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紙一重の違い - ペーパーフィルターによるコーヒーの味 -

一年ぐらい放置しててすいません。だいたい年に二回ぐらい所属しているJ.C.Q.A.コーヒーインストラクター講師部会のメルマガの当番があるので、そちらに書いたものを転載しておこうかと。

もともとのタイトルは「味が変わる要因・番外編」でした。この「味が変わる要因」というのは2級検定でコーヒーの抽出をするにあたり、どのような要因で抽出液の味が変わるかということを講師が解説する部分です。そこの検定では出てこないこんな要因もあるよというネタだったのですが、書いているうちにペーパードリップ限定のハナシだし、ほとんどペーパーが主人公の内容になったのでタイトルを変えちゃいました。お時間ある方、よろしければどうぞご覧ください。あ、カタい団体のメルマガなので基本ですます調の文章です。

紙一重の違い

皆さん、こんにちは。今回はインストラクター講師の田口がお送りします。

ペーパードリップに用いるペーパー(ろ紙)によって味が変わることがあるのをご存知でしょうか。非常にニッチな要因ではありますが、実際にペーパードリップをされている方は非常に多いのでご紹介します。

まずペーパーは使用している原料のパルプによって通液性が違うため、お湯と粉の接触時間が変わってきます。最近は森林保護の観点からパルプだけでなくアバカ(麻の繊維)などを配合しているものもあります。原料の使用量などによりペーパーの厚みも変わるため、それぞれ通液性が変わってきます。

また、お持ちのペーパーを触っていただくと判るでしょうが、クレープと呼ばれるシワ加工が施されているものがほとんどです。すでにペーパーにシワがあることにはお気づきの方も居られるでしょうが、このシワは敢えて加工されているのです。
クレープも両面に加工されているものもあれば、片面の表だけ、裏だけといった場合もあります。このクレープによってもお湯と粉の接触時間が変わりますので気に留めてもらえると良いかと思います。

そしてペーパーには大まかに漂白(白)と無漂白(茶色)の二種類が存在しますどちらも通液性には多少の差があるものの大差はありませんが、ペーパーのメーカーの方に言わせると漂白は無臭で、無漂白はほんの少しだけパルプ臭が残っているものがあるとのことです。このパルプ臭をなくすためにはリンスが必要になるとも考えられます。

ちなみにペーパー自体の形状には円錐形、扇形(せんけい)の二種類がありますが、これによる差はドリッパーによる影響の方が大きく作用します。
お持ちのドリッパーに合ったペーパーの範囲で、いつもと違うペーパーを使用し、ほんの少しだけ違うマニアックな味の変化を試してみてはいかがでしょうか。 (J.C.Q.A.講師部会メールマガジン 2021/10/04発行分)

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