しろしばコウちゃん
僕は白い柴犬
普通の柴犬より少し小さいから豆柴って呼ばれてるらしい
日本生まれ
産まれて3ヶ月後にお母さんと離れて飛行機に乗ってこの街にやってきた
僕はどうやら新しい人間の家族と住むらしい
僕の新しい家族
パパとママ、お姉ちゃんとたぁ坊の4人家族
たぁ坊はあだ名でほんとの名前じゃなくて、女の子なんだよ
僕が来る前、何か悲しいことがあったらしくてパパがみんなを喜ばせたくて
僕を家族の1員に迎え入れることにしたらしい
みんなと初めて会った時、みんなとっても笑ってた
僕がたぁ坊の家族をHappyにしたよ
だからたぁ坊が僕のこと、幸せを運ぶ幸(コウ)ちゃんて名前をつけてくれた
僕はこの名前がとっても気に入っている
まだ僕が小さい時
朝からすごく雨が降って雷がたくさん鳴ってた日があった
僕は怖くて震えてたんだ
そしたらたぁ坊が、雷が止むまでずっと一緒にいてくれた
震えてる僕を優しく撫でて抱っこしててくれたんだ
たぁ坊はその日学校を遅刻して行ったらしい
それから僕はたぁ坊のこととっても大好きになった
僕は家の玄関の、僕専用のお家に住んでいる
体も大きくなってきて
立派な番犬にならないといけない
扉の前に誰か来たらいっぱいいっぱい吠えて
悪い人を追い払う
と、思ったら郵便屋さんだった。
また誰か来たぞ。
わんわんわん!家には誰も入れないぞ!
と、思ったら、今度はパパだった
お帰りなさい
パパは入ってもいいよ、その代わりおやつちょうだい
僕のお気に入り
チーズのおやつが入ってるおもちゃ
ママのお膝の上で寝ること
もふもふした塊 遊んでたらいつもすぐペラペラになっちゃうけどね
干し芋 お散歩の後はママが干し芋くれるまで吠え続けるぞ!
パパとお散歩
たくさん走って近所を回る
パパとお散歩の時は帰って来るの早いねってみんながびっくりする
ママとのんびりお散歩
春の風が気持ちいいね
お姉ちゃんとお散歩
公園で立ち止まって
お姉ちゃん何か悲しいことがあったみたい
ねぇねぇ僕がいるよ 元気出して
大きくなったたぁ坊とお散歩
今日でしばらくお別れだって
もうすぐたぁ坊は遠くに行っちゃうみたい
でも帰って来たらまたお散歩に連れて行ってね
もう僕は犬年齢15歳
たぁ坊が家に居なくなってから8年が経った
人間の年齢にすると
いつの間にか家族の誰よりも年上になった
少し寝ている時間が多くなったけど
お散歩の時はまだまだ走れるよ
とっても元気な僕だったけど
ある時内臓の病気になってしまったんだ
少し食べ過ぎだったかな?
だけどパパとママが病院に連れて行ってくれて
立派なお医者さんが手術してくれたんだ
思ったよりも大変な手術だったみたい
だけど僕は元気になって
またみんなのところに帰れたんだ
久しぶりにたぁ坊も帰ってきて
また一緒にお散歩に行った
夏の綺麗な空の日だったね
ある日
もう1人家族が増えた
お姉ちゃんが子供を産んだんだ
僕より体が小さな赤ちゃんがきたよ
みんながまた笑顔になった
この子も僕のようにこの家族を幸せにしたね
だけど幸ちゃんって名前は僕のだよ
僕は白い柴犬
豆柴の幸ちゃん
僕の家族は世界一幸せなんだよ
ここまで読んで頂きありがとうございます。
私の実家にいる愛犬コウちゃんを思って、コウちゃん目線で書いてみました。
いつかこれを絵本化したいと目論んでいます。
この中のたぁ坊とは私のことです。小さい時の私のあだ名です。
昔サンリオのキャラクターでそんな名前の子いましたよね。(笑)
私は今アメリカ在住ですのでなかなかコウちゃんにも会えないんですが、昔のコウちゃんとの思い出が溢れてきて、実は涙しながら書きました。
コウちゃんが手術のため入院するって聞いた時は飛んで日本に帰りたいと思ったし、心配で心配でおいおい泣きながら無事を祈っていました。
コウちゃんは15歳で、もうお年寄り犬なのですがまだまだ長生きしてほしいです。
犬ってほんとに人間ととっても近くなれる動物で、人とペットの枠を超えて家族としていつもそこに居てくれて、惜しみない愛を注いでくれるかけがえのない存在だと思います。
私が落ち込んでいる時、心配そうにみつめてくれて「大丈夫だよ。」と言ってくれているような目に励まされたことが何度もありました。
家族を持つコウちゃんのようなワンちゃんとは裏腹に
現在日本では多くの犬や猫たちが1日に何匹も殺処分されている現状があります。
私の住むカリフォルニア州ではそのようなことを少しでも無くそうと、繁殖された販売用の犬、猫、うさぎはペットショップでは扱ってはならないという法律が2019年に可決されました。
販売できるのはアニマルシェルターなどで保護されている犬や猫だけです。
州をあげてそのような取り組みを行なったのはカリフォルニアが初めてだそうです。
今ではアニマルシェルターに保護できる犬や猫がいない、空っぽだというところもあるそうですよ。
これ以上、1匹でも多くの子達の命が無駄になることがありませんように。
飼い主となる私達1人1人の意識が大切だと感じています。
幸せな子達が増えることを、幸ちゃんも望んでいる事と思います。