大阪場所

今場所の大注目は、
貴景勝の大関取りであった。

豊ノ島 16場所ぶりの幕内復帰。
元大関 照ノ富士 5場所ぶりの序二段からの復活。
大関 栃ノ心 角番の踏ん張り。
強面 松鳳山 締め込みの色がいつもと違う。
などなど、それ以外にも、
私の瞬きを忘れさせた場面揃いだった。

中でも、
大いに私を大騒ぎさせてくれたのは、
225kgの逸ノ城。

栃ノ心に土をつけられたものの、
必勝法を見つけたかの如く、
立会いぶつかった直後に叩き込むという作戦で、
連日白星を挙げていった。

こうも同じ方法ばかりをデジャヴのように見せつけられると、
ちょっと上手くいくと何度も何度もやりたがる、
小学生のようにも見えてくるのだが、
ツワモノ揃いの幕内で、
これが通用したということは、
やはり圧倒的な重量だからこその技なのだろうか。

逸ノ城には千秋楽に、
是非とも白鵬とぶつかって欲しかったなというのは、
母と私の贔屓だから思うこと。

土俵上の白鵬を見ながら、
支度部屋で体を温めていた逸ノ城の姿は、
ここまできたかと胸にグッときた。

力士にはそれぞれの立場があり、
上位になればなるほど、
それは重く常にのしかかってくるもの。

今回は「大関」に、
それらが纏わり付いてきた。

結果的に、
それぞれの「立場」を制した一番により、
貴景勝は大関昇進、
そして栃ノ心は大関陥落。

栃ノ心の心情は察するに余りあるが、
春日野部屋には、
栃東という大関に返り咲いた素晴らしいお手本がいる。
きっと大丈夫だと信じている。

平成最後の場所は、
横綱 白鵬の、全勝優勝という、
圧巻の強さを見せつけられ幕を閉じた。

私が知る限り、
この人ほどインタビューの度に、
天皇陛下への想いを語った力士はいなかったと思う。

数々の怪我・批判に、
自らの自らの努力による結果で打ち勝ってきた白鵬は、
平成最後の賜盃を賜るにふさわしい力士。

見事な大阪場所であったと思う。


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