九井諒子『ひきだしにテラリウム』

2024年の現在ではもはや『ダンジョン飯』原作者としてのほうが高名だが、九井諒子はマンガ短篇の名手であり、特にこの一冊は全てのストーリーが10ページに満たないショートショート。この内容をよくこのページ数で収めたな…と惚れぼれするし、また、作者の絵の技量が尋常ではないので、いろんな絵のパターンで楽しませてくれる。
ただまあ、限られたページ数の制限のためか、作品のレベルにばらつきがあったこともまた事実か。
Amazonの他の方のレビューを読むと、ブラッドベリ、星新一、などの作者名が散見されるが、ぼくは杉浦日向子さんの掌篇を連想した。
個人的な最も好きなのは「春陽」、これだけは読んだ方が絶対にいいアンソロジーピース。また『ダンジョン飯』ファンならひるがえって「龍の逆鱗」は読んで損はないはず。

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