見出し画像

怒るのをやめた話


 この1週間でフォロワーが1万人増えた。実は先週投稿しようと思って少しずつ書き溜めていたnoteの記事も、フォロワーが増えすぎてビビったので公開を保留している。死んだら土葬されたいって話なんだけど、奈良の土葬文化についてせっかく調べたのでいつか更新しようと思う。

 このあいだ子育てについての取材を受けた。この1年間ツイートがバズるたびに何度も取材は受けていたのだけど、子育てについて聞きたいと言われたのは初めてだった。母親歴3年で語って良いのか分からないけど、今のところのモットーは「頑張りすぎずに手を抜きまくること」であると伝えた。取材が進んでいく中で、記者さんと子供を怒るって難しいよねって話になったんだけど、その時に話したことを書き留めておきたい。


 大学時代のあだ名が「人畜無害ちゃん」だったわたしも子供を怒るときがある。最初は危険なことに対してだけ怒っていたのに、そのうち子供がお茶を床にこぼしたりするだけで小言を言うようになってしまった。怒るという行為は、怒るラインを意識しないとエスカレートしてしまうことに気がついた。

 わたしが怒る理由は危険な行為や悪戯をやめさせるためで、怒っていた時は子供が不快な気持ちになるとそれが駄目だと学習するのではないかと考えていた。でも怒っている時の子供って、目線が斜め上だし不安や不快な感情から早く逃れたいと考えている顔をしているし絶対に話を聞いていない。子供がどんなに幼くても、危険な行為がいけない理由を考えて欲しいし、だったら思考停止している相手に怒る意味がないなと思った。

   そもそも子供に危険な行為や悪戯をやめさせるために、不安や不快な気持ちにさせる必要があるのだろうか。確かに手っ取り早いし即効性がある気がするけど、結局怒られているときに話を聞いてくれていないから同じことを繰り返している。それでも当時、なぜ何回も怒っていたのかを考えると「怒る」以外の選択肢が浮かばなかったから、そしてもう一つは怒ることが癖になっていたからだと思う。

 このあいだ読んだ教育本に「怒ると脳内快楽物質が出てくる」という話が書いてあった。群れで生きていた人間は、規則を守らない者に罰を与えることで群れを維持していたと言うのだ。だから罰を与えることに脳内快楽物質が出てくるようになったと書いてあった。子供を怒る行為がエスカレートしていった理由も簡単で、初めは危険な行為をやめさせるために怒っていたはずなのに、途中から怒ることが目的に変わっていたのである。

 だからわたしは怒ることをやめた。もちろん危険なことに対して注意はするけど、なるべく子供が不安や不快な感情を抱かないように気を付けている。子供に伝える方法も言語だけじゃなく視覚的に伝えるようにしていて、いつか子供たちが大きくなって子育てするようになったら教えてあげようと思う。

 子供に怒らないようになってから、Twitterで知らない人から向けられる誹謗中傷もあまり気にならなくなった。その怒りが、わたしに行動変容をしてほしいものなのか、それともただ本人が脳内快楽物質を出したいために無差別に向けているものなのか見分ける能力を手に入れたのだ。というかわたしに行動変容してほしいと思うなら、怒りをぶつけるのはそもそも間違っているし、結局はブロックしているんだけど。


田口ナツミ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?