見出し画像

片足ケンケンと逆上がり

学童保育の外遊びの時間に、石けりをして見せようとして、片足ケンケンができないのに気づいて愕然としました。

同じ場所でごく低いジャンプを数回片足で、というのならどうにかできます。
けれども、少し移動距離があると着地の時点でよろけて両足が着いてしまったり、かろうじてキープしても次の輪に移るのは無理、ましてや石を蹴るなんて神技にも感じます。

いやあ…いつごろからできなくなったのか…

最後に逆上がりをしたのは、四十五歳の時でした。

私は子どもの頃鉄棒が得意で、休み時間は校庭に出て鉄棒ばかりしていました。
前回り、後ろ回り、片膝掛け回り、両足掛け回り、鉄棒の上に座って、両手を離すと同時に後ろに回って、くるっと半回転して着地、なんてのもお手のものでした。

中学校に上がると、体育の授業に鉄棒はありませんから体操部でもなければ鉄棒をする機会はなくなります。

以後鉄棒に触れたのは結婚してから、近所のお宮の児童公園に子どもを連れて行ったときでした。
小学生も遊びに来ていて、鉄棒をしていたので興に乗って逆上がりをして見せました。
その時三十代の始め、子どもたちを育てる頃は、そんな風に何回か逆上がりをする機会がありました。

そして、最後の逆上がりをした時のこと。
三六歳で出産した末の子が小学生になっていました。私は四十五歳。

逆手では怖くて、順手で鉄棒を掴み、足で地面を蹴りました。
太ももの付け根のところを力点にして、振り上げた足の先を後ろ方向に下ろした時、両腕が鉄棒から外れそうになりました。
まずい、と思いましたがここでやめたら頭から落ちてしまいます。

回りきるまで、腕が身体の重みに耐えられないかもしれないという恐怖がよぎりました。
満身の力を込めて鉄の棒を握りました。
僅かな一瞬がとても長く感じました。

ようやく身体を回し切ると、腕は脱力しだらんと伸びました。
次の瞬間、ぐるぐると景色が周りだしました。
崩れ落ちるように地面に腰を下ろし、しばらく立ち上がることができませんでした。



※夕暮れの鉄棒の画像はいなさんよりお借りしています。ありがとうございます♪



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?