少し寂しい
勝手口を出たところは屋根があり、大工さんに北側を波板で囲ってもらってある。
扉をつけていないので真夜中には狐やイタチや狸が来ているかもしれない。
昨年飼い猫が亡くなるまでは、警戒してなのかそれらを見かけたことはなかった。
猫がいなくなった夏の初め、蛍光灯の傘に燕が巣を作った。
ところが、ある朝ヒナたちの声がしないので見ると、巣はもぬけのからでコンクリートの床にヒナの亡き骸が落ちていた。
小動物は物置の屋根に登り、10cmくらいの隙間から巣に飛び移ってヒナを捕獲したらしい。
燕は今年も懲りずにやっていた。
どうも別の番が巣を再利用したらしい。
夫は物置の屋根づたいに誰も歩けないように、三角柱に折った段ボール紙を横に置いた。
工夫の甲斐あって燕たちは無事に育ち、いよいよ一人前になった。
数日前から順番に、電線に並んで飛行訓練をしている。
巣の真下の床にはフンや餌となったトンボの羽やらの残骸をキャッチするために段ボールを敷いているので、片付けなくてはならない。
少し面倒くさい。
台所の出窓を開けて、親鳥たちが甲斐甲斐しく世話をする様子を見るのを楽しみにしていた。
少し寂しい。
今日は夏の高校野球島根県大会決勝戦だ。
地元大社高校の活躍を祈って。
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