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2021 J2リーグ第33節 大宮アルディージャ VS ツエーゲン金沢 ようやく大谷起用の正解を見た&守備のオート化

ハピネスマッチについて

先に言っておきたい。この試合の翌日の福井ユナイテッド VS ツエーゲン金沢 戦を観に行ってきた。福井主催の興行であるからしてあまり金沢側にメリットが無かったのかもしれないが、この試合が発表された時のワクワクは試合が進むにつれて失われていった。

そういう試合になった要素は色々ある。期待しすぎた事も一員としてある。出場機会に飢えた若い力が主張する妄想は妄想でしかなかった。

親善試合的なものだった事も「どんな試合になっても仕方ない」と思ってしまう要素だった。僕のような、試合に意味を求めてしまう人間には不向きなモノだったのかもしれない。ただ、公式戦の翌日の練習試合の強度としたらとても期待外れだった。終盤戦に戦力となれるようなワンダーボーイは存在しなかった。ただ金子くんのゴールは流石でした。さあ、大宮戦に移ろう。

スタメン

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画像はSPORTERIAさんから。前回対戦は佐々木則夫暫定監督で4-4-2だった。前節からは柴山→小野の1人の変更だが、前回対戦の時にいたのは三門・小島・馬渡・小野の4人だけ。それだけ多く選手を抱えているという事。夏に加入した南・河田も貴重な戦力となっている。

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金沢は前節新潟からのレンタルの為、出られなかった渡邊くんが復帰。その他は変更無し。新潟との死闘で勝ち点3を得たが、ダメージは無かったのだろうか。

今更イチから大宮戦の振り返りをしたところで、興味のある方も少ないだろうから、要点を2つに絞って解説していく。試合全体の振り返りはRED TAGの以下の動画を時間があればラジオ替わりにご活用下さい。

ようやく示した大谷起用の正解

第4節の東京V戦以来の得点、初のドブレーテ、チームとしては18節愛媛戦以来の複数得点となった大谷くんのゴールだったが、FWとしてフィールドに立ったのは前回の大宮との対戦だったと記憶している。

そこから約3か月、ようやく大谷くんが機能するようになった。と言ってもいいだろう。大谷くんを活かす条件はたった1つ。それさえクリアしていれば活きる。逆に今まではそれを満たしていなかったのだから、とても歯がゆい思いをしていた。

その条件とは

大谷くん「に」ボールを合わせる

この1つだけである。簡単な事だと思った人もいるだろうが、意外と出来ていなかった事である。スピードスターだという事で無理にSB裏に走らせていなかっただろうか。大谷くんが「加賀のモハメド・サラー」だという事は何度か言っているが、サラーのように対峙した相手に質的優位性を担保出来るほど一流ではまだ無い(別にディスってる訳ではない)。

さらには前節の丹羽くんのゴールのような、松田くんがクロスを入れゴール前に3人(今までは2人)がターゲットとなるような形でも、大谷くんボールに合わせにいく形を取らなければならない。大谷くん出し手がボールを合わせる事で大谷くんのスピードを活かす事が出来るのだ。この「が」と「に」の違いが今まで出来ていなかった。

ボール保持の局面で大谷くんがゴールに向いて走っていればオフサイドでない限りかなり優位である事。それは火を見るより明らか。

では何故今まで上手く機能しなかったのか。それは大谷くんが攻撃のファーストチョイスではなかったから。

今まではSHが中央に絞る事でそこを経由していた攻撃。要するに相手CBの背後にスペースが無い状態になってからパスを貰い、相手と勝負するという場面が多かった。もしくは、フリーではあるけれどスペースが少ししかない為に相手がすぐにボールにアタック出来る状態。

嶋田くんがいた事でSHが中に絞る事の優位性があったが今は違う。瀬沼くんがスタメンから外れた事も大きかった(「二人が何故いないのか」という質問が来ても答えられませんのであしからず)。

