『ドラマをみる女』(短編小説)
「あんた、彼氏と寄りもどしたらしいじゃん」
「うん」
「これで何回目? 」
「4回目かな」
「まあ、あんたが幸せならそれでいいんだけどさ。くっついたり離れたり・・・そのたびに新しい男友達を紹介してる私の身にもなってよね」
「ごめん。でも私たち戻らなきゃいけないって思ったんだ」
「もう別れるなよ」
「私ね、彼がいなくなって気づいたの。逆らっちゃいけない運命ってあるんだって」
「へえー。ふーん」
ソファに横たわる妻は、煎餅をばりばり噛み砕きながら、気怠い表情でテレビをみて