漫才 ｢銀行強盗｣

A「やまいだれ(任意のコンビ名)です。よろしくお願いしまーす！」

B「よろしくお願いします。」

A「お客さんに全然関係ない話で申し訳ないんやけどさ」

B「お客さんはいなければならない大切な存在とはいえ複数人居るから替りは効くし、替りの効かないあなたの方が大切だからそんなことは気にしなくていいよ」

A「明日のライブ、あなた一人で出てくれないかな？」

B「なんで？ライブより優先されるべき用事できた？しかし急やね」

A「銀行強盗」

B「......ほう」

A「銀行強盗を、します、明日(あす)、確実に。」

B「なるほどね、ライブに出てる場合じゃないことは分かったんやけど客前で言わんほうがいいよ。法に触れているからね、法ってのはちょっと当たっちゃっただけで騒ぎ立てるから。満員電車のjkと一緒よ」

A「おい！！！！本当に痴漢被害に遭い苦しんでいる人が聞いたらどう思うんだよ！！！触られたり盗撮されたりじろじろ見られたりしたら騒ぎ立てていいんだよ！！！！！」

B「え？この人明日、銀行強盗する人？？？」

A「ま、とにかくね、明日はつしんきんで強盗する予定入ってるんですみませんけどライブ出れないわけですね」

B「津信用金庫に？三重県の県庁所在地の津に？あの一番短い名前の市であることをアピールしたいばっかりに『tsu』じゃなくて『z』で表記している津に？」

A「あの一番短い名前の市であることをアピールしたいばっかりに『tsu』じゃなくて『z』で表記している津の信用金庫、つしんきんに入ります。」

B「あと、銀行強盗したら明日だけじゃなくて今後もずっとライブ出れんくない！？」

A「なんで？俺、銀行強盗そんな何日もかけてやらないけど、二三十分くらいでさらっと終わらす予定よ？」

B「いや、2days銀行強盗の心配してんじゃなくてお前が捕まることを危惧してんだわ」

A「捕まる？何に？」

B「警察だけど！？！？」

A「ああ、それは大丈夫。俺、芸人と兼業で警察やってるから」

B「初耳すぎて耳が驚いているよ。なに？お前そんな珍しい二足の草鞋履いてたの？もっとアピールしろよ、これは普通に武器となるよ。あと警察だからって銀行強盗はいったら普通に捕まるよ！？！？」

A「なんでなんでなんでなんで！？」

B「え？逆になんでなんで？？なんで知らない？？」

A「だってけいどろのとき警察だったら警察から追いかけられなかったよ？」

B「こいつ、警察に関してけいどろの知識だけで今まで生きてきたんか......もはや愛おしいな。保護したい、しかるべき施設で……。あと信用金庫！？なんていうか全然銀行強盗に詳しくないんやけどああいうのって信用金庫狙うもんなん？！あと差し出がましいかもしれんけど銀行強盗の練習とか付きあおか？ほらなんかせっかく今漫才中やし。漫才って妙に練習するよな、コンビニバイトとか絶対練習せんでええやろ！！なんのための研修やねん！！研修期間やっすい時給で働いとんのになんでせっかくの漫才中まで自主練しとんねん！！！」

A「いや、大丈夫」

B「え？」

A「だから、大丈夫やって。銀行強盗の練習せんでも。コントインしたがりすぎてない？」

B「ごめん。確かにあなたの言う通りコントインしたがりすぎてたわ、あなたの犯罪をだしにして」

A「今後は俺の犯罪行為をだしにしてコントインしようとせんといてな」

B「気を付けるわ。再発防止に努めたところでやめさせてもらいましょうかね」

A「そうやね、やめさせてもらおう」

(退出)