見出し画像

「シン・ウルトラマン」は日本の安全保障を真っ向から描く問題作だ


先日、映画「シン・ウルトラマン」を観た。

「ウルトラマン」シリーズが

テレビで人気を集めた時代、

映像の仕事はしていたので、

円谷プロダクションの特撮には注目していた。

ただ、アクション好きではなく、

特にファンというわけではなかった。


しかし今回、スローニュース代表の瀬尾傑さんが、

「(ジャーナリストの)津田大介さんと一緒に、

観に行きませんか」と誘ってくれたのである。

瀬尾さんは元講談社の編集者で、

『現代ビジネス』を創刊し、編集長に就任。

ジャーナリズムに真剣に取り組む、

私が非常に信頼している人物である。


観る前まで、僕は「シン・ウルトラマン」を、

わかりやすく楽しめる

大娯楽作品だろうと予想していた。

ところが、である。

ストーリーが進んでいくに従って、

僕の予想は完全に覆された。


「禍威獣(カイジュウ)」と呼ばれる

謎の巨大生物が、

日本の各地に次々と現れる。

政府はスペシャリストを集めて、

「禍威獣特設対策室専従班」を設立。

そんなある時、大気圏外から、

銀色の巨人、「ウルトラマン」が出現する。


「禍威獣」との闘いが描かれているのだが、

これは決して絵空事ではない。

映画では、アメリカなど国際社会は、

武器は供与するものの、

共闘してはくれない。

通常兵器では太刀打ちできず、

「禍威獣」に追い詰められた日本政府は、

核兵器の使用も考える……。


日本の「専守防衛」を前提とする、

安全保障にまともに突っ込み、

警鐘を鳴らした大変な問題作だ。

瀬尾さんがなぜこの映画に誘ってくれたのか、

観終えたあと、深く納得したのである。