見出し画像

20代。ちょっとのめりこんだ不倫の話 その3

その1はこちら↓

その2はこちら↓

27歳の時、私は不倫の恋をしました。
相手は3歳上、同じく既婚者のカズキくん…

二人きりで会うようになってからも、お互い「家族ぐるみ」の付き合いは続いていました。

短い夏を惜しむように、海に行き、バーベキューをしてお酒を飲んで…
楽しい日々を過ごしていたのです。

そして、そんなある日。

「明日、まるまる1日休み取れるから。出かけよっか」

と、カズキくんからメールが届きました。

私はその日は仕事の予定でしたが、急きょ休みを取りました。
なんたって、自由出勤のソープ嬢。
不倫のために、仕事を休んだのです。

翌日の朝。
パチンコ店の駐車場で落ち合い、私はカズキくんの車に乗りました。
カズキくんは、地元から遠く離れたホテル街へと車を走らせました。

「今日は一日中、抱き合っていたい」

そんなキザなセリフを吐いて、カズキくんはラブホテルの駐車場に車を停めました。

カズキくんの言葉は嘘ではなく、昼前から夕方まで、ずっとヤりっぱなしでした。
幸せ、でした。

スリル、背徳感…
もちろん、それもありました。
しかし、狂おしく求められ…
応じて乱れる。

そんな経験は、それまでありませんでした。
女として、初めての経験だったと思います。

3度か4度はヤったでしょうか。

背後から私を抱きしめたカズキくんは、背中に指を這わせました。

カ・ズ・キ

背中から伝わる感触で、そう書かれているのがわかりました。
そんなカズキくんに、私は愛おしさを覚えました。

しかし、この日を境にして…
カズキ君の態度が変わりました。

どこかよそよそしい。
メールの返事も、あまり来なくなったのです。

どうやら、リカさんにバレそうになっているんだとか…

カズキくんは、リカさんと夫婦仲が悪かったわけではありません。
どちらかというと、夫婦円満だったと思います。

離れている時(私と二人きりで会っている時)も、たえずリカさんからはメールが届いていました。
そしてカズキくんも、マメに返信していたのです。

しかし、ホテルで1日を過ごした日…
カズキくんは、リカさんからのメールを無視していました。

おそらく、それが「疑惑」になったんだろう、と私は思いました。

そのことがあって、私は急速に気持ちが冷えていくのを感じました。

「いったい何をやってたんだろう」

すべてが、虚しくなりました。

その後、カズキくんからは言い訳のようなメールが届きました。
私は、すべて無視しました。

夏が終わり、家族ぐるみの付き合いも次第に減っていきました。

秋の風が気持ち良くなってきた頃…
タクヤくんから、カズキくんの話を聞いたのです。

「あいつ、借金で大変みたいやで。家も売ったらしい」

タクヤくんも、カズキくんに多少お金を貸していたらしく、憤慨していました。

しかし、もうその頃には…
カズキくんの話を聞いても、まったく心は動きませんでした。

あれから彼はどうしているのか…
もう18年も前の話です。

サポートしていただけると、飛び上がって喜びます。 明日への活力、記事アップへの励みになります。 私にとってのリポビタンDです! (そこはレッドブルとかモンエナと違うんかい!)