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【オーディブル】行きつ戻りつ死ぬまで思案中/垣谷 美雨 著

先日聴いたエッセイ集。

お前は俺か?(失礼!)
と思うくらい、似たような考え方をされると感じる箇所が多かった。
書籍で読んでいないので引用できないし、一度聴いただけなので曖昧ではありますが…

著者の小説もいくつかオーディブルで聴いたけれど、正直な話小説よりエッセイが面白かった。
小説ははじめ辛口で赤裸々だけれど、最終的には丸く収まる。
だから読後感(聴後感?)は爽やかで「いい話だったなあ」と思う。
エッセイ集はそうでもない。ことさら、立派であろうとしないところに好感を持った。
終わり方なんて、ほんとにこれでいいんですか?と思ったよ。

もちろん筆者は私じゃないのだから、生まれ育った家も土地も環境も違う、ぜんぜん似ていない。むしろ対極にある。

もっとも大きな違いは、著者は仕事をしながら子育てをされたところだ。
ほぼ同じ時代を生きているのに、世間から受け取ったものが異なっている。
『仕事を続けている母親は頭が悪いと思われている』と想像されていたらしいのはちょっと驚いた。

なぜなら、専業主婦の私は真逆のことを仕事を持つ同世代に思われていると想像していた(事実ネットに書かれていたのを見つけたことがある)
つまり、『無能だから主婦しかできない』のだと。
今でこそ笑い話だが、当時は悲しかった。

やれやれ、お互い、自分の見ている世間を真実だと信じていたに過ぎなかったのだ。

戦いすんで日が暮れて、とは某作家の著作のタイトルになるが、こうしてめでたく還暦を越してみれば、有職も無職も行き着くところは同じようなもんだ!とほくそ笑んだ。

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