駆け出しライターがSNS発信することに意味はある?SNS発信開始1年で本を出版したまむしさんに聞いてみた!

「クラウドソーシングで継続案件を受注できるようになったから、営業やブランディングのためにSNSのライターアカウントを開設したい」このように夢と希望を持ってSNSを開設した駆け出しライターさんもいるのではないでしょうか。

しかし、いざ開設してみると何を発信すればよいのか迷う人も少なくありません。また、同じ立場のライター同士のつながりで満足して、仕事やキャリアアップにつながらないと悩む人もいるのではないでしょうか。

今回は、編集に関するSNS発信が話題を呼び、2023年に書籍を出版したまむしさんにインタビュー。駆け出しライターがSNSを通じて仲間や仕事を得る方法をお聞きしました。

この記事を読めば、SNSを通じてかけがえのない仲間を作れ、自分のSNSアカウントをさらに盛り上げることができるでしょう。


まむしさんとは?

まむしさんは、社名も本名も明かさず匿名でX(元Twitter)とnoteを発信開始。わずか1年で誰も教えてくれない編集力の鍛え方を出版された編集者です。

某大手ウェブメディア企業で編集部門の責任者として勤務されており、SNS発信は業務ではなく、「仲間作り」を目的に発信を始められました。まむしさんの経歴は次の通りです。

  • 慶應義塾大学法学部を卒業後、都内の人材紹介会社に入社し、新設の編集部門へ配属される

  • 2013年に国内大手メガベンチャーへ転職

  • 編集部門をゼロから立ち上げ責任者として10以上のウェブメディアを立ち上げる

  • 2020年に経営学修士(MBA)取得

コンテンツを作る側からコンテンツを作る人を支える側へシフトチェンジされ、編集者として日々コンテンツに関する業務をおこなっているそうです。


note:https://note.com/mamushimamu
X(旧Twitter):https://twitter.com/mams428
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まむしさんのSNS発信経歴

Twitterのフォロワー約3,000人、noteフォロワー約900人のと今をときめく編集者のまむしさんですが、実は今のアカウントを運用し始めたのは2022年と約1年前でした。

きっと綿密な計画の元、SNSを発信したに違いないと予想していましたが、インタビューしてみると全く違う回答が返ってきました。ここからは、まむしさんのSNS発信経歴を見てみましょう。

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\begin{array}{|c|c|c|l|} \hline
アカウント開設回数 & 年代 & フォロワー数 & 当時のまむしさんの状況や投稿内容 \\ \hline
1回目 & 2009年頃 & 500人 & 社会人なりたて。匿名記者としてニュース記事として公開されなかった情報を投稿 \\ \hline
2回目 & 2016年頃 & 600~700人 & 中堅社員。編集や医療に関することを読者に伝えようと投稿 \\ \hline
3回目 & 2022年 & 約3,000人 & コロナ禍で会社以外の人とつながるため開設。等身大の発信で多くの人の共感を得る \\ \hline
\end{array}
$$

1回目:発信内容を精査しすぎる

まむしさんが初めてSNS発信をしたのは2009年頃、ネットニュース記者になりたての時期だったそうです。このころ、Twitterが流行りその波に乗る形でまむしさんもアカウントを作成されます。

このときまむしさんは「匿名記者」として次のような内容を発信しようと考えられていました。

  • ネットニュースのこぼればなし(記事には掲載されなかったけど、自分が取り上げて興味深かった内容)

  • 記者の仕事をする上でどのようなことを考えているのか

  • 次のブームの予想

最終的にフォロワーは500人程度まで伸びます。しかしながら、情報精査に力を入れすぎて思うような発信ができず、仕事も忙しくなったことから自然消滅してしまったそうです。

2回目:意識の高い発信で疲れてしまう

まむしさんが2回目のSNS発信をしたのは2015年頃、1回目の発信から5~6年後のことでした。この頃、まむしさんは社会人になって5~6年目の中堅社員。

編集者としてある程度経験を積んできたことから、編集に関することを社会に発信しつつ、医療系のトピックにも反応しようと再度Twitterに投稿を始められました。2回目のSNS発信では、フォロワーが600~700人程度まで伸びました。

