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|||| 怖い小説 ||||

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読み終えても、あなたの心で、その物語は終わらない。
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「怖い」とは何か? 「#2000字のホラー」に6作品エントリーしました。

ホラーのお祭りといえば、ハロウィンだけではありません。 いまnoteで開催されている「#2000…

『腐葉土の匂い』

許せない。それだけだった。 身長180cm近くある夫の死体を抱えるのは小柄な私には簡…

『村』

布団の中で小さく丸まっていた。 心臓がバクバクしてなかなか寝付けない。陸の孤島の…

『私に向かう音』(短編小説/ホラー)

25時13分。 原稿の締め切りに追われ、パソコンにかじりついている。深夜の薄暗い室内に…

とうとうバレた。「noteで変な小説書いてますよね? 」と後輩から言われてしまった。

「私ね、実は知ってるんですよー」 「何の話? 」 「先輩、noteで変な小説を書いてたりします…

『言の蟲』(短編小説)

彼は私をぐっと引き寄せ、強引に唇を奪った。 「えっ、急に何を・・」 突然のことに頭…

『鳥かご』(超短編小説/ホラー)

春彦が、おもちゃよりゲームより大事にしているもの。いつも肌身離さず持っている一番の宝もの。それは、鳥の図鑑だ。 分厚い一冊は、鳥の絵と写真で埋め尽くされている。赤、緑、青、黄、黒、白・・・色とりどりの鳥たちを眺めているだけでいい気分になって、空を飛べるような気がした。 春彦は学校の誰よりも鳥に詳しかった。知らない鳥なんてほぼなかった。中でも特に好きな鳥はケツァールだ。世界一美しい鳥と言われていて、コスタリカという国にいる。小学校の文集では、将来の夢の欄に

『くまのポッチョ』(超短編小説/ホラー)

会議が始まってから4時間を過ぎようとしていた。 意見や内容をまとめるべき立場の人間…

『進化』(掌編小説/ホラー)

 まさか遭遇するとは思わなかった。  東京には独自の進化をした人類が一定数いるという噂が…

『天井』(掌編小説/ホラー)

金曜日は1週間の中で一番気分も機嫌もいい。  今日を頑張れば義務や責任に縛られた世界か…

『ななのテープ』(短編小説/ホラー)

社会人になってからというもの寝付きが悪くなった。 多分、強制的につながっている会社…

『宛名のない手紙』(掌編小説/ホラー)

 渕七瀬村には奇妙な噂があった。  村のはずれにある古いポストに、宛名のない手紙を投函す…

『洋館』(掌編小説/ホラー)

 母からは絶対に近づいてはいけないと言われていた。  突き当たりにある門構えの立派な古い…

『熱帯夜』(掌編小説/ホラー)

風のない熱帯夜だった。 冷蔵庫にはマヨネーズと苺ジャムとミネラルウォーターしか入っていない。小腹がすいて仕方なかったので、アパートからちょっと離れた場所にある国道沿いのコンビニに行くことにした。スマホの時計を見ると23時をまわっていた。 私が住んでいるのは年々過疎化が進む地方都市の小さな街。駅前の商店街は深夜でも多少明るいが、駅から少し離れると田んぼや森が広がっていて民家もほとんどない。街灯も少ないので深夜にもなれば、豊かな里山の風景は闇に覆われてしまう