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上の階のダメおやじ

ウチの上の階には50代のダメおやじが住んでいる。このダメおやじはおそらく大家の息子なんだけど、最初は『大家さんの知り合い』などと言っていて、まぁ私には誰でも関係はないのだけど、とにかく迷惑なおやじなのである。

水漏れ、音漏れ、基本的に引きこもりで毎日一人で大暴れしている。

網戸もメチャクチャに破れ、窓ガラスも亀裂がいっぱい入っていて恐ろしい館になってしまっている。堪忍袋の尾は何度も切れていて、私は半年に6回も管理会社に苦情を入れている。良くなるのは苦情の直後だけですぐ同じことを繰り返すし、友達も彼女もいない様子。

ウチの下の飲食店の店主も困惑していて、私が越してきてから静かになっていると驚いていた。3階から1階へ貫通するレベルの足音なのだ。

建物は3階建てで、ワンフロアに1軒しか入っていないため、隣家がなくその辺はとても快適。だけど、この建物界のトップに君臨しているダメおやじが癌なのだ。コイツは上ではなく、むしろ地下に住むべき人物。

これでは苦情を入れた時に顔が知れているため危険と恐怖が隣合わせではないか。

ジジイへの苦情は我慢の限界を感じて入れているのだが、その時に『大家だろ💢』と問い詰めたところ『大家ではなくオーナーだ』と管理会社づてに返事が返ってきた。

どんだけ偉そうでカッコつけてんだろう、と思った。

こちとら迷惑さえかけてくれなければ、1階も2階もとても仲が良く、良い気が巡っているというのに、よりによって大家のご子息が固定で住んでいてクソという。

私は苦情を入れるにあたり、攻撃される可能性も視野に入れている。

もし、攻撃されそうになったら最悪でも相打ち、窮鼠猫を噛むの如くゴキジェットを武器にジジイを成敗する勢いなのだ🔥

もうすでに限界なのだけど、先日は上の階から水漏れについて言及したところ『様子見で』という偉そうな返答があった。水漏れ以外にも老朽化で詰まっているところがあって業者を入れたところ『物は詰まっていなかった』と言って、発見したこちらの落ち度を無理矢理探して指摘する始末。

ことごとく偉そうな態度のおやじの下の階で、日々屈辱的な思いをしているわけなんだけど、ある一点でコイツがとても不憫なため私は許すことができているのだ。

それは私の彼氏の存在である。

定期的に遊びに来てイチャイチャして帰っていく。その時、ダメおやじはいつも気配を察して静かになる。基本、人が来ると静かになるのだ。

おやじは対人恐怖症なのか、面と向かうことを嫌う。管理会社経由では偉そうなのだが、気配やすれ違いそうになった時もダッシュで逃げていく。50代のおやじがだよ🤔

自閉症か何らかの精神病なのか?とも思ったが、そんなことはどうでもいい。とにかく『偉そうで迷惑なモテない50代ダメおやじ』なのは間違いない。

大暴れして大迷惑をかけたくもなるのだろう、彼女も友達もいなければ🍂そう思うと泣けてきた。オンリーワンで繰り広げられる世界に。

時々、ジジイが実家へ帰ろうと上から舞い降りて来る時にドアの覗き窓から姿を確認してみる。すると、何とも哀愁が漂っているではないか。

本当にモテなそうだし、頭が薄く太っている。50代で男性ホルモンも低下しているであろうことから、一人で大暴れしたくもなるのだろう。

そう思うと『天使にラブソングを』ではないけど『あなたを許します✨👼』という気持ちになる。もちろん改善する気がない限り仲良くする気はないし、ゴキジェットで反撃する気は満々だけど。

今も全開で水を流し止める、という動作を繰り返し、ドスンバタンと一人で大暴れしている。きっと下水から出て来る何かと戦っているに違いない。

ジジイ、ダメおやじ、うんこ他にも脳内でさまざまなあだ名がついているクソダメおやじだが、冴えないビジュアルと偉そうな態度、下り続ける男性ホルモンを鑑みて『ダメおやじ』と常に呼ばせていただいております。

なお、隣人トラブルなどで犯人になるのは迷惑被っている私の立場の人に多く、迷惑をかける側は攻撃される側、刺されたりする被害者となることが多いらしい。

まぁ、そうだろうな。頭上から凄まじい騒音とヒステリックな足音を四六時中聞かされていたら刺したくもなる。でも、それで自分の一生が終わるのも悔しいではないか。

ここは一つ落ち着いて、ジジイの姿を観察し、モテないダメおやじなら無理もなかろうと上から目線でいようじゃありませんか。

ちなみにおっさんが早めにこの世からいなくなってくれたらそれに越したことはない。けれど、現実ではおっさんは土地持ちのパパンとママンの庇護の元、何ら不自由なく過ごしているので推定600年は全自動で生きられるのだろうと思われる。

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