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現場リーダーの決断力 #35

先日Netflixで「Tears of The Sun」という映画を観ました。ブルース・ウィルス主演の映画で、2003年にアメリカ合衆国で公開されたものです。以前にも観ましたが、所々覚えてなくて、今回改めて観直してみました。

ナイジェリアを舞台にしたドラマ・アクション・戦争映画です。監督はアントワーン・フークア監督です。

当初は『ダイ・ハード4.0』の企画として進められていたようですが、アフリカにおける石油利権問題と民族浄化というテーマ性の深さから独自企画に変更されたんだそうです。

ブルース・ウィルスのカッコ良さが前面で出てる映画で、基本的な見所はそこだと思いますが、米軍の正義感の押し付けがましさが多少あるので、そこに違和感を感じる人は苦手かもしれません。映画としては、ドラマ性もあり、緊迫感やアクションシーンも多くあるので、約2時間の長さを感じさせない映画だと思います。

ネタバレになるので、詳細は控えますが、あらすじとしては、民族問題や石油利権が発端となって内戦が続くナイジェリアで医療活動に従事するアメリカ人女性医師を米海軍特殊部隊SEALが救出するという内容です。そのSEALのリーダー(大尉)をブルース・ウィルスが演じています。

リーダーである大尉は、救出過程で、リーダーとしての決断力を問われる場面に多数遭遇します。アメリカ人女性医師が従事する村は、反政府軍(アメリカは現政権支持)と敵対する民族の村ですが、数日後には反政府軍によって、村が襲撃され、皆殺しにされることが分かっています。その前に女性医師を救出しなければなりませんが、大尉が受けた命令は、その女性医師一人の救出です。しかし、その女性医師は自分だけ逃げるのは嫌だと拒否します。

逃げるのなら、村民も一緒にと言われますが、それがまず最初に大尉が決断を迫られる場面です。女性医師の要求を受け入れれば、計画に狂いが生じ、脱出できる可能性が低くなってしまいます。

上層部に相談したところで、結論は明らかです。考えている間もなく、現場のリーダーとして即断即決を迫られます。無理矢理女性医師だけを連れ去ることもできますが、大尉の決断は、その女性医師の要求を受け入れることでした。

その後も大尉は様々な決断を迫られますが、その多くが、村民や女性医師、部下の命に関わるもの、そして、軍から受けているミッション遂行に関わるものです。

大尉がどのように判断し、決断を下すのかは部下も見ています。戦場の最前線なのでチームがバラバラになるようなことがあってはいけません。我々にとっては非日常かもしれないですが、その時に、自分なら何を拠り所に、どのような判断・決断を下すだろうかと考えさせられました。

軍からの命令を優先すれば、村人を見殺しにすることになります。しかし、村人も守ろうとすれば、女性医師や部下の命を危険に晒し、軍からの命令を遂行することはできないかもしれません。

何を守るべきか、自分の価値観はどこにあるか、そこが問われることになります。

加えて、物事が順調に進んでいる時はさほど問題にならないかもしれないですが、危機的状況であればあるほど、極限状態になればなるほどリーダーの判断・決断が部下に支持されるかどうかは結果に重大な影響を与えるため、とても重要だと思いました。

普段からリーダーとしてどのように振舞い、日頃から部下からの信頼をしっかり得ているかどうかが大切だと思います。

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