いずれにせよ、大谷くんのスピードを活かせる舞台がようやくやってきたのだ。もっと早くそうしてあげられたとは思うが仕方ない。今までの攻撃の形だけに固執せず、大谷くん「に」合わせてあげられれば終盤戦の大きな武器となるだろう。

失点時の守備の決め事の無さ

1失点目の場面。金沢右サイドから。

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西村くんにボールが渡ると大谷くんが小島くんのマークを離れ小島くんへのパスコースを切りつつ西村くんへアタックする。丹羽くんも内側へ動く。

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西村くんからボールは河本くんへ。

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大谷くんはボールを追いかけ、丹羽くんが小島くんの後ろを走る。

ここで一瞬、平松くんが小野くんを気にして躊躇。小野くんにも河本くんにも届かない位置取りに。大橋くんが小野くんのところへ。そしてボールは河本くんから馬渡くんへ。

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平松くんが河本くんにプレスに行かず小野くんの前に残った事で、大橋くんは近づいてきた小島くんに気を取られる。丹羽くんは小島くんに着いて行ってはいたが追い付けてはいなかった。

そして馬渡くんから小島くんへパスが出た瞬間に小野くんが大橋・平松の視界から消える。

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小島くんがワンタッチで小野くんへ。大橋くんが慌てて対応する。菊池くんがゴール前へ移動すると藤村くんがパスコースに入る為についていく。

するとペナルティアークががら空きに。そこへ馬渡くんが走り込んでいく。

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馬渡くんのシュートも簡単なものでは無かったかなりゴール前が密集していたし、飛び込んでダイレクトに針の穴を通すようなゴールだった。

では問題は何なのか。それは声を出してコーチングをしていれば防げた、というものでは無い。金沢の守備の欠点であり、いつまでも改善しない問題。逆から考えてみよう。

声を出して大橋くんが平松くんに指示すれば防げた失点なのだろうか。多分、チームではそう分析しているだろう。だから治らない。

平松くんが小野くんにつく。さらにサイドチェンジしている事、馬渡くんに渡邊くんが対応している事から最終ラインがスライドして対応しなければならない。馬渡くんにボールが渡った時にゴール前には数的優位は保たれている。

ボールがサイドに送られた時にどう振舞うべきなのか。そこを決めていない。そしてそれを選手に任せている。だから「コーチングで前の選手を動かせ」となってしまう。

コーチングで動かすのも大事だが、決まり事を設定していないと躊躇してボールホルダーにもプレッシャーをかけれずにパスコースも切れない。声で動かすにも時間が掛かる。決め事をしてオート化する。その決め事の認識があって初めてコーチングが効果的に働く。

2失点目も違うシチュエーションだが、本質は変わらない。長峰くんに馬渡番をさせた事で5バック化したが、選手に守備を任せている事でスルーパスを出す小野くんがフリーに。ゴール前に人はいるがやはり効果的に守れてはいない。

無題

廣井くんの負傷交代で松田くんがCBになった事も大きいだろう。新潟戦のダメージがよほど大きかったのか。あの強度の高い試合を持ちこたえてくれたのだから贅沢は言えない。ただ、それを差し引いてもこの守備は見直さなければならない。

ただ、守備はこのままだと思う。この守備は「2点獲られても3点獲るサッカー」の中で採用された守備。2019シーズンに大橋・藤村がボランチに定着した時のものとあまり変わりがない。

その時には守備が大崩れしなかった。庄司くんに成長させられた山本義道くんがブレイクした。しかし攻撃に変化をつけなければ上にいけない。それからそのままになっている守備なのだ。

スタッツ

ハイライト

感想

攻撃・守備と2つだけ触れた割には長くなってしまい申し訳ありません。ただ、守備は治らないと断言できる。だから攻撃をいかに伸ばせるか。瀬沼・嶋田がいないが大谷・丹羽の調子が上がってきている事が好材料。僕はもっとYOUTUBEで上手く喋れるように頑張ろう(笑)46歳はつらいよ。

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