2021 J2リーグ第21節 ツエーゲン金沢 VS FC琉球 バツがマルにならない
スタメン
石尾くんがメンバー外で稲葉くんが初スタメン。瀬沼くんがメンバー外で杉浦恭平くんがスタメン。ベンチに久々、窪田きゅんの名が。
田中恵太くんから上原牧人くんになったのみでほぼ前節と変わらず。沖縄では上原性も多いのね。島袋より多い事を始めて知りました。
金沢と琉球、何が違ったのか
お互い4-4-2の陣形で、ボランチへのパスコースを切ってサイドへボールを誘導する。金沢は嶋田くん・琉球は清武くんが内へ絞る。やる事はそんなに変わらないと感じた両チームだったが、その違いは何だったのか。
① 攻守の切り替え
試合時間34分35秒、金沢の攻撃をしのいだ琉球は上原牧人くんから清武くんへフライパスを送る。
阿部くんが右側から清武くんを追い越す。それに食らいついていく大橋くん。
稲葉くんが清武くんに抜かれてしまう。それを見た大橋くんが清武くんにアタック。しかしボールは阿部くんに渡る。
ここで藤村くんの戻りが早ければ阿部くんにクロスを出させる前に圧をかけられたはず。ボールが頭上を越えた時点で大橋くんとほぼ並んでいたのだから、追い付けない訳が無い。阿部くんが抜け出したら庄司くんがアタックに行く。後方から沼田くんが迫る。数的不利が生まれていた。
何とか沼田くんの前に立ちふさがりゴールへのシュートコースを消した松田・藤村だったが決定的なシーンになる前に防げたシーンだった。
このシーンは象徴的だったので挙げたが、その他にも18分34秒、大橋くんの縦パスが知念くんにカットされ上里くんへ。近くにいた嶋田くんがボールへ近寄る訳でもなく、前に抜け出す阿部くんに松田くんが食らいついていく事も無い。阿部くんがドリブルを選択したから良かったが、ワンタッチでフリーの清武くんにパスを出していたら決定的だった。
今に始まった事ではないが、特にこの日の攻→守の切り替えはお粗末だった。頑張っていたのは大橋くん一人と言っても言い過ぎでは無かったかも知れない。
② スペースへの意識
50分31秒、最初の失点シーン。阿部くんが嶋田くんを剥がす。庄司くんが阿部くんにアタックに行く。ゴール前に金沢の選手は十分にいる。庄司くんが居なくなったという事はそこが空く。しかし、藤村・チットにそこをケアする意識は無く、上里くんが入り込んできた事を察知した大橋くんがカバーに行くが時すでに遅し。
実は金沢にも同じような場面が33分53秒からあった。左サイドを大橋・嶋田のワンツーで崩し、PA脇の深いところからクロスを出す。前述した先ほどのシーンと同じような場所にボールを出したが、すぐに知念くんがカバーに入る。二つのシーンを見比べるだけでも2チームの完成度の違いが判る。
③ 確率を上げる為の時間の作り方
決勝点となる2失点目。金沢PA左側手前から琉球のFK。上原慎也くんの折り返しのヘディングを中川くんが押し込んでいるが、ここでの阿部くんの動きが見事。上原慎くんの邪魔をしないように、金沢の邪魔をするように身をかがめている。これがもし阿部くんが上原くんと一緒に競り合ってしまったらどうだろう。または、上原くんが藤村・大橋と競り合っていたらどうだろう。ヘディングで中川くんに折り返せなっただろう。
決定力の違いというのは簡単だが、その違いを作り出すのはこのシーンに代表される連携プレーであり、ボールをどこにコントロールして相手から少しでも遠ざけてシュートを打つかという事を、常日頃トレーニングしているかという意識である。0.1秒の違いでその差が生まれる。その0.1秒を作ろうとするだけで。
個人の意識ももちろん大事だが、これだけ改善されないところを見ると練習から指摘出来ていないと思われる。というか、分かっていないのだと思う。
スタッツ
ハイライト
補強をするより、コーチングスタッフの意識を改革すべき。誤回答を誤回答にしたままで次のテストに臨んでいるようなものだ。振り返りがなければ誤回答という事も気がつけないのでは。振り返っているなら改善されないのも問題だし、結局どちらにしろ問題。他にも問題はあるが、過去のレビューとあまりにも被るのでこのくらいで。
稲葉くんの思い切りの良さは良かったし、大橋くんのボックストゥボックスの働きは危機感を人一倍感じてよく動いていたと思う。ただ、誰が誰と交代して頑張っても無駄に終わらせてしまうマネジメントのせいで、降格圏の上を低空飛行する日々は続く。
ツエーゲン金沢応援集団「RED TAG」運営費用としてありがたく使わせていただきます