見出し画像

横浜マラソン2023に出る(当日編)

この記事は…

  • タエンが2023/10/29(日)に出場した横浜マラソン2023の体験記です

  • 初フルマラソンはネットタイム4:01'02"とサブ4に1分届きませんでした

  • レース終盤のレポートはほぼポエムです


■スタート前

※準備編はこちら(LINK
前日までのカーボローディングに加え、レース直前までエネルギーの蓄積に努めます。

4:30:起床

スタート3時間前(5:30)までに摂っておきたい食事をゆっくり進める
・食事:うどん、餅2個、モルテン320(半分)、コーヒー少量

7:00:横浜到着
ブロックの整列期限は8:00なので7:40まで入念に準備する
・食事:エネルギー成分を含むゼリー、モルテン320(残り)
・日本コムテックのパワーマキシマイズでふくらはぎを軽くマッサージ


僕は手荷物預けがないので直接ブロック整列に向かいます。栄本町線上、馬車道駅のほど近く。天気予報に反してシトシト雨が降っています。

7:40:ブロックに並ぶ(記録がないので最後尾ブロックの「J」でした)
みんな防寒・防雨対策がバッチリだ…スタートは8:30、どんどんと雨が強まる。身体が冷える。セレモニーが行われているのだろう、時々拍手が波となって流れてくる。スタートまでグレーの景色を眺めながら補給ジェルの順番を間違えないようにとか、序盤のペース管理はピッチと心拍をしっかりみるんだとか、そんなシミュレーションを繰り返した。

8:30:先頭ブロックスタート
大会発表のスタート時コンディション
天候:雨
気温:14.1℃
湿度:68%
風向:南
風速:3.4m/s

8:45頃:列が動きはじめてスタートラインへ
先頭ブロックスタート後、15分以上が経過してようやく列が動き始めた…寒い…いよいよだ…

■0~5km:平均ラップ:5'50"

ランドマーク~象の鼻パーク

密集していた集団がするするとほどけてスタートラインをまたいだ。

みなとみらいの風景を堪能してやる!と意気込むも集団走にそんな余裕はない。冷えた身体に熱を入れたいし、少しでも早く自分のペースを見つけたいし、気持ちは焦るけど無理のないポジションアップに徹する。もう少しペースを上げたいなあ、ストレスの展開が続く。濡れた路面は滑りやすい。路肩から追い抜くときは細心の注意を払う。5kmまでの間に降雨はやんだ。遠くの空は明るい。

  • 時計はペースだけ注視、何とか5分台で走れるゾーンを探す

■5~10km:平均ラップ:5'21"

象の鼻パーク~本牧元町入口

初めての給水所。人と交錯しながら静止せずにドリンク補給するのは難しい。しっかり鼻からもアクエリアスを飲んだ(痛くない)。さらに集団はほどけてランナーとの間隔が生まれて周囲に気を配れるようになってきた。Jクラブのユニ姿を見つけて嬉しくなる。

「9km」の距離表示を見つけてアミノサウルス(白)を補給開始。うまく補給できた。事前に補給の練習をしたこと、ジェルの味に慣れていたことが良かった。流れに身を任せているだけで10kmに到達。首都高の高架下に差し掛かり、路面もクリーンでコース幅も広く一気に走りやすくなった。

  • 少しペースが上がったのでピッチと心拍数を注視。できるだけピッチは180/分に近づけ、心拍数は150bpm以下を意識する。

■10~15km:平均ラップ:5'08"

本牧元町入口~八幡橋付近

首都高の高架下を離れて根岸駅が近づくと一気に沿道応援の声が近くなる。「セレッソ!頑張れ!」と声を掛けていただき応援が自分に向いていることを実感する。とても嬉しい。格好つけの僕は案の定テンションを上げて12kmのラップタイムが4'47"/kmでこの日の最速だった。

セレッソ大阪の鉄人・奥埜選手のリミユニで走行
  • 踏み込みたくなる気持ちをぐっと抑えてピッチは180/分の維持、心拍数は150bpm以下の意識を継続。大丈夫、しっかり管理できている。

■15~20km:平均ラップ:5'07"

八幡橋付近~南部市場駅付近

左足首の突っ張り、左足の土踏まずとインソールの干渉の2つが気になるようになるが、普段の練習でもままあること。ペース配分はうまくいっていたし、あえて気にしない。

この頃になると自分とペースの近いランナーが見つかるようになる。給水所ではぐれてまた別のランナーに付いていくを繰り返す。(そういえば大会のペーサーには一度も会わなかった…

もうそろそろ半分?同じゴールを目指すランナーがたくさんいて、たくさんの人が応援してくれて、補給もできて、ペースもよくて。もちろんこのまま終わるわけないと思うけど、フルマラソンめちゃくちゃ楽しい!「19km」の距離表示を見てアミノサウルス(黒)を補給開始。

