検査の日にはズルをする。

昨日はお父さんの血液検査の日であった。

お父さんは最近、ちょっと動くと息が「ひゅーひゅー」言うことが多く、肺に水がたまってやしないか、胸の音を聞いてもらった。

肺には水が溜まっている様子はなかった。

ただお父さんは年明け ちょっと前、顔が真っ白になり、「心臓が痛い」と言って寝込んでしまったことがあったんだった。

ガジ先生に、心臓の値をとってくださいとお願いした。
ガジ先生も、　

「いやー、心筋梗塞じゃなきゃいいな…。石原さん、持続透析もしていたからやっぱり可能性としてはあるんですよ…」

心配そうな顔をしていた。

血液検査の結果待ちの間皮膚科に行った。
終わって ちょうど戻ってくると、血液検査の結果が出て呼ばれた。

ガジ先生が、診察室に入るなり こう言った。

「結論から言いますと！安心してください！！全く大丈夫です！！」

心臓の数値を表すBNPとトロポニンが若干 上昇していたが、おそらくここのところの 大寒波で、心臓がちょっとびっくりして反応しているのだろうということだった。

腎臓の数値は変わりなし！！
毎日毎日お父さんが頑張って、腎臓病食を食べてくれたおかげである。

「今日も笑顔で帰れます！！」

そう言って診察室を出た。

早速お父さんの悪巧みが始まった。

「なぁおい、数値が良かったってことは、今日ちょっとズル してもいいよな？？」

「いいとも さ！！何が食べたい？」

「ハンバーガーとポテト！！！」

帰り道、ファーストフードによって、ハンバーガーとフライドポテトを買い、ついでにソフトクリームも買って帰宅した。

検査日まで頑張っていて、朝の血圧が上130台を保っていたお父さんであったが、やっぱりズルをしたため、今朝は血圧の上が150台だった。

「インチキできないなぁ！でも俺はちょっと 加減がわかったぜ！！」

お父さんは笑っていた。