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ホームインスペクターのつぶやき5

「1、基礎」 
B、その他
①蟻道
木造の建物のリスクにシロアリ被害があります。シロアリ被害はなかなか気付きにくいものですが、基礎の外周部に蟻道(ぎどう)と言われるシロアリの通り道が見つかり、それにより発見される場合もあります。
シロアリの蟻道はすぐに分かりますが、黒蟻の蟻道やジグモの巣と見間違える事があります。
シロアリの蟻道は硬く、手で触っても崩れる事はありません。

シロアリの蟻道

一方黒蟻の蟻道は手でさわるとポロポロと崩れます。

黒蟻の蟻道

又、蟻道と似たものにジグモの巣があります。これは触るとフニャフニャとして中が空洞になっています。

ジグモの巣

基礎にシロアリの蟻道が見つかった場合は間違いなく土台や柱などの構造用の木材がシロアリに喰われています。床下に潜って詳細な調査をして対応する必要があります。

②基礎の水跡
基礎に水跡がある場合があります。筋状の水跡は壁の内部の防水紙の更に内側に雨水が回ってしまっていたり、壁の内部で結露をしている可能性があります。特にサビ汁を伴う水跡は壁内部の釘、金物などが腐食している事が考えられる為、赤外線センサーカメラによる外壁の水漏れ調査や場合によっては外壁を撤去して調査をして対応する必要があります。

サビ汁を伴っている基礎の水跡

③基礎の高さ
建築基準法では基礎の立上りの高さ(地面から土台の下端まで)は30cmが必要とされています。又、瑕疵保険や融資の際には40cm以上が求められます。しかし既存の住宅では30cmに満たない基礎高の場合があります。
基礎高が足りないと雨水の跳ね返りや地面からの湿気により土台等の木材が濡れ易く、腐食し易くなったり、シロアリ被害を受け易くなったりします。
建築当初は基礎高が確保されていたが、砂利などを敷いたり、土が堆積した場合には再度高さを確保する必要があります。

基礎高不足(更に基礎に構造クラック有り)

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