第1折り返しでデカデカと順位速報が表示されている。男性ランナーでは全体の上位30%には含まれているようだが、スタート時間もまちまちだし、どう捉えると良いんだろう。あまり気にしないようにする。

  • ピッチは180/分の維持、心拍数は150bpm以下の意識を継続。まだまだランは自分の管理下。20km到達は手元の時計で1:47'20"とサブ3:45'00"に対しては若干怪しい。どうせ首都高でタレるので深追いしない。サブ4狙いに切り替えよう。

■20~25km:平均ラップ:5'17"

南部市場駅付近~首都高:新杉田エリア

雰囲気が変わり始める。
COROSのオート計測とコース上の距離表示のズレが気になり始める。実は20kmの到達を21kmだと勘違いしていた。感覚も狂い始めている。残り距離を思って少しだけ不安になった。

第9給水所で覚悟を決めて目の前にそびえる首都高杉田入口を駆け上がる。LSDで藤沢の片瀬山や鎌倉の鎌倉山の急こう配を積極的に走ったことがある。それに比べれば大丈夫。

首都高に進入すると2回コースを折り返す。隣のレーンは2回の折り返しを終えたランナーがゴール方面に向かっており、彼らに対して向けられた距離表示は「25km」だった。距離の進捗は手元の時計には表示せずにコース上の距離表示で測ることにしたのだが、この頃から見落としなのかキロごとの距離表示を見つけられないことがあって、むむ?じゃあ自分は今何kmを走ってるんだ?この先の折り返しはどこだ?と少し精神がざわつき始める。最後に確実に確認した21km表示と25km表示の間のたった4kmが途方もなく長く感じた。

  • 不安はすぐにパフォーマンスに現れる。ピッチが3~4%、ペースが10秒近く落ちて、心拍数は150bpmの中盤を打つようになってきた。ちょっとづつ自分のランを見失う感覚に襲われる。

■25~30km:平均ラップ:5'36"

首都高:新杉田エリア~首都高:磯子区エリア

すっかり晴れて日差しがきつくて向かい風が強い。常に左右の脚のどちらかに重心が偏る。車の運転では気付くことのない細かなアップダウンに体力を奪われる。これが首都高の難しさ。側道では倒れ込む人、脚を伸ばす人が目立ってきた。急いで塩ジェルを補給、給水所でドリンク2杯を飲み干す。

沿道応援のない首都高ではボランティアの皆さんの声援が頼みの綱だった。本当にありがとうございます。このレースで初めてセレッソサポを発見、お互いに健闘を祈り合う。マリノス君に見つかって「あ!」と指をさされたが最後は手を振って送り出してくれた(その交流によって道路の反対側にいたマーメイズに気づかなかった…)。

  • ピッチや心拍数は横ばい、明らかにペースダウンを感じる。

■30~35km:平均ラップ:5'43"

首都高:磯子区エリア~首都高:本牧JCT

30km以上は練習でも未踏。何があってもおかしくない。斜めから吹き込む横風でちっとも前に進まない。モルテン100 CAF100を補給、モグモグと噛み応えがあって気分転換になった。念のために塩タブレットも食べておく

ペースが近しくて力強く進む女性ランナーをしばらくペーサーにさせていただく。給水所で急いでドリンクを飲み干し、その女性ランナーを探して必死についていく。首都高の見通しが良すぎて遥か先をいくランナーが小さく映る。心が折れそうになって自然と視線は下を向く。

個人的に首都高の最大の難関は最後の本牧ジャンクションに向けた上り勾配だった。まるで壁。心拍数がどんどん上がって呼吸が苦しい。でもペースを落としたら上り切れない。やっとの思いで上りをクリアしたが、ペーサーの女性ランナーには随分と離されてしまい、やがて見失った。

  • 心拍数は160bpmを超えた。ピッチは170/分まで落ち、ペースはサブ4平均(5'41")より遅い。仕方ない。あれは壁だったもの。

■35~40km:平均ラップ:6'53"

首都高:本牧JCT~神奈川県庁

やっと首都高が終わる。安心したのもつかの間。本牧ジャンクションから一般道に移る下り勾配がスイッチだったかのように両脚の太もも(内側広筋のあたり)がビン!と攣ってしまった

攣ったことないぞ、こんなところ…
前に出す脚に対して強い抵抗感があり、びっくりして思わず歩いてしまった。これが良くなかった。脚が伸びると抵抗感が増してしまう。ランもウォークもままならず絶望しながら最寄りの給水所にたどり着く。最後のジェル、アミノサウルス(黒)を補給する。

倒れ込むわけにいかない。その後もストレッチを挟み、ストップアンドゴーを繰り返す。ここからの沿道応援が本当に身に染みる。新山下ではJサポランナー応援団の皆様がセレッソのチャントを歌って励ましてくれた。

