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【詩】残雪の旅

片隅で少しずつ小さくなる残雪は
冬の背中のようで
強くなりつつある日差しは
地中へと押し込んでいく
春の泥となって沈み込み
次の冬へ旅にでる

星全体に広がる
水のネットワークの上
雨の循環を繰り返し
空に昇り
地に落ちて
季節を巡り
冬となって舞い降りるときまで
雨の循環を繰り返す

誰も知らない深夜
地上へ静かに降り立つとき
旅の記録を持って
誰かの夢の中で現れては
記録の世界へいざなって
再生される物語

すぐにとけてなくなる
冬の物語は
太陽とともに消えていき
深夜にまた
別の誰かの夢で再生されて
登場人物は増えていく

物語を終えるまで
主人公を捜している
残雪の旅

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