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骨董はもっと自由でいい

こんにちは。

空気がだいぶ軽やかになって幾分か過ごしやすくなりました。季節の変わり目、いかがお過ごしでしょうか。

さて、しばらくnoteの更新をお休みしているあいだ、骨董の定義やたどることについて、ちょっと考えていました。

そもそも、骨董とは?

たどるで扱う骨董品は、布切れから器、おもちゃまでさまざまです。

しかし骨董というと、なんでも鑑定団に出てくるような壺や掛け軸や刀なんかを思いうかべる方が多いとのではないかと思います。たどるで扱うものたちとは、なんだかずいぶん違いますよね…。

こういうときは辞書という言葉の大樹に頼るのがいちばん。こ…こ、こっと…、ありました。

【骨董】

1.希少価値や美術的な価値などのある古美術品や古道具類

2.古いだけで価値がなく役にたたなくなったもの
日本国語大辞典より

ふむふむ。価値があるものともないものとも書かれています。いやはやこれはこまりものです。世の中の古いものはなんでも骨董ということではないですか。

とどのつまり、はっきりとは定義できていないようです。となれば、価値があるかないかなんて、書く必要がないのかもしれません。

そもそも、価値とは?

ええと、その前に、価値ってなんでしたっけ。なんだか哲学寄りなことになってきました。

か……かた、かち。

【価値】

1 その事物がどのくらい役に立つかの度合い。値打ち。「読む—のある本」「—のある一勝」

2 経済学で、商品が持つ交換価値の本質とされるもの。→価値学説

3 哲学で、あらゆる個人・社会を通じて常に承認されるべき絶対性をもった性質。真・善・美など
大辞林より

…?

「役に立つ」
「本質」
「真・善・美」

これまたなかなかむずかしそうです。

どれも定量的でなく、人によって感じ方が異なるものばかり。ひとすじ縄ではいきそうにありません。

骨董を再定義してみる

では価値という言葉を使わずして、どのように骨董を定義したらよいのでしょう。そのためには、まず、誰もがうなずける普遍的な性質を列挙してみます。

・アナログな世界の物体である
・複製不可能である
・経年劣化がある
・過去の持ち主がいる
 (=作り手から直で受け取ったものでない)

アナログな世界の物体であることとその下の2つは近しい性質ですね。対となるデジタル、たとえば点群データで作られた3Dの物体は複製が可能ですし経年変化もありません。

過去の持ち主がいるという性質は、アナログでもデジタルでも同じかと思います。また、持ち主がどういう思いで使っていたとか、そういった記録を物体自体が持っていることはアナログでもデジタルでも確かなことです。その違いは文字として残るか残らないか。

これらの性質から、骨董とは「言語を伴わない心や時間の記録媒体」ということで、ひとついかがでしょう。

骨董、愉しもうではありませんか

このように考えてみると、骨董は、実はとても自由なものなのかもしれません。ご老人の渋い娯楽、という域からひょっと抜け出せました。

たどるは、そんな骨董の自由さを愉しむこと、愉しんでもらうことを目的としたいと思います。

このあたりについては、また別の機会に、あらためてお話しすることにいたしましょう。

それでは。

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