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未来をより良く、というビジョン

ロシア・ウクライナ、中東でも、紛争が続いて終わりも見えません。遠い国の出来事のように見えるけど、今のグローバル化された世界において、こういった出来事も自分たちの生活に影響がある。どういうメカニズムなのかもはや分からないぐらい複雑に絡み合っている感じで。係数と変数がありすぎる方程式みたいな。何か一つ変わればバランスが変わってしまう。物価高、円安、防衛費増税というネガティブな話もあれば、逆に桶屋が儲かる的な影響もどこかで起こっている。

シンガポールで働いている人と話をした時に「シンガポールでは常に世界中のニュースが自分たちの業界にどういった影響があるのか、というのを日常的に会話してる。SaaS企業をやってても、台湾の選挙の影響はどうか、と聞かれる」と言っていました。まぁ、そういうことかなと。

『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ著/河出文庫)の続編である『ホモ・デウス』(ユヴァル・ノア・ハラリ著/河出文庫)には「人類は、戦争・飢餓・疫病という3大宿敵を克服したのだ」と書いてある。発売当時はコロナ前。今思えばどうだろうね。戦争も経済戦争もある。コロナは世界中を社会不安にした。「克服したのだ」というか、長期的にみると「一時的になかった」という方が適している感じがします。

これからの未来をより良くする、という事業ビジョンを持つフォーデジットは、こういったことが起こっている中で何をすればいいんだろうか。深刻な気持ちで考えることもあります。様々な状況を予見しながら対応していかなければという気持ちもあります。予見して対応する一方、それはそれでそんなもん、不確実な海を泳ぐもんなのだ、と受け止めてしまう力も必要だと思っています。全部の方程式をあらかじめ解くことはできないし、解いたつもりになるのも危険。

先にいろいろ確定できないから、起きた事象に対して柔軟であるべき、という話。なんですが、その状態って不安なんですよね。これから何があるか分からない、って言われると不安ですよね。だから一般的にはできる限りしっかり準備することになる。そうやって強固にした結果、身動きが取れない状態になる。準備したものを守ることになる。そういう硬直的な価値観が柔軟性を阻んでいきます。今の日本ってそういうところがあるのかもね。内部留保も不安という気持ちが元にありそう。

不確実を受け入れて、守るだけでなく、チャレンジャーとして一歩踏み出すことは、闇の中を歩くような勇気がいることです。だからこそ内なる光というか、意思を持つ大事さがあって、目的に向かうためなら、正しいとか安全とかでは語れないものも時にはある。日本の大企業も自分たちを変えようとしているような動きも多い。

こういうときには、チームを束ねる概念、具体的には、ビジョンやパーパスといったものに意思が通っていくのが大事になると思います。言葉としてのビジョンとかパーパスとかって、どっちにしても大体いい感じになるんですよね。だから、言葉だけでなくて、実際の行動によって「実」の部分が生まれていく。本当にそうなってるな、という実感のサイクルというか。それは本当に大変なことだし、ビジョンに血が通ったチームを見ると尊敬の念を抱きます。まぁ、要するに個人としては気合いを入れて頑張ろう、という感じです。


本コラムは、アジアを中心に展開するデザイン&テックカンパニー「フォーデジット」の社内報にて連載中のものを抜粋して掲載しています。

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