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広島フロントエンド勉強会 〜デザイン部〜 Vol.13 『DTPお悩み相談会』

白熱したXDUG広島の30分後に開催されたのは、私が大変お世話になっている勉強会。転職し手間もない頃は、実務に必要な知識を得るのにすがりつくワラがようやく見つかった……と涙目で参加した勉強会です。
今回はついにヒロフロデザイン部もオンラインでの開催となったわけですが、そのおかげで遠方の参加者もいらして、知識の幅がより広がった様に感じました。

DTPお悩み相談会開催の裏側

さて、なぜ今回Webデザイナーが集まるヒロフロデザイン部で印刷系の勉強会が開かれることになったかというと…結論から申しますと私のわがままだったのですが……Web制作をしているけれど、たまにDTPの仕事が入るんですよね。
そんな時に、基礎がわかっていないけど大丈夫なんだろうか?っていう不安とともに制作をしてきたわけなんです。それをちょっとでも解消できたらと思い、お願いした回だったのです。

スペシャルゲスト

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今回はベテランDTPデザイナーの倉田美幸ちゃん(thinkforme)が参加してくださって、質問に答えたり、現役デザイナーとしての話を多く聞かせてくれました。

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もうおひと方。午前に開催されたXDUGにも参加してくださった森大輔さんが神戸から参戦してくださいました。
彼が参加してくださるとどの勉強会も内容が20%濃くなるんです!非常に有益で向学心にあふれた方です。
noteに『【新人デザイナー必見】DTPデザインデータを作る際に気をつける7つのこと』という記事も書かれています。ありがてぇ!

ここからは本題に入るのですが、なにせ初学者なもんで覚えておきたいキーワードを書き込んでいく感じになることをお許しください(キャー貧相!)

トンボの話

Q 印刷データを見ると必ずと言っていいほど見るアートボード の端っこで額みたいに佇んでいるあいつ、トンボ
あいつはpdf入稿の時もいるのか?という質問。
A 「いらない / いる」の両意見。
「いらない」意見・・・確かにpdf入稿の時はトンボはいらない。デザインする時にはトンボは必要なし。
「いる」意見・・・アートボード を仕上がりサイズで作る時に必要。
オンデマンド印刷だからトンボがいらない、とかではなく
自分でカットして原寸で確認する時には絶対必要なものがトンボ。

オンラインの印刷会社について

トンボやpdf入稿の話から、テンプレートに話は派生しました。
テンプレートはオンラインの印刷会社がそれぞれに提供しているもので、なんなら印刷会社を先に決めておいてからそのテンプレートで作り始めると楽という意見が。確かに!入稿する時になってもたもたする無駄がないかも。

倉田美幸ちゃんのオススメのオンライン印刷

プリントパック・・安い!(テンプレ有り)
グラフィック・・紙の種類が豊富(テンプレ有り)
レトロ印刷・・2色印刷(最大6色までできる)シルクスクリーン印刷

紙の話

グラフィックさんの紙の種類の話から、紙の種類やオススメの紙を紹介してもらいました。
・コート(つるぴか質感)
・マット(さらっとした質感)
・上質紙(紙そのままの風合い)

紙を選ぶコツ

作りたいものをイメージし、出来上がった印刷物を手に取った時の印象を想像して選ぶとのこと。印刷会社が紙見本を扱っているので入手するのも手。

オススメの紙

・バンヌーボー(発色が全然違う)表面に風合いがあってオフホワイト

・NTラシャ(すべすべした感じ)
・ミスタービー
・ライトスタッフ
どの紙も参加者から「そうそう!!」という共感の声が上がるものばかり。お値段はそれなりにしますよね、そりゃ。

サイズ色々

Q 罫線の最小値ってどのくらい?
A 0.25pt
(トンボの線幅)
ちなみに文字サイズは5ptがギリギリ。

標準テキストは新聞のフォントサイズで7前後〜9くらいまで
名刺の名前は12~16ptで、住所は7〜9ptが目安


印刷物をデザインする時に気をつけたいこと

印刷だとデザインの自由度がかなり高くなる。ついつい情報を詰め込んだり、見せ方をあれこれ工夫したくなる!でも、重要な箇所(訴求ポイント)は空白を多めにすることで目が行きやすくなります。
あと、カーニングはとても大切。

EPSいうて何?

