ミュージカル「INTERVIEW〜お願い、誰か僕を助けて〜」

こんにちは。たぐもんです。

さて、ミュージカルの感想書きなぐります。

なかなか長文になりました。2時間くらい書いてる気がする。
まとまりは無いし記憶もあいまいですが、伝わるといいなと思います。
ではスタート。


お話は、人気作家ユジンのもとに青年シンクレアがアシスタントとして面接に来るところから始まります。
ユジンはシンクレアにある遺書を見せ、物語をつくれと言います。
その遺書とは、ユジンの書いた人気推理小説と同じように女性が殺された連続殺人事件の犯人が書いたものでした。
それをみたシンクレアは取りつかれたように物語を語り出します。
母に見放され、姉に見放され、母に殺されかけ、そんな母を手に掛ける物語を。まるで自分が体験したかのように。
それをみたユジンはシンクレアに対して「結果は後に伝える。今日は帰れ」と言います。
シンクレアは「最後に一つだけ、ジョアン・シニアの事件はご存知ですか?」と聞きます。
ここからユジンに対するシンクレアのインタビューが始まります。

ざっと導入はこうですが、ここから怒涛の展開が始まります。
シンクレアは、実はジョアンの弟マットであり、ジョアン事件の真犯人を探している。
マットはジョアンの思い人であった教育実習生のシンクレアこそが事件の真犯人であり、ユジンはシンクレアが偽装した仮の姿だと追及します。
しかしユジンはマットに対し「証拠もないのになぜそこまで決めつける?シンクレアは死んだんだ!」と証拠の写真を突き付けます。
マットは自分の記憶と結びつかない状況に混乱し絶叫して失神してしまいます。
マットはすぐに目覚めましたが、そこにいたのは口の悪い青年でした。
ユジンは「お前は誰だ?」と聞きます。
マットは「ジミー」と名乗り、マットの脳内にはたくさんの部屋があり、そこには何人もの「人間」が住んでいると語ります。
ここからマットの中に住む「人間」たちが続々と登場し、マットがたどった過去が、人格の人と成りを介して断片的に語られていきます。
そして最後に登場した人間が「NoName」
彼はこの人間たちを支配する者であると語ります。
ユジンはマットと話をさせてくれと言いますが、NoNameは不可能だと言います。
その代わりにマットと話をして伝えてやろうと言います。
ユジンはマットにジョアンの死の真相をマットに聞こうとしますが、なかなか語ろうとはしません。
代わりにNoNameはマットの物語を聞かせます。
それは、冒頭で語られた遺書による物語とほぼ同一のものでした。
マットの母は事故で夫を亡くし絶望。ジョアンとマットにかまうことなく途方にくれます。
後に再婚した男は子どもたちをお遊びの道具としか見ていないクズ野郎でした。
ジョアンとマットは日々虐待を受けます。
その中で異常な姉弟愛を育み、マットがジョアンの分まで虐待を受け、その代わりにジョアンはマットを見捨てないという約束を交わし、性的関係にまで発展していきます。
そんな家庭で成長した二人ですが、ジョアンが突然「私、ロンドンに行くわ」と言い出します。「こんな家はもううんざりだ」と。
マットは自分を置いていくのか、置いていかないと言ったじゃないかと食らいつきますが、「遊びはもう終わり。大人になったのよ私は」とジョアンは突き放します。
マットは、これまで親から遊び道具にされ、唯一信頼を置いていた姉からも遊ばれていたとショックを受けると激昂。ジョアンの首を絞め殺害し、家に火を放って自害を目論みます。
しかし、マットの内に住んでいた「人間」たちは死を恐れ、マットを気絶させ記憶を削除。ジョアンのボーイフレンドに罪を着せようと奔走します。
その結果、マットの内の人格たちは罪の意識からか、連続殺人を行っていたとのことでした。
話し過ぎたNoNameは、「対価は隠蔽だ」とベルトを外し、ユジンを手にかけて暗転。

明けるとそこは裁判所の審問の場でした。
ユジンは精神科医で、マットの担当医。
そこではマットの症状についての審問が行われていました。
マットは異常な成長過程を辿り、解離性同一性障害を患っていること。
そのため、犯行時に自我を保てておらず、記憶も混在し繋ぎ合わせることができないこと。
そうなるまでに誰かが悲痛な叫びを聞き手を伸ばしていれば、ここまでひどくなることはなかっただろう。自分はその叫びに手を伸ばし、必ず治療するとユジンは宣言します。
ここで冒頭のシーンに戻ります。
ユジンはマットに対し「疑惑の作家のアシスタント募集の面接に君は来た。3回ベルが鳴ったらドアを叩け。そこで真実が語られるだろう」と催眠を施し、部屋の外に送り出します。
ユジンは「世間は被告に対して非難の目を向けているが、真実が明らかになることを切に願う」とPCにメモを書き残し、電話のベルが鳴り響く中で、決意をしたユジンが「どなた様ですか?」とマットを受け入れるところで幕が閉じます。


さて長々ストーリーを書きましたが、感想をば。
育児放棄、児童虐待から生み出される歪んだ人物の物語。
見終わった後は実際にどこかで起きていそうだなと思いました。
頭の片隅にこの物語を入れておくことで、どこかで活きてきそうなそんな気がしました。
演者の演技については、さすがプロだなと思うところがたくさんありました。
マット役の糸川さんはおそらく7役ほどこなしていました。純粋にすげぇ。
推しのあんちゃんもジョアンだけでなく、シンクレアが語る物語の母親役や、幼少ジョアンなど複数の役をこなしていました。
そして二人とも歌がしっかり出来上がっていた。
あんちゃんはいつも歌の自信がないと言っていますが、そんなことないです。十分すぎるほど歌えていたし物語にいいアクセントを加えられていました。
対して松本さんは、歌頑張れ…!という感じでした。特に初日は。
インタビューでも絶賛苦労中とのことだったので、松本さんにとって新しい挑戦だったのでしょう。千穐楽では初日より断然良くなっていましたが、これからに期待したいなといったところです。
あと活舌がもうちょい……!ってところでした。早口になってしまっている部分もあると思いますが、しっかり聞き取れない部分がちょいちょいあったかなと思いました。
逆にダンスパフォーマンスをやってきたからこその体の使い方はすごかったです。迫力が違う。
特に畳みかけるシーンでの圧のかけ方がすごかったです。
千穐楽では舞台装置に本が挟まってしまい、裁判シーンで舞台が回転しないというハプニングがあったようですが、アドリブで自ら回転し語り掛け、椅子を移動してセットを組みなおしエンドを迎えるというベテランっぷりを発揮していました。ここはさすがでした。
経歴を見てみると俳優業もしっかり積み重ねているようなので、次違う現場で見たときにまた違うものが見られるといいなと思います。


こんなところですかね。
振り返るとやっぱり重い話でしたね。そんな世界を見せてくれた推しには感謝です。
そしていつも言ってますが、目の前で繰り広げられるパフォーマンスはやっぱりいいなと思いました。
また近いうちに何かみたいなと思います。

それではまた明日。
お読みいただきありがとうございました。

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