しかしフォロワーは増えたものの、1回目の発信よりも盛り上がらなかったそうです。その理由をまむしさんは次のように分析されています。

  • 編集×医療の組み合わせが悪く、誰を相手に発信しているのかよくわからないものになってしまった

  • 読者に対し上から目線の発信をしてしまった

そして2回目のアカウントも、バズることなく読者の反応も少ないことから、いつの間にか自然消滅してしまったそうです。この2回のSNS発信からまむしさんは「自分はもうSNS発信に向いていない。記事を執筆していた方が実績も上がるし、多くの人に反応がもらえる」と考え、SNS発信から遠ざかるようになってしまったそうです。

3回目:飾らない発信で多くのフォロワーを惹きつける

SNS発信離れしていたまむしさんが3回目の発信をするようになったのは、2022年11月頃。

コロナ禍が長く、会社以外の人と話す機会が激減したことから、「もっと他の人と話したい」という理由で始められました。

1・2回目の発信では、フォロワーの数を意識し、ブランディングを意識した発信をしていましたが、3回目の発信ではその意識をなくしたそうです。

そして「フォロワーの数関係なく、自分の気の合う数人の仲間を作りたい」という軽い気持ちで発信を始められました。

3回目の発信では、自分を飾らずに自然体でつぶやき、ありのままの自分に共感してくれる人に向けて投稿を続けたそうです。

その結果、1年後の2023年12月には約3,000人のフォロワーを惹きつける発信者になりました。

まむしさん曰く、フォロワーさんからの質問への回答を投稿する際に、上から目線だと思われそうな発言をしてしまったときは、バランスを保つため、ダサい発信をするよう意識されているとのこと。

3回目の発信で、まむしさんは「自分を良く見せる発信ではなく、ありのままの自分を発信することで、無理なくSNS発信を続け、多くの人から共感を得られている」と自らを振り返っておられます。

まむしさん直伝!駆け出しライターがSNS発信するときのポイント

SNSをきっかけに編集本を出版したまむしさん。表からみると順風満帆に見えますが、実際は紆余曲折あって今の発信スタイルを築かれましたことがわかりました。

まむしさんでさえ、「自分にはSNSは向いていない」と諦めてしまいそうになったSNS発信。駆け出しのライターが開設して、果たしてうまくいくのかと不安になりますよね。

でもご安心ください。まむしさん曰く、駆け出しライターが発信することは、決して悪いことではなく、むしろ自分の未来に役立つとおっしゃっています。

ただ、やみくもにブランティングを追いかけていては長続きしません。そこで、ここからはまむしさん直伝、駆け出しライターがSNSを発信するときのポイントをご紹介します。

飾らない発信をする

駆け出しライターがSNSを発信するときは、飾らない発信をするよう心がけましょう。まむしさん曰く「1・2回目のSNS発信で継続できなかったのは、自分自身をよりよく見せようと鎧を着てしまったから」だとおっしゃっています。

駆け出しライターは、SNS発信から仕事を獲得したいと、躍起になりつい自分をアピールし過ぎたり、上から目線の発言をしてしまったりしがちです。しかしこのような発言は、一部の初心者ライターからは「すごいなぁ」という羨望の眼差しで見られるかもしれませんが、多くの人からは共感を得るのは難しいかもしれません。

「駆け出しライターに限らずSNS発信をするときは、ブランディングや自分のアピールはひとまず置いておき、ありのままの自分を発信することがSNS発信をする上で重要だ」とまむしさんは語っておられます。

信頼できる仲間集めをする

駆け出しライターがSNS発信をするときは、信頼できる仲間集めから始めましょう。今を時めくまむしさんも、1・2回目のSNS発信ではフォロワーに伸び悩み自然消滅してしまった経験があります。

このことから、無名の駆け出しライターがSNS発信を始めてすぐに、多くの人に認知されるのは難しいでしょう。まずは等身大の発信をして、ありのままの自分に共感してくれる人を数人見つけることが大事です。