Webの仕事をしていても、パンフレットからサイトを作成してくれ、なんて依頼が結構ありまして、その度にeps画像というものをpngに変換して圧縮…っていう手間をかけてきたので、私にとってepsってちょっと嫌な存在。
最近は印刷データでだいぶん扱うことが少なくなったとも聞きましたが、それはそうとepsって何なん?
epsデータとは、印刷に適したデータのことで透過できるデータの事。
なぜ印刷物にepsデータを使用するかというと、pngがRGBにしか対応しないから。なるほど!!!!長年のモヤモヤが今、この瞬間晴れました。

人気の加工

名刺などを作成する時に紙をこだわるほかに、加工を工夫することで特別感が出るようです。
・箔押し(キラリ光る色が入ることでぐっとハイクオリティに)
・型抜き(名刺の角を丸くしたり、面白い形にかたどったり)

試し刷り(色校正)

入稿はベテランの人でも一番緊張するもの。
発注枚数が多ければ多いほど失敗は許されないので、印刷会社に前もって校正や試し刷りを依頼することもできるそう。
プルーフといわれる簡易的な試し刷りから、本機校正という本格的な色校正のやり方もあるらしい。
(参考;色校正には校正刷り・プルーフ・DDCPなどがあるが、何がどう違う?

入稿に関して

DTPのベテランわさびたろうさんによると、10年近く前、DTP界隈ではこう言われていたそうだ。

PDF/X-1aデータ入稿にしときゃ間違いない。

なんじゃそりゃ。
PDF/X-1aデータ入稿って何よ?

PDF/Xとは、印刷上のトラブルの原因となるカラー、フォント、配置画像などの諸設定の運用を制限し、円滑な印刷工程を実現するもので、デジタルデータを印刷会社へ入稿する際の統一フォーマットの一つとして、2001年にISO(国際標準化機構)に認定されました。
PDF/Xにはいくつかの種類がありますが、印刷入稿用としてISOの基準になっているのはPDF/X-1およびPDF/X-1a(ピーディーエフ エックス ワンエー)です。PDF/X-1aは出力前に、あらかじめ透明の分割処理やCMYK変換が必要で、従来のEPSファイルと同様にCPSI系のRIPからの出力を行います。透明効果を分割するので、トラブルの発生する可能性が少なく、多くの印刷会社が採用していました。現在では、Adobe PDF Print EngineによるPDFのダイレクト出力が推奨運用となっており、従来のフローに比べると処理時間の短縮と、透明効果が使用されたRGBワークフローや文字の品質向上が図られています。
出典『松尾印刷株式会社』

でも今はそうでもないらしい。技術が進歩したものですね。

仕事が大きい時

どれだけ確認してもミスは起こるもの。かなしいけれどそれを肝に命じ最終チェックはお客さんにも必ずしてもらわなくてはいけないし、それでも印刷後にミスが出た場合を想定して契約書も最初に交わしておくべき!と倉田美幸ちゃん。
契約書に約束事を記載しておくことによって、最悪の場合でも印刷代を折半してもらったりできる。だから仕事が大きければ大きいほど契約書は必須。

Adobe Illustrator以外のソフト

Q 印刷系の仕事をする時にAdobe Illustrator以外のソフトってどういうものが使われますか?
Adobe InDesignが使われることがあります。
が、Adobe InDesignは24ページ以上(アートボード でいうと12ページ以上)の冊子や本を作る時に使われるイメージ。
Adobe InDesignはイラレとフォトショがくっついたような機能を持っていて、ノンブルをつける時などに重宝するとな。
まぁ、12ページ以上アウトボードのあるイラレは重くて大変でしょうね。

オススメプラグインなど

最後に、tantan先生が目を輝かせて語り出したのは、何を隠そうイラレで使える便利なスクリプトの話。
改行した文章を切り離したり、位置を変えずに揃えを変えたり。
便利で時短できることに越したこたぁない!
Web制作にしろ印刷物を制作するにしろ、チェックしとくはやはりこのサイトですよね!!という紹介で、このレポートはおしまいにしましょう。

Adobeエバンジェリスト鷹野大先生の有益な情報サイト

これまた自由自在にスクリプトを開発されるしたたか企画さんのサイト。

次回は‥

9月5日『ヒロフロデザイン部ーレタッチ勉強会ー』
復活した途端にXDUGより頻繁に回を重ねるという、つくづく愛しい勉強会。次回も非常に楽しみでございます。

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