つらくて歩こうかと思っていた矢先、後ろからきたマリノスサポのおじさんに「おい、セレッソ、とまるな、がんばれ」と励まされて何とか歩みを進めた。ホテルニューグランド前は黄色に染まりかけたイチョウが午後の陽に反射して最高に幻想的だった。(このときのタエンの心は近年にないくらい浄化されてキレイなのであった

  • 歩いたこともあってタイムは完全につぶれたが暴れまくった心拍を何とか140bpm台まで落ち着けられた。頭も冷静さを欠きサブ4に間に合うかどうかの単純計算ができず、とにかく完走に思いを切り替えた。

■40~42.195km:平均ラップ:5'47"

神奈川県庁~パシフィコ横浜

太ももをかばうあまり、序盤に違和感のあった左足首も攣りだす。ちゃんと左脚は接地できているのかしら?「どうにでもなれ!」とはならず、ちゃんと止まって脚を労わる。脚がどうにかなったら困るもの

赤レンガ~横浜ハンマーヘッドと観光名所を巡るがとにかく早くゴールしたい、景色を楽しむ余裕はない。ガンバサポのお兄さんが声を掛けてくれて「ここはノーサイドでいきましょう」なんて会話をしながら一緒に走る。沿道から「大阪ダービーだ!」と声も飛んできて楽しくなる。最後の勾配である女神橋にありったけの恨みつらみをぶつけながらパシフィコ横浜を回り込むと見えてきたのはFINISHゲート…時計はグロスで4:23'05、ネットでは4:01'02"だった

仲良くゴール、やったぜ

初マラソンでサブ4には1分足りなかったけれど、数秒をケチったことで怪我をしたかもしれないし、無かった出会いもあるかもしれない。まずは完走という結果を大切にしようと思いました。フルマラソン最高でした。

FINISHERのリボンが付いてて本当に良かった

■身体へのダメージ

さすがフルマラソン、無事で済むはずがなく…レース後の痛みランキング!

 第1位:左足の土踏まずのマメつぶれ
 第2位:全身の筋肉痛
 第3位:首回りのユニの擦り傷

第1位、インソールが干渉していた左足の土踏まずにはレース中にマメができて潰れてしまっていた。翌日シトシトと疼痛が続く…辛すぎる…。レース前にシューズ+インソールを新調したことが原因。それでも凡そ100kmは慣らし走行したのだけど。レース前のシューズ変更はそれなりにリスキー。

第2位、攣った両足の内側広筋を中心に太もも(大腿四頭筋)を襲う筋肉痛。生活に支障ありまくり。腕も振り続けるので肩回りも筋肉痛…こればかりは仕方ない。

第3位、乳首や脇の擦れ対策はしたのにユニホームの首回りが肌(デコルテ周辺)擦り傷になると思わず…シャワーがジンジンと痛い…次からは首回りにもワセリンを塗っておくべし。

あと痛みは伴わないものの興奮状態が続くせいなのか身体の熱っぽさが抜けず、なかなか寝られないのも困った。

■振り返り

KEEP

  • とにかくフルマラソンは楽しめた、次もレースに出てみたい

    • 心身ともにキツかったけれど非日常を味わえた。

  • 恐れていたハンガーノックとは無縁、補給は大当たりだった

    • 前日までのカーボローディングを含めて調整はうまくいった

    • やりすぎか?と思いつつ給水所はもれなく寄ったことも良かった

  • ペース配分は悪くなかった

    • レース終盤を除くとほぼ狙いとおりに出力できたと思う。ただ白地はなかったので改めてサブ3.5やそれ以上はとてつもないなと思った

Problem

  • スタートまで身体を冷やしてしまった

    • 防寒・防雨に対する意識は薄かった

  • 攣りに対するリスク管理があまく対策も遅かった

    • 「攣らない」と思ってた。認識が甘かった

  • 首都高に対して無策だった

    • 杉田入口の上り勾配さえクリアできれば何とかなると思ってた

  • 持久力が足りてない

    • 20km以降のペースダウンは明らかに個人(鍛え方)の問題だと思った

Try

  • 天気予報がどうあれ秋以降のレースは防寒・防雨対策を考えておく

    • 結果的に天気は回復したが、これがもっと真冬のレースで雨が止まなかったら…と考えるとおそろしい

  • 脚は攣るものとして補給作戦(タイミング・成分)を見直してみる

    • きっと「攣らない」はあり得ないと思った。攣ったときにどうすべきか?と軽減するためにできることはないか?を考えておく

  • 細かいアップダウンを含めて事前にコースは研究しておく

    • GoProで撮影した動画を公開してくださっているランナーもたくさんいるので、しっかりとコースの特徴や勝負どころを学ばせていただく

  • ロング走を増やす

    • できたら30km級にトライする、間に調整レースを入れる等。どうしても個人トレーニングでは甘さも出る。

タエン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?