また、駆け出しライターがSNS発信をすると、同じ立場の駆け出しライターばかりが集まり、新しい出会いがないと悩むこともあるかもしれません。その時は、「ターゲットの軸をずらすとよい」とまむしさんはアドバイスされています。

例えば、駆け出しの育児ライターがSNS発信をして、仲間探しをする場合、同じ育児ライター同士のつながりばかりでは、自分の知識のアップデートが難しくなります。働きながら育児をしている人や保育士などの専門職に就いている人など少し軸をずらして仲間探しをするとよいでしょう。

ライター以外で、自分が専門としているジャンルの人と深くつながることで、知見が広がったり不明点をすぐに相談できたりするため、仕事を円滑に進めることができます。

さらに、数人の信頼できるフォロワーさんが、別のフォロワーさんを紹介してくれることで、人脈の輪がいつの間にか広がることも期待できるでしょう。

このことから、駆け出しライターさんのSNS発信は、多くの人に認知されるという目的よりも信頼できる仲間作りを目的にした方がよいことがわかります。

駆け出しライターが編集者に認知してもらうには?

駆け出しライターがSNSで等身大発信をすることで、気の合う仲間がつくれるということがわかりました。しかし同じ立場のライター仲間は作れても、将来のクライアントになりそうな編集者とつながるのは「難しそうだな……」と尻込みしてしまうのではないでしょうか。

でも、駆け出しライターだからといってSNS発信に気負う必要はありません。まむしさん曰く、次の3つのパターンのいずれかに該当するライターは編集者に認知されやすくなるそうです。

フォロワー数が多いなど目立っている

フォロワー数が多い、SNS発信関係なく有名であると、編集者に注目してもらいやすくなります。なぜなら編集者がなぜそのライターに注目したか、第三者に理由を伝えるときに、説明しやすいからです。

編集者の多くは、「いつか一緒に仕事ができるかもしれない」という期待を込めてライターの発信に注目しています。しかし、いざチャンスがめぐり、ライターを採用しようとしても編集者が独断で決めるのは難しいでしょう。

編集者の多くは、会社に所属する会社員だからです。そのため、採用したい社外のライターがいる場合、上司など第三者の許可が必要になります。

そのときに「フォロワー数が多い」「SNS関係なく有名である」などわかりやすい指標があると、編集者は第三者に説明しやすいため、注目されやすくなるそうです。

わかりやすいキャラクターである

編集者の発信にすぐさま反応する、メッセージを送るなどキャラクターが理解されているライターは認知されやすくなります。編集者に積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿は、悪い印象を与えないからです。

むしろ編集者から「このライターさんなら柔軟に対応してくれそう」という好印象を与えます。まむしさん曰く、「編集者としてライターを採用するときにキャラクターが事前に分かっていると、一緒に仕事するときのイメージが湧きやすいので採用されやすい」とのことです。

複数のSNSを組み合わせている

1つのSNSだけでなく、複数のSNSを組み合わせて発信しているライターは編集者から認知されやすくなります。

たとえば、大きくバズることはなくてもX(Twitter)でフォロワーから注目される発信をしていて、同じくnoteでも印象に残る記事を投稿していた場合、編集者の目に留まりやすくなるそうです。

芋づる式で、ライターが執筆した発信や記事を編集者が確認できるのもメリットの1つです。

まとめ

本名を公開せず、約1年でX(元Twitter)のフォロワー数を3,000人にまで増やしたまむしさん。ブランディングを綿密に計画して発信しているのかと思っていましたが、インタビューでは私の予想を反して、本来の目的は、仲間作りのために等身大の発信をされていたことがわかりました。

まむしさんのTwitter発信を見てみると、誰かに当てた発信は少なく、まむしさん自身が気になったことを好きなように発信されているのが見て取れます。

駆け出しのライターが飾らない発信をすることで、まむしさんのように多くの人から認知されるのは難しいかもしれません。しかし、等身大の発信をすることで、自分と近い考えを持つ数人の仲間は集められるはずです。

そこから、人脈の輪が広がり将来の仕事に結び付く可能性もあります。駆け出しライターでSNS発信をしてもよいのか迷っている方は、まずはライターアカウントを開設して等身大の発信をしてみてはいかがでしょうか。


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