だから理系男子は嫌われる。

 一日の疲れを癒すのはやっぱりお風呂につきる。フル稼働させた脳もリラックスできる。さらに、風呂上がりの一杯は至福の一時。
 今日もお風呂に入った後に冷蔵庫に入っている冷たいいつもの物を取り出そうと冷蔵庫の扉を開けると、目の前に現れたのは、「サーモスのステンレスポット」。なぜ入っている?わからない。突如目の前に現れた非論理的な事象。ここに科学的な見解を導かないと気が済まない理系男子の自分がいる。

 一方で、「絶対嫌われる」からやめておけ!と冷静にアドバイスをくれる、もう一人の自分がいる。結局、わかっていてもやっぱりやめられない。

伝熱の三形態と設計思想

 もう止まらない。既にすっきりした僕の頭の中で、いろいろな伝熱理論が始まってしまう。まず伝熱の三形態だろ。伝熱、対流、輻射。「サーモス」は二重構造の容器となっていてその中は高真空状態。つまり、熱を伝える物質(粒子)がほとんどいない。内側はピカピカに光っていて、熱反射できるようになっている。輻射はほとんどしない。もちろん対流もしない。

伝導(conduction)
物体内の粒子の接触による運動量の交換によって熱が伝えられる現象が熱伝導である。
対流(convection)
流体粒子の運動によって固体表面と流体との間で熱が伝えられる現象が対流伝熱である。
輻射(radiation)
すべての物体は温度に応じて電磁波によるエネルギーを放射または吸収している. そのエネルギーによる熱交換現象が熱放射,または熱輻射である。

 つまり、「サーモス」は、容器中から外への伝熱を極力抑える設計思想。だから、僕たちは「魔法びん」を使う事で、容器中の飲み物を温かい状態で長時間保持もできるし、冷たい状態でも長時間保持もできている。その逆が生じると欠品だろう。

 でも、永久に容器の中身を温かい状態のままとか、冷たい状態のままとか保つ事はできない。それは容器口元部分から熱が移動しやすいからである。この熱の移動を止めるために、冷蔵庫に入れていると言われるとなるほどと思う。

さて、どうアウトプットする?

 さて、このサーモスポットを冷蔵庫に入れたのは、間違いなく妻だ。どういう思考でこのような行動に出たのかが知りたい。ただ、言い方を間違えると確実に嫌われる。伝熱を考える以上に、脳みそをフル回転させる必要がある。まずはどの道を選ぶかだ。選択肢は3つだと思っている
・つっこまない
・答えまで誘導していく
・論破する

 僕の経験上ベストアンサーは「つっこまない」だ。なぜなら、「嫌われない」からだ。でも、この「つっこまない」を選択しようとしても、気がついたら他の答えになっている事が多々ある。次のベターアンサーは、「科学的な答えまで誘導していく」だと思っている。ただし、端的に答えまで持っていけないと話が長いとか、わからないとか、結局、理系男子は話が長くてよくわからないと「嫌われる」。最後の論破は、もちろん、「嫌われます」

つまり、「めっちゃ噛み砕いてわかりやすく端的に説明できないなら、黙っとけ!」が結論なんだろうな。これができないから、「理系男子は嫌われる」となってしまうんだろうな。理系男子こそ、プレゼンテーションスキルが重要なんでしょうね。

ちなみに、僕がやった方法

代弁者として、サーモスQ&Aの以下の記事を読んであげました。

2017−11−24 くまねこさん
水筒をよく使用しています。
職場で冷蔵庫に水筒を入れている人がいたのですか、保冷機能に効果があるのでしょうか?
室温くらいならあまり差がないような気がするのですが。
関連して、温かいものを入れているときはカバーなどをすると保温時間に効果があるのでしょうか?

2017−11−28
いつも水筒をご愛用いただき、ありがとうございます!
真空断熱構造の魔法びんを冷蔵庫に入れても、くまねこさんのおっしゃっている通り、保冷機能に影響はあまりないですね。
カバーをすると温かいものが長持ちするかというご質問ですが、本体部分(真空断熱構造の部分)にはカバーをしても効果はありません。
ただ、熱は水筒の口元部分から逃げやすいので、口元をカバーすると若干ですが効果はあります。
サーモスのスープジャーには、専用のポーチがありますが、ポーチのフタ部分に断熱材が入っていますので、ポーチとセットで使用すると保温力が3度ほど高くなるというデータもありますよ。(スープジャーの容量によっても変わりますので一概には言えませんが)
蛇足ですが、中身の入った水筒を冷凍庫に入れるのだけは、絶対にしないでくださいね。
長時間入れておくと、中の飲料が凍るときに膨張して、水筒が破損します。

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