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地獄すら食い物にする鬼畜外道


📘海神 (光文社文庫 そ 4-2) 📘る


海神(ワダツミ)と読むそう

そんな海の神様の脅威を感じさせるような
3.11東日本大震災の話

著者は映画化の決まった「正体」で有名な染井為人さん。

著者自身は被災していないものの、
震災後しばらくは色々な事に無気力になってしまったそう。
それだけ日本人にとって、
あの地震は衝撃的な出来事だったわけで、、、

被災者にとって、
震災直後はもちろんのこと、
震災後も辛い日々は続く、
そして今現在も心や体に傷を負っている方が大勢います。

本書では、
そんな被災者達を食い物にしようと、
窃盗•詐欺•横領など鬼畜の所業を平気で行う極悪人が登場します。

被災直後でパニックになっている人達からすれば騙そうとすり寄る悪魔も神様に見える、
藁にも縋る思いで助けを求め、
悪魔達が少しくらいおかしな行動をとっても「この人達がそんな事するはずがない」と自らを諌めてしまう。

そして、
気づいた時には見ぐるみを剥がされ、
世間からは「騙された人達•何故気付かなかった?」と被害者にも関わらず糾弾されてしまうという地獄。
「騙される方も悪い」は遠巻きに見ている人達だから言える言葉。
騙す方が悪いに決まっている。

実際、
この様な事件は東日本大震災でもあったそうで、
著者自身も書いていて気分が悪くなり、
本作品を書く手を止めてしばらく放置してしまっていたそう。


津波で両親を流されても懸命に島の人々を守ろうとする記者

自分探しの為にと軽い気持ちでボランティアに参加した結果、壮絶な被災地を目の当たりにし苦しみながらも変わろうとする女子大生。

津波で息子を失い心を壊してしまった母親

それらを食い物にする為にすり寄る自称、
災害支援専門家の詐欺師。

その詐欺師と過去に関わってしまったが為に人生を狂わされた青年

震災を通してそれぞれの想いが行き着く先は?


📓 https://note.com/tadasukematu
※過去の読書記録はnoteに👆

#染井為人 #光文社 #本との出会いに感謝  


地震大国である日本、
2024年に起こった能登半島地震は記憶に新しく、
8月に出た南海トラフの警報で令和の米騒動や水が不足する事態にも陥りました。

自分や大切な人を守るための準備を怠らないのは当たり前として、
火事場泥棒から身を守る覚悟も必要なのかなと考えさせられる1冊でした🤔


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