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実務補習だからこそ体験できること

こんにちは。タガックスです。

さて、2月上旬から実務補習が始まりますね。
申し込んだ方は、緊張しながら待っているところではないでしょうか。

診断士登録に必須の実務ポイントですが、最近は実務補習を受けない方も多いようです。
研究会で診断実務の機会を得たり、知り合いの会社を診断させてもらったりなど、いろいろな方法がある中で、「わざわざ費用を払って実務補習をやる意味が感じられない」という声もちらほら聞きます。

私自身は、5日間コースの実務補習を3回受けて登録しました。と同時に、研究会などで紹介された実務従事にも並行して参加していました。
登録前に両方を体験してみて、それぞれ一長一短あるなあ…というのが正直な感想です。その中でも次の点は、実務補習だからこそ体験できることではないかと思います。

(1) 多角的に診断する経験
 実務補習では、複数のメンバーが「経営戦略」「営業」「人事」「財務」など、診断項目ごとに役割を分担して多角的に企業を診断します。後から思うと、これはかなり貴重なチャンスです。
  実務従事でかかわる案件の場合、企業が自社で認識している課題についてピンポイントで提案を行うケースが多いです。例えば、
  ・近隣の競合店調査を行い、その結果を基に集客施策を検討したい。
  ・開発した新製品についてターゲット層にヒアリングを行い、販売促進戦略を提案してほしい。
 などです。
課題が明確にされていると、方向性を定めやすいし、診断にあたってやるべきことが見えやすいです。一方、企業を構成する様々な要素の中でも、特定の分野に絞っての診断になるため、会社全体を俯瞰して課題をあぶりだす、というプロセスはあまりないように感じます。
 その点、実務補習では、企業側から要望や課題を提示されることはありますが、ほとんどの場合は「総合診断」ですので、多岐にわたる情報を基に、俯瞰的に戦略を検討することができます。

(2) 短期間で報告書にまとめる、という経験
  実務補習はスケジュールが決まっています。ヒアリングからおよそ10日後には、報告書を完成させて成果を発表しなくてはなりません。また、会社訪問は1回のみの場合がほとんどで、限られた時間の中で必要な情報を集めて、社長の心に響く成果を出すことが求められます。
 私が今までに関わった実務従事案件は、短いものでも1か月弱、長いものだと半年近くの時間をかけています。それに比べると、実務補習はかなり厳しい条件が課せられていたんだなあ…といまさらながら思います。しかし私自身は、診断士としての一歩目にこれを経験したことで、診断業務に関わることへの覚悟のようなものができたような気がしています。もちろん今でも納期に追われることはよくありますが、企業内診断士という中途半端(?)な立場でありながら、4年近く診断士活動を続けてこられた背景には、実務補習での経験が生かされているように感じています。


 私の周りでは、実務補習への評価は様々です。短期間でハードな課題に取り組んだことで達成感があったし班のメンバーとも強い絆ができた、という人もいれば、メンバーとはそりが合わず、指導員の方針にもあまり納得できず、得られるものがなかった、という人もいます。運や巡り合わせに左右されるところもあるかもしれませんが、何かしら得るものはあります。
 今回の実務補習を受講する方は、ぜひ楽しんで取り組んでください。また今回は受講を見送った方も、機会があれば1回くらいは受けておいても損はないと思います。

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