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衝撃のラストで納得【オーディブル】ペテロの葬列〜宮部みゆき/著

杉村三郎シリーズ三作目『ペテロの葬列』聴き終わった。
上下巻あり、長い話で途中スピーカーから離れて聞き逃した部分もある。
もしかしたら、このシリーズ三作目の衝撃のラストに至る伏線を聴いていない可能性も…
まあ細かいことはさておいて(置くのか⁇)、杉村三郎シリーズが続くことは間違いなさそうなのでよかった。
そんなことはドラマを見たり本で読まれた方はとっくにご存知でしょうが(笑)

後出しジャンケンになるが、シリーズ一作目からずっと、杉村夫婦の在り方には危ういものを感じていた。
作者は初めから人物像を決めて物語を展開させるモノじゃないかと素人的には思うのだけれど、杉村妻はあんまり幸せそうに感じられなかった。
非の打ちどころなく恵まれているゆえに…

杉村夫は類まれな人格者だけれど、生家との関係が危うい。
結婚して本当に幸せなのか、重荷ではないのか?
ずっと気になっていた。

そして、シリーズ全般通奏低音として流れているのは、家族に恵まれない人、お金に困っている人、うまく生きることができない不運な人たちの喘ぎ声だ。
金はあり過ぎても不自由だし、なさ過ぎるのも不自由だ…
資産家の娘を娶った杉村三郎は、なぜ事件に関わってしまうのか?
未来永劫何一つ不自由のないことが約束されている己の人生に、何のために不条理を持ち込むのか。
高みから、苦しむ人たちに慈悲を与えている気なのか…

衝撃のラストは、私の不可解や疑問を払拭した、ある意味納得のラストだった。

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