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【詩】真夜中に粉雪が舞う

真夜中に粉雪が舞う
街が粉雪で埋まる
全てが時間の結晶で
この星の記憶が
細かく小さなかけらとなって
真夜中に舞い降りる

真夜中に粉雪が舞う
窓の外は
街灯に照らされて
音はなく
夜さえも遮断して
部屋の中でじっとしている

真夜中に粉雪が舞う
静かな粉雪は
動かなくなった情報の夜のようで
ひとりで飛んでいると
粉雪が消えて無くなる

真夜中に粉雪が舞う
粉雪の中でひとりになって
暗闇を見上げれば
何も言わずに舞い降りるかけらは
記憶の中に蓄積しては
消えていった

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