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縁石でバンパーをこする

曲がるべき交差点を通り過ぎてしまったので、交差点からほど近い、どこかの駐車場に入るために縁石が途切れている広い歩道に入り車を返し、そこから道路を右に出ようとした。

交差点の信号が青で、右からも左からも直進車が途切れない。
ようやく赤に変わり、運良く右からは直進車がなく、左からも二台が連なるだけだった。

一台目が赤信号で停車したタイミングで、右折の方向指示ランプを点滅させてから車を発進させた。

目算では、交差点の先頭で停車している車の後ろに、左から来る二台目が停まった後ろに、すーっと入り込めるはずだった。

ところが、二台目の車は、先頭の車よりちょうど車一台分ほど、スペースを空けて停車してしまった。
それで私は、反対車線や交差点の右折ラインを塞ぐかっこうで、道路をほぼ垂直に立ち往生してしまった。

二台目の車の運転席の窓に、火の付いたタバコを挟んだヒジがかけられている。
時折、灰が路上に落とされる。
なぜこの人は、交差点で車一台分空けて停車しているのだろう?
わからない、わからないけれど、空いているのだから前に詰めてほしい。
詰めてくれさえすれば、私が三方向からの車の進行を妨害しているのを止めることができる。

でも全く気付く気配がない。
仕方がないのでごく短くクラクションを鳴らした。
不適切な使い方だとはわかっているけれど、背に腹は変えられない。

聞こえたのか聞こえなかったのか、二台目の車は動かない。
よく見ると、二台目の車は交差点の停止線の前で止まっていた。
つまり、前の車が車一台分オーバーランして停車させており、後続車は停止線で停めたのだ。

この人は何も悪くない。
悪くないけど、気の利かんやつだ!
(ほとんど逆恨み)

そのうち信号が青になり、すでに直進して来ていた三台目の車が快く割り込みさせて下さったので、私はようやく道路を塞ぐのから解放された。

しかし!
道路を塞ぐのをできるだけ最小限にしようと、赤信号の間に垂直のまま前に出していたので、目一杯ハンドルを右に切っても体勢を戻せなかった。

しゃしゃしゃしゃしゃしゃ…という縁石を擦る音が自車の左前方向から聞こえた。
手応えはそれほどなかった。
夢であって欲しかった。

目的地に着いて確認すると、左前下のバンパーが見事に削られていたのであった…

😭


※ヘッダー画像は2017年11月29日大阪にて。

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