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【6080】M&Aキャピタルパートナーズの底値買い
M&Aキャピタルパートナーズの業績が低迷している。
直近の決算では売上が▲44%、営業利益も▲69%と大幅な減収減益となっている。
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見た目はかなりひどい決算である。
マーケットも当社の減収減益を織り込む形で、直近で1年半ほど株価が低迷していた。
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業績がかつてないほど低迷し、しかも株価も下落トレンドを継続している。最悪の状態である。
しかし、経験のある投資家ならば最悪の状況は「買い」であると知っているだろう。最悪の状況というのは、これ以上悪くならない状態であり、下値余地が限定されている状態である。底打ちの兆しが少しでも見えたら本能的に買いを検討すべき状態である。
筆者は今回のM&Aキャピタルパートナーズの決算は買いと判断している。理由としては①業績の最悪期を脱する兆しがある、②バリュエーションが十分に割安の2点である。
業績は底打ち
上場以来高い成長率と収益性を誇ってきた当社にとっては、今回の決算がもっとも見栄えの悪い決算だったのではないか。
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売上の進捗率も半期で31%と極めて悪く、一時は50%超を誇った経常利益率も23%まで低下している。
一方で、注目したいのが契約負債の推移である。
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これは基本合意に至った時点で手数料の約10%を前受けする際に計上される科目であり、将来の売上の先行指標である。
M&Aという特性上、成約までのスケジュールに個別性があり、また案件のサイズもまちまちであるため、KPIと業績が綺麗に連動しないが、おおむね基本合意から半年程度で成約に至ると想定すると、来期の決算はV字回復する兆しが出ていると言える。
過去のトラックレコードでみると、おおよそ前の期の3Q~その期の2Qまでの1年分の契約負債を平均6.3倍すると売上規模になる傾向がある。
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24年2Qまでの4Q分の契約負債の合計は3,350Mとなっており、上記のモデルに基づく今期の想定売上は21,105Mとなるため、今期の会社予想には届かないものの、一定の数字は作ってくるものと推測できる。
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売上がやや未達となれば利益率も少し落ちるだろうから、今期の当期利益は45億程度とみておくと良いだろう。
上記のモデルが正しければ、2025年9月期の売上は次回からの4Q分の契約負債が先行指標となるため最悪期は脱していると言える。
売上の先行指標である契約負債はV字回復しており、今期の最終利益が45億前後と今回の決算の見た目ほど悪くはない。今の契約負債の水準が継続できれば25年9月期にはさらなる増益が期待できる、というのが筆者の当社業績の見立てである。
今後の作業として、なぜ直近の営業が好調なのか(契約負債がなぜ増加に転じたのか)をIRへの問い合わせなどで詰めていく必要がある。
バリュエーション
現在の当社の時価総額は678億円となっている。会社予想でPER12.5倍、筆者の予想する今期の最終利益から逆算するとPERは15倍となる。
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M&A仲介の競合対比からしてダントツで割安となってしまっている。
M&A業界自体は全体ではPER30倍といったところだろうか。減収減益が続いている当社は成長性がないものとしてプライシングされており、それには一定の合理性があるのも確かである。
筆者が想定する当期利益45億水準で逆算したPERは15倍と市場平均程度であるから、売上が横ばいであればフェアバリュー、減収が継続するならさらなるバリュエーションの低下があっても良いように思える。
一方、当社のバランスシートを見てみると、また景色が変わってくる。
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当社は現預金を380億円ほど抱えている一方、有利子負債はゼロである。
時価総額677億に対してネット現預金が380億円ほどあるため、正味の事業価値としては約300億円ほどしかないことになる。現預金水準を加味した正味の事業価値に対するPERは6倍程度まで低下する。
時価総額がネット現預金まで、あるいはそれ以下まで低下している企業も中にはあるが、事業の継続性が疑問視されている小型株でもない限りそこまで落ちることはないだろう。
正味の事業価値に対するPERが6倍から5.5倍、5倍とバリュエーションが切り下がる可能性はゼロではないが、バリュエーションとしてはそろそろ底が見えている水準であることは確かである。
結論
当社の業績がさらに低迷した場合、バリュエーションのさらなる切り下げ余地はゼロではないものの、バリュエーションとしては、底がそろそろ見えている水準であり、下落余地は限定的だろう。
一方で、今回の決算では業績底打ちの兆候が見えており、24年9月期は売り上げ横ばいでも、25年9月期が相応に増収になる可能性が出てきている。
仮に、過去半期平均の契約負債900M超の水準が継続すれば、筆者の見立てでは25年9月期の売上は230億円水準まで伸び得る。そこまで売上がいけば最終利益は60億は超えていくだろう。仮にPER20倍まで切り上がれば、時価総額1,200億円と現在の2倍水準が見えてくる。
契約負債の推移次第で、上記のシナリオが実現しない可能性はあることは筆者も認識している。ただし、ダウンサイドがそれなりに限定的で、アップサイドのポテンシャルが大きい銘柄は積極的に拾っていくべきである。
100%確実に儲かる案件は存在しない。
リスクリワード比が良好な銘柄を見つけ出し、資金をベットすることを繰り返していくことに尽きる。
※本記事は、あくまで筆者の株式分析、企業分析の記録であり、投資活動の勧誘または誘因を意図するものではありません。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。また、本記事は不特定多数の者へ無償で情報公開されるものであり、投資助言に該当するものではございません。
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