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20230216

最近読んだ本。田中靖浩の『ただの人にならない「定年の壁」のこわしかた』。面白かった。フリーランスという選択肢をもっておくということが、現在の自由につながる、というのは説得力がある。例えば六十歳以降にどんな生活をしたいと思っているのか、そのためには具体的にいくら必要なのか、ということの算段をしておくことで、抱く必要のない不安から解放される、ということはある。昨年の早稲田大学創造理工学部建築学科の小論文の問題が、30年後の理想の社会を描きなさい、というものだった。個人の人生においてもこういった着眼点は大切。30年後の自分の生活のイメージをもっておくというのも、確かに重要だろう。

いま、内田樹とウスビ・サコの『君たちのための自由論』を読んでいる。このなかでウスビ・サコ氏が「問いを立てる」ことの重要性を説いている。「そもそもこれってどういうこと?」という視点は確かに大切。そもそも私はなぜこんなにも漠然とした不安を抱いているのか?とか。そもそも私が人生において大切にしたいものって何だったんだろう?とか。

マイルズ・デイビスの「Kind of Blue」とグレン・グールドのゴールドベルグ変奏曲が好きで、自分の人生をこの二つのアルバムに流れるような美に結晶化させたい、と思っていたことがあった。二十代くらいの時に。いまはその頃とはまた違った感覚でいるけれど、自分がどのような世界観に美を感じるのか、美を人生の中でどう位置付けるのか、ということは考え続けたほうが良い。

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