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誰でも確認できる「ダイジェスト」から見る選手の特徴 その2 大石竜平

さて、今見る事の出来るのは「ダイジェスト」「ハイライト」のみです。昨シーズンと新シーズンで色々と変わるものはあるでしょうが、選手自身は変わりません。そこで、皆さんと一緒に確認して特徴を再確認し、期待を込めて見守っていこうという第2弾。前回の石尾くんの回を見ていない方は下のリンクをご覧ください。

先ずはおさらいから。大石くんは昨シーズン、第3節の東京V戦で初スタメン。そこから4節の町田戦では初ゴールを挙げ、42試合中半分以上の22試合でスタメン。38試合出場、6ゴール1アシストと、鎖骨骨折で休んだ以外はルーキーイヤーにして主力級の活躍。「ルーキーに見えないルーキー」として不動の地位を確立しました(笑)

しかしシーズン後半、33節の山口戦からはスタメンを外れ、途中出場となりベンチから戦況を見つめる事となります。そこで何があったのでしょう。そして大石くんは再びスタメンに戻れるのでしょうか。

頑張って欲しい点 ディフェンス

大学時代の大石くんはFW。現在はMF登録でしたが昨シーズンはFW登録でした。そのせいという事でも無いでしょうが、リーグ前半戦の大石くんはサイドハーフというよりはインサイドハーフあるいはシャドーストライカー的なポジショニングでした。

第10節の柏戦の39秒からのシュートシーンでも、中央付近で競り合いのボールを拾う大石くんが見られます。少しクルーニーにポジションが被っている感じ。他にもFWとしての片鱗を見せるシーンはいくつもありましたが、分岐点となったのは長谷川くんが負傷し、小島くんがスタメンに名を連ねるようになってから。

長谷川くんが負傷した次の節、個人的昨シーズンワースト試合第3位の水戸戦(1位徳島戦、2位鹿児島戦)で大石・小島の右サイドが徹底的に狙われました。下の図はその時のヒートマップです。

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まだ試合慣れしていない小島くんとFWのように位置取る大石くん。ヤナ将がその後、大石くんをスタメンから外したのは必然だったのかも知れません。小島くんの替わりはいませんでしたから。

ヤナ将が先ず第一に求めるものは、全員でのアグレッシブな守備です。そこから素早く仕留めなければならないのです。

下の図は大石くんと、リーグ後半にスタメンだった金子くんのエリア別のプレー比率です。適当に8試合をピックアップしました。①がアタッキングサード、②がミドルサード、③がディフェンシブサードです。どこがそのエリアかは2枚目に図にしてあります。(1枚目の画像はSPAIAより)

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大石くんが金子くんよりアタッキングサード、つまり相手ゴールの近くにいる事が多いのが分かります。平均値で約5.5%という事は90分換算にすると約5分。その5分の差がヤナ将に大きく見えたのは間違いありません。頑張って欲しい点というか、ディフェンスを頑張らないとスタメン入れないよ、という事です。

あとは位置取りです。上の2:32~のシーンは本来、大石くんだけが悪いのではなく、チーム全体的にスライドが出来ていないのが悪いのですが、前に出なくてもいいのにジリジリと出てしまっています。結果的にシュートを打たれてしまうわけですが、出た事で戻る動きを利用され、シュートを打たせる距離を作ってしまいました。

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この守り方はFWが相手DFにプレッシャーをかけにいく動きですね。細かいところですが、そのプレー一つ一つを見つめなおす事が、次の自分への助けになります。

良い点その1 第8節千葉戦 積極的なサイドでの仕掛け

そうは言っても、大石くんには大石くんの良さがあります。そんな良さを再確認しましょう。

MFとDFの間でボールを受けるポジショニングに1対1で相手の死角に入る素早い判断、さらに勝負を仕掛ける前に加藤くんをチラッと見て、クロスをしっかり届けられる感覚、こういうプレーがもっと見られるようになればアシスト数が増えてくると思います。でもあまりこれに関してはあまり心配していません。ライバルが多いので、おのずと磨かれるスキルだと思います。

良い点その2 13節岐阜戦 ゴール前での落ち着き

やはりゴール前で、相手を剥がしシュートを打つ早さと思い切りの良さはFWとしての動きですね。最初、中寄りのポジショニングをしていたのですが外に膨らんでいますね。ディフェンスの集中しそうな小松くんにパスを出さず自ら突破する反応は、ボールをトラップしてゴールに向かうまでの間に躊躇なく行われています。こういうプレーを見られないのは勿体ないです。

しかし、ボールを貰う前の動きが小松くんとかぶってしまっています。今年のヤナ将は「スペースをわざと作ってそこを使う」と言っていましたので

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こうなってしまいましたが↑

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サイドハーフとしては↑こういう動きが求められると思います。味方を生かす動きという事ですね。そういう事はすでに言われていると思いますが。

良い点その3 第16節徳島戦 サイドバックとの相性

シーズン途中から復帰するであろう、長谷川くんとの相性は特に良く感じた筆者。なんてことないサイドバックがオーバーラップするシーンなのですが、こういうシーンの積み重ねが得点を産み出します。どちらも安心して動いているように思います。僕の勝手な印象ですが、金子・小島のコンビ、加藤・沼田のコンビより相性は良かったと思う大石・長谷川。同じサイドで良い関係を作る事が出来ればチャンスは増えると思います。

大石くんのさらなる飛躍のポイントを確かめて、楽しむ準備のお役に立てるとありがたいです。もちろん対戦相手に睨みを効かせて、威圧感を与える事も忘れてないですよ!それも金沢にとっては良さの一つ!開幕戦からオラオラの大石くんを楽しみにしてます!(笑)


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