2024/2/21

俗にまみれたい。

めずらしくそう思ってふだんは絶対にイートインしない近所のチェーン店に自分の身をぶちこむ。

そこは席間なんてあったもんじゃなくつめつめの店内。隣の人の会話は、すぐにでも自分も参加できそうなくらい丸聞こえ。斜め前の席からは、おたけびのような会社の愚痴がはっきりと聞こえてくる。目の前のソファ席にはカップルが、肩を並べて寄り添う…なんてもんじゃなく全体重を互いに預け合った形相で座って?ねそべっている。一人はテーブルにあごをつけて気怠そうにスマホ画面を眺めもう一人は、それはもうたれパンダのようにだる〜んと相手に寄りかかっている。カオス。いい、いい。わかってた。

いつも横目に見ては通り過ぎていたショーケースの中のスイーツ、今日は好きなのを頼みあたたかいラテをたのむ。それだけでなんだかゆるしをもらえたようにホッとする。世の中の一員になれた気分?

主に聞こえてくるのは職場への不安、不審、不平、不満。ふ、ふ、ふ。負がうずまく店内で。私はなににまぎれ、なにを吸収し、なにを克服したくなったのか。考えることを中断し、バスクチーズをほおばる。

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