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2021 J2リーグ第9節 ツエーゲン金沢 VS ブラウブリッツ秋田 レビューとまではいかない感想みたいなもの

あまり試合を再検証していないが、大体頭の中で一度見て出来上がってしまったので今回は平日という事もありサラッと書いてみました。

あのチームの上位互換

「何年か前の町田のイメージ」

DAZNの試合前インタビューで、秋田の印象について聞かれたヤナ将はこう答えた。確かに、僕もそれに似た思いだった。

現・鹿島アントラーズの相馬監督が、町田の監督だった時の戦術が同じようなものだった事は覚えている方も多いだろう。2018年の町田はどちらかのサイドでコンパクトに攻撃を組み立て密集状態を作り、ショートパスを繋いで逆サイドに足の速い選手を配置。誰もいないところを素早く駆け上がりゴールを目指す、オーバーロードとアイソレーションという戦法。その時にバランスの良い配置として採用した4-4-2という陣形も、今の秋田と酷似している。

ただ、秋田は逆サイドに選手を配置しない。コンパクトな陣形に後ろからボールを送り込み、セカンドボールを獲って相手の裏のスペースを狙ってボールを出す。とにかく今節の試合でも秋田はセカンドボールの回収率は見ている印象でもエグかった。

ボールが相手に獲られたら全員でボールの出し所となるパスコースを消しながらボールホルダーを追い込む。FWであってもそれは変わらず行っていて、金沢以上のハードワークが要求される。更には、相手が少しでもパスズレしたら秋田ディフェンスはGKにボールを出しリスタート。何年か前の町田のサッカーの上位互換版と言える。

山雅が示した秋田の弱点

ただDAZNの実況でも言っていた通り、秋田に後半の得点が無いのは、ハードワークの弊害というべきか。90分全力で走る事は不可能。どこかで緩急をつけなければいけないが、勝つ時は先行逃げ切り。複数点が獲れたのも千葉戦の2点のみで、8節終了時で7得点と平均1点に満たない。しかし、失点も山雅戦で3失点した以外は大崩れしていない。

その山雅戦ではゴール前を固める秋田の守備の弱点が露呈していた。河合くんが敵味方入り乱れるゴール前にクロスを出しO.Gを誘発。佐藤和弘くんのゴラッソミドルシュートや鈴木国友くんのヘディングをアシストした外山くんのクロスも、ゴール前を固めるが故に生まれる一瞬のノンストレス状態から放たれたものだった。

山雅と金沢の違い

金沢が得点の手段として選んだのも、それと似たような事だった。山雅の得点は流れの中から生まれたものだったが、金沢はセットプレー。違いはそのくらいだった。

もちろん、2得点とも簡単なミドルシュートではない。インタビューで語っていたように松田くんの得点は、濡れた芝の上を走らせるように蹴られたボールでしかも外に逃げるような回転が掛かっていた。藤村くんの得点は比較的藤村くんの近くにいた秋田の選手(誰か確認できず)2人を庄司・瀬沼がゴールに向かう動きをする事で、藤村くんを完全にフリーにさせ、気がついた秋田の選手を石尾くんがブロックするという完全に計算されたプレー。ミドルを枠に飛ばせる技術がある事が大前提であるから、藤村くんがミドルを打ったのだろうが、チームメイト達が最大限のアシストをした。

相手に合わせたミス

失点シーンに言及すると、石尾くんが相手の縦パスをヘディングでカットする訳だが、そのボールが才藤くんに跳ね返された事が最大の要因。相手のテンポでボールを処理してしまった為にコントロールミスをしたように思う。もっと冷静に味方のいるところに跳ね返していれば。常にボールがあるところに複数でプレッシャーをかけにくる秋田には絶好のパスになってしまった。

リアリスト・ヤナ将の謎

僕のスカウティングによると秋田は速いサイドチェンジへの対応が不十分で、金沢から見て右のSB飯尾くんの脇あたりやCB増田くんとの間を金沢が幅を取る事で開かせて攻撃する事が出来たと思う。しかし、あまりその付近を金沢が再現性を持って攻撃する事はあまり無かった。

中3日でコンディション調整を主に行っただろうから、実戦練習にはセットプレーに時間を割いていたのだろう。前節と同じリアリスト・ヤナ将が見せた闘い。中央を閉めてくる相手を崩す場面は栃木戦以降のお楽しみとなった。

しかし、リアリストながら3連戦の2戦目にしてもほぼ主力は変わらず、交代カードの切り方も遅いのはどうしてか。嶋田→本塚の交代はまだ良いが、他の交代は主力を休ませるにしても、交代選手の個性を出させるにも効果は不十分。あくまで試合を終わらせる為と、時間を使う為の交代でしかなかった。

あのフィジカルモンスターのルカオさんを使い減りさせてしまった去年の反省が活かせていない。栃木は守備も堅いし、新潟から2点獲る攻撃力もある。ホームの連戦とはいえ心配は尽きない。試合後のヤナ将コメントで「栃木も秋田と似たようなチーム」と言っていたが、それは多分ハードワークという面での事だろう。とすればなおさらコンディション面を考え早い交代をしてほしかった。

最後に

2019年に2-3で勝利した町田との試合は、3得点共セットプレーからのものだった。1年半前の経験を活かした金沢。強い内容の勝ちではないかも知れないが、想定した内容での勝ちという事に意味があった試合ではないだろうか。新潟と琉球が頭一つ抜けているが、なんとか先頭集団の姿は見えている。

スタッツ

ハイライト

https://youtu.be/WJ0uO1WbXtI




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