんは、快く参加してくださった。

細野さんといえば、
東日本大震災後、
原発事故の担当大臣であり、
安全保障や外交というイメージが強い。
だが、実は長年、
子どもの貧困や性的マイノリティの問題などに、
根気強く取り組んでいる。

たとえば、現行の法律では、
生活保護を受けている家庭の子どもは、
基本的に大学進学はできないことになっている。
その子どもを、生活保護の支給対象からはずす、
「世帯分離」をして初めて、
大学進学ができるのだ。

「18歳になったら働ける人は働いてください」
という国の方針なのだが、
「それでよいのか」と細野さんは言う。
たしかに現代において大学進学できないということは、
就職選択の幅が狭まり、またチャンスも減る。
つまり貧困の連鎖が生まれやすい。

細野さんらはこの問題に働きかけた。
その結果、完全ではないが、
生活保護世帯の子どもが、
大学等に進学する際に、
一時金を給付する、
「進学準備給付金」が創設されるなど、
改善があったという。

細野さんは言う。
「こういうのができるとうれしい。
若い人にチャンスを与えられるのが、
一番うれしいですね」。
そして、参加者の質問にも
丁寧かつ真摯に答えてくれた。
たとえば賃金問題。
細野さんは、「若い人たちはもっと声をあげたほうがいい。
絶望している暇はないんです。
みなさんが社会をつくっていくんだから」
と若者たちに語りかけた。

すると、参加者の一人がこう反論する。
「その日の生活がかかっている若者が、
仕事を失うのを覚悟で声を上げられるわけがない。
『酷だな』という思いがあります。
じゃあ政治家はどういうことをしてくれるんですか?」

細野さんはこう答えた。
「そういう意見があるのはわかります。
でも、『今の自分をいくらに評価してるんだ?』と、
個人としても、世代としても、
声をあげていかないと社会は変わらない。
もちろん政治家もやるんだよ」。

細野さんの、ごまかさない、
まっすぐな答えもよかったが、
現役国会議員に臆することなく、
参加者が率直に意見を述べたことがうれしかった。
もちろん参加者は、
僕にもどんどん意見を言ってくる。
とてもいい。
「田原カフェ」はそういう場なのだ。

開催はこれで18回目。
スタートからずっと、
みんながフラットに意見を言える場になっている。
その「場づくり」をしてくれている
モデレーターの田中渉悟さん、
スタッフのみなさんに大変感謝している。
マスターも気合を入れて、
20回、30回と続けるつもりだ。