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エド・シーランのライブ「+ – = ÷ x ツアー」に行きました。

2022年8月20日、ヘルシンキのオリンピック・スタジアムで行われたエド・シーランのライブを見に行った。なぜか頑張ったので、5メートルくらいの距離でシーラン先生を見ることができた。

今回のライブは、「+ – = ÷ x ツアー」という謎の記号がタイトルになっている。多分、「イコールズツアー」と呼ばれているんじゃないかと思う。

僕は正直、エド・シーランのことはあまり詳しくない。開演10分前まで、「エド・知ーらん」などとふざけていた。そこから少しググり始め、地元の同級生だった奥さんと結婚して、二人目の女の子が生まれたばかり、というようなどうでもいい情報を入手した。同行したソピッタ大先生はヘッドフォンでエド・シーランを聞いていたけれど、僕はヘッドフォンがなかったので諦めた。立ち見席だったのでペットボトルを地面に置いていて、隣に立っている女性が座り込んだとき、彼女のスカートがペットボトルを覆ってしまって、僕のペットボトルが消えたりした。

・・・ここからが感想です。

エド・シーランの曲は、『Shape of You』のサビしか知らないと思っていたのだけれど、ライブが始まってみると、聞いたことがある曲が7、8曲くらいあった。すごい。

もっと感動したことがある。2時間ちょっとのライブだったけれど、ステージ上にはほぼエド・シーランしかおらず、彼がステージ上で多重録音しながらギターを弾いて歌うスタイルだった。ステージの上には、小さなキーボードと、マイクが二本あるだけ。各曲の始まりに、エド・シーラン自身がテキパキと、キーボードで簡単なフレーズを録音していき、コーラス用のマイクに囁きかけて、それにループをかける。ドラムの音も、ギターのボディーをボコボコ叩いて、それをループさせる。そうやって、なんか即興でリズムとメロディを作っていくうちに、観客は「あ、これはあの曲だ!」となる。

マイク2本とキーボード、そしてギターだけで戦うシーラン氏。アンコールではフィンランド国旗のユニフォームを着て登場。

ライブって、お気に入りの曲の伴奏が始まったときに、観客のテンションが一気に上がるでしょう。まさにあの感じが、ステージ上で音のひとつひとつが組み合わさって、曲になっていく過程で、自然発生的に生まれていくのです。

さらに、この「その場で作っていく」感じが、「円状になっているステージとそれを取り囲む観客」という構造に、とてもマッチしていたと思う。観客にコーラスをお願いしたり、スマホのライトを照らしてくれとお願いしたりしていたのも、一緒にやってる感じがあってよかったな。

エド・シーランは途中、MCで、俺はポップミュージックが好きだ、ということを何度も連呼していた。エド・シーランはとてもミニマルなことをやっているアーティストだと思う。音作りもそうだし、曲名だって「Perfect」とか「Don't」、「Sing」、「Photograph」みたいな簡単なタイトルが多い。アルバムが全部「x」とか「÷」とか「=」なのも、とても意図してやっていることだと思う。ポップミュージックの本質は、ミニマルなのかもしれないっすね。

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