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【詩】深夜海面プラットフォーム

晴れた夜の満月の日は
深夜の海面にプラットフォームが現れて
満月が水平線に近づくと
月光のレールが海面に出来上がる
ぽつりと浮かぶ無人駅には
どうやっていくのかわからず
眺めていると
少年が立っていた
SLが無音でプラットフォームに滑り込む

少年を客車にのせて
煙突から煙は出さずに
月光のレールを走り出す

SLと客車は少しずつに月色と同化して
満月といっしょになった

気が付くと無人駅は消えていた

ふとジョバンニが思い浮かんだ
ひとりになったジョバンニ

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